医療費集計フォームをMacで使う|開くソフトと読み込み手順

医療費集計フォームをMacで使おうとすると、開くところ、保存するところ、読み込ませるところの3か所でつまずきます。理由ははっきりしていて、この様式がExcelブックの形式で配布されていることと、動作確認されている表計算ソフトが限られていることです。結論を先に書くと、Macでも使えますが、開くソフトの選び方と、読み込ませる画面の選び方を間違えると先へ進めません。順に切り分けます。

医療費集計フォームは、何をするための様式か

医療費集計フォームは、支払った医療費の内容を表計算ソフトで入力して集計するための様式です。入力して保存したデータは、確定申告書等作成コーナーの医療費控除の入力画面で読み込んで反映できます。領収書の枚数が多い場合に、画面へ1件ずつ打ち込む代わりに使う道具、という位置づけです。

配布されているのはExcelデータで、容量は414KBです。ダウンロードのページには、昨年ダウンロードした様式であるver3.1も引き続き使えると書かれています。毎年落とし直さなくてよい代わりに、様式が変わった年に古いものを使い続けると読み込めなくなる可能性があるため、確定申告の作業を始める前にページを開いて確かめておくほうが安全です。

先に押さえておく制約が1つあります。セルフメディケーション税制の適用を受ける場合、この集計フォームは使えません。医療費控除とセルフメディケーション税制は選択して適用するもので、両方を同時に受けることはできず、修正申告や更正の請求で選択を変更することもできないと案内されています。市販薬の購入が中心で、セルフメディケーション税制を選ぶ見込みがあるなら、集計フォームの準備より先にどちらを選ぶかを決めるのが順番です。

Macで開く前に、動作確認されている表計算ソフトを見る

ダウンロードのページには、留意事項として動作確認済みの表計算ソフトが並べられています。Microsoft Office Excel 2021、Microsoft Office Excel for Mac 2021、Microsoft Office Excel 2024、Microsoft Office Excel for Mac 2024、LibreOffice 25.2(25.2.6)、LibreOffice 25.8(25.8.2)の6つです。そして、これ以外の表計算ソフトでの動作を保証するものではない、と注記されています。

Mac側の選択肢として挙がっているのは、Excel for Mac 2021とExcel for Mac 2024、そしてLibreOfficeです。macOSに最初から入っているNumbersは、この一覧に入っていません。動かないと書かれているわけではありませんが、動作確認の対象ではない、という位置づけです。

ここでの現実的な選び方は3つに分かれます。ひとつめは、すでにMicrosoft 365やOfficeを契約していてExcel for Macが使える場合で、これがいちばん素直です。ふたつめは、Excelを持っていない場合にLibreOfficeを使う方法です。LibreOfficeは無料で配布されていてMac版があり、しかも動作確認の一覧に入っています。みっつめは、Numbersで開いて作業し、xlsx形式で書き出す方法です。手元の道具だけで済む代わりに、動作確認の外に出ます。

「医療費集計フォーム」は6つのソフトで確認されている、という事実だけを見れば、確定申告の締め切り前に試行錯誤をしたくない場合はひとつめかふたつめを選ぶほうが安全です。ここは好みの問題ではなく、失敗したときに時間を戻せるかどうかの問題です。

Numbersで作業する場合に起きやすいこと

Numbersで開いて作業する選び方をした場合、注意する点が2つあります。ひとつは書き出しの形式で、Numbersの独自形式のまま保存すると作成コーナーは読み込めません。ファイルメニューの書き出しからExcel形式を選び、拡張子がxlsxのファイルとして保存し直す手順が必要です。

もうひとつが、様式に組み込まれている仕掛けの扱いです。集計フォームには入力用のシートと集計の計算が含まれています。表計算ソフトを乗り換えると、入力規則、条件付き書式、シートの保護といった要素の扱いが変わることがあります。見た目の数字が合っていても、読み込む側が想定している形と違ってしまう、という壊れ方をします。Numbersで作業する場合は、行や列を足す、シート名を変える、不要に見える行を削除する、といった操作を避け、入力欄を埋めるだけにとどめるほうが通りやすくなります。

読み込みが通らなかった場合の確かめ方は、同じデータを数件だけ入れた小さいファイルを作り、それが読み込めるかを試すことです。全件を入れたあとで読み込めないと原因の切り分けに時間がかかりますが、数件で試しておけば、形式の問題なのか件数や内容の問題なのかがすぐ分かります。

内容の側でつまずきやすいのは、日付と金額の書き方です。表計算ソフトは、入力された文字列を自動で日付や数値として解釈します。この解釈がソフトによって違うため、同じように打ち込んだつもりでも、片方では日付、もう片方では文字列として保存される、ということが起きます。金額に円の記号やカンマを手で足した場合も同じで、見た目は整っていても数値として扱われないことがあります。入力欄には数字だけを入れ、表示の書式はそのままにしておくのが確実です。

医療を受けた人の氏名と、支払先の医療機関の名称も、表記をそろえておくと後が楽になります。同じ病院を「〇〇クリニック」と「〇〇クリニック」のように書き分けると、読み込んだあとの一覧で別々の支払先として並びます。合計額は変わりませんが、確認の手間が増えます。家族の分をまとめて入力する場合は、誰の分かを先に列で分けてから打ち始めると、あとから並べ替える作業が要りません。

読み込ませる画面を間違えると、そこで止まる

Macでの作業でとくに多い行き止まりが、読み込ませる画面の取り違えです。作成コーナーには、作成済みの申告データを読み込むための「xmlデータの読込」という画面があります。医療費集計フォームをここに入れようとすると、形式が違うので進みません。

医療費集計フォームや配当集計フォームなど、拡張子が「.xml」以外のデータは「xmlデータの読込」画面では読み込みできません。 出典: kanzaki3.com

実際に試した記録では、この画面に集計フォームを入れた時点でエラーになったと書かれています。

ここで医療費集計フォームで作成したデータを読み込ませると、xmlデータではないので無理ですとエラーを吐く。 出典: kanzaki3.com

正しい入口は、医療費控除の入力画面です。所得控除の入力まで進み、医療費控除を選び、その中にある集計フォームを読み込むための項目からファイルを指定します。ファイル選びのダイアログで拡張子が見えないと、どれが書き出したxlsxなのか判断できません。Finderの表示設定で拡張子を表示しておくと、この場面で迷いません。

読み込んだあとにもう1つ手順があります。データを読み込んだあとは、医療費控除の入力画面に反映された内容を必ず確認するよう案内されています。件数と合計額が手元の集計と合っているかを見る、という確認です。読み込めたことと、正しく入ったことは別です。

集計フォームを使わずに進める道もある

領収書の枚数がそれほど多くない場合や、表計算ソフトの準備でつまずいている場合は、集計フォームを使わない選び方もあります。医療費控除は「医療費控除の明細書」を確定申告書に添付して受ける仕組みで、集計フォームはその明細書を作るための補助にすぎません。画面に直接入力しても結果は同じです。

もうひとつの経路がマイナポータル連携です。マイナポータル連携を使うと、医療費控除に使える医療費通知情報をマイナポータル経由で取得し、確定申告書を作成する際に該当項目へ自動で入力できると案内されています。事前にマイナポータルで代理人の設定を行えば、申告に含められる家族の医療費通知情報も取得できます。代理人の設定には、申告する方と家族のマイナンバーカードが必要です。

ただし医療費通知情報に載るのは、健康保険が使われた分です。自費の診療、市販薬、通院のための交通費はここに出てきません。両方が混ざる場合は、通知情報で取れた分に手入力を足す形になります。そして領収書そのものは、提出しない代わりに自宅で5年間保管する必要があると明記されています。読み込んで入力が終わったから捨ててよい、ということにはなりません。

医療費の作業は、画面を行き来する作業になる

医療費控除の入力は、1つの画面で完結しません。集計フォームを開いた表計算ソフト、確定申告書等作成コーナー、領収書を撮影して保存した場所、通院の記録を残したカレンダー、家族分をまとめたメモを行き来します。これを1つのブラウザのタブの列に並べると、入力の途中で目的の画面を探す動作が毎回入り、集中が切れます。

作成コーナーの画面はSafariで開くのが推奨環境に沿った形です。であれば、それ以外の調べ物を同じ窓に持ち込まないほうが、申告の窓が手前に残ります。Macの標準機能でも独立した窓は作れます。SafariではmacOS Sonoma 14以降であれば、開いた状態でメニューバーの「ファイル」から「Dockに追加」を選びます。Chromeでは、右上のその他アイコンからページをアプリとしてインストールの項目を選びます。

独立した窓は、ログインの状態も分かれます。

Webアプリは、Safariとは別に機能します。閲覧履歴、Cookie、Webサイトデータ、設定情報はSafariと共有されません。そのため、Safariプロファイルを使う場合と同様に、ブラウズをほかとは切り分けることができます。 出典: support.apple.com

家族の分をまとめて申告する場合、この分離が効きます。1つのブラウザでアカウントを切り替えるより、窓ごとに分けるほうが取り違えが起きません。

作り方をそろえたい場合は、URLとアイコンを指定して独立した.appを作る専用の道具を使う経路があります。Safariの「Dockに追加」はmacOS Sonoma 14以降が前提で、ChromeのPWAはサイトによって項目そのものが出てこないため、年に一度の作業で毎回同じ手順を踏めるとは限りません。300以上のプリセットから選ぶだけでアプリにできる作りであれば、URLの入力もアイコンの用意も要りません。どこまで作れるかはできることに整理されており、作る流れは使い方ガイドにあります。

選ぶときに見る点は3つです。アプリごとにログイン状態を分けられるか、窓の大きさと位置を覚えてくれるか、ブラウザが更新されたあとも作った.appがそのまま動くか。登録済みのサービスは対応サービス一覧で確認でき、無料で作れる範囲は料金に、細かい挙動の違いはよくある質問に書かれています。

進め方としては、まず開く表計算ソフトを動作確認の一覧から選び、数件のデータで読み込みを試し、通ることを確かめてから全件を入力するのが確実です。締め切りの前日に形式の問題に気づく、という事態を避けられます。

よくある質問

医療費集計フォームはMacのNumbersで開けますか?

開くこと自体はできますが、ダウンロードのページで動作確認済みとして挙げられているのは、Microsoft Office Excel 2021とExcel for Mac 2021、Excel 2024とExcel for Mac 2024、LibreOffice 25.2と25.8の6つです。Numbersはこの一覧にありません。使う場合はxlsx形式で書き出し、数件のデータで読み込みを先に試してください。

Excelを持っていません。無料の選択肢はありますか?

LibreOfficeが動作確認の一覧に入っています。25.2(25.2.6)と25.8(25.8.2)が挙げられており、Mac版が無料で配布されています。Excelを新しく契約するほどの用途でない場合は、こちらを使うと動作確認の範囲内で作業できます。

集計フォームを読み込ませるとエラーになります。

読み込ませる画面が違う可能性があります。「xmlデータの読込」の画面は、拡張子がxmlのデータを読み込むための入口で、集計フォームは対象外です。所得控除の入力から医療費控除へ進み、その中にある集計フォームを読み込む項目からファイルを指定してください。読み込んだあとは、反映された内容の確認も案内されています。

セルフメディケーション税制でも集計フォームを使えますか?

使えません。ダウンロードのページに、セルフメディケーション税制の適用を受ける方は医療費集計フォームを利用できないと明記されています。医療費控除とセルフメディケーション税制は選択して適用するもので、修正申告や更正の請求で選択を変更することもできないと案内されています。

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