chrome ウィンドウとして開くない|項目が移った先と選び方

以前は4秒で終わる操作でした。サイトを開き、その他のツールからショートカットを作成し、「ウィンドウとして開く」にチェックを入れて作成を押せば、Dockに専用のアイコンが並ぶ。ところがいまは、chrome ウィンドウとして開くないという状態になり、同じ手順をたどってもチェック欄が見当たらず、出来上がったものは普通のタブで開きます。壊れたわけでも、設定を触ってしまったわけでもありません。2024年にこの項目が2つに分かれ、窓のアプリを作る動作のほうが別の名前に移りました。どちらがどちらなのかが分かれば目先の問題は片付き、そのうえで、そもそもブラウザ任せでよいのかという次の判断が残ります。

窓のアプリを作る機能はどこへ移ったか

変更が入ったのはChrome 128で、開発元の告知は2024年7月です。「ショートカットを作成」は名前を残したまま役割が変わりました。いまはページを新しいタブで開くブックマークを作る項目で、これはAndroid側で同じ名前がずっと担ってきた動作に揃えたものです。パソコンで以前おこなっていた動作は、別の項目へ移りました。

Starting in Chrome 128, the Create Shortcut menu item in More > Save and share now creates a bookmark on the user's desktop or homescreen. The previous behavior of this menu item on desktop has moved to the Install Page as App option. 出典: developer.chrome.com

Macでの現在の経路は、右上の3点メニューから「キャスト、保存、共有」を開き、「ページをアプリとしてインストール」を選ぶ形です。Chrome側のヘルプも同じ道順を案内しており、サイトによってはアドレスバーの右端にインストールのボタンが出る場合があり、そちらは1回の操作で同じ結果になります。

チェック欄が消えたのは、選ぶ余地が無くなったからです。この項目で作られるものは常に独立した窓のアプリなので、切り替えるものが残っていません。設定画面をいくら探しても見つからないのは、どこかへ移動したのではなく、その分岐ごと無くなったためです。

分割にともなって外れた制限が1つあります。インストールの対象が、いわゆるPWAの条件を満たすサイトに限られなくなりました。マニフェストもService Workerも持たないページでも、手動でアプリとしてインストールできる方針が明示されています。以前は窓のアプリにできなかった社内ツールや古い管理画面も、いまは受け付けます。

2つの結果を見分ける

どちらの項目もアイコンらしきものを作るため、違いに気づきにくくなっています。差が出るのは最初に開いたときです。

ショートカットを作成 ページをアプリとしてインストール
開き方 使用中のウィンドウの新しいタブ タブバーの無い独立した窓
DockとCommand+Tab 既存のブラウザに吸収される 専用のアイコンと専用の項目
置かれる場所 デスクトップか指定したフォルダ アプリケーション内のChrome Apps
chrome://apps への表示 出ない 出る
消し方 ファイルを削除する アプリのメニューかchrome://appsから削除

macOSでは、置き場所を見るのが最も速い確認方法です。インストールされたWebアプリは、ディスク直下の共有のアプリケーションフォルダではなく、利用者のホームの下にあるアプリケーションフォルダの中の「Chrome Apps」に入ります。そこにあるものは本当にインストールされたアプリで、デスクトップにブラウザのアイコンで置かれているものはブックマークです。

もう1つの確実な確認先がchrome://appsで、ここにはインストール済みのアプリだけが並びます。何か月も前に用意したものの挙動が分からなくなったときは、この画面を開けば一目で判断できます。項目を右クリックすると削除も選べ、アプリの実体をゴミ箱に入れるだけの方法と違って、ブラウザ側に残る登録も一緒に片付きます。

この画面は、ショートカットをあとから置き直す場所でもあります。chrome://apps の項目にはショートカットを作成する操作が用意されており、すでにインストール済みのアプリについて、デスクトップやメニューに起動用の入り口を追加できます。以前の1つのダイアログがまとめて引き受けていたのは、まさにこの2つの工程でした。アプリとして入れるのが1つ目、その起動口をどこに置くかを決めるのが2つ目です。分かれたことで最初の1回だけ手数が増えますが、置き場所を決めるのはアプリごとに1度きりなので、2回目以降は差がありません。

インストールしたアプリがブラウザと共有し続けるもの

インストールしたWebアプリは、独立したプログラムではありません。同じブラウザが、同じページを、枠を取り払った窓に描いているだけです。この性質は、サイトによってはまったく気にならず、サイトによっては決定的な問題になります。

まず、そのアプリは作成したときのブラウザプロファイルに属します。Cookieも保存済みのパスワードもログイン中のアカウントも、そのプロファイルのものです。同じサービスで2つのアカウントを使い分けたい場合、同じプロファイルの中に2つのアプリを作っても意味がありません。あとから開いたほうも先のアカウントでログインした状態になります。回避策はプロファイルをもう1つ作ることで、その場合はプロファイル名の付いた別のアプリが出来上がります。

拡張機能も引き継がれます。これは利点にも欠点にもなります。広告を遮断する拡張はアプリの窓の中でも働き続け、スクリーンショットやパスワード管理の拡張もそのまま使えます。一方で、すべてのページに介入する種類の拡張も、単機能の専用アプリに見える窓の中で動いています。

終了の扱いも共有です。アプリの窓を閉じても背後のブラウザの処理が終わるとは限らず、逆にブラウザを終了させると、開いていたアプリの窓も一緒に閉じることがあります。1日じゅう開きっぱなしにする使い方では表に出ませんが、詰まったタブを片付けるために1日に何度もブラウザを再起動する人には効いてきます。

そして最大の利点も、この共有から来ています。中身のエンジンはブラウザ本体と同じ更新に乗るため、修正は何もしなくても届きます。包んで固めた古いアプリのように、中身だけが取り残されることが起きません。

作ったあとに効いてくる3つの挙動

インストール済みのアプリには、案内には書かれているのに気づかれにくい挙動が3つあります。どれも、1日で使うのをやめてしまう理由をそのまま取り除きます。

削除はアプリの側からおこないます。アプリの窓の3点メニューには、そのアプリの名前が付いたアンインストールの項目があり、続けて削除の確認が出ます。これがいちばん後片付けの良い経路で、実体と登録が同時に消えます。アプリケーションフォルダから実体だけを取り除くとchrome://appsに項目が残り、開いても何も起きないアプリの一覧が育っていきます。

ログイン時の自動起動は、システム側ではなくアプリごとの設定です。chrome://appsから、サインイン時にアプリを起動する設定を選べることが案内に書かれています。この機能が向いているサイトほど、この設定が効きます。毎朝いちばんに開く問い合わせの一覧や予定表は、人が思い出して開くより、システムに開かせたほうが確実です。

Dockのアイコンを右クリックしたときに出るものにも差があります。サイト側は、機能への近道を短い一覧としてこのメニューに出せます。メールなら新規作成、タスク管理なら新しいタスク、といった項目がDockのアイコンから直接選べる形です。すべてのサイトが用意しているわけではありませんが、確認は1操作で済み、用意されている場合はアプリの中での2、3回の移動を省けます。

もう1つ、あとで驚かないための細かい点があります。インストールしたアプリの名前とアイコンはサイト側が提供するもので、サイトが変更すればブラウザ側も追随します。ある製品名で入れたアプリが、名称変更のあとに何も触っていないのにDock上の表示だけ変わることがあります。

インストールの項目自体が出てこないとき

項目が見当たらない、または選べない場合、理由はおおむね4つに絞れます。

1つ目はバージョンです。ここまでの説明はChrome 128以降の話で、それより古い版では従来の「ショートカットを作成」のダイアログとチェック欄がまだ有効です。chrome://settings/help を開けば版が分かり、その場で決着します。

2つ目は、すでにインストール済みの場合です。現在のプロファイルにそのサイトのアプリが登録されていると、インストールの項目は隠れ、代わりに開くか管理する項目が出ます。chrome://apps を見れば確認できます。

3つ目はページの性質です。ブラウザの内部ページ、ローカルのファイル、暗号化されていない通信で配信されているページは、通常のサイトとは扱いが異なります。特定のアドレスだけ拒否される場合、まずここを疑うことになります。

4つ目は管理者の設定です。勤務先や学校から貸与されたMacでは、Webアプリのインストールが組織側で制限されていることがあります。chrome://policy を開くと適用中の項目が並び、該当するものがあればそこに表示されます。通常の設定画面には出てこないため、見落としやすい場所です。

内部データから見た、独立した窓に値するサイトの選び方

チェック欄が惜しまれる本当の理由は、機能そのものへの愛着ではありません。毎日必ず開くサイトが数個あり、それが30個のタブの中で行方不明になり続けていることです。この問題は、片っ端からインストールするのではなく、選んで解くほうがうまくいきます。

独立した窓に値するのは、リンクをたどって着くのではなく決まった時刻に自分から開くサイト、Command+Tabで素早く探し当てる必要があるサイト、そしてタブに置いておくと見失うサイトです。予定表、問い合わせの一覧、チャット、社内の管理画面はたいてい当てはまります。技術文書や辞書のようなサイトは当てはまりません。検索結果から入って読み終えたら閉じるためです。

次の判断はログイン状態の分離で、ここで道具が分かれます。ログインが1つで足りるなら、ブラウザ自身のインストールが最短で、しかも中身が自動で更新されるぶん安全でもあります。同じサービスを2つのアカウントで使う場合や、取引先の管理画面を個人のログインに触れさせずに保持したい場合は、前述のプロファイルの壁に当たり、独立したアプリを作る道具のほうが現実的な答えになります。

後者を検討するなら、入れる前に違いを見比べておくと判断が速くなります。何が増えるのかは好みの問題ではなく具体的な機能差だからです。ブラウザの窓では扱えない部分をどこまで引き受けるのかはできることに整理されており、目当てのサービスがすでに用意されているかどうかは対応サービス一覧で確認できます。手作業で用意するときに時間を取られるのは、窓の大きさやログインの挙動をサービスごとに突き止める工程で、300以上のプリセットからすぐ作れる状態になっていれば、その工程がまるごと不要になります。

そのうえで見ておくとよいのが費用の形です。買い切りなのか継続課金なのか、対応するmacOSのバージョンがどこまでかは料金にまとまっており、判断に迷いやすい点はよくある質問で確認できます。毎日開くサイトが1つか2つで、しかもログインが1つで足りるなら、ブラウザのインストールだけで十分に元は取れます。数が増えて、しかもアカウントの使い分けが混ざり始めた時点が、道具を足すかどうかを考える境目になります。

よくある質問

「ウィンドウとして開く」のチェック欄は移動したのですか、無くなったのですか?

選択肢ごと無くなりました。現在の「ページをアプリとしてインストール」は常に独立した窓のアプリを作るため、切り替える対象が残っていません。従来の「ショートカットを作成」という名前は残っていますが、そちらはタブで開くブックマークを作る項目に変わっています。

PWAに対応していないサイトでもアプリにできますか?

できます。マニフェストを持たないページでも手動でインストールできる方針が示されており、独立した窓と専用のアイコンが同じように用意されます。ただしサイト側が用意するアイコンなど、マニフェストに依存する要素は自動生成のものに置き換わる場合があります。

インストールしたWebアプリは、Macのどこに置かれますか?

利用者のホームの下にあるアプリケーションフォルダの中の「Chrome Apps」に入り、chrome://apps にも一覧として表示されます。削除するときは、実体をゴミ箱へ入れるよりもchrome://apps から消すほうが、ブラウザ側に残る登録も一緒に片付くため確実です。

同じサイトを2つのアカウントで同時にログインしたままにできますか?

1つのプロファイルの中では難しく、どちらを開いても同じアカウントの状態になります。プロファイルをもう1つ作れば別のアプリとして成立しますが、切り替えの手間が増えます。切り替えずにログイン状態を分けたい場合が、独立したアプリを作る道具の想定している用途です。

記事一覧へ戻る