PCで間取り図を作成する|作図の画面を独立した窓にする

「間取り 図 作成 pc」で検索すると、ブラウザだけで使えるWebサービスと、パソコンに入れて使うソフトが混ざって出てきます。この2つは、無料で使える範囲も、必要なパソコンの性能も、作った図面を商用で使えるかどうかも別です。そして見落としやすいのが推奨環境の欄で、Webサービスの側は特定のブラウザだけを名指ししていることがあります。ここを先に読むと、選択肢は一気に絞れます。

Webサービスとソフトで、まず分かれる

間取り図を作る道具は、大きく2つに分かれます。ブラウザで開いて使うWebサービスと、パソコンにインストールして使うソフトです。同じ「無料」という言葉でも、意味するものが違います。

Webサービスの側は、インストールが要らず、作った図面がサーバに保存されます。そのかわり無料の範囲に保存件数の上限があり、書き出した画像に透かしが入ることもあります。パソコンに入れて使うソフトの側は、保存件数の制限がなく、書き出しにも制限がつかないことが多いかわりに、パソコンの性能と保存先の管理を自分で持つことになります。

代表的なものを並べると、Webサービス側にはマイホームクラウドとFloorplanner、インストールして使う側にはSweet Home 3Dがあります。Sweet Home 3Dは無料の間取り作成ソフトで、ダウンロード版にはモデルが10,000点以上、テクスチャが400点以上入っています。オープンソースで、GNU General Public Licenseで配布されています。バージョンは7.5で、29の言語に対応しています。ブラウザだけで試せるOnline Managerも別に用意されていて、こちらはWebGLに対応したブラウザで動きます。

このOnline Managerの説明には、ブラウザ側の条件が書かれています。

Sweet Home 3D Online Manager is a service that lets you design your house layouts online with any browser compatible with WebGL. 出典: sweethome3d.com

無料で使える範囲は「保存できる件数」で決まる

無料で使い始められるかどうかではなく、無料で何件まで保存できるかで比べると差がはっきりします。

マイホームクラウドのFreeコースは無料で、保存できるプランは5件までです。商用利用は対象外で、画面にロゴと広告が出ます。業務で使う場合のProfessionalコースは月額9,800円(税込)で、保存できるプランは2,000件まで、商用利用が可能になり、ロゴと広告が消え、チーム機能を5名まで使えます。組織で使うExpertコースは6アカウントからで30,000円からとなっており、代理店経由の手続きが必要です。

Floorplannerの無料の範囲は、プロジェクトが5件まで、1プロジェクトあたり3フロアまで、デザインは合計3つまでです。書き出せる画像はSD品質で、サイズは960×540ピクセル、透かしが入ります。高解像度の書き出しや3Dツアーを使うときはクレジットを買う形で、5クレジットが8.15米ドル、10クレジットが16.30米ドル、30クレジットが48.90米ドル、100クレジットが163.00米ドルです。

つまり無料の範囲は「試す」ための枠ではなく、「数軒分を保存しておく」ための枠です。1軒の間取りを何案も作って見比べる使い方をすると、5件の枠はすぐに埋まります。案を絞る前提で作るか、有料の枠に進むかを先に決めておくほうが、途中で詰まりません。

推奨環境の欄に、ブラウザが名指しで書かれていることがある

Webサービスを選ぶときに先に読むべきなのは、料金ではなく推奨環境の欄です。間取り図の作図画面は3Dの描画を伴うため、ブラウザとGPUに条件が付きます。

マイホームクラウドの推奨環境のページは、前提としてWebGLが動く環境であることを挙げたうえで、OSはWindows 11、Mac OS 12以降、iOS 16以降、ブラウザはGoogle Chromeの最新版と書いています。CPUはIntel Core i5またはRyzen 5世代以上、メモリは8GB RAM以上、GPUはNVIDIA GeForce GTX 1050またはAMD Radeon RX 560以上が推奨として挙げられています。対応デバイスの案内では、間取り作成ができるのはWindows PC、Mac、iPadで、iPhoneやその他のスマートフォンは閲覧のみとされています。

ここで重要なのは、ブラウザがChromeの最新版に名指しされている点です。SafariもFirefoxも書かれていません。SafariのDockに追加という機能でアプリの形にすると、土台はSafariになるため、この条件から外れます。作図の画面を独立した窓にしたいなら、土台のブラウザを選べる経路を取る必要があります。

「最新版」という条件にも意味があります。Chromeは数週間ごとに更新されるため、古いバージョンのまま固定される作りの窓は、時間がたつほど条件から離れていきます。

作図の画面をタブに残したままにすると起きること

間取り図の作成は、1回で終わる作業ではありません。壁を引き、部屋を区切り、家具を並べ、3Dで確認し、寸法を直す。この往復が何日か続きます。その間、作図の画面はずっと開いたままになります。

ブラウザのタブに混ぜたままにすると、3つのことが起きます。

  • タブが増えるとタイトルが読めなくなり、作図のタブを毎回探すことになる
  • ブラウザを閉じると作図の画面も閉じる。作業の区切りでブラウザを再起動しにくくなる
  • 3Dの描画が動いている状態のタブと、ふだんの閲覧のタブが同じウィンドウに並ぶ

3つ目は性能の話です。推奨環境でGPUが名指しされている種類の画面は、開いているだけで描画の負荷がかかります。同じウィンドウにタブを何十本も並べる使い方とは相性が良くありません。窓を分けると、作図の窓を閉じるだけで負荷を下げられます。

キーボードの操作にも関わります。作図の画面は、選択、複製、取り消しを繰り返す作業です。ブラウザのタブの中で動かしていると、取り消しの操作がブラウザ側に取られて前のページに戻ってしまうことがあります。タブバーとアドレスバーを消した窓にすると、ブラウザ側の操作に割り込まれる余地が減ります。図面の書き出しでファイルを保存する操作も、窓が1つなら保存先を毎回確認しやすくなります。

作図の画面を独立させる4つの経路

ブラウザで開くと決めたあと、窓の形には次の選択肢があります。

経路 Dockのアイコン 土台のブラウザ 拡張機能 ログインの分離
ブラウザのタブのまま なし 使っているもの 使える なし
SafariのDockに追加 あり Safariに固定 使えない なし
ChromeやEdgeでアプリとして入れる あり そのブラウザ ブラウザと共用 なし
サイトをアプリにする道具で作る あり 作成時に選ぶ 使える あり

SafariのDockに追加は手数がいちばん少ない方法ですが、土台がSafariに固定されます。推奨環境でChromeを名指ししているサービスでは、この経路は選びにくくなります。

ChromeやEdgeでアプリとしてインストールする方法は、土台が推奨環境と一致します。ただしアプリはブラウザのプロファイルの中で動くため、ふだんの閲覧とログイン状態を共有します。工務店や不動産の業務で複数のアカウントを使い分ける場合、この点が足りません。

サイトをアプリにする道具を使う経路では、土台のブラウザを作成時に選べて、アプリごとに独立したプロファイルが割り当てられます。Chromeを土台に指定すれば推奨環境の条件を満たし、Cookieとログイン情報はふだんの閲覧から切り離されます。対応しているブラウザエンジンはできることにまとまっています。

選ぶときに確かめておく3点

道具の側で確かめておきたいのは3点です。

1つ目は、土台のブラウザを選べるかどうかです。前に見た通り、推奨環境でChromeを名指ししているサービスがあります。選べない道具だと、この条件に合わせられません。

2つ目は、ブラウザが更新されたあとも動くかどうかです。Chromeの更新のたびにアイコンが戻ったり起動しなくなったりする作りだと、作図の途中で手が止まります。更新を検知して自動で作り直す仕組みを持つ道具なら、この手間が要りません。

3つ目は、アカウントを分けられるかどうかです。個人の住まいの検討と業務の案件を同じアカウントで混ぜたくない場合、プロファイルが分かれる形が要ります。作り方の手順は使い方ガイドに3つのステップで並んでいます。

300以上のプリセットから見える、窓にすべき画面の共通点

サイトをアプリにする道具の側には、あらかじめ登録されているサービスの一覧があります。300以上のサービスプリセットから選ぶだけで作れる形になっていて、その並びに共通するのは、長く開きっぱなしになる画面と、1日に何度も短く開く画面の2種類だという点です。

間取り図の作図画面は前者に当たります。開いている時間が長く、3Dの描画が動き、閉じるとやり直しの手間がかかる。この性質を持つ画面は、ふだんの閲覧のタブと同じウィンドウに混ぜると、両方が不便になります。

登録されている一覧は対応サービス一覧で確認できます。間取り図のサービスのように業種寄りのものは一覧に無いことが多く、その場合はURLを直接入れて作る形になります。URLを入れるとアプリ名が自動で提案され、サイトのファビコンからアイコンを取ることもできます。

費用は先に見当を付けておくと判断が早くなります。無料の範囲で作れるのは3アプリまでで、機能の制限はありません。作図の窓を1つ作るだけならこの範囲で足ります。本数が増えたときの金額は料金にまとまっていて、買い切りの3,980円だけです。アプリを消したときに保存されたデータがどうなるかはよくある質問に書かれています。

決める順番を4つに整理する

1つ目に、作った図面を商用で使うかを決めます。マイホームクラウドのFreeコースは商用利用が対象外で、Professionalコースは月額9,800円(税込)です。ここが先に決まらないと、無料の道具を選ぶ意味がなくなります。

2つ目に、何案を残したいかを数えます。マイホームクラウドのFreeコースは5件まで、Floorplannerの無料の範囲はプロジェクト5件まででデザインは合計3つまでです。案を10通り並べて見比べたいなら、この枠には入りません。

3つ目に、選んだサービスの推奨環境を読みます。ブラウザが名指しされていれば、土台をそれに合わせます。GPUとメモリの条件も、手元のMacで足りているかを見ます。

4つ目に、窓の形を選びます。土台のブラウザを選べて、更新後も動き、アカウントを分けられるかの3点で見れば、残る選択肢は多くありません。

作図の画面は、一度作って終わりではなく何日も戻ってくる画面です。だからこそ、どこで開くかを決めるところに時間をかけるほうが、あとの往復が短くなります。無料の枠の中で試しながら決めるなら、まず1つの窓を作り、作図の画面をそこだけで開く運用にしてみると、タブに混ぜていたときとの差がすぐに分かります。合わなければ窓を消して元に戻せるので、先に決め切る必要はありません。

よくある質問

間取り図の作成は無料のWebサービスだけで足りますか?

案の数と用途によります。マイホームクラウドのFreeコースは保存できるプランが5件までで商用利用は対象外、Floorplannerの無料の範囲はプロジェクト5件まででデザインは合計3つまで、書き出しは960×540ピクセルのSD品質に透かしが入ります。個人が数案を作って見比べる範囲なら足ります。

Macでも間取り図を作れますか?

作れます。マイホームクラウドの対応デバイスの案内では、間取り作成ができるのはWindows PC、Mac、iPadで、推奨環境はMac OS 12以降とGoogle Chromeの最新版です。インストールして使うSweet Home 3Dもダウンロードで使えます。iPhoneやその他のスマートフォンは閲覧のみと案内されています。

推奨環境のブラウザがChromeだけの場合、SafariのDockに追加でアプリにできますか?

できますが、土台がSafariに固定されるため推奨環境の条件から外れます。作図の画面は3Dの描画を伴うので、名指しされたブラウザで動かすほうが確実です。土台のブラウザを作成時に選べる道具を使えば、Chromeを土台にした独立した窓を作れます。

パソコンの性能はどのくらい必要ですか?

マイホームクラウドの推奨環境では、前提としてWebGLが動く環境であることに加えて、CPUがIntel Core i5またはRyzen 5世代以上、メモリが8GB RAM以上、GPUがNVIDIA GeForce GTX 1050またはAMD Radeon RX 560以上が挙げられています。サービスごとに条件が違うので、使う前に各社の推奨環境の欄を読んでおくのが確実です。

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