Copilot の Mac アプリはどれか|3つの別物を見分ける
MacでCopilotを使おうとして検索すると、先頭の1語が同じ別々の製品が並びます。ダウンロードできるアイコンがあるのは、そのうちの1つだけです。質問に答えてくれるアシスタントが欲しい人、会社のメールアドレスで入る方が欲しい人、エディタの中でコードを補完してほしい人。この3種類が同じ言葉で検索していて、必要な答えが違います。どれを探しているのかを先に決めると、後の作業が短くなります。
同じ名前で呼ばれている3つの製品
| 名前 | Macでの居場所 | 対象 |
|---|---|---|
| Microsoft Copilot | Mac App Storeのアプリと、Web版 | 個人のMicrosoftアカウント |
| Microsoft 365 Copilot | 組織のMicrosoft 365内のWebのアドレス | 会社・学校のアカウント |
| GitHub Copilot | エディタの中の拡張機能 | コードを書くとき |
1つ目は個人向けのアシスタントです。Mac App StoreにMicrosoft Corporation名義の配信があり、iPadアプリがApple Siliconで動いているものではなく、macOS向けとして配布されています。
2つ目は、同じブランドを共有する別の製品です。組織のMicrosoft 365にサインインして開くもので、社内のファイル・メール・チャットを踏まえた答えが返ってきます。この名前でMac App Storeに単独の配信はありません。Mac App Storeで「Microsoft 365 Copilot」と検索しても、出てくるのは1つ目のアプリとOfficeの各アプリで、それ以外はありません。
3つ目は、そもそも単独のアプリケーションではありません。Visual Studio Code、Visual Studio、JetBrains系のエディタなどの中で動く拡張機能で、入れ方は他の拡張機能と同じです。アプリケーションフォルダにアイコンが並ぶ性質のものではありません。
検索が噛み合わない原因の大半は、2つ目か3つ目を探している人に、1つ目の案内が返ってきていることです。
Mac App Storeで配られているものの中身
個人向けアプリは、入れる前に配信ページの数行を読んでおくと判断が早くなります。ページには次のように書かれています。
macOSであなたのAIパートナーとつながろう。スムーズでネイティブな操作体験を楽しみ、音声チャットで会話し、Think Deeperでアイデアを広げ、AI画像を作成しましょう。 出典: apps.apple.com
同じページに載っている条件のうち、実際に入れられるかどうかを決めるのは対応OSの行です。必要なのはmacOS 14以降で、それより古いMacには配信されません。ハードウェアとしては十分に使えるのに、OSのバージョンだけで対象外になる機種が一定数あります。その場合、残る道はブラウザで開くことだけで、ダウンロード先をいくら探しても状況は変わりません。
ページに出ている他の情報も並べておきます。デベロッパはMicrosoft Corporation、カテゴリは仕事効率化、年齢制限指定は13歳以上、サイズは128.9MB、対応言語は日本語を含む33言語です。価格は無料で、アプリ内購入があります。米国のストアフロントで表示されるアプリ内購入はCopilot専用の料金ではなくMicrosoft 365のサブスクリプションで、つまりこのアプリはOfficeも含む契約への入口を兼ねています。
Mac版が出たのは、スマートフォン版よりかなり後です。Appleの配信ページ上の初回リリースは2025年2月で、iPhone版やAndroid版が定着したあとの登場でした。2024年に書かれた「Mac用のアプリは無い」という記事は、当時としては正しかったことになります。古い記事を読むときは、書かれた時期を見る必要があります。
会社のアカウントで使いたい場合
導入がうまくいかない例のほとんどが、ここに集まります。App Storeのアプリは個人のMicrosoftアカウントを前提にした作りです。組織がMicrosoft 365向けにCopilotを契約している場合、買っているのは別の製品で、その別の製品はダウンロードではなくMicrosoft 365のWebのアドレスとして提供されます。
実務上の影響が3つあります。
- 会社のMacにApp Storeのアプリを入れると、個人アカウントで入ったアプリと、ブラウザのタブで会社アカウントに入った画面の2つが同時に存在します。履歴は共有されず、参照しているデータも違います。どちらを前に出しているかで答えが変わります
- 会社側の画面は、条件付きアクセス、デバイスのコンプライアンス確認、テナントごとのサインイン要件の対象になります。ブラウザはそうした仕組みが想定している環境なので、そのまま通ります
- 会社側の画面にはアイコンがありません。URLなのでタブであり、うっかり閉じれば他の何十枚かのタブの後ろに沈みます
3つ目が、日々いちばん効いてくる差です。独立した窓が埋めるのはこの穴で、App Storeが解決している問題とは別のものです。
見分け方として、料金の請求先を見るのも早い方法です。コード補完の製品はGitHubのアカウントに紐づいて請求されます。個人向けのアシスタントは、Mac App Storeの配信ページにMicrosoft 365のサブスクリプションがアプリ内購入として並びます。組織向けの製品は、組織がユーザー数に応じて支払います。請求先が3つに分かれているということは、製品が3つに分かれているということです。アイコンの見た目が似ていても、ここは重ならせようがありません。
Office for Mac の中のCopilotは、また別の話
もう1つ紛らわしい場所があります。単独アプリを入れたのに書類の中が何も変わらない、という詰まり方をする人が引っかかる点です。
Mac版のWord、Excel、PowerPoint、Outlookは、それぞれMac App Storeの別々の配信で、いずれもMicrosoft Corporation名義、現時点でmacOS 14以降が必要と表示されています。これらのアプリの中に出てくる支援機能は、そのアプリの一部です。単独のCopilotアプリを入れても表計算の中に何かが増えるわけではありませんし、単独アプリを消しても書類の中から何かが減るわけでもありません。ブランドを共有しているだけの、別々のインストールです。
トラブルシューティングを始める前に、ここを確認する価値があります。目的が「書類を書くときに手伝ってほしい」なら、チャットのアプリを別に入れる理由はありません。目的が「調べ物をチャットでしたい」なら、Officeを入れ直す理由はありません。判断の軸は、作業がファイルの中で起きているのか、会話の中で起きているのかです。
ブラウザについても同じことが言えます。Edgeにはサイドバーとしてアシスタントが組み込まれていますが、これもMac App Storeのアプリとは別物で、システムの一部ではなくブラウザの一部として動きます。そこで触った体験と1対1で対応するダウンロードを探しても、対応するものは見つかりません。
検索結果を読むときの手がかりも書いておきます。Dockのアイコン、音声入力、画像生成が説明されている記事は、個人向けアシスタントの話です。メールのやり取りを要約したり、社内のファイルから数字を拾ったりしている記事は、組織向けの製品の話です。関数の続きを書いている画面が出ている記事は、エディタの拡張機能の話です。見出しよりも、載っているスクリーンショットの方が早く判別できます。
アプリを入れるか、サイトを窓にするか
個人向けアプリが目的で、MacのOSも条件を満たしている場合でも、まだ選択肢は2つあります。App Storeのアプリを入れるか、そのサイトを独立した窓で開くかです。性質が違います。
App Storeのアプリはサンドボックスの中で動き、更新はApp Store経由です。通知、Dock、キーボードのメディアキー、共有メニューといったシステム連携は正しく扱われます。その代わり、できることは配信された時点で固定されています。
サイトを独立した窓で開く方法は、土台にしたブラウザの性質を引き継ぎます。拡張機能はそのまま効き、パスワード管理も動き、すでに済んでいるログインがそのまま使え、2つ目のアカウントは2つ目のプロファイルとして扱えます。最後の点で判断が決まる人は多く、理由は単純です。仕事で必要になる側こそ、App Storeに配信が無い方だからです。
両立もできます。個人利用にはApp Storeのアプリ、会社側の画面には独立した窓、コードにはエディタの拡張機能。それぞれが得意なことをしている構成になります。Dockでの名前とアイコンを分けておくと、Command+Tabの一覧で見分けがつき、取り違えが減ります。
判断を分ける3つの確認
全部入れて試す前に、確認する項目は3つです。
1つ目はmacOSのバージョンです。App Storeのアプリの下限はmacOS 14で、回避する手段はありません。Appleメニューの「このMacについて」で先に確認しておくと、古い機種であればその時点で選択肢が1つに絞られます。
2つ目は、どのアカウントでサインインするかです。会社や学校のアドレスであれば、App Storeのアプリは契約している製品とは別物なので、Microsoft 365のアドレスを窓にする方が近い解になります。個人のMicrosoftアカウントで、OSの条件も満たしているなら、App Storeから入れるのがいちばん短い道です。
3つ目は、拡張機能や特定のブラウザプロファイルが要るかどうかです。パスワード管理の拡張機能、翻訳の拡張機能、すでに目的のテナントにサインイン済みのプロファイル。これらはいずれもサンドボックス化されたApp Storeのアプリの中では使えないため、ブラウザを土台にした窓が有利になる理由になります。窓にしたときにブラウザ側から何が引き継がれるかはできることに整理されています。
独自データから見える傾向
どのWebサービスが実際に独立したアプリにされているかを見ると、偏りがあります。用意されているプリセットは300以上のプリセットからすぐ作れる状態になっており、その顔ぶれは業務で毎日開くものに寄っています。単独のネイティブアプリが用意されていないWebサービスと、アカウントを2つ以上使い分けるWebサービスが、特に多く含まれます。今回の3つの製品のうち、会社アカウント側とコード補完側は、まさにその条件に当てはまります。
自分が使うサービスが含まれているかは対応サービス一覧で確認できます。作る手順は使い方ガイドにまとまっており、道具を使う場合の費用は料金で、作る前に迷いやすい点はよくある質問で確認できます。土台にするブラウザを選べる作りであれば、会社のテナントにサインイン済みのプロファイルをそのまま使えるので、ポリシーの通り方も変わりません。
まずOSのバージョンと、サインインするアカウントを確認する。この2つで進む道が決まり、残りはその後についてきます。会社のアカウントであるか、Macが古いOSのままであれば、ダウンロード先を探すのをやめて、Webの画面を独立した窓にする方へ切り替えると早く片づきます。
よくある質問
Microsoft Copilot の公式なMacアプリはありますか?
個人向けのものはあります。Mac App StoreでMicrosoft Corporation名義で配信されており、価格は無料でアプリ内購入があり、対応OSはmacOS 14以降と表示されています。iPhone版やAndroid版より後にMac版が出たため、2024年ごろの記事には「Mac版は無い」と書かれているものが残っています。
会社のアカウントでApp Storeのアプリにサインインできないのはなぜですか?
個人向けアプリと、組織が契約するMicrosoft 365向けの製品が、名前を共有した別々の製品だからです。組織が契約している側は、そのテナントのMicrosoft 365内のWebのアドレスとして提供され、テナントのサインイン要件の対象になります。Mac App Storeに単独の配信はありません。
GitHub Copilot の Mac アプリはどこにありますか?
単独のアプリはありません。Visual Studio Code や JetBrains 系のエディタの中に拡張機能として入れ、GitHubのアカウントでサインインして使います。Mac App Storeで検索して出てくるのは、GitHub以外の開発者による別のユーティリティです。
macOS 13 のままのMacでは何が使えますか?
ブラウザで開くWeb版が使えます。App Storeのアプリは対応OSの下限がmacOS 14と表示されているため入れられませんが、Web版は現行のブラウザで動きます。そのアドレスを独立した窓にしておくと、アプリを入れたときと同じようにDockのアイコンとCommand+Tabの項目が手に入ります。