KindleアプリをMacで使う|3つの読み方と、古いMacでの選び方
MacでKindleの本を読もうとすると、アプリを入れる道とブラウザで読む道が混在していて、どれが今の自分に合うのか分かりにくくなっています。特に、手元のMacが少し前の機種だと、App Storeの画面で条件を満たしていないと表示されて止まります。ここでは、Macで読むための選択肢を条件ごとに並べて、どれを選ぶと落ち着くのかを判断できるようにします。
Macで読む方法は3つに分かれる
Amazonが案内している読み方は、専用の端末、アプリ、ブラウザの3つです。Kindleの無料アプリを紹介するページには、iOS・Android・PC/Mac版がある、と書かれています。Macで読む場合、実際に選ぶことになるのはアプリかブラウザのどちらかです。
アプリはApp Storeから入れます。配布しているのはAMZN Mobile LLCで、同じ登録の中にiPhone用・iPad用・Mac用・Apple Vision用がまとめられています。ここで見落とされやすいのが、動作の条件が端末ごとに別々に書かれている点です。Mac版に必要な条件はmacOS 14以降です。iPhoneのほうはiOS 17以降なので、スマートフォンで読めているからといって、同じMacで入るとは限りません。
ブラウザで読む道は、read.amazon.co.jpです。長らくKindle Cloud Readerという名前で案内されてきたもので、Amazonのサイトには次のように書かれています。
Kindle Cloud Reader は現在 Kindle for Web と呼ばれています。 出典: read.amazon.co.jp
名前が変わっただけで、ブラウザで開いて読むという性質は同じです。古い解説記事ではCloud Readerという名前で手順が説明されていることがありますが、探す先は同じ場所です。インストールが要らないため、動作条件はブラウザ側の条件だけになります。Mac版のアプリが入らない機種でも、ブラウザが最新の状態なら読めます。
古いMacが取り残される仕組み
macOS 14以降という条件は、機種の古さと直結します。Appleは新しいmacOSを配るときに対象機種を絞るため、数年前のMacはある時点でOSの更新が止まります。更新が止まった機種は、その後に公開されたアプリの条件を満たせなくなり、App Storeで入手ボタンが押せない状態になります。
この構図は、読書のアプリに限りません。同じApp Storeで配られている別のアプリも、同じようにmacOS 14以降を求めているものが増えています。機械が壊れているわけでも、設定を間違えているわけでもないのに、できることが静かに減っていきます。買い替えの判断はそれとして必要ですが、読むという用途だけなら、買い替えを待たずに解決できます。手元の機械の性能が足りないわけではなく、配られ方の条件に当たっているだけだからです。
読むためだけに必要なのは、ページを表示して、ページをめくって、文字の大きさを変えられることです。これらはすべてブラウザ側で提供されています。Amazonの案内にも、テキストのサイズ・フォント・レイアウト・余白・背景色を調整でき、メモとハイライトを残せて、本文の検索と辞書の参照もできると書かれています。アプリでできることの中心部分は、ブラウザでも揃っています。読む体裁を整える設定はどちらにもあるので、読みやすさの差で悩む必要はほとんどありません。
ブラウザで読むと起きる、別種の不便
条件の問題は解けますが、ブラウザで読むと今度は落ち着かない、という声が出ます。理由は機能ではなく、置かれている場所にあります。
読書のページを、仕事のタブと並べて開くことになります。左には調べもののタブ、右にはメールのタブ、その間に本文。読み始めて数分で、隣のタブの未読の数字が視界に入ります。メールの件名がタイトルに出る種類のタブは、更新のたびに数字が変わるので、目が勝手にそちらへ動きます。紙の本を読むときには存在しなかった中断の種が、常に画面の上端に並んでいる状態です。
戻り方も面倒です。本を読んでいる途中で調べものをして、タブを2つ3つ開くと、読んでいたページがどこにあるか分からなくなります。ファビコンだけになった状態では、Amazonのタブがどれかを見分けるのに数秒かかります。1回数秒でも、1冊読み終えるまでに何十回も起きれば、読書の体感はかなり変わります。
さらに、ブラウザの拡張機能が本文の表示に干渉することがあります。広告を消す種類のものや、ページの見た目を書き換える種類のものは、本文のレイアウトを想定外の形に変えることがあります。読書のときだけ切りたいのに、ブラウザ全体で切ると他のサイトに影響が出る、という板挟みになります。
通信の状態で選び方が変わる
アプリとブラウザの差がはっきり出るのは、通信が不安定な場所です。端末に入れて使うアプリは、本の中身を手元に持っておく前提で作られています。飛行機の中や地下の移動中でも、すでに取り込んだ本なら開けます。ブラウザで読む形は、ページを受け取りながら表示する仕組みが基本なので、通信が切れると続きが出てこないことがあります。
そのため、選び方は読む場所で変わります。自宅や職場のように通信が安定した場所でしか読まないなら、ブラウザの道で困る場面はほとんどありません。逆に、移動中に読む時間がまとまって取れる人は、通信が切れても開ける形を持っておく価値があります。手元のMacが条件を満たしていて、かつ移動中に読むなら、App Store版を入れるのが素直な選択です。
両方を使い分けることもできます。Macでは画面の広さを生かして腰を据えて読み、移動中はスマートフォンで読む。読んだ位置はアカウント側で管理されているため、続きから開けます。この場合、Macの側はブラウザの道で足りることが多く、条件を満たさない機種でも実用に困りません。自分がどこで何分読んでいるかを1週間だけ数えてみると、どちらに寄せるべきかがはっきりします。
中断の回数を減らすという考え方
読書が続かない原因を、集中力の問題として片付けてしまうと、打つ手がなくなります。実際に効くのは、中断のきっかけを画面から減らすことです。
タブで読んでいるとき、視界に入るものを数えてみると分かりやすくなります。他のタブのタイトル、未読の数字、ブックマークバーに並んだリンク、アドレスバー、拡張機能のアイコン。本文の外側に、押せるものが常時20個近く並んでいる状態です。押せるものが目に入ると、脳は押したときに起きることを一瞬考えます。1回あたりは一瞬でも、1時間の読書の間に何十回も起きます。
独立した窓にすると、この押せるものがほぼ消えます。残るのは本文と、必要最小限の操作だけです。読み終わって窓を閉じれば、そこで読書の時間が区切られます。ブラウザのタブのままだと、読み終わりも閉じ始めも曖昧なまま、いつの間にか別のタブを見ている、という終わり方になりがちです。区切りを作るという意味でも、置き場所を分ける効果があります。
同じ理屈は、読む以外にも当てはまります。動画を見る、音声を聴く、資料を通読する。どれも、始めから終わりまで1つのことをする種類の作業です。作業の種類で画面を分けるという発想に切り替えると、どのページを独立させるべきかの判断が速くなります。
読むためだけの窓を1つ用意する
条件の問題をブラウザで解きつつ、落ち着かない問題も同時に解く方法が、読書のページを独立した窓として切り出すやり方です。Chromeの系統のブラウザで表示できるページなら、それを1つのアプリの形にして、Dockから開けるようにできます。中身はブラウザと同じ描画の仕組みなので、Mac版のアプリが求めるmacOS 14以降という条件とは関係がありません。
この形にすると、窓の中には本文しかありません。タブの帯もアドレスバーも出さない設定にできるため、画面に残るのは読んでいるページだけになります。他のサイトの未読の数字は、その窓には入ってきません。Command+Tabで呼び出せば、開いていた位置から読み始められます。
拡張機能の板挟みも解けます。アプリごとに拡張機能をオンとオフで切り替えられるため、読書の窓だけを素の状態にして、仕事で使う窓には翻訳やパスワード管理を残す、という配分ができます。作れるものの仕組みはできることに整理されていて、窓ごとにCookieとログイン情報が独立する点も含めて説明されています。
作るときに決める3つの項目
読書の窓を作る手順自体は数分で終わります。あとから作り直さずに済ませるために、3つだけ先に決めておきます。
1つ目は開く先のページです。Amazonのトップではなく、読書のライブラリが出るページを指定します。開いた瞬間に買い物の画面が出ると、本を読む前に別のことを始めてしまいます。2つ目は窓の大きさです。読書は縦に長い形が読みやすく、横幅を広げすぎると1行が長くなって視線の移動が増えます。最初に決めた大きさが次回も再現される形にしておくと、開くたびに調整する手間が消えます。
開く先を決めるときは、ログインの扱いも一緒に決めておきます。Amazonのアカウントを仕事用と個人用で分けている場合、ブラウザ側で入れ替えながら使うと、読書の途中で注文履歴の側に切り替わってしまうことがあります。窓ごとにログイン状態が独立する形にしておけば、読書の窓は常に同じアカウントで開きます。家族で1台のMacを使っていて、それぞれの蔵書がある場合にも同じ考え方が使えます。
3つ目は名前とアイコンです。Dockに並んだときに一目で分かる形にしておきます。仕事の窓と読書の窓が同じ色だと、Dockを見た瞬間の判断が鈍ります。この種の細かい設定の手順は使い方ガイドにまとまっており、アイコンをMac標準の角丸に揃える方法も含まれています。
読書以外にも同じ形が効く場面
1つ作ってみると、同じ扱いにしたいページが他にもあることに気付きます。動画、音楽、資料の閲覧、社内の手順書。共通しているのは、開いている間は他のことをしない種類のページだという点です。逆に、調べものや買い物のように、次々にリンクをたどる種類のページは、タブの帯があるブラウザのほうが向いています。
この線引きで手持ちのタブを分けていくと、独立させるべきものは意外と少ないことが分かります。対応サービス一覧には300以上のプリセットからすぐ作れる形で分野別に並んでおり、読む・見る・聴くに当たるものがどれかを眺めるだけでも、自分の使い方の偏りが見えてきます。
費用の目安も先に見ておくと、試すかどうかの判断が早くなります。3つまでは無料で作れて、機能の制限はありません。読書のために作るのは1つなので、無料の範囲で結論が出ます。無制限に作りたくなった段階で3,980円の買い切りに移る形で、月額の支払いは発生しません。内訳は料金に書かれています。動く条件はmacOS 12以降なので、App Store版のアプリが入らない機種でも対象に入ります。作った窓を消したときに読書の履歴やログイン情報がどうなるかはよくある質問に説明があり、試したあとで元に戻す方法も分かります。
よくある質問
Mac用のKindleアプリが入れられないのはなぜですか?
App Storeで配られているMac版は、動作の条件としてmacOS 14以降を求めています。数年前のMacはOSの更新が止まっていることがあり、その場合は条件を満たさないため入手できません。機械の故障ではありません。読むだけなら、ブラウザで開くKindle for Webに条件の制約はほとんどありません。
ブラウザで読むのとアプリで読むので、できることは違いますか?
読むという用途の中心部分は、どちらでも揃っています。文字の大きさやフォントやレイアウトや背景色の調整、メモとハイライト、本文の検索、辞書の参照はブラウザ側にも用意されています。違いが出るのは、通信が切れた状態での扱いと、画面の置き場所です。
タブで読むと集中が切れるのですが、設定で直せますか?
ブラウザの設定だけで直すのは難しい面があります。原因は機能ではなく、他のタブが同じ画面の上端に並び続けることだからです。読むページを独立した窓に切り出し、タブの帯とアドレスバーを出さない形にすると、画面に残るのが本文だけになります。
読書用の窓を作ると、購入した本は同期されますか?
本の管理はAmazonのアカウント側にあるため、同じアカウントでログインしていれば、端末や画面が変わっても同じ蔵書が出ます。読んだ位置の同期も同じ仕組みです。窓ごとにログイン情報が独立する形にした場合は、その窓で一度ログインしておけば、次からは開くだけで続きから読めます。