楽譜作成を無料でブラウザから|専用の窓で書き続ける
「楽譜 作成 無料 ブラウザ」で検索する人が知りたいのは、無料で使えるかどうかではありません。無料のまま何曲まで残せるのか、書き出した譜面にロゴが入るのか、そして毎日開く場所としてブラウザのタブでよいのかという3点です。ブラウザで動く作譜の画面は、音符の入力をキーボードに頼る作りになっているため、どこで開くかが作業の速さに直結します。ここでは各サービスの無料の範囲を確かめたうえで、作譜の画面を独立した窓にする経路を並べます。
無料の範囲は「曲数」で区切られている
ブラウザで動く作譜サービスの無料の枠は、機能ではなく保存できる曲数で区切られていることが多いです。
Flatの無料プランはFlatベーシックという名前で、使える楽器は30種類、楽譜は15件までです。リアルタイムの共同編集、MIDI入力、MusicXMLとMIDIのインポートは無料の範囲に入っています。書き出しと印刷はできますが、Flatのロゴが入ります。有料のFlat パワーは月々1,500円、年間なら7,200円、買い切りのライフタイムが46,000円です。有料にすると楽器音色が180種類以上、楽譜の作成数が無制限、ロゴなしの書き出しになり、ショートカットキーのカスタマイズも使えるようになります。
Noteflightの無料プランはNoteflight Basicで、作れる楽譜は10件までです。有料のNoteflight Premiumは月額7.95米ドルまたは年額49米ドルで、楽譜の作成数が無制限になり、85種類の楽器音源と85,000点以上のデジタル譜面を使えます。学校向けのNoteflight Learnは年額69米ドルからで、最低10ユーザーからの契約です。
ScoreTailは登録せずに試せるオンラインの楽譜エディタで、基本機能が無料と案内されています。MusicXMLに対応していて、他の作譜ソフトからのインポートと書き出しができます。複数人での同時編集にも対応し、URLを共有するだけで招待が済む形です。
インストールして使う側の代表がMuseScore Studioです。こちらはブラウザではなく、Macに入れて使う楽譜作成ソフトで、完全に無料で制限なしと案内されています。オープンソースで、公開されているバージョンは4.7.5です。
無料のまま続けるなら、曲数の枠を先に数える
無料の範囲を曲数で区切られているという性質は、使い始めてから困りやすい部分です。
練習用の譜面を1曲ずつ作っていくと、1年で10曲や15曲は簡単に超えます。編曲の途中稿を別の楽譜として残す習慣がある場合はもっと早く埋まります。枠に達したあとの選択肢は3つで、古い楽譜を削除する、有料プランに移る、別のサービスへMusicXMLで移すという形になります。
MusicXMLで移せるかどうかは、最初に確かめておきたい点です。Flatの無料プランはMusicXMLとMIDIのインポートに対応していますが、MusicXMLとMIDIへの書き出しは有料のFlat パワーの機能として挙げられています。ScoreTailはMusicXMLのインポートと書き出しの両方に対応していると案内されています。無料のまま長く使う前提なら、書き出しの側が無料で使えるかを見るほうが安全です。
書き出した譜面の見た目も確かめどころです。Flatの無料プランの書き出しと印刷にはFlatのロゴが入ります。発表会の譜面や依頼された編曲で使う場合、この点が判断を分けます。
ブラウザのタブに混ぜると、キーの取り合いが起きる
作譜の画面は、マウスよりキーボードで動かす画面です。ScoreTailの案内では、A~Gのキーで音程、1~7のキーで音価を入力し、スペースキーで再生と停止を切り替えると書かれています。1文字のキーに機能が割り当てられている作りです。
A-Gキーで音程、1-7キーで音価を素早く入力/スペースキーで再生/停止、作りながら確認 出典: scoretail.com
この作りは、ブラウザのタブの中では取り合いになりやすくなります。ブラウザ側にもキーの割り当てがあり、タブを閉じる、印刷する、ページを検索する、ブックマークを開くといった操作が修飾キーの組み合わせに入っています。作譜の途中で修飾キーを取り違えると、譜面ではなくブラウザが反応します。有料プランでショートカットキーのカスタマイズが用意されているのは、この取り合いが実際に起きるからです。
タブバーとアドレスバーを消した窓にすると、割り込む余地が減ります。タブが1枚だけの窓であれば、タブを閉じる操作をしても閉じる相手が作譜の画面しかないので、誤って別のタブを閉じることもありません。作業の区切りでブラウザを再起動しても、作譜の窓はそのまま残ります。
毎日開く画面かどうかで、置き場所の判断が変わる
作譜の画面には2つの使い方があります。数日で1曲を仕上げて離れる使い方と、練習や編曲のために毎日短く開く使い方です。後者に当たる人ほど、置き場所を分ける価値が出ます。
毎日開く画面をブラウザのタブに混ぜると、次のことが起きます。
- タブが20本を超えるとタイトルが読めない幅になり、目的のタブを探す作業が毎回発生する
- ブラウザを閉じると作譜の画面も閉じる。次に開くときはログインからやり直しになる
- 共同編集で招かれた楽譜のURLが、ふだんの閲覧の履歴に混ざる
3つ目は共同編集を使う場合の話です。FlatもScoreTailもリアルタイムの共同編集に対応していて、ScoreTailはURLを共有するだけで招待が済む形です。届いたURLを開く場所が決まっていれば、どの楽譜がどこにあるか探す手間が減ります。
音を鳴らす画面である点も、置き場所に関わります。作譜の途中では再生と停止を何度も繰り返します。ふだんの閲覧のタブに動画や配信の画面が混ざっていると、どのタブから音が出ているのか分からなくなり、止めるべき相手を探すことになります。作譜の窓を分けておけば、音の出どころが1つに決まります。譜面の再生音量を調整する機能を持つサービスもあるので、その設定を活かすうえでも音の経路を単純にしておくほうが扱いやすくなります。
作譜の画面を独立させる4つの経路
ブラウザで使うと決めたあと、窓の形には次の選択肢があります。
| 経路 | Dockのアイコン | 拡張機能 | ログインの分離 | タブバーを消せるか |
|---|---|---|---|---|
| ブラウザのタブのまま | なし | 使える | なし | 消せない |
| SafariのDockに追加 | あり | 使えない | なし | 消える |
| ChromeやEdgeでアプリとして入れる | あり | ブラウザと共用 | なし | 消える |
| サイトをアプリにする道具で作る | あり | 使える | あり | 選べる |
SafariのDockに追加は、macOS Sonoma以降のSafariに入っている機能で、手数がいちばん少ない方法です。ただしChrome ウェブストアの拡張機能は使えず、ログインのセッションはSafari本体と共通になります。
ChromeやEdgeでアプリとしてインストールする方法は、拡張機能がそのまま効きます。ただしアプリはブラウザのプロファイルの中で動くため、ふだんの閲覧とログイン状態を共有します。学校のアカウントと個人のアカウントで別の楽譜を管理している場合、この点が足りません。
サイトをアプリにする道具を使う経路では、アプリごとに独立したブラウザプロファイルが割り当てられます。Cookieとログイン情報がふだんの閲覧から切り離されるので、2つのアカウントを同時に開いたままにできます。土台のブラウザも作成時に選べるため、MIDI機器を繋ぐ場合に相性の良いブラウザを指定できます。対応しているブラウザエンジンはできることにまとまっています。
すでにアプリがある場合はどうするか
もう1つ確かめておきたいのは、使うサービスにすでに専用アプリがあるかどうかです。Flatについては、MacとWindowsに対応したFlat Desktopが無料でダウンロードできると案内されています。専用アプリが配られているなら、まずそれを使うのが素直な選択です。
それでも窓を分ける形が残る場面があります。同じサービスを2つのアカウントで使い分けたい場合と、専用アプリが用意されていないサービスを毎日開く場合です。ScoreTailのようにブラウザだけで完結する作りのサービスは、後者に当たります。MuseScore Studioのようにパソコンに入れて使うソフトは、最初から専用アプリなので窓を分ける話には入りません。
判断はこの順番で付きます。専用アプリがあるか、そのアプリで複数アカウントを扱えるか、扱えないなら窓を分ける道具を使うか。順番を飛ばして道具を増やすと、同じ役目のものが2つ手元に残ります。
300以上のプリセットから見える、窓にすべき画面の共通点
サイトをアプリにする道具の側には、あらかじめ登録されているサービスの一覧があります。300以上のサービスプリセットから選ぶだけで作れる形になっていて、その並びを見ると、独立した窓に向く画面の共通点が分かります。1日に何度も短く開くもの、キーボードで操作するもの、ログインしたまま置いておきたいものです。
作譜の画面は3つすべてに当てはまります。何度も開き、キーで音符を入力し、ログインしたまま続けたい画面です。一方で、1曲を仕上げたら半年開かないという使い方なら、窓を増やす必要はありません。分かれ目は開く回数です。
どのサービスが最初から登録されているかは対応サービス一覧で確認できます。一覧に無いサービスはURLを直接入れて作る形で、URLを入れるとアプリ名が自動で提案され、サイトのファビコンからアイコンを取ることもできます。手順は使い方ガイドに3つのステップで並んでいます。
費用も先に見当を付けておくと判断が早くなります。無料の範囲で作れるのは3アプリまでで、機能の制限はありません。作譜の窓を1つか2つ作るだけならこの範囲で足ります。本数が増えたときの金額は料金にまとまっていて、買い切りの3,980円だけです。アプリを消したときにログイン情報がどうなるかはよくある質問に書かれています。
決める順番を4つに整理する
1つ目に、何曲を残したいかを数えます。Flatベーシックは15件まで、Noteflight Basicは10件までです。年に20曲書くなら、無料の枠では収まりません。
2つ目に、書き出しに何を求めるかを決めます。Flatの無料プランの書き出しと印刷にはロゴが入り、MusicXMLへの書き出しは有料の機能です。人に渡す譜面を作るなら、ここが分かれ目になります。
3つ目に、ブラウザで使うか、入れて使うかを決めます。MuseScore Studioは無料で制限なしのソフトで、Flatにも無料のデスクトップ版があります。ブラウザだけで完結するサービスを選ぶなら、次の4つ目に進みます。
4つ目に、窓の形を選びます。キーの取り合いを避けたいならタブバーを消せる形、2つのアカウントを使い分けるならプロファイルが分かれる形です。
無料の範囲で始めるなら、まず1つの窓を作って作譜の画面をそこだけで開いてみるのが確実です。合わなければ窓を消せば元に戻ります。
よくある質問
無料のまま何曲まで作れますか?
サービスによって違います。Flatの無料プランのFlatベーシックは楽譜が15件まで、使える楽器は30種類です。Noteflightの無料プランのNoteflight Basicは10件までです。ScoreTailは基本機能が無料と案内されています。枠を超えたあとは古い楽譜を削除するか、有料プランに移るかの選択になります。
無料プランで書き出した譜面にロゴは入りますか?
Flatの無料プランでは、書き出しと印刷にFlatのロゴが入ると案内されています。ロゴなしの書き出しは有料のFlat パワーの機能で、月々1,500円、年間7,200円、買い切りのライフタイムが46,000円です。人に渡す譜面を作る場合は、この点を先に確かめておくほうが安全です。
ブラウザで作譜すると、ショートカットが使えなくなりますか?
使えますが、ブラウザ側の操作と重なる組み合わせでは取り違えが起きます。音程や音価を1文字のキーで入れる作りのサービスほど影響を受けます。タブバーとアドレスバーを消した窓にすると割り込む余地が減り、有料プランならショートカットキーのカスタマイズも使えます。
専用アプリがあるサービスは、窓を分ける必要がありませんか?
基本的にはありません。Flatについては、MacとWindowsに対応したFlat Desktopが無料でダウンロードできると案内されています。窓を分ける形が役に立つのは、専用アプリが用意されていないサービスを毎日開く場合と、同じサービスを2つのアカウントで同時に使い分けたい場合です。