ChatGPTをMacアプリにするがうまくいかないとき|確かめる順番
ChatGPTをMacアプリにする作業そのものは数十秒で終わります。詰まるのはそのあとです。開くたびにログインを求められる、押したリンクがブラウザに飛ぶ、通知が来ない、画面が白いまま動かない。どれも「アプリにしたせいで壊れた」ように見えますが、原因はおおむね3種類しかありません。入れ物の作りによるもの、権限や設定によるもの、サービス側で起きているもの。この3つを最初に切り分けておくと、直す手数が大きく減ります。ここでは症状ごとに、確かめる順番を並べます。
直す前に、切り分けを1回だけやる
どの症状でも最初にやることは同じです。同じURLを、ふだんのブラウザのタブで開いてみます。そこでも同じことが起きるなら、原因はサービス側か、アカウントの状態か、ネットワークにあります。アプリの作りを疑って設定をいじっても直りません。
ブラウザでは起きず、アプリにしたものだけで起きるなら、原因は入れ物の側です。ここまで分かれば、見る場所は保存領域・権限・URLの3つに絞られます。
もう1つ、確認しておくと早いのがアカウントです。作った入れ物と、ブラウザで開いているタブとで、別のアカウントにログインしていることがあります。会話の履歴が見当たらない、設定した内容が消えているという訴えの多くは不具合ではなく、別のアカウントを見ているだけです。画面の右上や設定画面で、いま入っているアドレスを確かめます。
この切り分けにかかるのは1分ほどです。ここを飛ばすと、関係のない設定を延々と触ることになります。
開くたびにログインからやり直しになる
いちばん多い詰まり方です。原因は作った方式によって違います。
Safariの「Dockに追加」で作った場合、その入れ物は閲覧履歴・Cookie・Webサイトのデータ・設定情報をSafariと共有しません。つまりSafariでログイン済みでも、作った直後の入れ物は未ログインの状態から始まります。ここは仕様なので、最初に1度ログインすれば以後は保持されます。
それでも毎回切れるなら、見る場所は2つです。1つは、その入れ物の設定にある「プライバシー」のタブです。ここにはWebサイトのデータを消す操作があり、押した直後はログインも当然消えます。もう1つは、Macのシステム側でCookieをまとめて消す設定や、終了時にデータを消す拡張が働いていないかどうかです。
Chromeで作った場合は、元になったプロファイルに紐づきます。ブラウザ側でログアウトすれば、こちらも同じ状態になります。アンインストールのときに「Chromeからもデータを削除する」を選んでいると、次にサイトを開いたときは再びログインが要るとChromeの案内に明記されています。入れ直したのに毎回ログインが要る場合は、この選択を疑います。
複数のアカウントを使い分けている場合、ログアウトしたつもりが片方だけだった、という取り違えも起きます。入れ物とブラウザで別々の状態を持つ作りは、便利さと紛らわしさが裏表です。
押したリンクがブラウザに飛んでしまう
会話の中のリンクを押したら、別のウインドウではなくブラウザが立ち上がった。これは壊れているわけではありません。ブラウザから作った入れ物は、元のサイトの範囲を出る行き先を標準のブラウザに渡す作りになっています。共有ボタンから「Safariで開く」を選んで、いま見ているページをブラウザ側へ送ることもできます。
困るのは逆の場合です。同じサービスの中のページなのにブラウザへ出てしまうときは、入れ物に登録されているURLがサービス側の現在の住所とずれている可能性があります。サービスがドメインを変えた、サブドメインを切り替えた、といった変更があると起きます。
Safariで作ったものなら、アプリを開いてメニューバーのアプリ名から設定を開き、アプリケーションURLを直します。いま開いているページを指定する操作もあるので、正しいページを表示した状態で差し替えるのが確実です。
Chromeで作ったものは、URLの差し替えにあたる項目が見当たらないことがあります。その場合は作り直すほうが早く、古いほうは chrome://apps から消せます。
作ったはずのアプリが見つからない
追加したのにDockに見当たらない、Launchpadを探しても出てこない、という詰まり方もあります。これは置かれる場所の思い違いによるものです。
Safariで作ったものは、ホームフォルダの中にある「アプリケーション」フォルダに保存されます。システム全体の「アプリケーション」フォルダとは別の場所です。Finderのメニューバーから「移動」を開いて「ホーム」を選び、その中の「アプリケーション」を開くと並んでいます。SpotlightやDockからも開けるので、ふだんは意識せずに済みますが、探すときにはこの区別が効きます。
消したいのに見つからない場合も同じ場所を見ます。ここからゴミ箱へドラッグすれば消えます。システム側のフォルダをいくら探しても出てこないのは、最初からそこに入っていないからです。
Chromeで作ったものは、chrome://apps のページに一覧で並びます。ここに出ているのに開く手段が見当たらないなら、右クリックから「ショートカットを作成」を選ぶと、デスクトップやメニューに置けます。同じ画面で「起動時に開く」を選んでおけば、ログインと同時に立ち上がります。
通知が1つも届かない
作ったのに通知が来ない、という相談は多く、原因はたいてい許可を出した場所にあります。
Webアプリには追加の通知機能があります。未読の通知の件数が、Dockのアプリアイコンに赤いバッジとして表示されます。 出典: support.apple.com
同じページには、この機能を使うには通知の求めにSafariの中ではなくWebアプリの中で答える必要がある、という条件も書かれています。ブラウザで先に許可していると、その許可は入れ物には引き継がれません。入れ物の中でもう一度求められるのを待って、そこで許可します。
許可したあとは、Appleメニューからシステム設定を開き、サイドバーの「通知」を見ます。一覧には、サイトのURLではなく作ったアプリの名前で並びます。ここでオフになっていれば、いくらサイト側で許可しても届きません。名前を変えた覚えがある場合、一覧の中で探す名前も変わっている点に注意します。
なお、通知そのものを出さない作りのサービスもあります。ブラウザのタブで開いているときに通知が来ていたかどうかを思い出せば、期待してよい機能かどうかが分かります。
画面が白いまま進まない
開いたのに真っ白、あるいはログインの途中で止まる場合、疑う順番は3つです。
1つ目は、別の窓が開く形のログインです。Googleなどのアカウントでログインする方式は、小さな別窓を開いて認証します。この窓がブロックされていたり、細いツールバーの中で戻れなくなっていたりすると、そこで止まります。いったんブラウザ側でログインを済ませてから、入れ物を作り直すと通ることがあります。
2つ目は機能拡張です。Safariで作った入れ物のツールバーには、入れてある機能拡張のボタンが並びます。設定の「機能拡張」タブで、その入れ物だけ拡張を切ることができます。広告や追跡をブロックする種類の拡張が、ログインに使う通信まで止めている場合があるので、切って再読み込みすると切り分けられます。
3つ目はデータの残骸です。設定のプライバシーからWebサイトのデータを消すと、ログインし直しにはなりますが、古いキャッシュが原因の表示崩れは解消します。順番としてはこれを最後に置きます。
3つとも当たらない場合は、最初の切り分けに戻ります。ブラウザのタブで同じ画面が出るなら、サービス側で起きていることです。
日本語の入力が途中で消える
変換の途中で文字が消える、確定する前に送信されてしまう、といった症状は、入れ物の作りよりも入力欄の作りに左右されます。まずブラウザのタブで同じ操作をして、再現するかどうかを見ます。再現するならサービス側の話なので、入れ物をいじっても変わりません。
入れ物だけで起きる場合は、キーの割り当ての衝突を疑います。作ったアプリに独自のショートカットが設定されていると、変換中のキー操作を横取りすることがあります。常駐しているランチャー系のソフトや、キーを置き換えるツールを一時的に止めて確かめます。
入力に関わる症状は、再現する条件を書き出しておくと解決が早くなります。どのキーを押したときか、何文字目で起きるか、毎回か時々か。この3点があるだけで、サービス側に問い合わせたときの往復が減ります。
OSやブラウザを更新したあとで様子が変わった
更新のあとに動きが変わるのは珍しくありません。見る場所は2つあります。
1つはアイコンと名前です。Chromeには、入れたアプリの名前やアイコンが変わったときに知らせる仕組みがあり、承認・無視・アンインストールから選べます。他のアプリに似たアイコンへ変わった場合は疑ってよい、という注意も添えられています。Dockの見た目が変わったときは、まずこの案内を探します。
もう1つは権限です。OSの大きな更新のあとは、通知やアクセシビリティの許可が確認し直しになる場合があります。システム設定の「通知」と「プライバシーとセキュリティ」を開いて、作ったアプリの行が残っているかを見ます。
どちらでもなく、単に開かなくなった場合は、作り直しが最短です。作る操作は数十秒で終わるので、原因の特定に長く時間をかけるより実際的です。更新の直後は、ブラウザ自体を一度終了させてから作り直すと、古い状態を引きずらずに済みます。
作り直す前に控えておくもの
作り直しを選ぶなら、その前に3つだけ控えます。アプリの名前、登録しているURL、アイコンに使った画像の場所です。この3つがあれば、同じ見た目のものを数分で戻せます。Safariで作ったものは設定画面にこの3つが並んでいるので、そのまま書き写せます。
消し方も方式で違います。Safariで作ったものはホームフォルダの「アプリケーション」フォルダに入っているので、そこから捨てます。Chromeで作ったものは chrome://apps か、アプリのウインドウの右上からアンインストールします。
240以上のプリセットからすぐ作れる形で用意されている一覧を見ると、詰まりやすい点があらかじめ織り込まれているサービスが分かります。ログインの持ち方やリンクの扱いを個別に調整してある作りになっているので、同じサイトを何度も作り直している場合は対応サービス一覧に載っているかどうかを先に見ておくと手間が減ります。どこまでを入れ物の側で調整できるのかはできることに並んでいます。
作ったあとの直し方や消し方の手順は使い方ガイドにまとまっています。似た詰まり方が続くようなら、よくある質問を先に読んでおくと、同じところで止まらずに済みます。
最後に順番だけ繰り返します。ブラウザで再現するかを見る。しないなら保存領域・権限・URLの3つを順に見る。それでも直らないなら、名前とURLとアイコンを控えて作り直す。この順番を守るかぎり、失うものはありません。
よくある質問
作ったアプリでログインが毎回切れるのはなぜですか?
Safariで作ったものは、閲覧履歴やCookie、Webサイトのデータをブラウザと共有しない作りです。そのため作った直後は未ログインから始まります。1度ログインすれば保持されるので、それでも毎回切れる場合は、設定のプライバシーでデータを消していないか、Cookieを消す拡張が働いていないかを見ます。
リンクを押すとブラウザが開いてしまいます。設定で変えられますか?
元のサイトの範囲を出る行き先が標準のブラウザに渡るのは、この方式の作りによるものです。同じサービスの中のページなのにブラウザへ出る場合は、登録しているURLがサービス側の現在の住所とずれている可能性があるため、設定でURLを差し替えます。
通知が届きません。どこを見ればよいですか?
通知の許可は、ブラウザの中ではなく作ったアプリの中で答える必要があります。許可したあとに、システム設定の「通知」の一覧を開き、サイトのURLではなくアプリの名前で並んでいる行がオンになっているかを確認します。名前を変えている場合は、探す名前も変わります。
原因が分からないときは作り直してよいですか?
作る操作は短時間で終わるため、原因の特定に時間をかけるより作り直すほうが早い場面は多くあります。その前に、アプリの名前、登録しているURL、アイコンに使った画像の場所の3つを控えておくと、同じ見た目のものをすぐに戻せます。