safari webアプリ化の手順|Dockに追加で変わることと限界
safari webアプリ化という言葉で探しているとき、たいてい目的ははっきりしています。毎日開くサイトをタブの列から出して、Dockのアイコンから直接開けるようにしたい。SafariにはそのためのメニューがmacOS Sonoma 14から入っていて、名前は「Dockに追加」です。手順は1分で終わりますが、作ったアプリを最初に開くとログイン画面が出ます。ここで戸惑って引き返す人が多いので、その理由と、この道が向いているサイト、足りなくなる場面までを順番に整理します。
SafariのWebアプリは何ができるようになったのか
Webページをアプリのように扱う考え方自体は新しいものではありません。Chromeには以前から「アプリとしてインストール」があり、専用のWebアプリ化ツールも複数存在していました。Safariが標準でこれを持ったのはmacOS Sonoma 14からで、それまでSafariの利用者は同じことをするために別のブラウザか別の道具を用意する必要がありました。
現在の位置づけは、Appleの資料に短く書かれています。
macOS Sonoma 14から、SafariでWebページをWebアプリとして保存できるようになりました。Webアプリは、Safariとは切り離して使うことができます。Webアプリは、通常のアプリさながらに使い勝手がよく、Dockから簡単にアクセスできます。 出典: support.apple.com
重要なのは「切り離して使う」の部分です。見た目が変わるだけの機能だと思って使うと、この後の挙動が全部予想外に見えます。逆に、切り離されることが前提だと分かっていれば、どのサイトをこの方法でアプリにすべきかは自然に決まります。
macOSの標準機能なので追加の費用はかかりません。専用の道具は3,980円前後の買い切りから、月額課金で年間1万円を超えるものまで幅がありますが、Safariの「Dockに追加」は無料で、対象のMacがSonoma 14以降であれば今日から使えます。まずここを試して、足りない部分がはっきりしてから次を考えるのが順序として無駄がありません。
Dockに追加で手に入る4つのこと
アプリにしたところで、中身はSafariのエンジンが描いているWebページのままです。何かがコンパイルされるわけでも、サイト側から特別なものが降ってくるわけでもありません。変わるのはページを包む入れ物のほうで、それによって次の4つが手に入ります。
- Dockに専用のアイコンが並び、そこに置いたままにできる
- Command+TabとMission Controlに、Safariとは別の項目として出る
- タブバーもアドレスバーも無い窓になり、別のページへ移動してしまう経路が消える
- システム設定の「通知」に単独のアプリとして並び、そのサイトの通知だけを個別に調整できる
このうち1つも当てはまらないサイトは、アプリにしても見た目の良いブックマークにしかなりません。逆に、朝いちばんに開いてそのまま一日開きっぱなしにするサイトは、4つ全部が効きます。
手に入らないものもはっきりしています。ブラウザで開いていたときに無かった機能は、アプリにしても増えません。読み込みが速くなることもなく、オフラインで使えるようになることもありません。速度を期待して作ると失望しますが、タブを見失う問題を解決したくて作ったなら、期待どおりに働きます。
手順と、作ったアプリが保存される場所
作り方は3手です。Safariでアプリにしたいページを開き、メニューバーの「ファイル」から「Dockに追加」を選び、名前を入れて「追加」を押す。ツールバーの共有ボタンからでも同じ項目に届きます。
ここで入れる名前は、後から効いてきます。Dockのアイコンの下、Command+Tabの切り替え、強制終了の一覧、そしてシステム設定の通知一覧に出るのはこの名前です。Googleのサービスから3つ作って全部「Google」にすると、あとで見分けがつかない行が3つ並びます。「メール 仕事」「カレンダー 仕事」「ドライブ 個人」のように、アカウントか用途を名前に入れておくと1年後でも読めます。
保存先はホームフォルダの中の「アプリケーション」フォルダです。ディスク直下の共通のアプリケーションフォルダではないため、「作ったはずのアプリが見当たらない」という詰まり方をしやすい箇所になります。Finderのメニューバーから「移動」を開いて「ホーム」を選び、その中の「アプリケーション」を開けば入っています。DockとSpotlightからはどちらのフォルダにあっても呼び出せます。
消すときも同じ場所です。ホームの「アプリケーション」フォルダを開いて、ゴミ箱にドラッグすれば消えます。Dockからアイコンを外しただけでは実体は残るので、使わなくなったWebアプリが気づかないうちに溜まるのはこのためです。
ログインが引き継がれないのは仕様で、そこが使いどころ
作ったアプリを開くとログイン画面が出ます。Appleの資料は理由をはっきり書いています。
Webアプリは、Safariとは別に機能します。閲覧履歴、Cookie、Webサイトデータ、設定情報はSafariと共有されません。そのため、Safariプロファイルを使う場合と同様に、ブラウズをほかとは切り分けることができます。 出典: support.apple.com
最初は不具合に見えますが、これがこの道を選ぶ最大の理由になります。Cookieの保管場所がアプリごとに分かれているため、同じサービスから2つのアプリを作れば、2つのログインが同時に生きます。仕事用と個人用のGoogleアカウント、2つのSlackワークスペース、テナントが違う管理画面。これまでアカウント切り替えやプロファイルの往復でしのいでいた場面が、窓を2つ開くだけで済みます。
代償は2つあります。1つはアプリごとに一度サインインし直す手間で、これは初回だけです。もう1つは見落としやすく、Chromeウェブストアの拡張機能がこの道では一切使えないことです。広告ブロッカーや翻訳ツールを前提に毎日の作業が組まれているなら、他の比較を始める前にこの一点で選択肢が決まります。Safari機能拡張は引き継がれるので、そちらで代替できるかどうかが分かれ目になります。
分離は逆向きにも働きます。Webアプリの中でサインアウトしてもSafariはサインアウトしませんし、SafariのWebサイトデータを消してもWebアプリのログインは残ります。掃除もそれぞれに必要です。
設定画面で変えられる項目
Webアプリを開いて、メニューバーのアプリ名から「設定」を選ぶと、変更できる項目が並びます。数は多くありませんが、どれも実用的です。
- アプリケーション名: 後から名前を変えられる。同じ名前が並んでしまったときの修正はここ
- アプリケーションURL: 開く先を変えられる。「現在開いているページを指定」を使うのが実用的で、絞り込み済みのボードや特定の受信箱を起点にできる
- アイコン: 手持ちの画像ファイルに差し替えられる。ファビコンが小さいサイトはDockで滲むので、ここで直す価値がある
- ナビゲーションコントロールを表示: 戻る・進む・共有ボタンとSafari機能拡張のボタンを出すかどうか。オフにすると画面がサイトだけになる
- タイトルバーにカラーを表示: サイトの色をタイトルバーに反映させる。似た見た目のアプリを見分けるのに効く
ナビゲーションコントロールの扱いは、サイトの性質で決めるのが妥当です。数字を眺めるだけのダッシュボードならオフにして画面を広く使い、リンクをたどって戻る操作が仕事に含まれるサイトならオンのままにしておく。一律の正解はありません。
プライバシータブからは、そのサイトのCookieとキャッシュだけを消せます。Safariのデータには触りません。機能拡張タブでは、インストール済みのSafari機能拡張をこのアプリだけ有効または無効にできるので、広告ブロッカーを片方のアプリでだけ動かすといった使い分けができます。
通知が出ないときに見る1か所
Webアプリまわりでいちばん多い詰まりが通知です。原因はほぼ1つに絞れます。通知の許可を求められたとき、Safariの中ではなくWebアプリの中で「許可」を押す必要があります。
Safari側で答えてしまうと、許可はSafariに紐づきます。その結果、Webアプリはシステム設定の通知一覧に出てこず、Dockのアイコンに未読件数の赤いバッジも出ません。
数か月前にSafariで許可済みのサイトだと、新しく作ったWebアプリが通知の許可をまったく聞いてこないことがあります。サイト側からは「もう答えをもらった」状態に見えるためです。この場合はSafariの設定からWebサイトの通知の許可を取り消し、Webアプリを開いて聞き直させると通ります。
通知一覧にはサイトのURLではなくアプリ名で並びます。作成時の名前をきちんと付けておく理由が、ここでもう一度出てきます。
Safariのwebアプリ化で足りなくなる場面
この道が止まる場所は、はっきりしています。
1つ目は拡張機能です。Chromeウェブストアの拡張機能は動きません。エンジンがWebKitだからで、設定では埋められません。
2つ目はエンジンの選択肢です。Chromeでは正しく表示され、Safariでは崩れるサイトが現実にあります。この道では使えるエンジンが1つしかないため、崩れたら打つ手がありません。ブラウザを選べる道具なら、Chrome、Brave、Microsoft Edge、Vivaldiなどから選び直すことで回避できます。
3つ目は数です。4つ作るのは楽しい作業ですが、25個となると、名前を考えてアイコンを探す時間がそのまま積み上がります。プリセットを持つ道具が存在するのは、この時間を消すためです。300以上のプリセットからすぐ作れる形であれば、URLもアイコンも名前も選んだ時点で埋まります。どのサービスが最初から用意されているかは対応サービス一覧にまとまっています。
4つ目は組み合わせです。Safariでは1つのアプリに1つのサイトが基本で、メールとカレンダーとドライブを1つの窓にまとめるといった使い方はできません。
毎日のタブから、アプリにするものを選ぶ
10個作って3個しか使わない、というのがよくある結末です。選ぶ基準を先に決めておくと減らせます。
残すのは、次の3つを満たすタブです。
- 毎営業日に開いている
- 検索結果やリンクからではなく、自分でクリックして開いている
- ログイン状態を保っておく価値がある
メール、カレンダー、チャット、課題管理、社内の管理画面はたいてい当てはまります。ドキュメント、検索から辿るページ、月に数回しか開かないサービスは当てはまりません。それらはブラウザのほうが素直に扱えます。
そのうえで除外を1つ。拡張機能が無いと使いものにならないサイト、特定のエンジンでしか正しく動かないサイト、認証のたびにポップアップ窓を開くサイトは、WebKit専用の入れ物には向きません。別の道に回したほうが早く終わります。
無料の道と専用の道具を、費用と手数で比べる
判断材料を並べると、境目が見えます。macOSの標準機能は費用が0円で、対象はSonoma 14以降。専用のWebアプリ化ツールは無料枠のあるものが多く、たとえば3アプリまで無料で、それ以上を作るときに3,980円の買い切りへ移る形があります。月額課金の製品は3年で28,700円前後に達するものもあり、同じ「サイトをアプリにする」でも総額の幅は大きく開きます。何をどこまで求めるかを先に決めないと、比較の意味がありません。
判断の順序としては、まずSafariの「Dockに追加」で1つ作ってみて、拡張機能・エンジン・アプリの個数のどれかで詰まるかを確かめる。詰まらなければそれで完成で、追加の出費は要りません。詰まったときに初めて、道具側が何を肩代わりするのかを見にいく。各ツールが何を制御できるのかはできることにまとまっており、実際の作成手順は使い方ガイドで画面付きに確認できます。無料枠と買い切りの線引きは料金に整理されています。
作ったあとに効いてくるのは、機能の多さよりも運用の安定です。Chromeは数週間ごとに更新され、ブラウザ本体に紐づく方式の入れ物はそのたびにアイコンが戻ったり起動しなくなったりすることがあります。25個作ったあとにその作業が発生するかどうかは、選ぶ前に確かめておく価値があります。導入前によく出る疑問はよくある質問に集まっているので、費用と手数の見積もりはそこで補えます。
よくある質問
SafariのWebアプリ化はどのmacOSから使えますか?
macOS Sonoma 14以降で使えます。それより前のバージョンではSafariに「Dockに追加」の項目自体がないため、Chromeの「アプリとしてインストール」か、専用のWebアプリ化ツールを使う形になります。
作ったWebアプリがログイン画面から始まるのは不具合ですか?
仕様です。WebアプリはSafariとCookieやWebサイトデータを共有しない作りになっているため、初回はサインインし直す必要があります。この分離のおかげで、同じサービスの2つのアカウントを2つのアプリで同時に開けます。
Chromeの拡張機能はSafariのWebアプリでも使えますか?
使えません。エンジンがWebKitのため、Chromeウェブストアの拡張機能は動きません。インストール済みのSafari機能拡張であれば、アプリの設定の機能拡張タブから個別に有効・無効を切り替えられます。
通知が届かないときは何を確認すればよいですか?
通知の許可をSafari側で答えていないかを確認します。許可はWebアプリの中で押す必要があり、そうして初めてシステム設定の通知一覧にアプリ名で並び、Dockのアイコンに未読件数の赤いバッジが出ます。