Safariの広告ブロックをMacで効かせる|アプリでも消す手順

MacのSafariで広告を消したいときに迷うのは、設定とアプリのどちらを触るのかという点です。Safariの設定の中に遮断の入口はありますが、遮断そのものを持っているのは外から入れた機能拡張のほうで、この2つの関係を知らないと設定画面を往復して終わります。さらにDockに出したWebアプリの中では見る場所が変わるため、そこまで含めて順に並べます。

Safariの広告ブロックは3つの層に分かれている

Safariで広告が消える仕組みは、性質の違う3つの層でできています。

  • コンテンツブロッカー。App Storeから入れた機能拡張が遮断のルールをSafariに渡し、Safariがそれを適用します。遮断を実際に行っているのはこの層です。
  • Webサイト設定。サイトごとにコンテンツブロッカーを効かせるかどうかを決めます。遮断の有無ではなく、どこに効かせるかを決める層です。
  • リーダー。記事本文だけを抜き出して表示します。遮断ではなく、表示の作り替えです。

Apple公開のSafariユーザガイドでは、Webサイト設定の項目としてコンテンツブロッカーが挙げられており、オンにすると広告やその他の不要なコンテンツがサイトに表示されないようにする、と説明されています。同じ画面には自動再生、ポップアップウインドウ、ページの拡大と縮小といった項目も並びます。設定を開くには「Safari」から「設定」を選び、「Webサイト」をクリックします。各項目の意味はガイドに一覧で載っています。

この3層のうち、何も入れていないMacで動いているのは下の2つだけです。Webサイト設定にコンテンツブロッカーの行が出ていても、渡すルールを持った機能拡張が1つも無ければ、オンにしても表示は変わりません。「設定にあるのに効かない」という症状は、多くがここに当たっています。順番としては、先に機能拡張を入れ、その後でSafariの設定を開いて効かせる範囲を決めます。逆の順番で設定画面を先に開くと、触れる項目が無いように見えて手が止まります。

現行のmacOSはTahoe 26で、Safariユーザガイドもその版が公開されています。表示される項目の並びは版によって少し動きますが、コンテンツブロッカーとリーダーの2つはWebサイト設定の上のほうに置かれており、この記事の手順はそのまま当てはまります。

MacのSafariに入れられるのはSafari用に作られたものだけ

Safariの機能拡張は、Chromeウェブストアとは別の仕組みで配られます。入手先はApp Storeで、Chrome用に作られた遮断の拡張機能をSafariに入れる経路はありません。Safariで広告を消す場合、まずSafari用に作られたものを探すところから始まります。

供給側の事情もはっきり書かれています。フィルタの更新が届くまでの時間について、開発元は次のように説明しています。

広告ブロックの性能は、その基盤となるフィルタリストと言うもの質に左右されます。AdGuardフィルタの開発チームは日々改善を重ねていますが、従来、更新内容が実際にユーザーに届くまでに時間がかかることもありました。今なら、待つ必要がなくなりました。 出典: adguard.com

同じ開発元の公開情報では、Safari向けの軽量なアプリは無料で使えるとされ、フィルタの即時更新やより複雑な広告に対応するスクリプトが有料の範囲に置かれています。同じ開発元のフル機能のアプリは、Safariに限らずすべてのブラウザとアプリの通信に対して遮断を行うという違いがあります。Safariだけで足りるのか、Mac全体に効かせたいのかで、選ぶものが変わる構図です。

判断の順番としては、まずSafariだけに限った無料の範囲で試し、届かない広告が具体的に残ってから範囲を広げるほうが無駄がありません。最初からMac全体に効かせる道具を入れると、切り分けの手掛かりが減ります。

サイトごとにオンとオフを切り替える

遮断を全サイトに一律で効かせると、かえって困る場面が出てきます。Safariはその前提で、サイト単位の切り替えを標準で持っています。「Safari」から「設定」を開いて「Webサイト」を選ぶと、左側にリーダーやコンテンツブロッカーが並び、右側に現在開いているサイトと、過去に設定を変えたサイトの一覧が出ます。ここで目的のサイトの横のメニューからオンとオフを選びます。

いちばん下の「これ以外のWebサイトでのデフォルト設定」が全体の既定値です。遮断を基本はオンにして、困るサイトだけをオフにするのが扱いやすい形です。逆に、遮断をオフを既定にして必要なサイトだけオンにする形も選べます。設定済みのサイトの一覧は後から見返せるので、どこを例外にしたかを忘れても追えます。

ポップアップウインドウも同じ画面で切り替えます。「開かない」「ブロックして通知」「許可」の3つから選べて、ブロックして通知を選んだ場合は、検索フィールドにアイコンが出てそこから開けます。広告として出るポップアップと、ログイン処理で必要なポップアップが混ざるサイトでは、この中間の設定が役に立ちます。

Safariだけで足りないときに広がる範囲

Safariの中で消しきれない広告が残る場合、効かせる場所を外側へずらす経路が2つあります。

1つはMac全体に効かせるアプリです。同じ開発元でも、Safari専用の軽量なアプリと、すべてのブラウザとアプリの通信に対して遮断を行うフル機能のアプリは別の製品として配られています。後者はSafari以外のブラウザや、ブラウザではないアプリの中に出る広告にも届きます。代わりに設定項目が増え、通信の経路に入る作りになるため、業務で使う端末では管理側の方針との兼ね合いが出てきます。

もう1つがネットワークの層で止める経路です。名前解決の段階で広告とトラッキングの配信元を落とす仕組みがあり、こちらはブラウザもアプリも問わず同じ端末のすべての通信に効きます。ただし、どのページのどの要素を消すかという細かい指定はできないため、ページの中に埋め込まれた枠は残ります。3つの層は代替ではなく重ね方の違いです。

順番としては、Safariの中で足りるならそこで止めるのがいちばん手数が少なく、切り分けもしやすくなります。

仕事で使うサイトでは遮断が裏目に出る

遮断の強さと使いやすさは同じ方向を向いていません。業務で使う画面では、広告の枠に見えるものが機能の一部である場合があります。

仕事用サイトの広告は、会員限定のお知らせやログイントークンなど、実際には必要な要素を含んでいることがあります。そのまま広告ブロックすると、大事な情報まで非表示になってしまうかもしれません。 出典: mac.point-b.jp

具体的に出やすいのは、社内の告知バナーが消える、埋め込まれた決済の枠が空欄になる、記事の途中の図版が抜ける、といった症状です。原因の切り分けは簡単で、そのサイトだけコンテンツブロッカーをオフにして再読み込みし、症状が消えるかを見ます。消えれば遮断が原因で、消えなければサイト側の問題です。

切り分けの手順はもう1つあります。ポップアップの設定だけを「許可」に戻して確かめると、消えているのが遮断のルールによるものか、ポップアップの抑止によるものかを分けられます。埋め込みの決済や外部のログイン画面はポップアップで開くことが多いため、ここで原因が判明する場面が少なくありません。

ここで避けたいのは、1つのサイトで壊れたことを理由に遮断そのものを全部やめることです。困るサイトは通常2個か3個に収まるので、例外として登録するほうが得られるものが多く残ります。

Dockに出したSafariのWebアプリでも広告ブロックは効く

毎日開くサイトをSafariから切り出してDockに置いた場合、広告ブロックの設定はSafari本体とは別の場所に移ります。Appleの案内では、Webアプリの機能はmacOS Sonoma 14から使えるようになったとされ、閲覧履歴、Cookie、Webサイトデータ、設定情報はSafariと共有されないと明記されています。設定が共有されないので、Safari側で遮断をオンにしてあってもWebアプリ側には引き継がれません。

切り替える場所は決まっています。Webアプリを開いてメニューバーでそのアプリの名前をクリックし、「設定」を選ぶと、機能拡張のタブからそのWebアプリで使う機能拡張を有効と無効に切り替えられます。同じ画面でアプリ名、URL、アイコン、ツールバーの表示も変えられます。ツールバーには、入れてある機能拡張に関連するボタンが並びます。

この作りの利点は、アプリごとに遮断の有無を決められることです。広告が多い読み物のアプリでは遮断をオンにし、業務の画面のアプリではオフにしておく、という分け方ができます。Safari全体の設定を触らずに済むので、前の節の衝突が起きにくくなります。

Chromium系を土台にする方式との違い

Safariから切り出す方式で足りない場合に見る経路が、Macにすでに入っているChromium系のブラウザを土台にして独立したアプリを作る方式です。この方式ではアプリの中身がそのブラウザなので、Chromeウェブストアの遮断の拡張機能がそのまま入り、アプリごとに有効と無効を切り替えられます。Safari用の機能拡張が用意されていない遮断の道具を使いたい場合は、こちらしか選べません。

遮断の手立ても1つ増えます。この種の道具には、アプリごとに到達できるURLを制限する仕組みが用意されていることがあり、広告の配信元のドメインを遮断リストに登録して届かせない使い方ができます。ポップアップの扱いを「すべてブロック」「必要なものだけ許可」「すべて許可」から選べるものもあり、ログイン処理のポップアップだけを通す設定が作れます。標準で広告とトラッキングの遮断を持つブラウザを土台に選ぶという手もあります。何ができるかはできることに並んでおり、設定項目の意味は使い方ガイドに1つずつ書かれています。

Safariから切り出す方式との違いは、遮断の強さより選べる幅です。Safari側は入れられるものがApp Storeの範囲に限られ、代わりに設定が少なく済みます。

道具の側から決める順番

先に見ると速いのは雛形の一覧です。対応サービス一覧には300以上のプリセットからすぐ作れることが掲げられており、自分が毎日開いているサイトがその中に何個あるかを数えると、作る本数の見当が付きます。広告が多くて困っているサイトが上のほうに並んでいるなら、そこから1本だけ作って試すのが最短です。

費用の形も先に確かめます。買い切りか継続課金かで総額が変わるので、料金を見てから決めます。判断が割れやすい点はよくある質問に集まっています。

試す順番は3つです。1つ目に、広告がいちばん邪魔になっているサイトを1本だけアプリにして、そこに遮断の道具を入れます。2つ目に、そのサイトで実際の作業を10分続けて、消えてはいけない要素が消えていないかを見ます。3つ目に、業務で使う画面を1本作り、遮断を入れない状態と入れた状態を比べます。この3つで、全サイトに一律で効かせるのか、アプリごとに分けるのかが決まります。

よくある質問

Safariの設定でコンテンツブロッカーをオンにしても広告が消えません。なぜですか?

遮断のルールを持っているのは機能拡張のほうで、Safariの設定はそれをどのサイトに効かせるかを決める層だからです。Safari用に作られた遮断の機能拡張が1つも入っていない状態では、設定にコンテンツブロッカーの行が出ていてもオンにしても表示は変わりません。先にApp Storeから機能拡張を入れてから、設定で効かせる範囲を決める順番になります。

Chromeで使っている広告ブロックの拡張機能をSafariに入れられますか?

入れられません。Safariの機能拡張はApp Storeから配られる別の仕組みで、Chromeウェブストアのものを入れる経路はありません。同じ名前の道具でも、Safari向けが用意されているかどうかを先に確かめることになります。Chromeウェブストアのものを使い続けたい場合は、Chromium系のブラウザを土台にして独立したアプリを作る方式が選べます。

広告ブロックを入れたらサイトの表示が崩れました。全部オフにするしかありませんか?

サイト単位でオフにできます。「Safari」から「設定」を開いて「Webサイト」を選び、コンテンツブロッカーの行で該当サイトだけをオフにして再読み込みします。それで直れば遮断が原因です。困るサイトは2個か3個に収まることが多いので、例外として登録するほうが全体の効果は保てます。

Dockに出したSafariのWebアプリでも広告ブロックは効きますか?

効きますが、設定はSafari本体と共有されません。Appleの案内では、Webアプリの閲覧履歴、Cookie、Webサイトデータ、設定情報はSafariと共有されないとされています。Webアプリを開いてメニューバーからアプリ名をクリックし、「設定」の機能拡張タブでそのWebアプリで使う機能拡張を有効にします。

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