Backlogのデスクトップアプリを探したとき|Macで窓を分ける手順
課題の一覧とコメント欄を1日じゅう開いておく仕事をしていると、Backlog デスクトップ アプリという形を探したくなります。ブラウザのタブに置いたままだと、通知に気づくのが遅れ、資料を探している間にタブが入れ替わります。結論を先に書くと、ヌーラボがMac向けのデスクトップアプリを配っている事実は確認できません。ただし、Macの標準機能だけで独立した窓を作る道はあり、業務用のツールほどその効果が出ます。
ヌーラボが配っているのはモバイルアプリまで
App StoreのBacklog(販売元 Nulab Inc.)の情報欄を見ると、互換性はiOS 17.0以降、iPadOS 17.0以降、visionOS 1.0以降と記載されています。iPhone、iPad、Apple Visionが対象で、Macの行はありません。
Backlogの公式サイトの機能一覧にも、ガントチャートやカンバンボード、Git / Subversionと並んで「モバイルアプリ」が入っています。デスクトップアプリという項目は置かれていません。パソコンからの利用はWebブラウザが前提で、そのうえでスマートフォンからの確認を補う形でモバイルアプリが用意されている、という整理です。
ここを踏まえると、検索結果に出てくる「macOS版をダウンロード」というページの位置づけが見えてきます。
macOS版をダウンロードバックログは、プロジェクト管理、タスク追跡、バージョン管理、バグ追跡のためのオンラインツールです。チームの効率を向上させます。このアプリの開発者ですか?掲載情報を管理するには、所有権を確認してください。 出典: webcatalog.io
末尾の「このアプリの開発者ですか?」という一文が示すとおり、これはヌーラボが出しているページではなく、Webの画面をアプリの形で開く仕組みを提供している第三者のサービスの掲載情報です。やっていること自体は、この記事で後述する「Webの画面を独立した窓にする」と同じ系統の話です。公式版を探している人が誤解しやすい場所なので、どこが出している何なのかを見てから進むほうが安全です。
Macで独立した窓を作る2つの手順
macOS Sonoma 14以降を使っているなら、Safariの機能がそのまま使えます。Safariで自分のスペースの課題一覧を開き、メニューバーの「ファイル」から「Dockに追加」を選び、名前を付けて追加します。ホームフォルダの「アプリケーション」フォルダに保存され、DockからもSpotlightからも開けるようになります。
もう1つがChrome側の手順です。右上のその他アイコンから「キャスト、保存、共有」を選び、「ページをアプリとしてインストール」を選びます。Chromeのヘルプでは、こうしたウェブアプリには通知、アイコンのバッジ、オフライン用の追加ストレージといった機能が含まれる場合があると説明されており、単なるブックマークとは別物として扱われています。
どちらを選ぶかで効いてくるのが、ログイン状態の持ち方です。
Webアプリは、Safariとは別に機能します。閲覧履歴、Cookie、Webサイトデータ、設定情報はSafariと共有されません。そのため、Safariプロファイルを使う場合と同様に、ブラウズをほかとは切り分けることができます。 出典: support.apple.com
Safariで既にログイン済みでも、作った窓では改めてログインを求められます。2段階認証を有効にしている場合は、その確認も窓ごとに通ることになります。所要はせいぜい1分ですが、認証アプリが手元にない状態で作業を始めると止まるため、先に用意しておくと滞りません。
業務ツールを窓にすると、どこが変わるか
効果が出るのは次の4点です。
- Command+Tabの並びにアイコンが入る。課題を確認する動きが、タブを探す動きから切り替え操作に変わります
- 通知の許可を窓の中で与えれば、Dockのアイコンに未読の件数がバッジとして出ます
- 通知の設定がアプリ単位になります。システム設定の通知一覧には、URLではなくWebアプリの名前で並びます
- ログイン項目に追加しておけば、Macにログインした時点で開いた状態にできます
業務用の画面ほど、この差が積み上がります。1日に20回開くものと、週に1回開くものでは、1回あたりの手数の差が効く総量がまるで違うためです。窓にする候補を選ぶときは、「開く回数が多いか」を基準にすると外しません。
作業の中身で言うと、効き目が出やすいのは課題を書く場面です。ブラウザのタブに置いていると、書いている途中で通知や検索のために別のタブへ移り、戻ってきたときに書きかけの本文が残っているかどうかを確認する動きが入ります。窓が分かれていれば、ほかの作業に移っても課題の画面はその窓の中で保たれたままです。ファイルをデスクトップから添付するときも、Finderと窓を横に並べたままドラッグできるので、タブを前に出す一手が減ります。
一方で、変わらないことも把握しておくべきです。表示される画面も、操作も、権限も、ブラウザで開いたときと同じです。IPアドレス制限を設定している環境でも、窓を分けたところで通信の経路は変わらないため、制限の挙動に影響はありません。Git / Subversionの操作についても、ターミナルや専用のクライアントから行う部分は窓の外の話なので、そこは変わりません。
複数のスペースに入っている人ほど効く
Backlogを窓にする実利が一番大きいのは、複数のスペースに参加している人です。自社のスペースと、取引先から招待されたスペースの両方を毎日見る場合、1つのブラウザで回していると、課題のURLを踏んだときにどちらのスペースの画面を見ているかを都度確かめる作業が発生します。
CookieとWebサイトデータが共有されない仕様は、ここで効いてきます。スペースごとに窓を作り、それぞれにログインしておけば、開いた時点でどのスペースかが確定します。Appleの説明ではWebアプリの名前とアイコンを後から変更でき、参照するURLも設定画面から差し替えられるため、スペース名を付けてアイコンを分けておけば、Dockの中で取り違えることがなくなります。
このとき、ナビゲーションのボタンを表示するかどうかも決めておくとよい点です。課題のURLをチャットで共有する場面が多い場合、共有ボタンが出ていたほうが速く済みます。見た目を素のアプリに寄せたい場合は非表示にできますが、URLを取り出す動きが増えるため、使い方に合わせて選ぶことになります。
料金プランと、窓の数の関係
窓を分ける話とプランの話は本来別ですが、実務では絡みます。Backlogの料金は人数課金ではなく、スターターが月額2,700円、スタンダードが月額16,000円、プレミアムが月額27,000円、プラチナが月額75,000円という構成です。いずれも税抜の表示で、スタンダード以上はユーザー数が無制限とされています。最大10ユーザー・1プロジェクトまでのフリープランも用意されています。
窓をいくつ作ってもライセンスの数には関係しません。同じアカウントで開く窓が増えるだけだからです。関係するのは、参加しているスペースの数と、そのスペースごとの契約です。取引先のスペースに招待されている場合、その契約は相手側のものなので、こちらで増える費用はありません。
なお、公式サイトには2027年1月1日からプランが新しくなるという案内が出ています。長期の前提で運用を組むときは、現在のプラン構成のまま固定して考えないほうが安全です。プロジェクト数やストレージの上限はプランごとに違うため、乗り換えや増員の予定がある場合は、告知の内容を先に確認しておくほうが手戻りが出ません。
窓の作り方とプランの関係でもう1点だけ触れておくと、無料の範囲で試せるかどうかは道具側の条件にも左右されます。Macの標準機能で作る分には費用はかかりません。専用の道具を使う場合も、作れるアプリの数に上限を設けた無料の範囲を用意しているものがあります。まずは費用のかからない範囲で1つ作り、効き目を確かめてから広げる順序が無理のない進め方です。
通知をどこで受け取るかを決める
窓を分けたあとに効いてくるのが、通知の設計です。課題の割り当てやコメントの通知を、メール、モバイルアプリ、デスクトップの通知のどこで受け取るかが整理されていないと、同じ内容が3か所に届きます。
現実的な落とし所は、即応が要るものだけをデスクトップの通知に残し、残りをメールにまとめる形です。窓をアプリ単位で扱えると、この切り分けがやりやすくなります。システム設定の通知一覧にWebアプリの名前で並ぶため、Backlogの窓だけ通知を出し、ほかの窓は切るといった調整ができます。
窓を分けたからといって、通知の種類そのものが増えたり減ったりするわけではありません。どこで受け取るかを選べるようになるだけです。ここを取り違えると、窓を作ったのに通知が来ないという状態になります。作った直後に自分宛の課題を1件立てて、コメントを付け、通知が届くところまでを一度通しておくのが確実です。届かない場合は、窓の中で通知の許可を与えていないか、サービス側の通知設定が切れているかのどちらかに当たります。
もう1つ、通知に気づいてから実際に画面を開くまでの速さも変わります。通知をクリックしたときにブラウザの何番目かのタブが前に出てくるのではなく、その窓が前に出る形になるためです。細かい差に見えますが、1日に何度も起きる動作なので、体感としてはここが一番大きいという声が多い部分です。
ほかの業務画面も同じ形にそろえる
Backlogを窓にして具合がよければ、次は勤怠、経費、チャット、社内の管理画面と広がっていきます。ここで問題になるのが、作り方がばらつくことです。SafariのWebアプリはmacOS Sonoma 14以降が前提で、ChromeのPWAはChromeを開いておく必要があり、サイトによってはインストールの項目自体が出てきません。
作り方を1つにそろえたい場合は、サイトをアプリにする専用の道具を使う経路があります。URLとアイコンを指定して.appを作る形で、アプリごとに独立したブラウザプロファイルを割り当てるものが多く、スペースやアカウントの分離を前提に設計されています。300以上のプリセットから選ぶだけでアプリにできる作りであれば、よく使われるサービスはURLの入力もアイコンの設定も要りません。作れる範囲はできることにまとまっており、実際の流れは使い方ガイドで確認できます。
選ぶときに見る点は3つです。ブラウザが更新されたときに作った.appがどうなるか、通知をアプリごとに切り替えられるか、複数のサービスを1つの窓にまとめる形を選べるか。同じ案件の中で課題管理とチャットを数分おきに行き来するなら1つの窓にまとめたほうが速く、通知の扱いを分けたいならアイコンを分けたほうが向きます。登録済みのサービスは対応サービス一覧で確認でき、無料の範囲でどこまで作れるかは料金にあります。挙動の細かい違いはよくある質問に整理されています。
進め方としては、まずSafariの「Dockに追加」で1つ作り、1週間そのまま使うのが確実です。通知の出方と、スペースの取り違えが減ったかどうかを見ます。そこで足りるなら追加の道具は要りません。macOSの版が合わない、スペースが3つ以上ある、ほかの業務画面も同じ形にしたい。この3つのどれかに当たった人だけが、次を見ればよい話です。
よくある質問
BacklogにMac用の公式デスクトップアプリはありますか?
App StoreのBacklogは互換性がiOS 17.0以降、iPadOS 17.0以降、visionOS 1.0以降と記載されており、Macは対象に入っていません。公式サイトの機能一覧にもモバイルアプリの記載はありますが、デスクトップアプリの項目はありません。パソコンからの利用はWebブラウザが前提になっています。
検索で出てくる「macOS版をダウンロード」は公式のものですか?
掲載元を見ると、Webの画面をアプリの形で開く仕組みを提供している第三者のサービスの掲載情報です。ページ内に開発者向けの所有権確認の案内が出ていることからも、ヌーラボが配布しているものではないと分かります。仕組みとしては、Macの標準機能で窓を作る方法と同じ系統です。
複数のスペースを別々の窓で開けますか?
開けます。Appleの説明では、SafariのWebアプリは閲覧履歴やCookie、Webサイトデータ、設定情報をSafariと共有しません。スペースごとに窓を作ってそれぞれログインしておけば、開いた時点でどのスペースかが確定します。名前とアイコンを変更できるので、見分けも付けられます。
窓を分けるとIPアドレス制限や2段階認証はどうなりますか?
IPアドレス制限は通信の経路で判定されるため、窓を分けても挙動は変わりません。2段階認証については、Cookieが共有されない仕様のため、新しく作った窓で初回のログインと認証を通す必要があります。認証アプリを手元に用意してから作業を始めると滞りません。