Macの広告ブロックを選ぶ|専用アプリの中でも効かせる方法
Macの広告ブロックは、数年前の解説記事がそのまま使えなくなっています。Chromeの拡張機能の仕組みが切り替わり、長く定番として挙げられていた道具の掲載が止まったためです。この記事は、ブラウザの中で消す経路、ブラウザを替える経路、ブラウザの外で消す経路の3つを今の前提で並べ、毎日開くサイトを独立したアプリにした場合の扱いまで続けます。
Chromeの拡張機能の仕組みが切り替わった
順番を追うと、変化は段階的に起きています。Chromeの開発者向けの公開情報には、2025年7月24日にChrome 138ですべてのチャネルのすべての利用者で旧い形式の拡張機能が無効になり、利用者側で再び有効にする操作は用意されないと書かれています。企業向けの例外もChrome 139で外され、この変更はすべての利用者に同時に及んだとされています。
そして2026年8月31日に、残っていた旧い形式の拡張機能がすべてChromeウェブストアから削除されました。公開情報では、Chrome 138以前に導入済みのものは引き続き動くものの、更新を受け取ることも、削除したあとに入れ直すこともできなくなると説明されています。つまり手元でまだ動いていても、それは新しく手に入れられる選択肢ではありません。
この変更の影響が最も大きかったのが遮断の道具です。旧い形式では拡張機能が通信を1つずつ見て止める作りが使えましたが、新しい形式では止めるルールをあらかじめブラウザに渡す作りになります。前提が変わったので、道具の名前が同じでも中身が別物になっている場合があります。「定番」として名前を覚えている道具があるなら、その名前で今も掲載されているかを確かめるところから始めることになります。
ブラウザの中で消す場合の現状
新しい形式で作られた遮断の拡張機能は、すでに規模の大きな利用者を抱えています。Chromeウェブストアの掲載ページでは、代表的なものの利用者が21,000,000人、評価が5点満点で4.5、評価件数が3,602件と出ています。掲載されている説明では、既定で読み込むルールの組み合わせが、その道具の内蔵フィルターリスト、EasyList、EasyPrivacy、そして広告とトラッキングのサーバーの一覧の4つだとされています。
作りの違いも掲載ページに書かれています。遮断のためにブラウザの裏で常に動き続ける処理が要らず、ページに手を入れる処理もブラウザ側が実行するため、遮断の最中にCPUとメモリを使わないと説明されています。旧い形式との比較でいえば、細かい指定の自由度が下がる代わりに、動作の軽さは上がる方向の取引です。
実務の感覚でいうと、一般的な広告の枠は既定のルールで消えます。残りやすいのは、サイトが自前で配信している枠、動画の再生前に挟まる枠、そして遮断を検知して読み込みを止めてくる作りのサイトです。ここに不満が出た場合は、拡張機能の設定を詰めるよりも、次の2つの経路に移るほうが結果が早く出ます。
ブラウザそのものを替えて標準機能で消す
Chromium系のブラウザの中には、遮断を標準で持っているものがあります。公開されている説明では、第三者の広告とトラッカーの遮断が初期状態で有効で、追加の導入も設定も要らないとされ、強さは標準と積極の2段階から選べます。仕組みとしては、ページが壊れる原因になるスクリプトを機能を保ったまま差し替える処理や、配信元を隠す手口を見抜く処理も含まれると説明されています。
この経路の利点は、拡張機能の形式の切り替えに左右されないことです。遮断がブラウザ本体の機能なので、ウェブストアの掲載状況とは無関係に動きます。アドレスバーのアイコンから、そのページで何が止まったかを見られて、崩れたサイトではその場で遮断を切れます。
代わりに出てくるのが移行の手数です。ブックマークとログインを移し、普段使っている拡張機能が同じように入るかを確かめる作業が発生します。毎日開くサイトが多い人にとってはここが重く、ブラウザを丸ごと替えるのではなく、サイトごとに土台のブラウザを選べる形のほうが現実的な場合があります。
Safariしか使わない場合は経路が1つ減る
MacでSafariだけを使っている場合、選べるものの範囲が変わります。Safariの機能拡張はApp Storeから配られる別の仕組みで、Chromeウェブストアの遮断の拡張機能を入れる経路はありません。そのため、前の節で挙げた新しい形式の道具はそのままでは使えず、Safari向けに作られたものを探すところから始まります。
遮断の効かせ方も場所が違います。遮断のルールを持っているのは機能拡張のほうで、Safariの設定にあるコンテンツブロッカーの項目は、それをどのサイトに効かせるかを決める層です。Apple公開のガイドでは、Webサイト設定の項目としてコンテンツブロッカーが挙げられ、オンにすると広告やその他の不要なコンテンツがサイトに表示されないようにすると説明されています。機能拡張を1つも入れていない状態では、この項目をオンにしても表示は変わりません。
Safari向けの遮断のアプリは、無料で使える範囲を持つものがあります。同じ開発元でも、Safariだけを対象にする軽量なアプリと、すべてのブラウザとアプリを対象にするフル機能のアプリが別に配られている場合があるので、名前が似ていても対象範囲を先に確かめることになります。
ブラウザの外で消す
遮断を効かせる場所は、ブラウザの中だけではありません。Mac全体に効かせるアプリを入れる経路では、Safariでも他のブラウザでも、ブラウザではないアプリの中でも同じ遮断が働きます。同じ開発元でも、Safari専用の軽量なアプリと、すべてのブラウザとアプリを対象にするフル機能のアプリが別の製品として配られている場合があるので、対象範囲を先に確かめることになります。
もう1つがネットワークの層で止める経路です。名前解決の段階で広告とトラッキングの配信元を落とす仕組みで、端末のすべての通信に効き、端末ごとに何かを入れる必要がありません。代わりに、どのページのどの要素を消すかという細かい指定はできないので、ページの中に埋め込まれた枠は残ります。
3つの層は代替ではなく重なりです。ブラウザの中で消す層がいちばん細かく効き、外の層ほど広く効いて粗くなります。どこまで広げるかは、実際に残っている広告がどの層のものかで決まります。最初から一番外側を入れると、切り分けの手掛かりが減ります。
遮断が強すぎて崩れたときの切り分け
困りごとの入口は多くの場合こう始まります。
Macでページを開くたびにSafariの画面が広告で埋まり、広告ブロックの設定方法が分からず戸惑っていませんか? 出典: mac.point-b.jp
ところが遮断を入れたあとには、逆向きの困りごとが出ます。業務で使う画面では、広告の枠に見えるものが機能の一部である場合があるためです。同じ記事には、仕事用サイトの広告に会員限定の知らせやログインのための要素が含まれていることがあり、そのまま遮断すると必要な情報まで表示されなくなる場合がある、と書かれています。
切り分けの手順は短く済みます。まず該当のサイトだけ遮断を切って再読み込みし、症状が消えるかを見ます。消えなければサイト側の問題です。消えた場合は、遮断のルールとポップアップの抑止のどちらが原因かを分けます。埋め込みの決済や外部のログイン画面はポップアップで開くことが多く、ここで原因が判明する場面が少なくありません。困るサイトは通常2個か3個に収まるので、遮断そのものをやめるのではなく例外として登録するほうが、得られるものが多く残ります。
毎日開くサイトを専用アプリにしたときの遮断
広告が邪魔になるサイトは、たいてい毎日開くサイトです。その数本をブラウザから切り出して独立したアプリにする場合、遮断の扱いは土台にする方式で変わります。
自前のブラウザエンジンを同梱する方式では、ウェブストアにつながる経路が無いため、拡張機能は入れられません。代わりに遮断の機能が製品に内蔵されている場合があり、一般的な用途はそれで足ります。残らないのは、自分で書いたルールや、特定の拡張機能そのものに依存していた部分です。
Macにすでに入っているChromium系のブラウザを土台にする方式では、ウェブストアがそのまま手元に残り、遮断の拡張機能をアプリごとに入れて切り替えられます。遮断の手立てもそれだけではありません。アプリごとに到達できるURLを制限する仕組みが用意されていることがあり、広告の配信元のドメインを遮断リストに登録して届かせない使い方ができます。ポップアップの扱いを「すべてブロック」「必要なものだけ許可」「すべて許可」から選べるものもあり、ログイン処理のポップアップだけを通す設定が作れます。土台のブラウザを選べる方式なら、遮断を標準で持つブラウザを1本だけそのサイト用に選ぶこともできます。何ができるかはできることに並んでおり、設定項目の意味は使い方ガイドに1つずつ書かれています。
この方式の効きどころは、遮断をサイトごとに決められる点です。広告が多い読み物には強い遮断を、業務の画面には遮断なしを割り当てられるので、前の節の衝突が起きにくくなります。
遮断を検知して止めてくるサイトの扱い
遮断を入れたときに残る不満のうち、道具の性能では解けないものが1つあります。遮断の存在を見つけて本文の読み込みを止め、解除を求めてくる作りのサイトです。ルールを足して表示させようとすると、相手側が検知の仕組みを変え、こちらがまた足す往復が続きます。この往復は時間の使い方として見合いません。
現実的な扱いは3つに分かれます。1つ目は、そのサイトだけ遮断を切って使うことです。サイト単位で切り替えられる仕組みはどの経路にも用意されているので、例外として1行登録すれば済みます。2つ目は、そのサイトを読むのをやめることです。同じ情報が別の場所にあるなら、往復を続ける理由はありません。
3つ目が、そのサイトだけを独立したアプリに切り出して、遮断を入れない窓を1つ用意する形です。この形にすると、遮断を切る操作が毎回ではなく1回で済み、他のサイトの遮断はそのまま保てます。設定を行き来する手数が消えるので、毎日読むサイトが検知の仕組みを持っている場合は、いちばん落ち着く形になります。
決める順番
先に見ると速いのは雛形の一覧です。対応サービス一覧には300以上のプリセットからすぐ作れることが掲げられており、広告が邪魔になっているサイトがその中に何個あるかを数えると、作る本数の見当が付きます。費用の形は買い切りか継続課金かで総額が変わるので、料金で先に確かめます。判断が割れやすい点はよくある質問に集まっています。
順番は3つです。1つ目に、広告がいちばん邪魔なサイトを1本だけ切り出して遮断を入れ、10分ほど実際の作業を続けます。2つ目に、業務で使う画面を1本作り、遮断を入れない状態と入れた状態を比べます。3つ目に、その2本で足りない広告が残ったかを見て、残ったときだけMac全体やネットワークの層へ広げます。この順番にすると、どの層で消えた広告なのかが毎回はっきりするので、後から入れたものを外す判断もできます。
よくある質問
長く使っていたChromeの広告ブロックが動かなくなりました。なぜですか?
拡張機能の形式が切り替わったためです。公開情報では、2025年7月24日にChrome 138ですべての利用者で旧い形式の拡張機能が無効になり、利用者側で再び有効にする操作は用意されないとされています。さらに2026年8月31日に、残っていた旧い形式のものがChromeウェブストアから削除されました。新しい形式で作られた後継の道具に入れ替えることになります。
新しい形式の広告ブロックは、前のものより効きが弱いですか?
細かい指定の自由度は下がりますが、一般的な広告の枠は既定のルールで消えます。代表的なものの掲載ページでは、既定で内蔵のフィルターリスト、EasyList、EasyPrivacy、広告とトラッキングのサーバーの一覧の4つを読み込むとされ、遮断の最中にCPUとメモリを使わない作りだと説明されています。残りやすいのはサイトが自前で配信している枠と、動画の再生前に挟まる枠です。
Mac全体に効かせるアプリと、ブラウザの拡張機能はどちらがよいですか?
残っている広告がどこに出ているかで決まります。ブラウザの中だけで困っているなら拡張機能のほうが細かく効き、切り分けもしやすくなります。ブラウザではないアプリの中にも広告が出ている場合や、複数のブラウザを併用している場合はMac全体に効かせるアプリが向きます。先に狭い範囲で試し、届かない広告が具体的に残ってから広げる順番が無駄になりません。
専用アプリにしたサイトの中では広告ブロックが使えますか?
土台にする方式で変わります。Macに入っているChromium系のブラウザを使う方式では、ウェブストアの遮断の拡張機能をアプリごとに入れて切り替えられます。自前のブラウザエンジンを同梱する方式では拡張機能を入れる経路が無く、製品に内蔵された遮断の機能を使うことになります。アプリごとに到達できるURLを制限する仕組みで、広告の配信元を落とす使い方もできます。