MacBookでGmailを仕事用と私用に分ける|アカウント混在をやめる手順

MacBookでGmailを開くとき、ブラウザのタブがそのまま受信箱になっている人は多いはずです。仕事用と私用のアカウントを1つのブラウザにまとめて入れていると、差出人を取り違えたり、開いたつもりの側と違う受信箱が出たりします。ここでは、パソコンでGmailを扱う入口を整理したうえで、仕事用をどこに置けば混ざらなくなるのかを決められるようにします。

パソコンでGmailを開く入口は2種類しかない

MacBookでGmailを使う方法は、大きく2つに分かれます。ブラウザでmail.google.comを開く形と、Macに最初から入っている「メール」にGmailのアカウントを読み込ませる形です。前者はGoogleが作った画面がそのまま出るので、ラベル・スヌーズ・検索演算子・スレッド表示といったGmail固有の機能が全部使えます。後者はAppleが作った画面にメールだけが流れ込むので、見た目と操作はMacの他のアプリに揃いますが、Gmail側の機能はすべて使えるわけではありません。

多くの人が前者を選び、そしてブラウザのタブに置きっぱなしにします。ここまでは自然な流れです。問題が起きるのは、扱うアカウントが2つ以上になった瞬間です。仕事で使う会社のアドレスと、私用のアドレス。あるいは本業と副業。同じブラウザに両方を入れると、Gmailの画面は右上のアイコンで切り替える形になり、どちらが前面に出ているかは見た目の小さな丸だけで区別することになります。

もう1つ見落とされがちなのが、受信箱をタブに置いた状態の性質です。タブは横に並ぶほど1枚あたりの幅が縮み、見出しが消えてファビコンだけになります。Gmailと Googleドライブと Googleカレンダーは色も形も近く、幅が縮んだ状態では見分けが付きません。1日に何十回も開くものが、いちばん見つけにくい場所にある状態が固定されてしまいます。タブを閉じないようにピン留めしておく手もありますが、ピン留めしたタブは幅がさらに縮んでアイコンだけになるため、見分けにくさという点では悪化します。

同時ログインは切り替えであって分離ではない

2つのアカウントを1つのブラウザに入れる方法として、Googleは複数アカウントへの同時ログインを用意しています。ログアウトとログインを繰り返さずに済む便利な仕組みですが、これは分離ではなく切り替えです。どちらのアカウントで動いているかの判断を、ブラウザとGoogleの側が肩代わりしている状態になります。

Googleのヘルプは、この仕組みの限界をはっきり書いています。

複数のアカウントに同時にログインしている場合、使用しているアカウントがどれか Google で判断できなくなることがあります。たとえば、2 つのアカウントにログインした状態で、新しいブラウザ ウィンドウを開く場合に、どちらのアカウントを使用するか判断できないことがあります。 出典: support.google.com

このときに使われるのが、最初にログインしたアカウント、つまり既定のアカウントの設定です。実務で困るのはメールそのものよりも周辺です。メールの中のリンクをクリックして開いた共有ドキュメントが権限なしと表示される。カレンダーの招待を開いたら別のアカウントの予定表が出る。こうした事故は、切り替えの仕組みを正しく使っていても起こります。判断の材料が足りないのが原因なので、使い方を丁寧にしても消えません。

さらに、同時ログインでは拡張機能・Cookie・履歴・保存したパスワードがすべて共有されます。仕事で使う経費精算や勤怠の画面と、私用のショッピングサイトが、同じ入れ物の中で並びます。会社の端末管理の方針によっては、この状態そのものが避けるべき形とされていることもあります。

Macの「メール」に入れる道の向き不向き

MacBookには「メール」が最初から入っていて、ここにGmailのアカウントを追加できます。システム設定のインターネットアカウントからGoogleを選べば、メールと連絡先とカレンダーをまとめて取り込めます。この道が向いているのは、複数の会社のアドレスを1つの画面で読みたい場合や、通信が不安定な場所で過去のメールを読み返す場合です。受信済みのメールが手元に保存されるため、回線が切れていても検索できます。

向かないのは、Gmail側の機能に依存した使い方をしている場合です。ラベルを複数付けて分類する運用、送信取り消しの待ち時間、スヌーズによる再浮上、検索演算子を組み合わせた絞り込みなどは、Gmailの画面を前提に作られています。「メール」の側にも似た機能はありますが、同じ名前で同じ挙動をするとは限りません。特に、すでにラベルを何十個も作って回している人がアプリ側へ移ると、フォルダの階層に変換された結果を見て混乱することになります。

判断の基準は単純です。Gmailの画面で覚えた操作を今後も使い続けたいなら、入口はブラウザのままにするのが素直です。そのうえで、混ざる問題だけを別の方法で解く方が、移行のやり直しが起きません。

なお、「メール」に2つのアカウントを追加した場合も、混ざる問題は完全には消えません。受信箱は分かれて表示されますが、返信のときに差出人を選び間違えれば、私用のアドレスから仕事のメールが出ていきます。どの方法を選んでも、1つの画面に2つのアカウントを同居させている限り、選ぶという操作は残り続けます。選択そのものを無くしたいなら、画面を分けるしかありません。

仕事用の受信箱を独立した窓に出す

入口をブラウザの仕組みに置いたまま混ざらないようにする方法が、受信箱を独立した窓として切り出すやり方です。Chromeの系統のブラウザには、開いているページをアプリとして端末に入れる機能があり、Googleのヘルプにも手順が案内されています。作られたものはDockに並び、タブの帯を持たない1枚の画面として開きます。

ただし、この標準の機能だけでは、いま話している混ざる問題は解けません。作られた窓は元のブラウザとログイン情報を共有するため、既定のアカウントの影響をそのまま受けます。仕事用のつもりで作った窓を開いたら私用の受信箱が出る、という状態が起こり得ます。

分離まで踏み込むには、窓ごとに独立したブラウザのプロファイルを割り当てる必要があります。プロファイルが分かれていれば、Cookieもログイン状態も履歴も窓ごとに閉じるため、片方でログアウトしてももう片方は影響を受けません。仕事用の窓を開けば仕事用の受信箱が出る、という状態を作れます。この考え方はできることに整理されていて、アプリごとに独立したプロファイルが自動で割り当てられる仕組みが説明されています。

差出人の取り違えは設定ではなく置き場所の問題

仕事用と私用が混ざったときにいちばん痛いのは、差出人を間違えて送ってしまう事故です。Gmailには1つのアカウントから複数のアドレスで送る仕組みがあり、返信のときに元のメールの宛先に合わせて差出人を選ぶ設定も用意されています。設定を正しく入れておけば、多くの場面では正しい側から送られます。

それでも取り違えが消えないのは、新規作成のときです。返信ではなく自分から書き始めるメールは、参照する元のメールが存在しないため、既定の差出人がそのまま使われます。画面の上のほうに小さく出ている差出人欄を毎回確認する運用でしのぐことはできますが、急いでいるときほど見落とします。これは注意力の問題ではなく、1つの画面に2つの人格を同居させている構造の問題です。

置き場所を分けると、この構造そのものが消えます。仕事用の窓には仕事用のアカウントしかログインしていないため、新規作成を押した時点で選択肢が1つしかありません。間違えようがない状態を作るほうが、毎回確認する習慣を身に付けるより確実です。同じ理屈は、署名の切り替えや、添付するファイルの取り違えにも当てはまります。窓を開いた時点で文脈が固定されるので、頭の切り替えを人間の側でやらなくて済みます。

共有のMacを家族と使っている場合や、1台のMacBookで2つの会社の仕事を受けている場合は、この効果がさらに大きくなります。Macのユーザアカウントごと分ける方法もありますが、ログインし直す手間が毎回かかるうえ、同時に見ることができません。窓の単位で分けておけば、両方を並べたまま、中身だけが交わらない状態になります。

分ける前に決めておく4つの設定

窓を作る作業そのものは数分で終わります。あとから面倒になるかどうかは、作る前に決めておく項目で変わります。

1つ目は開く先です。mail.google.comのトップではなく、そのアカウントを指定した形で開くようにしておくと、既定のアカウントに引っ張られる余地が減ります。2つ目は名前とアイコンです。仕事用と私用で同じアイコンにすると、Dockに2つ並んだときに区別できません。色や文字を変えておくと、Command+Tabの一覧でも迷いません。

3つ目は拡張機能です。パスワード管理や翻訳は残したい一方で、ページの中身を書き換える種類のものは、メールの本文が崩れる原因になります。アプリごとに拡張機能をオンとオフで切り替えられる形にしておけば、仕事用の窓だけを素の状態に近付けられます。4つ目は通知です。仕事用だけ通知を出し、私用は切る。この設定が窓ごとに持てるかどうかで、夜の静けさが変わります。

手順の全体は使い方ガイドにまとまっています。作る前にこの4項目を紙に書き出しておくと、2つ目以降の窓を作るときに迷いが消えます。

分けたあとに何が変わるか

分離が効くのは、メールを読む時間そのものではありません。効くのは、メールから先に進んだときです。仕事用の窓の中で共有ドキュメントのリンクを開けば、その窓のログイン状態で開くので、権限なしの画面に当たりません。私用の窓で買い物の確認メールからサイトへ飛んでも、仕事用のログイン情報は関与しません。往復のたびに起きていた数十秒の迷いが、まとめて消えます。

同じ考え方は、メール以外にも当てはまります。対応サービス一覧には300以上のプリセットからすぐ作れる形で分野別にサービスが並んでおり、チャット・カレンダー・ファイル共有・会計のように、アカウントを2つ持ちやすいものが多く含まれています。仕事用と私用が混ざって困るものは、たいてい同じ会社のサービスで固まっているため、1つ分けると芋づる式に整理が進みます。

費用の面も先に見ておくと判断が早くなります。まず3アプリまでは無料で作れて、機能の制限はありません。無制限に作りたくなった時点で3,980円の買い切りに移る形になっていて、月額の支払いは発生しません。条件は料金に書かれています。仕事用と私用のGmailを分けるだけなら2つで足りるので、無料の範囲で結論を出せます。

動くための前提はmacOS 12以降と、Chromeの系統のブラウザが1つ入っていることです。ブラウザの更新でアイコンが戻ったり起動しなくなったりする問題への対処、生成した窓を消したときにログイン情報がどうなるかといった点はよくある質問にまとめられています。分ける作業に取りかかる前に、この欄を一度読んでおくと、あとから戻す手順に迷いません。

よくある質問

MacBook用のGmailアプリはApp Storeで配られていますか?

パソコン向けのGmailは、ブラウザでmail.google.comを開く形が基本です。もう1つの道として、Macに最初から入っている「メール」にGoogleアカウントを追加して読み込ませる方法があります。Gmail側のラベルやスヌーズをそのまま使いたい場合はブラウザの画面が向いており、その画面を独立した窓に出すという第3の選択肢もあります。

同時ログインで切り替えれば、仕事用と私用は分けられますか?

切り替えはできますが、分離にはなりません。Googleのヘルプにも、複数のアカウントに同時にログインしているとどちらを使っているか判断できない場合があり、既定のアカウントの設定が適用されることがあると書かれています。Cookieや拡張機能も共有されるため、メールから先のリンクを開いたときにずれが出ます。

仕事用と私用を分けると、通知は二重に来ますか?

窓ごとに通知の設定を持てる形にしておけば、二重にはなりません。仕事用だけ通知を出し、私用は切る、といった配分ができます。Dockのアイコンに付く赤いバッジも窓ごとに分かれるため、どちらに未読があるのかがアイコンを見た時点で分かります。

分けたあとに元のブラウザのタブは閉じてよいですか?

閉じて問題ありません。独立した窓の中に別のログイン状態が保持されるため、元のブラウザ側のログインとは無関係に動きます。むしろ両方を開いたままにすると、どちらで読んだか分からなくなり、未読の管理が二重になります。片方に寄せてから数日使い、困らなければタブの側を閉じる進め方が安全です。

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