Macで確定申告のe-Taxができないとき|順に確かめる手順

Macで確定申告のe-Taxができないという状態には、原因の違う行き止まりがいくつも混ざっています。ソフトが落とせない、落としたファイルが開かない、画面は出るのに次へ進まない、署名の段で止まる、そもそもその手続きが一覧に出てこない、の5つです。結論を先に書くと、確かめる順番は「どの入口を開いているか」「OSとブラウザの組み合わせ」「事前準備セットアップ」「カードの読み取り」「その手続きがMacの経路に載っているか」で、この順に見れば大半は切り分けられます。

「できない」の正体は、入口の取り違えから始まる

e-Taxという名前で呼ばれているものは1つではありません。パソコンから使う入口は3つに分かれています。ひとつめがe-Taxソフト、つまりパソコンに導入して使うダウンロード版です。ふたつめがe-Taxソフト(WEB版)で、導入せずにブラウザの画面で入力して送信します。みっつめが確定申告書等作成コーナーで、所得税や消費税、贈与税の確定申告書を作るときに使います。

この3つは対応するOSが同じではありません。e-Taxソフトのダウンロードコーナーでは、推奨環境として並んでいるOSがMicrosoft Windows 11だけで、ブラウザはMicrosoft Edge(Chromium)とGoogle Chrome、PDF閲覧はAdobe Acrobat Reader DCと記載されています。そして表の下に、はっきりと書かれています。

Mac OS をご利用の方は、e-Taxソフトをご利用いただけません。 出典: e-tax.nta.go.jp

検索で見つけた手順どおりに進めているのに落としたファイルが開かない、という状況のほとんどはここです。ダウンロードした共通プログラムのインストーラは拡張子がexeの形式で、容量は約89.8MBと案内されています。exeはmacOSでは開きません。他人の記事を見ながら操作していると、この分岐に気づかないまま時間を使うことになります。Macで進める場合の入口は、e-Taxソフト(WEB版)か確定申告書等作成コーナーの2つです。

OSとブラウザの組み合わせを、推奨環境の表と突き合わせる

入口を間違えていないのに進まない場合は、次に推奨環境を見ます。e-Taxソフト(WEB版)のMacintosh向けの表は、mac OS 13(Ventura)にSafari 18.6、mac OS 14(Sonoma)にSafari 18.6とSafari 26.0、mac OS 15(Sequoia)とmac OS 26(Tahoe)にSafari 26.0という並びです。確定申告書等作成コーナーの表もほぼ同じ構成で、mac OS 13にSafari 18.6、mac OS 14とmac OS 15とmac OS 26にSafari 26.1が対応として示されています。

ここで見落としやすいのが、Macの行にGoogle Chromeが無いことです。Windowsの行にはMicrosoft EdgeとGoogle Chromeが並び、Firefoxはマイナンバーカード方式が使えない扱いになっています。一方でMacの行にあるブラウザはSafariだけです。普段Chromeを主に使っている場合、同じ手順で進めているつもりでも土台が違います。画面が真っ白になる、ボタンを押しても反応しない、といった症状のときは、まずSafariで開き直すのが早道です。

推奨環境の表には、サポートが終了しているOSを含めて表に無いものは推奨環境外であり、使用できないおそれがあると注記が添えられています。日本語版であることと、最新のアップデートを当てておくことも条件として並んでいます。OSを1つ前の大きな版のまま止めている場合は、その時点で表の外に出ている可能性があります。手元のmacOSの版は、アップルメニューの「このMacについて」で確認できます。

年度が変わると、この表の中身も入れ替わります。

既に前年度までで確定申告を経験済みの方は、今年の確定申告において仕様が変更されている可能性もあります。随時バージョンアップや修正が入る為、確定申告を行う前に必ず確認しましょう。 出典: geechs-job.com

去年は通った手順が今年は通らない、という経験は、この入れ替わりから来ています。前年のメモをそのまま当てにせず、推奨環境のページを開き直すところから始めるほうが結果的に速く終わります。

事前準備セットアップを飛ばすと、署名の段で止まる

環境が合っているのに署名や送信で止まる場合、疑うのは事前準備セットアップです。e-Taxソフト(WEB版)のページでは、OSとブラウザに対応した事前準備セットアップのツールを導入したうえで使うよう案内されており、これを行わずに利用すると正しく動作しない場合があると明記されています。

Macintosh向けの事前準備セットアップはdmg形式で、容量は約7.3MBです。Macintoshとsafari用のセットアップインストールマニュアルを確認したうえで導入する流れになっています。Windows向けはexe形式で約28.1MBと案内され、さらにブラウザの拡張機能「e-Tax AP」をChromeウェブストアから追加する手順が別に用意されています。つまり同じ事前準備でも、Mac側とWindows側では入れるものが違います。Windows向けの解説記事を見ながらMacで作業すると、拡張機能を探して見つからないという迷い方をします。

導入したあとに反映されない場合は、ブラウザを完全に終了してから立ち上げ直します。画面を閉じただけではブラウザ自体は終わっていないことがあり、入れたばかりの部品が読み込まれないままになります。入力の途中でブラウザを終了すると内容が消えるため、保存できる画面では保存してから終了するほうが安全です。

カードの読み取りで止まるときは、機械の側を見る

事前準備まで済んでいるのにマイナンバーカードが読めない場合は、パソコンの外側に原因がある可能性が高くなります。確定申告書等作成コーナーのお知らせでは、パソコンを買い替えた際に従来のICカードリーダライタが対応しておらず、読み取りが正常に動作しない場合があると案内されています。そのうえで、種類によってはアップル社のM1チップが搭載された機種に未対応であることを確認した、という注記が置かれています。

この場合にすすめられている逃げ道は2つです。ひとつはスマートフォンでマイナンバーカードを読み取る方法で、確定申告書等作成コーナーの推奨環境の表でも、マイナンバーカード方式のうちQRコードを使う経路がMacで利用できる扱いになっています。パソコンの画面に出たQRコードをスマートフォンで読み取り、カードの読み取りだけをスマートフォンに任せる形です。もうひとつはID・パスワード方式で、こちらもMacの行で利用できる扱いです。

ICカードリーダライタを買い足す前に、まず手元のスマートフォンで代わりになるかを確かめるほうが、費用も時間も少なくて済みます。読み取りに対応した端末かどうかは、マイナポータル側の一覧で確認できます。機器の対応状況そのものは販売元にしか分からないため、型番を控えてメーカーに問い合わせる、という手順も案内されています。

Macでは作成できない手続きが、いまも残っている

ここまでを確かめても目的の手続きが出てこない場合は、そもそもその手続きがMacの経路に載っていない可能性があります。e-Taxソフト(WEB版)で作成できる手続きは一覧として公開されており、納税関係、納税証明書交付関係、法定調書関係、源泉所得税関係、所得税と消費税の関係、インボイス制度関係などが並んでいます。所得税の青色申告承認申請はこの一覧に入っています。

一方で、個人事業の開業・廃業等届出書はこの一覧に見当たりません。国税庁の手続案内では、作成と提出の方法としてパソコンからe-Taxソフトで届出書を作成して提出する形が示されており、書面で作成して持参または送付することもできると添えられています。e-Taxソフトはダウンロード版を指すため、Macだけで電子的に完結させる道はこの手続きでは用意されていない、という読み方になります。

フリーランスや個人事業主が確定申告の時期に触る手続きは、申告書の作成だけではありません。届出、申請、納付、通知の確認が前後に付いてきます。そのうちのどれが一覧に載っていて、どれが載っていないかを最初に見ておくと、当日になって行き止まりに当たる回数を減らせます。載っていない手続きは、書面で出す、税理士に依頼する、会計の業務用ツールから送る、のいずれかに振り分けることになります。

申告の期間だけ開く画面を、ブラウザから切り離す

切り分けと並行して整えておく価値があるのが、作業の場そのものです。確定申告の期間は、申告書を作る画面のほかに、会計の業務用ツール、銀行とクレジットカードの明細、証券会社の年間取引報告書、国税庁のよくある質問、領収書を保存した場所を行き来します。これを1つのブラウザのタブに並べると、入力の途中で目的の画面を探す動作が入り、時間切れで入力内容が消える事故につながります。

申告書を作る画面そのものはSafariで開くのが推奨環境に沿った形です。であれば、それ以外の画面をSafariから追い出しておくと、申告の窓が常に手前に残ります。Macの標準機能でも独立した窓は作れます。SafariではmacOS Sonoma 14以降であれば、開いた状態でメニューバーの「ファイル」から「Dockに追加」を選びます。Chromeでは、右上のその他アイコンからページをアプリとしてインストールの項目を選びます。

独立した窓にすると、ログインの扱いも変わります。

Webアプリは、Safariとは別に機能します。閲覧履歴、Cookie、Webサイトデータ、設定情報はSafariと共有されません。そのため、Safariプロファイルを使う場合と同様に、ブラウズをほかとは切り分けることができます。 出典: support.apple.com

切り分けられるということは、申告用のSafariに他の口座のログインが混ざらない、ということでもあります。複数の事業のデータを扱う場合は、この分離が効きます。

作り方をそろえたい場合は、URLとアイコンを指定して独立した.appを作る専用の道具を使う経路があります。Safariの「Dockに追加」はmacOS Sonoma 14以降が前提で、ChromeのPWAはサイトによって項目そのものが出てこないため、年に一度しか触らない画面を毎回同じ手順で作れるとは限りません。300以上のプリセットから選ぶだけでアプリにできる作りであれば、URLの入力もアイコンの用意も要りません。どこまで作れるかはできることに整理されており、実際の流れは使い方ガイドで確認できます。

選ぶときに見る点は3つです。ブラウザが更新されたあとも作った.appがそのまま動くか、アプリごとにログイン状態を分けられるか、拡張機能をアプリごとに切り替えられるか。3つめは、パスワード管理の拡張機能を申告用の窓だけで使いたい場合に効きます。登録済みのサービスは対応サービス一覧で確認でき、無料で作れる範囲は料金に、細かい挙動の違いはよくある質問に書かれています。

進め方としては、申告書の画面はSafariに残したまま、会計の業務用ツールと明細の画面を独立した窓に出し、そのうえで推奨環境と事前準備セットアップを順に確かめるのが確実です。行き止まりに当たっても、作業の場は崩れません。

よくある質問

Macにe-Taxソフトを入れられないのはなぜですか?

e-Taxソフトのダウンロードコーナーでは、推奨環境のOSがMicrosoft Windows 11だけと記載され、表の下に「Mac OS をご利用の方は、e-Taxソフトをご利用いただけません」と明記されています。配布されているインストーラも拡張子がexeの形式です。Macで進める場合の入口は、e-Taxソフト(WEB版)か確定申告書等作成コーナーの2つになります。

MacでChromeを使うと画面が進まないのですが?

推奨環境の表では、Macの行にあるブラウザはSafariだけです。Windowsの行にはMicrosoft EdgeとGoogle Chromeが並びますが、Macの行にGoogle Chromeはありません。Safariで開き直し、mac OS 13ならSafari 18.6、mac OS 14以降ならSafari 26.0以降という組み合わせになっているかを確かめてください。

カードリーダーが古いようです。買い替えるしかありませんか?

先にスマートフォンで読み取る方法を試す価値があります。確定申告書等作成コーナーの推奨環境では、マイナンバーカード方式のうちQRコードを使う経路と、ID・パスワード方式の両方がMacで利用できる扱いです。パソコンの画面に出たQRコードをスマートフォンで読み取り、カードの読み取りだけをスマートフォンに任せる形になります。

事前準備セットアップは毎年入れ直す必要がありますか?

推奨環境も配布されている部品も年度ごとに更新されるため、申告を始める前に案内のページを開き直すことがすすめられています。Macintosh向けの事前準備セットアップはdmg形式で約7.3MBです。導入したあとは、ブラウザを完全に終了してから立ち上げ直さないと反映されないことがあります。

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