AnyDeskをMacで使う|3つの許可と接続画面の置き方

「anydesk mac」で調べる人の多くは、入れたあとで止まっている。つながってはいるのに画面が真っ黒だったり、画面は映るのにマウスが動かなかったりする状態だ。これはmacOSが許可を役割ごとに分けて求める仕組みから来ていて、どの許可がどの症状に効くのかを知っていれば順番に片付く。ここでは公式ドキュメントに書かれている条件と許可の役割を確かめ、そのうえで毎日開く管理の画面をブラウザのタブから独立させる手順まで並べる。

Macで動く条件と、最初に出る状態のアイコン

公式ドキュメントでは、対応するのはmacOS 11以降とされている。古いMacが残っている場合は、ここで先に線が引かれる。またmacOS 15 Sequoiaで接続の不調が出るときは、ファイアウォールのアプリがOSと正しく協調できるかを確かめるよう案内されている。

導入そのものは重い作業ではない。第三者の導入記録にも、手順の起点は次のように書かれている。

AnyDeskの公式サイトより、macOS用のアプリケーションをダウンロードしてインストールします。 出典: dot1.tv

公式ドキュメントによると、初めて入れたときはAnyDesk IDの横に状態を示すアイコンが出て、そこからシステムの許可状況をまとめた画面へ進める。この画面には許可ごとのボタンが並び、画面収録の設定を開く、アクセシビリティを要求する、フルディスクアクセスの設定を開く、という形でmacOSの該当欄まで案内される。詳しい手順はAnyDeskのドキュメントにまとめられている。

求められる許可は役割ごとに分かれている

ここが症状と対策を結ぶ要になる。公式ドキュメントでは、必要な許可が3つ挙げられていて、それぞれ担当する範囲が違う。画面収録は、遠隔の相手がこのMacの画面を見られるようにする。アクセシビリティは、遠隔の相手がこのMacのマウスとキーボードを操作できるようにする。フルディスクアクセスは、ファイル転送のために遠隔の相手がファイルやフォルダへ届くようにする。

つまり症状から逆算できる。画面が真っ黒なら画面収録、画面は映るのにクリックが通らないならアクセシビリティ、ファイルの受け渡しだけができないならフルディスクアクセスだ。公式ドキュメントには、画面収録とフルディスクアクセスについては設定を変えたあとにアプリを開き直す必要があると書かれている。切り替えただけで直らないときに、設定を疑い直す前にここを確かめる。

許可の欄そのものはmacOSの側にある。Appleの説明では、アップルメニューから「システム設定」を選び、サイドバーで「プライバシーとセキュリティ」をクリックし、「画面収録とシステムオーディオ録音」を開くと、リストのアプリごとにオンとオフを切り替えられる。リストに並んでいないアプリは、リストの下にあるボタンから追加できる。Appleは、他社製のアプリに画面収録を許可した場合、収集される情報は各社の条件とプライバシーポリシーに従って扱われるため、各社での個人情報の扱いを確かめるよう案内している。

つながったあとに出る承認ウインドウ

公式ドキュメントでは、接続の求めが届くと承認ウインドウが出て、セッションの間は常に表示され続けると説明されている。この窓からできることも並んでいて、セッションの受け入れ、拒否、切断、つないできた相手のIDやエイリアスの確認、暗号化と接続の種類の確認、クリップボード経由で写されたファイルの受け取り、チャットの窓を開くこと、そして相手に与える権限の設定ができる。

覚えておくと効くのは、権限をすべて無効にした場合はセッションが閲覧のみになるという点だ。相手に画面を見せて説明したいだけなら、操作の権限を渡さずに始められる。逆に「見せるだけのつもりが操作もされた」という事故を避けたいなら、最初にこの窓で切り分ける。

自分が助ける側で、相手のMacに承認ウインドウが出ている状態を想像しておくと、電話での案内が短くなる。画面に出ている語をそのまま読み上げる形にして、言い換えを混ぜないほうが通じる。

キーの対応が1対1ではない

Macから他のOSを操作するとき、修飾キーの位置がずれる。公式ドキュメントでは、プラットフォームの違いにより、キーボードショートカットはmacOSとWindowsやLinuxの間で1対1に対応しないと明記され、操作している相手側の機械のショートカットを使うよう案内されている。

対応の目安も表として示されている。macOSのcommandはWindowsやLinuxのWINやSUPに、optionはALTに、controlはCTRLに当たる。そのためMacからWindowsを操作するときは、コピーがcommandとCの組み合わせ、貼り付けがcontrolとVの組み合わせになる。逆にWindowsからMacを操作するときは、コピーがCTRLとC、貼り付けがcommandとVになる。WindowsやLinuxからMacのSpotlightを呼ぶには、WINまたはSUPとスペースの組み合わせを使う。

macOS版にだけある設定も公式ドキュメントに並んでいる。一般のタブに、macOSのキーボードショートカットを相手の機械へ送る項目、リモート側のショートカットをすべて受け入れる項目、右のcommandキーをホストキーとして使う項目がある。リモート側のショートカットをすべて受け入れる設定には追加の許可が必要だとされている。右のcommandをホストキーにすると、左のcommandだけが相手に届き、右は手元の操作に残る。

音声の扱いにも条件がある。公式ドキュメントでは、音声の伝送に対応するのはmacOS 13 Ventura以降の機械と、macOS版のバージョン7.2.0以降だと説明されている。

無料のまま使える範囲と、費用の確かめ方

公式のよくある質問には、無料版ではセッションに時間の区切りがある前提で、接続は必要なだけ何度でも開き直せると書かれている。区切りそのものを無くしたい場合は有料のライセンスを検討するよう案内されている。つまり短い作業なら無料のままでも終わるが、長い作業を1回で終えたいなら費用の話になる。

ライセンスの区分は公式ドキュメントの中でSolo、Standard、Advanced、Ultimate-Cloudとして触れられている。自分がいま何にいくら払っているかは、管理の画面から確かめる形だ。公式のよくある質問では、ライセンスの正確な金額は管理画面のLicenseからInvoicesを開くと分かると案内されている。ライセンスは機械ごとではなくアカウントに結び付く購読として売られ、使える台数はプランの上限で決まるとも書かれている。

第三者の記録にも、費用の判断が実務の都合で動くことが残っている。遠隔サポートを業務にしている事業者の記録には、こう書かれている。

最近、ネットが繋がらなくなるようなことはほとんどなくなりました。90%以上のトラブルはリモートで解決できています。 出典: dot1.tv

移動をやめられる度合いが大きいほど、区切りの無いライセンスは割に合いやすい。逆に月に1回しか使わないなら、開き直しながら無料のまま使う形で足りる。

管理の画面はブラウザの中にある

見落としやすいのは、アプリとは別にブラウザ側の画面があることだ。公式ドキュメントでは、管理の画面としてmy.anydesk IIが案内され、よくつなぐ機械をまとめておくアドレス帳の管理、作られたセッションの一覧の確認、自分の機械に入っているクライアントの確認と管理ができるとされている。旧来のmy.anydesk Iについては、近いうちに廃止されるため新しい方へ移行するよう案内されている。

ここが、毎日の面倒が生まれる場所になる。つなぐ相手を探すのはアプリの中なのに、アドレス帳を直したりセッションの記録を見たりするのはブラウザの中だ。そしてブラウザの中では、その画面が調べ物や業務システムのタブと同じ列に並ぶ。急ぎの連絡が来たときに探す対象が増え、作業中に間違えて閉じてしまう。

毎日開くわけではないなら、タブのままでよい。1日に何度も行き来しているなら、置き場所を変える段に来ている。

その画面を独立した窓に分ける

ブラウザで開いているものは、Safariの機能でアプリの形にできる。Appleの説明では、macOS Sonoma 14から、SafariでWebページをWebアプリとして保存できるようになり、Webアプリはブラウザとは切り離して使える。目的のページを開いた状態でメニューバーの「ファイル」から「Dockに追加」を選び、名前を入力して「追加」をクリックする。保存先はホームフォルダの「アプリケーション」フォルダで、DockやSpotlightからも開ける。

切り離される範囲がはっきりしている点も効く。Appleの説明では、閲覧履歴、Cookie、Webサイトデータ、設定情報はSafariと共有されない。仕事用のアカウントでログインした状態を、普段の調べ物と分けて保てる。設定からはアプリケーション名、アプリケーションURL、アイコンを変えられ、URLの欄には「現在開いているページを指定」というボタンがある。起点を取り違えても、正しいページまで移動して押せば直る。

Chromeを使っているなら、同じことがChromeの側でできる。Chromeのヘルプでは、右上のその他アイコンから「キャスト、保存、共有」を開き、「ページをアプリとしてインストール」を選ぶと案内されている。入れたものはchrome://appsで管理でき、アイコンを右クリックして「起動時に開く」を選べば、Macにログインしたときに自動で開く。

消すときに何が失われるか

片付けの手順にも注意点がある。公式ドキュメントでは、持ち運び用の形で使っていた場合は、メニューバーのアイコンを右クリックして終了し、アプリケーションフォルダからゴミ箱へ移したうえで、設定の入っているフォルダを削除する流れが示されている。入れて使っていた場合は、メニューのAbout画面でoptionキーを押しながらUninstallを選ぶ形になる。

ここで公式が強く注意しているのは、設定のフォルダを削除するとそのMacのIDとエイリアスが完全に失われ、あらかじめ控えを取っていない限り戻せないという点だ。相手側に登録してもらっているIDが変わると、次につなぐときに登録をやり直すことになる。入れ替えや初期化の前には、控えの取り方を先に確かめておく。

自分で設定を変えた専用の形を配るときは、署名の話も出てくる。公式ドキュメントでは、そうした形はAppleの署名が付かないため起動時に警告が出ることがあり、公証を通すには15分から6時間かかると説明されている。急ぎの配布には向かない。

毎日開くサイトのうち、どれを窓にするか

ここまでの話は遠隔操作に限らない。ブラウザのタブに常駐しているもののうち、どれを独立した窓に分けるかという選び方の問題に行き着く。

判断は3つの問いで足りる。1日に3回以上開くか。閉じたときに探し直して困るか。他のサイトとログインを分けたいか。3つのうち2つに当てはまるなら、窓にする価値がある。逆に月に1回しか開かないものを窓にすると、Dockが埋まるだけで得がない。遠隔操作の管理画面は、急に必要になり、ログインを分けたい性質のものなので、当てはまりやすい側に入る。

同じ性質のサービスがどれくらいあるかは、対応サービス一覧に並ぶ顔ぶれを見ると見当が付く。窓ごとの挙動をどう決めるかは使い方ガイドに、どこまで手が届くかはできることにまとまっている。費用の目安は料金、細かい疑問はよくある質問にある。

窓を1つ作るだけなら、SafariやChromeのメニューで足りる。数が増えて、名前とアイコンと起点のURLをそろえて管理したくなった段で、専用の道具を検討する順番になる。

よくある質問

AnyDeskはどのバージョンのmacOSで使えますか?

公式ドキュメントでは、対応するのはmacOS 11以降とされています。またmacOS 15 Sequoiaで接続の不調が出る場合は、ファイアウォールのアプリがOSと正しく協調できるかを確かめるよう案内されています。音声の伝送はmacOS 13 Ventura以降かつmacOS版7.2.0以降が条件です。

画面は映るのにマウスが動きません。どこを見ればよいですか?

アクセシビリティの許可を見ます。公式ドキュメントでは、画面収録は相手が画面を見るための許可、アクセシビリティは相手がマウスとキーボードを操作するための許可、フルディスクアクセスはファイル転送のための許可と、役割が分けて説明されています。症状から逆算すると、どの欄を開けばよいかが決まります。

無料のままでも長い作業ができますか?

セッションに時間の区切りがあります。公式のよくある質問では、接続は必要なだけ何度でも開き直せるとしたうえで、区切りそのものを無くしたい場合は有料のライセンスを検討するよう案内されています。短い作業なら無料のままでも終わりますが、途中で切れたくない作業には向きません。

アンインストールで気を付けることはありますか?

設定の入っているフォルダを削除すると、そのMacのIDとエイリアスが完全に失われます。公式ドキュメントでは、あらかじめ控えを取っていない限り戻せないと注意されています。相手側に登録してもらっているIDが変わると登録のやり直しになるため、入れ替えの前に控えの取り方を確かめておきます。

記事一覧へ戻る