1. 基本の使い方
プリセットから作成する
Kagemusha には 200 以上のサービスプリセットが組み込まれています。Gmail、Slack、Notion、ChatGPT など主要な Web サービスのアイコンと URL があらかじめ登録されているため、リストから選ぶだけで即座にアプリを作成できます。
- Kagemusha を起動し、「アプリを作成」ボタンをクリック
- プリセット一覧から使いたいサービスを選択(検索バーでフィルタリング可能)
- 必要に応じてオプションを調整
- 「作成」ボタンをクリック
カスタム URL から作成する
プリセットにないサービスや社内ツールも、URL を直接入力して作成できます。
- 「カスタム」タブを選択
- URL(例:
https://example.com)を入力 - アプリ名を入力
- アイコンをドラッグ&ドロップまたはファイル選択で設定(任意)
- オプションを調整して「作成」をクリック
オプション設定
アプリ作成時に以下のオプションを設定できます。各項目の詳細は次章「設定項目リファレンス」を参照してください。すべてのオプションはアプリ作成後も変更可能です。
2. 設定項目リファレンス
ブラウザエンジン
アプリのベースとなるブラウザを選択します。お使いの Mac にインストールされているブラウザのみ選択可能です。
- Chrome — 最も安定。拡張機能のエコシステムが充実。迷ったらこれ
- Brave — 広告ブロック・トラッキング防止を標準搭載。ニュースサイトや動画視聴に最適
- Edge — Microsoft 365 との相性が良い。Copilot 連携
- Opera — 軽量でメモリ効率が良い。VPN 機能を内蔵
- Vivaldi — カスタマイズ性が高い。パワーユーザー向け
- Chromium — オープンソース版 Chrome。余計な機能なし
- Arc — モダンな UI。Space 機能との親和性が高い
選んだブラウザの実体ファイルを symlink で参照するため、ブラウザをアップデートするとアプリにも自動的に反映されます。ブラウザ本体に影響を与えることはありません。
タブバー
ブラウザのタブバー(アドレスバー + タブ)をアプリに表示するかどうかを切り替えます。
- ON — アドレスバーとタブバーが表示されます。複数タブの操作やURL確認が必要な場合に便利です
- OFF(デフォルト) — タブバーが非表示になり、Web コンテンツだけが表示されます。ネイティブアプリに近い見た目になります
Quick Setup で複数 URL を設定した場合、タブバーは自動的に ON になります。タブバーが OFF のまま Quick Setup を使うと、設定した URL は裏タブとして読み込まれますが、タブ切り替えの UI がないため操作しづらくなります。
Chrome 拡張機能
Chrome Web Store の拡張機能をアプリ内で使用できるようにします。
- ON — アプリ起動時に拡張機能のサイドバーが表示され、Chrome Web Store から拡張機能をインストールして利用できます
- OFF(デフォルト) — 拡張機能は無効です
各アプリのプロファイルは独立しているため、アプリごとに異なる拡張機能をインストールできます。例えば翻訳アプリには翻訳拡張、開発ツールにはDevTools拡張といった使い分けが可能です。
通知
Web サイトの Push 通知を macOS のシステム通知として表示します。
- ON — アプリ内で通知許可が自動的に付与されます。Gmail の新着メール、Slack のメンション通知などを macOS の通知センターで受け取れます
- OFF(デフォルト) — Web サイトの通知リクエストが自動拒否されます
通知の設定は macOS の「システム設定 > 通知」からアプリごとに細かく制御できます(通知スタイル、サウンドのON/OFFなど)。
シークレットモード
アプリを常にシークレット(プライベート)モードで起動します。
- ON — 閲覧履歴、Cookie、サイトデータが保存されません。アプリを閉じるたびにセッションがクリアされます
- OFF(デフォルト) — 通常モードで起動します。ログイン状態や閲覧履歴が保持されます
プロファイル分離との違い: Kagemusha はアプリごとに独立したプロファイルを自動作成するため、シークレットモードを OFF にしていても、ブラウザ本体やほかのアプリとは Cookie やデータが完全に分離されています。シークレットモードは「アプリ自身にもデータを残さない」ための設定です。
Dock に表示
macOS の Dock にアプリアイコンを表示するかどうかを制御します。
- ON(デフォルト) — Dock にアイコンが常時表示されます。⌘+Tab でのアプリ切り替えが可能で、ウィンドウを閉じた後も Dock アイコンからアプリを復元できます
- OFF — Dock にアイコンが表示されません。メニューバーのみの表示になります。バックグラウンドで常駐させたいユーティリティ系のアプリに適しています
終了確認ダイアログ
⌘Q でアプリを終了しようとしたときに確認ダイアログを表示します。
- ON — 「本当に終了しますか?」という確認が表示されます。作業中の誤終了を防ぎたい場合に有効です
- OFF(デフォルト) — 確認なしですぐに終了します。素早く閉じたい場合に適しています
タブ復元
前回終了時に開いていたタブとスクロール位置を、次回起動時に自動で復元します。
- ON(デフォルト) — 終了前の状態がそのまま復元されます。作業の続きからすぐに再開できます
- OFF — 毎回、設定した URL(ホーム URL)から新しく開始します
ウィンドウハンドリング
リンクをクリックした際に新しいウィンドウ(ポップアップ)をどう扱うかを設定します。3 つのモードから選べます。
- すべてブロック — 新しいウィンドウを一切開きません。すべてのリンクを現在のウィンドウ内で開きます。余計なポップアップを完全に防ぎたい場合に
- スマート(デフォルト・推奨) — OAuth 認証やログインフローなど、必要なポップアップのみ許可し、広告や不要なポップアップはブロックします
- すべて許可 — 新しいウィンドウの生成をすべて許可します。ポップアップが動作しない問題が起きた場合に試してください
多くの場合は「スマート」がベストです。Google OAuth のログインなど、ポップアップが必要な場面でのみ新しいウィンドウが開きます。ポップアップに問題がある場合は「すべて許可」に切り替えてください。
Quick Setup
アプリ起動時に、複数の URL をタブとして一括で開く機能です。1 つのアプリで関連する複数のサービスにすぐアクセスできます。
設定方法:
- アプリの設定で「Quick Setup」セクションを展開
- 「URL を追加」ボタンをクリック
- 開きたい URL を入力(複数追加可能)
- ドラッグ&ドロップでタブの表示順を調整
使用例:
- 仕事セット — Gmail + Google Calendar + Google Drive を 1 アプリに
- 開発ツール — GitHub + CI/CD ダッシュボード + ドキュメントサイト
- 情報収集 — 日経 + Yahoo! ニュース + TradingView
Quick Setup を使う場合は「タブバー」を ON にすることを推奨します。タブバーなしでは複数タブ間の切り替えが困難です。
User-Agent
アプリがサーバーに送信する User-Agent 文字列を変更できます。Web サイトにどのブラウザ・デバイスからアクセスしているように見せるかを制御します。
- デフォルト — 選択したブラウザエンジンの標準 User-Agent をそのまま使用します
- iPhone — iPhone 版 Safari の User-Agent を送信します。モバイル版の表示を確認したい場合や、モバイル版のほうが軽量で使いやすい場合に
- Android — Android 版 Chrome の User-Agent を送信します
- iPad — iPad 版 Safari の User-Agent を送信します。タブレット向けレイアウトを利用したい場合に
- カスタム — 任意の User-Agent 文字列を手動で入力できます。特殊な要件がある場合に使用します
URL ルール
アプリ内でアクセスできる URL を制限する機能です。ホワイトリスト(許可リスト)とブラックリスト(ブロックリスト)の 2 種類があります。
ホワイトリスト(許可リスト)
指定したドメインやパスにのみアクセスを許可し、それ以外をブロックします。業務用アプリでアクセス先を限定したい場合に便利です。
ブラックリスト(ブロックリスト)
指定したドメインやパスへのアクセスをブロックします。それ以外は自由にアクセスできます。特定の外部サイトや広告ドメインをブロックしたい場合に使います。
書式:
example.com— ドメイン全体にマッチ(サブドメインを含む)*.example.com— サブドメインのみにマッチexample.com/path/*— 特定のパス配下にマッチ
使用例:
- 社内ツール用に
company.slack.comとcompany.atlassian.netのみホワイトリストに登録 - ニュースサイトの広告ドメインをブラックリストに登録して非表示に
Space モード
複数の Web サービスを 1 つのアプリウィンドウにまとめ、サイドバーで切り替えて使う機能です。通常のアプリが「1 アプリ = 1 サービス」なのに対し、Space は「1 アプリ = 複数サービス」を実現します。
Quick Setup との違い:
- Quick Setup — 同一ウィンドウの複数タブ。タブバーで切り替え。プロファイル(Cookie やログイン情報)は共通
- Space モード — サイドバーのアイコンで切り替え。各サービスが独立したビューを持ち、見た目はタブバーなしのクリーンな表示。プロファイルは Space 全体で共通
設定手順:
- 「アプリを作成」画面で「Space」モードを選択
- Space に含めるサービスをプリセットから選択、またはカスタム URL を追加
- 各サービスにアイコンを設定(自動取得またはカスタム)
- Space 全体のアプリ名とアイコンを設定
- 「作成」をクリック
活用例:
- 仕事 Space — Gmail + Google Calendar + Slack + Notion
- SNS Space — X + Instagram + Threads + Bluesky
- 動画 Space — YouTube + Netflix + Prime Video
- 開発 Space — GitHub + Vercel + Supabase + ChatGPT
テンプレートプロファイル
あらかじめログイン済みの状態を「テンプレート」として保存しておき、新しいアプリにそのプロファイルを適用できる機能です。アプリごとにログインし直す手間を省けます。
テンプレートの作成手順:
- Kagemusha の設定画面で「テンプレートプロファイル」セクションを開く
- 「新規テンプレートを作成」をクリック
- テンプレート名を入力(例: 「Google アカウント A」)
- テンプレート用のブラウザウィンドウが開くので、必要なサービスにログイン
- ログインが完了したらウィンドウを閉じる — プロファイルが自動保存されます
テンプレートの適用:
- アプリの作成画面または編集画面で「テンプレートプロファイル」を選択
- 作成済みのテンプレートを選ぶと、ログイン情報(Cookie)がコピーされます
テンプレートから作成されたアプリは、コピー後は独立したプロファイルとして動作します。テンプレートを後から変更しても、既存アプリには影響しません。
3. アプリの管理
アプリの編集(設定変更)
作成済みのアプリは、メイン画面のアプリ一覧から選択して設定を変更できます。変更可能な項目は作成時と同じオプション(ブラウザエンジンを除く)です。変更は保存後、次回のアプリ起動時に反映されます。
アイコン変更
アプリのアイコンは作成後でも自由に変更できます。新しい画像をドラッグ&ドロップするか、ファイル選択で画像を指定してください。四角い画像には macOS 標準の角丸(superellipse)が自動適用されます。
アプリの削除
不要になったアプリは一覧から削除できます。削除すると、アプリ本体(.app バンドル)とプロファイルデータの両方が削除されます。この操作は元に戻せません。
ブラウザ更新時の自動同期
Kagemusha で作成されたアプリはブラウザ本体へ symlink で参照しているため、ブラウザをアップデートするとアプリにも自動的に反映されます。特別な操作は必要ありません。
4. その他の設定
言語切替
日本語と英語の 2 言語に対応しています。設定画面の「一般」セクションから切り替えできます。
テーマ(外観)
ライト・ダーク・自動(システム設定に追従)の 3 つのテーマモードから選択できます。設定画面の「一般」セクションで変更します。
デフォルトアプリオプション
新しいアプリを作成する際のデフォルト設定を変更できます。よく使うオプションの組み合わせを保存しておくと、毎回設定する手間が省けます。
Dock ショートカット
Kagemusha 独自の Dock ランチャーを設定できます。作成したすべてのアプリをグリッド表示で一覧し、ワンクリックまたはキーボード操作で起動できます。背景色や透過度のカスタマイズも可能です。
データのエクスポート / インポート
Kagemusha の設定データ(アプリ一覧・各アプリの設定・ライセンス情報など)をファイルに書き出して、別の Mac に移行できます。
- エクスポート — 設定画面の「データ管理」から「エクスポート」をクリックすると、JSON 形式の設定ファイルが保存されます
- インポート — エクスポートした JSON ファイルを「インポート」から読み込むと、設定が復元されます
プロファイルデータ(Cookie やログイン情報)はエクスポートに含まれません。プロファイルデータの移行には「テンプレートプロファイル」機能をご利用ください。