DMMブックスをPCで読む|Macで本棚を独立させる手順
DMMブックスをPCで読みたいと考えて調べ始めると、情報がWindowsの話に偏っていて、Macでどうなるのかがはっきりしません。結論から書くと、Mac版のDMMブックスアプリは公式に配布されています。ただしそのアプリは閲覧専用で、購入と本棚の操作はブラウザ側に残ります。この記事では、Mac版アプリの動作環境を確かめたうえで、ブラウザ側に残る画面をタブから切り離して独立したアプリにする手順までを扱います。
Mac版のDMMブックスアプリは公式に配布されている
まず事実確認から入ります。DMMブックスのビューア案内ページには、Windows版とMac版の両方のダウンロードが並んでいます。Mac版のインストーラはpkg形式で、動作環境として記載されているのはmacOS 10.12以上、CPUは1GHz以上、メモリはOSが必要とする最低メモリに加えて1GB、空き容量は必須容量400MBに加えて電子書籍ファイルを保存するために十分な容量とされています。仮想環境上では正常に動作しないことがある、という注記も付いています。
Windows版の条件は少し違います。OSはWindows 11以上で、必須容量は300MBです。加えて、Windows 32bit版アプリの配布は終了しています。検索結果に32bitと64bitの選択で迷った質問が残っているのは、この配布終了の前後で案内が変わったためです。いま新しく導入する場合、Windowsでは64bit版だけが対象になります。
つまり「PCで読めるのか」という問いへの答えは、WindowsでもMacでも読める、です。情報がWindowsに偏って見えるのは、利用者数の差と、32bit配布終了のような変更がWindows側に集中したことの結果であって、Macが対象外だからではありません。macOS 10.12は2016年のバージョンなので、いま現役で使っているMacであれば動作環境の下限は問題になりません。
アプリは閲覧専用で、購入はブラウザ側に残る
ここが構成を決めるうえで一番大事な点です。DMMブックスのアプリは、購入済みの作品を読むためのビューアです。アプリの中から書籍を購入することはできません。この仕様はiOS版とAndroid版の注意事項に明記されていて、PC版も同じ役割分担になっています。
なぜアプリが必要なのかは、ファイル形式の説明を読むとわかります。DMMのヘルプは、扱う形式を3つに分けています。dmmb形式は画像コンテンツをDRM化したもの、dmme形式は固定型EPUB(主に漫画、絵本、写真集)をDRM化したもの、dmmr形式はリフロー型EPUB(主に小説などの文字主体のコンテンツ)をDRM化したものです。そしてこの3形式にはDRMが施されているため、閲覧にはDMMブックスアプリが必要だと書かれています。同じ箇所に、DMMを退会すると閲覧できなくなる、という注意も添えられています。
結果として、Mac上での作業は2つの場所に分かれます。読む作業はアプリの中、それ以外の作業はブラウザの中です。ブラウザ側に残るのは、作品を探す、試し読みをする、購入する、購入履歴を確認する、本棚を整理する、セールを見る、といった操作です。日々の時間で見ると、実はブラウザ側で過ごす時間のほうが長い人も少なくありません。
ブラウザ側の画面が、タブに埋もれていく
読む場所が決まっていても、ブラウザ側の操作は毎回同じ苦労を繰り返します。実際の質問として残っているものを見ると、詰まる場所が具体的に見えてきます。
DMMブックスで購入した本をPCアプリで閲覧についてです。 ①一括でダウンロードする ②ダウンロードなしで閲覧する 上記の方法をご存知でしたら教えてください。 せっかく購入した本たちですが、ブラウザでは読み込みが遅い、アプリではダウンロードが進まず読めていません 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
アプリとブラウザの両方を行き来していて、どちらの側でも止まっている状態です。アプリ側の同期の問題は利用者の手では直せませんが、ブラウザ側の扱いにくさは構成で減らせます。
ブラウザ側で起きることを並べると、原因はサイトではなく窓のほうにあることがわかります。タブが10枚以上あるウィンドウでは、目的のタブが真ん中あたりに沈んで毎回探すことになります。Command と W はタブを閉じる操作なので、購入手続きの途中や本棚の整理中に押してしまうと、そこまでの操作が消えます。セーフモードの強弱の切り替えは、そのブラウザ全体の設定として残ります。通知が出る場合はブラウザからの通知として届くので、ほかのサイトの通知と区別できません。どれも書店側の不具合ではなく、窓の持ち方の問題です。
ブラウザ側を独立したアプリにする3つの道
同じWebサイトをDockのアイコンから開けるようにする方法は、macOSに3通りあります。できることが違うので、順に見ていきます。
SafariでDockに追加する
Safariで目的のページを開き、ツールバーの共有ボタンから「Dockに追加」を選びます。DockとSpotlightにアイコンが並び、タブバーとアドレスバーのない窓で開くようになります。ログイン状態はSafariから引き継がれます。作業は十数秒で終わり、費用はかかりません。動作の詳細はAppleサポートの案内で確認できます。
ただし2つの制限があります。Safariで作ったWebアプリはブラウザ拡張が動きません。また、Cookieの保存場所はSafariと共通なので、同じサイトに別のアカウントで同時にログインしておくことはできません。
Chromeでアプリとしてインストールする
Chromeでは、右上のメニューから「保存と共有」の中にある「ページをアプリとしてインストール」を選びます。インストール後の管理方法はChrome ヘルプに説明があります。作成元のChromeプロファイルの拡張機能がそのまま使えるため、広告ブロックやパスワード管理の拡張を窓の中で動かせます。一方でセッションはそのプロファイルのものなので、別アカウントで使い分けたい場合はChromeのプロファイルを先に増やす作業が必要になります。
サイトをアプリにする道具を使う
3つめは、ブラウザの機能を借りるのではなく、Webサイトから独立したmacOSアプリを生成する道具を使う方法です。実務上の違いは、生成したアプリごとに専用のブラウザプロファイルが割り当てられる点にあります。Cookieとログイン状態がアプリ単位で分離され、それでいてChrome用の拡張機能は動きます。前の2つがどちらか片方しか満たせない組み合わせなので、この点だけは代わりがききません。
3つの道を並べて比べる
| ブラウザのタブ | SafariのDockに追加 | Chromeのアプリ | サイトをアプリにする道具 | |
|---|---|---|---|---|
| Dockのアイコン | なし | あり | あり | あり |
| Command と W で閉じるもの | 操作中のタブ | アプリの窓 | アプリの窓 | アプリの窓 |
| ブラウザ拡張 | 使える | 使えない | 使える | 使える |
| ログイン状態の分離 | なし | なし | プロファイル単位 | アプリ単位 |
| 同じサイトに2アカウント | 不可 | 不可 | プロファイルを2つ作れば可 | 可 |
| 用意にかかる時間 | 不要 | 十数秒 | 十数秒 | 数分 |
上の2行は、タブに埋もれる問題そのものへの答えです。この2行だけが目的なら、Safariの「Dockに追加」で足ります。判断が分かれるのは下の3行で、拡張機能を窓の中で使いたい場合と、ログイン状態を分けたい場合に限って、3つめの道が意味を持ちます。
家族と共用するMacで、履歴と設定を分ける
ログイン状態の分離が効くのは、アカウントを2つ持っている人だけではありません。1台のMacを家族で使っている場合にも同じ仕組みが働きます。
ブラウザは、閲覧履歴とCookieをプロファイル単位で保存します。書店サイトを通常のタブで開いていると、履歴もおすすめの表示もセーフモードの設定も、そのブラウザ全体に混ざります。macOSのユーザアカウントを分ければ解決しますが、アカウントを切り替えるたびにアプリの起動状態が入れ替わるので、日常の使い方としては重い操作になります。
アプリ単位でプロファイルが分かれていれば、その書店の履歴とCookieはそのアプリの中だけに残ります。同じMacの同じユーザアカウントのまま、ふだん使いのブラウザの履歴には何も混ざりません。窓を閉じておけば、Dockのアイコンを消す設定もできます。このあたりの設定項目はできることのページに一覧があり、アプリごとにタブバーとアドレスバーを表示するかどうかも選べます。
この構成にしても変わらないこと
期待の方向を間違えないために、変わらない点を3つ挙げます。
第一に、DRMがかかった作品の閲覧にはDMMブックスアプリが必要です。ブラウザ側をアプリの形にしても、dmmb形式やdmme形式の作品がその窓で読めるようになるわけではありません。読む場所はアプリ、それ以外はアプリ化したブラウザ、という役割分担は維持されます。
第二に、退会すると閲覧できなくなるという条件は変わりません。これはDRMの仕組みそのものに由来する条件で、窓の持ち方とは関係がありません。
第三に、動作環境も変わりません。Mac版アプリの下限はmacOS 10.12以上のままで、必要な空き容量も同じです。窓を変える作業は、書店側の仕様には触りません。逆に言えば、DMMブックスが提供する機能はそのまま使えます。中身はブラウザエンジンなので、サイト側の変更はその日から反映されます。
対応サービスの一覧から、独立させる候補を決める
毎日開くサイトを1つ独立させると、次は「ほかにどれを出すべきか」が気になります。判断の材料として使いやすいのは、どのサービスがすでに設定済みの候補として用意されているかです。対応サービス一覧には300以上のサービスがプリセットとして登録されており、名称と公式アイコンとURLが最初から設定された状態でアプリを作れます。一覧にないサイトも、URLを直接入力すれば同じようにアプリにできます。
候補の絞り方には目安があります。1日に2回以上開くサイト、ログイン状態を保ったまま置いておきたいサイト、通知を独立して受けたいサイト、この3つのうち2つ以上に当てはまるものから出していくと、Dockが無駄に増えません。書店サイトは1つめと2つめに当てはまるので、優先度は高いほうです。メールやカレンダー、チャットも同じ理由で候補に入ります。
一覧を眺めるときは、名前の知っているサービスから選ぶのではなく、いま実際にタブに常駐しているものから選ぶほうが外れません。ブラウザのタブを左から順に読み上げて、1週間で一度も閉じていないタブを書き出すと、それがそのまま候補の一覧になります。書店サイトがその中に入っているなら、独立させる価値は十分にあります。逆に、月に一度しか開かないサイトをアプリにしても、Dockのアイコンが1つ増えるだけで終わります。
作る手順そのものは使い方ガイドにまとまっています。URLと名前を入れ、アイコンを選び、作成を押すという3段階で、macOSらしい角丸のマスクは自動で適用されます。費用の面では、3つまでのアプリ作成が無料で、それ以上が必要になった場合の条件は料金のページに書かれています。まず1つ作って1週間使ってみて、タブに戻らなかったものだけを残していくのが、無駄のない進め方です。
よくある質問
DMMブックスのMac版アプリはどこからダウンロードできますか?
DMMブックスのビューア案内ページに、Windows版とMac版のダウンロードが並んでいます。Mac版はpkg形式のインストーラで配布されており、動作環境はmacOS 10.12以上、空き容量は必須容量400MBに加えて書籍を保存する容量が必要です。仮想環境上では正常に動作しないことがあるという注記が付いています。
アプリを入れれば購入までアプリの中で完結しますか?
完結しません。DMMブックスのアプリは購入済み作品を読むためのビューアで、アプリ内で書籍を購入することはできません。作品を探す、試し読みをする、購入する、本棚を整理するといった操作はWebサイト側に残るため、その画面を独立したアプリにしておくと行き来が楽になります。
ブラウザをアプリ化すれば購入した本もその窓で読めますか?
読めるようにはなりません。dmmb形式、dmme形式、dmmr形式にはDRMが施されているため、閲覧にはDMMブックスアプリが必要だとDMMのヘルプに記載があります。アプリ化で変わるのは購入や本棚などのWeb側の操作で、読む場所はビューアアプリのままです。
家族と共用しているMacで、書店の履歴を分けられますか?
分けられます。ブラウザは履歴とCookieをプロファイル単位で保存するため、アプリごとに専用プロファイルが割り当てられる方式であれば、その書店の履歴はそのアプリの中だけに残ります。macOSのユーザアカウントを切り替える必要がなく、ふだん使いのブラウザの履歴には混ざりません。