discordのアプリでアカウントを複数使う|切替と同時起動の境目
仕事用と個人用でDiscordのアカウントを分けたものの、パソコンのアプリでは片方しか映らない。この状態でつまずいている人が知りたいのは、たいてい「切り替える方法」ではなく「両方を同時に開いておく方法」です。この2つは公式の機能で解決できる範囲がはっきり分かれていて、どちらを求めているかで取るべき手段がまったく変わります。ここでは公式が公開している仕様を確認したうえで、同時に開く必要がある場合の経路を並べます。
公式の切替機能は5つまで、ただし同時ではない
パソコン版のDiscordには、複数のアカウントを登録しておいて行き来する機能があります。左下の自分のアイコンをクリックし、アカウントを切り替える、を選ぶと切り替わります。
登録できる数は公式のヘルプに明記されています。
You can log into five accounts using the Account Switcher.(アカウント切替機能では5つのアカウントにログインできます) 出典: support.discord.com
ここで押さえておきたいのは数ではなく、切り替わる場所です。窓は1つのまま中身が入れ替わるので、もう片方は画面から消えます。表示中でないアカウント宛のメンションもダイレクトメッセージも、切り替えるまで気づけません。
さらに、切り替えのたびに失われるものが2つあると公式が説明しています。文字の大きさなど見た目に関する設定が初期値に戻ることと、途中まで書いて送っていない下書きが保存されないことです。どちらも不具合ではなく仕様なので、報告しても直りません。書きかけの返信を抱えたまま別のアカウントを見にいく、という使い方はできない前提で考える必要があります。
この機能を使っていることが他の利用者に見えるわけではなく、アカウントごとに設定したプライバシー関連の項目も切替によって変わることはありません。見た目の上では、単に別人としてログインし直したのと同じ状態になります。
アカウントを分けること自体は認められている
複数のアカウントを持つこと自体が規約違反になるのか、という疑問は必ず出てきます。公式が切替機能を用意して案内している以上、複数所持そのものが禁じられているわけではありません。
ただし、公開されている説明にはもう1つ重要な記述があります。利用規約やコミュニティガイドラインへの違反があった場合、Discordの安全管理チームは同一人物のものと判断できるアカウントに対して措置を取ることがあり、その対象には切替機能に登録したアカウントも含まれる、という内容です。違反が重いほど、複数のアカウントにまたがって措置が及びやすいとも書かれています。
つまり、サブのアカウントは「別人」としては扱われません。本アカウントと切り離した捨て駒のつもりで運用するのは、想定されている使い方から外れます。逆に言えば、仕事用と個人用のように、どちらも普通に使う目的で分けるのであれば気にする話ではありません。分ける動機が「片方で何をしても本アカウントに影響しない」であるときだけ、前提が崩れます。
電話番号は1つのアカウントにしか付けられない
同時起動の設定を終えたあとで気づいて困るのが、電話番号の扱いです。先に決めておくほうが確実なので、順番を前に持ってきます。
Discordの電話番号はログインと不正防止のための認証に使われていて、公式ヘルプに次の制約が書かれています。
Only one number can be connected to an account at a time.(1つの番号を同時に接続できるアカウントは1つだけです) 出典: support.discord.com
同じページには、番号を外したあと再び別のアカウントに付けられるようになるまで待機期間がある、という説明も続きます。つまり、1つの番号を仕事用と個人用で行ったり来たりさせる運用は成り立ちません。
これが効いてくるのは、参加した先のサーバーが電話番号による認証を投稿の条件にしている場合です。読むだけならできるのに、いざ書き込もうとした段階で弾かれます。2つのアカウントのうち、認証が必要なサーバーで発言するのはどちらかを先に決めて、その側に番号を付けておくのが安全です。
メールアドレスのほうは制約が緩く、アカウントごとに別のものが必要ですが、既存のアドレスにプラス記号で識別子を足す書き方を受け付けるメールサービスであれば、受信箱は1つにまとめたまま分けられます。
2つを同時に開く4つの経路
切替では足りない、という結論になったときの選択肢は次の4つです。
| 経路 | 同時に開ける | ログインが残る | 通知が両方届く | アプリ版が必要 |
|---|---|---|---|---|
| 公式の切替機能 | できない | 残る | 表示中のみ | 必要 |
| シークレットウィンドウ | できる | 閉じると消える | 開いている間だけ | 不要 |
| ブラウザのプロファイル追加 | できる | 残る | 届く | 不要 |
| アカウントごとに独立したアプリ | できる | 残る | アプリごとに届く | 不要 |
シークレットウィンドウは準備がいらない代わりに、閉じた瞬間にログインが消えます。1時間だけ別アカウントで様子を見る、といった用途には向きますが、毎日使う相手には向きません。
ブラウザのプロファイルを増やす方法は、ログインもCookieもきちんと分かれます。弱点は見分けにくさで、どちらも同じブラウザの窓として並ぶため、目的の側を探す手間が毎回かかります。
アカウントごとに独立したアプリを作る方法は、この見分けにくさを解消します。Dockに別々のアイコンとして並び、クリックした先が必ず狙ったアカウントになります。仕組みとしてはプロファイルの分離と同じで、Cookie・ログイン情報・履歴・キャッシュがアプリごとに独立します。詳しくはできることに、どこまで分離されるかが整理されています。
ブラウザ側で動かすときに変わること
同時起動の3つの経路はどれもブラウザの上で動くので、アプリ版との違いを把握しておく必要があります。
公式が示しているブラウザの下限は、Chromeが108以降、Firefoxが142以降、Edgeが86以降、Operaが72以降、Safariが15.4以降です。あわせて、スマートフォンのブラウザで動かす使い方はサポート対象外だと明記されています。
文字のやり取り、サーバーの閲覧、通話、スレッド、ダイレクトメッセージは通常どおり使えます。差が出るのは周辺の機能です。他のアプリを前面にしたままキーを押して発話する操作は、Webページが画面の外のキー入力を受け取れないため働きません。プロフィールに遊んでいるゲームや使用中のソフトを表示する機能も、アプリ版が担当しています。画面共有に音声を乗せる用途は環境によって挙動が変わるため、本番の前に一度試しておくのが確実です。
仕事の連絡を受け取るためのサブアカウントであれば、ここに挙げた制約はどれも日常業務に触れません。逆に、通話とゲームが中心のメインアカウントであれば複数が該当します。全体としてどちらが上かではなく、アカウントごとに用途が違うという前提で振り分けるのが実務的です。
スマートフォン側には切替の仕組みが用意されていない
パソコンで分けたあとに必ず出てくるのが、外出先での扱いです。公式の説明で切替機能はデスクトップ向けの機能として案内されており、スマートフォンのアプリに同じ仕組みは用意されていません。
そのため、外でも両方を見たい場合は、片方をスマートフォンのアプリに入れ、もう片方はスマートフォンのブラウザで開く、という組み合わせを考えたくなります。ところがここにも制約があり、公式はスマートフォンのブラウザでの利用をサポート対象外としています。動く場合もありますが、不具合が出ても対応の範囲外という位置づけです。
現実的な落としどころは、外で必ず反応する必要がある側だけをスマートフォンのアプリに入れて、もう片方はパソコンの窓に置いておく形です。2つとも外で追いかけようとすると、ログアウトとログインを繰り返すことになり、そのたびに認証のやり直しが挟まります。どちらを持ち歩くかを決めておくほうが、結果として手数が減ります。
対応する機種の下限も確認しておく価値があります。公式が示すスマートフォン側の下限はiOSが16.0以降、Androidが7以降で、推奨はAndroidが10以降です。古い端末をサブ用の連絡先として残しておく計画は、この下限に当たっていないかを先に見ておく必要があります。
どのアカウントを独立させるかの決め方
窓を1つ増やすのは無料ではありません。Dockの場所を取り、裏で通信し、設定の手間も増えます。次の3つで振り分けると、迷いが減ります。
1つ目は、そのアカウント宛の連絡を何時間以内に見る必要があるかです。取引先や社内のやり取りが来る側は独立させる価値があります。趣味で眺めているだけのコミュニティは、切替機能の枠に置いたままで足ります。
2つ目は、混ざったときに実害が出るかどうかです。個人用の名前で取引先のサーバーに書き込んでしまう事故は、送信前にアイコンを確認する習慣ではなく、窓そのものを分けることで防ぐ種類の問題です。
3つ目は、開く頻度です。週に1回なら切替で十分ですし、5つの枠はそのためにあります。毎日開くものだけが、切替のたびに下書きを失う損失に見合います。
多くの場合、落ち着く形は2つです。メインはアプリ版のまま、仕事用や運営用の1つだけを独立した窓に出す構成が、増やしすぎずに効果が出る境目になります。
3つ以上を同時に開きたくなったときは、いったん立ち止まる価値があります。開いている窓の数だけ未読の印が並び、どれを先に見るかの判断が毎回発生するためです。役割が重なっているアカウントがあるなら、独立させる前に統合できないかを検討したほうが、日々の負担は軽くなります。分ける理由が説明できるものだけを分ける、という基準に落とすと、結果的に窓は増えません。
対応するサービスの一覧から読み取れること
アカウントを分けたいという要求は、Discordに限った話ではありません。同じ会社で複数のアカウントを持つ状況は、メール、表計算、プロジェクト管理、AIのチャットでも同じように起きます。
サイトを独立したアプリにする道具の対応サービス一覧を眺めると、その分布が見えます。用意されているものは300以上のプリセットからすぐ作れる規模で、コミュニケーション、AI、SNS、動画、仕事効率化、開発、買い物と分野が広く並びます。アカウントの使い分けが必要になるのは、この中でもログインを伴うサービスに集中します。
ブラウザ拡張機能がそのまま動く点も、この経路を選ぶ理由になります。パスワード管理や翻訳をアプリの中で使えるかどうかは、毎日の入力回数に直結します。ただし拡張機能はプロファイル単位なので、新しく作った側の窓には最初は何も入っていません。ここを入れ忘れると、2つ目のアカウントだけログインのたびに手打ちすることになります。
通知の許可も同じくプロファイル単位です。新しい窓で許可を出し直さないと、せっかく分けたのに片方が無音のままになります。作った直後に、通知の許可、ログイン状態の保持、アイコンと名前の区別、この3点を確認しておけば、あとから探す手間がなくなります。料金の考え方は料金にまとまっており、3つまでなら費用をかけずに試せます。
よくある質問
Discordのアプリで複数アカウントを登録できる数は?
公式の切替機能で5つまで登録できます。ただし同時に表示されるのは1つだけで、表示していないアカウント宛の通知は届きません。切り替えるたびに未送信の下書きが消え、文字の大きさなど一部の表示設定が初期値に戻る仕様です。
アカウントを複数持つのは規約違反になりますか?
公式が切替機能を提供しているため、複数所持そのものは想定された使い方です。注意点は処分の範囲で、規約やガイドラインへの違反があった場合、同一人物のものと判断できるアカウントに措置が及ぶことがあると公開されています。切替機能に登録したアカウントも対象に含まれます。
2つのアカウントで同じ電話番号を使えますか?
使えません。1つの番号を接続できるアカウントは同時に1つだけで、外してから別のアカウントに付け直すまでには待機期間があります。電話番号による認証を投稿の条件にしているサーバーがあるため、そこで発言する側のアカウントに番号を付けておくのが確実です。
アカウントごとに窓を分けると動作は重くなりますか?
それぞれが独立したセッションになるので、負荷はブラウザのタブを1つ増やしたときに近い量です。すでに入れてあるブラウザを土台にする方式であれば、表示の仕組みを二重に抱え込まないため、別のチャットソフトをもう1本入れる場合より増加は小さく収まります。