gmail mac mail app|専用クライアントと窓だけ替える道

Gmailのアカウントが2つ、ブラウザは1つ。URLの末尾は、その日どちらを先に開いたかで u/0 になったり u/1 になったりします。チャットから飛んだリンクが違うほうのアカウントで開き、返信の差出人を間違えかけ、そのタブは午前10時にはもう他の画面の奥に沈んでいる。「gmail mac mail app」で検索すると、性質の違う2つの答えが混ざって出てきます。片方はGmailに接続するメールソフト、もう片方はGmailの画面そのものをブラウザから出して独立した窓に置く方法です。どちらが欲しいのかを先に決めておくと、試しに入れて消す作業をしなくて済みます。

1つの検索語に、別々の製品が混ざっている

メールソフトは、メールの通信規約を話すMac用のアプリケーションです。メッセージを取り込み、自前のコードで表示し、そのソフトの作者が設計した画面を出します。Appleの「メール」も Mimestream もこちらに入ります。画面もキー操作もMac標準の作法で、オフラインの扱いも本物です。

もう一方は入れ物です。画面はGoogleが作ったままで、変わるのは窓のほうだけになります。Dockに置ける独立したアプリの実体、ブラウザとぶつからないセッション、タブバーの無い表示。この3つが手に入ります。

分かれ目は、Gmailの画面そのものを残したいのか、そこから逃げたいのかという点です。Gmailのキー操作・フィルタ・検索演算子を何年もかけて体に入れてきた人は、メールソフトに移った時点でそれを全部手放します。逆にGmailの画面が重いと感じていて、Macのアプリらしい動きが欲しい人には、入れ物では届かないものが手に入ります。

最初から入っている「メール」アプリの立ち位置

Appleの「メール」は費用がかからず、どのMacにも入っています。だから最初の答えになります。GmailへはIMAPで接続していて、以降に感じる違和感のほとんどは、この規約の選択から説明できます。

Gmailはフォルダで整理する仕組みではありません。1通のメッセージが同時に複数のラベルを持てます。IMAPにはそれを表す方法が無いので、ラベルは1つずつ別のメールボックスとして現れ、同じメッセージが複数の場所に見えます。Gmailでいうアーカイブは受信トレイのラベルを外す操作ですが、ここではメールボックス間の移動になります。受信トレイのカテゴリ、メインとそれ以外に分ける仕組みも、IMAPには対応する概念が無いので表示されません。

これは「メール」アプリの出来が悪いという話ではありません。アカウントが1つで、ラベルを重ねずフォルダのように使っているなら、費用がかからず、システム連携も良く、動作も速いアプリです。困りごとの大きさは、Gmailの整理の考え方をどれだけ使い込んでいるかに比例します。

Gmail APIの上に作られたネイティブクライアント

IMAPの代わりにGoogle自身の窓口を使うという選択肢があります。MimestreamはIMAPではなくGmail APIの上に作られたmacOS向けのクライアントで、機能の並びはその設計から素直に導かれます。受信トレイのカテゴリ、色分けと表示設定を含むラベルの完全な対応、サーバー側のフィルタをアプリ内から管理できること、そしてローカルの近似ではないGmailそのものの検索です。

金額は公式の料金ページに書かれています。個人向けは年額49.99ドル、月額なら4.99ドルで、カード登録の要らない14日間の試用があります。買い切りの選択肢は用意していないと明記されています。1つのライセンスで手持ちのGoogleアカウントすべてを、最大5台まで、同居の家族とも共有できます。配布はApp Storeを通さない直販で、直販版もサンドボックス化され、公証を通り、Apple Developer IDで署名されています。動作条件はmacOS 12 Monterey以降です。

円で考えるときは為替が動く点に注意してください。1ドル159.6円で計算すると年額はおよそ7,980円になります。買い切りの道具と比べるときは、この額が毎年続くという前提で並べます。

試用の前に知っておくとよい細部が2つあります。トラッキング防止が75を超える一般的なサービスの追跡を遮ること。もう1つは、通知の時間帯をアカウントごとに設定できることです。仕事のアカウントだけ就業時間の外は黙らせる、といった使い方ができます。

Gmailの画面はそのままに、窓だけ替える

3つ目の答えは、Googleの画面には手を付けず、窓の側だけを直します。無料の道が2つあります。

Safariでは「ファイル」から「Dockに追加」を選びます。macOS Sonoma 14以降で使え、できあがるのはホームフォルダのアプリケーションフォルダに入る本物のアプリの実体です。

Webアプリは、Safariとは別に機能します。閲覧履歴、Cookie、Webサイトデータ、設定情報はSafariと共有されません。 出典: support.apple.com

メールにとっては、この分離が要点そのものです。メール用のアプリは、そのために作ったアカウントにログインしたままで、ブラウザ側で何が起きても影響を受けません。

Chromeの手順は、右上のその他アイコンから「キャスト、保存、共有」を開き「ページをアプリとしてインストール」を選ぶというものです。到達は速いのですが、できたアプリは作成に使ったプロファイルに属するため、ログイン状態をブラウザと共有します。

どちらの道でも、Googleが作ったものはそのまま残ります。キー操作、フィルタ、検索演算子、ラベル、カテゴリ、Google Workspace Marketplace のアドオン。覚え直すものはありません。変わったのは周りの枠だけだからです。

番号でアカウントを見分ける仕組みが、判断の決め手になる

Gmailはログイン中のアカウントを、URLの中の番号で区別します。最初にログインしたものが u/0、次が u/1 と割り当てられます。この番号はログインした順で決まるので、どのアカウントがどの番号かは固定されず、あとから入れ替わります。

ここから2つの困りごとが出ます。特定のメールへのリンクは、その時点でその番号を持っているアカウントの側で開きます。仕事のスレッドが個人の受信トレイで開くのは、これが理由です。もう1つ、番号入りのURLを登録したブックマークやランチャーの項目は、順番が変わるまでしか正しくありません。

アプリごとに独立したブラウザプロファイルを持つ入れ物なら、原因のほうが消えます。1つのアプリが1つのアカウントを保持するので、番号を選び間違える余地がありません。無料の手段の差がいちばん大きく出るのもここです。SafariのWebアプリは自動でセッションが分かれ、ChromeのWebアプリはChromeのプロファイルを手で用意することになり、アプリごとにプロファイルを割り当てる道具は最初からその挙動になっています。対応サービス一覧にはGmailも含まれていて、300以上のサービスがURLと公式アイコンとアプリ名の組でプリセット済みなので、2つ目のアカウント用のアプリも1つ目と同じ手数で作れます。

4つを並べて見る

選択肢 費用 ラベルとカテゴリ 複数アカウント オフライン
Appleの「メール」 無料。標準搭載 ラベルはメールボックスになる。カテゴリは出ない 1つの窓で扱える 端末内に保存
Mimestream 年49.99ドル または 月4.99ドル Gmail API経由でそのまま まとめても分けても可 端末内に控えを保持
SafariのDockに追加 無料 Gmailの表示のまま アカウントごとに1アプリ ページ側の対応範囲
ブラウザを土台にする道具 3つまで無料。無制限は3,980円 Gmailの表示のまま アカウントごとに1アプリ。専用プロファイル ページ側の対応範囲

見落とされやすいのは最後の列です。メールソフトは本文を手元に持つので、電波の無い移動中にも開けます。入れ物のほうは中身がWebページなので、オフラインで何ができるかはページ側の作りで決まります。

費用の形が違う点にも触れておきます。年額のソフトは毎年その金額が続き、買い切りの道具は最初の1回で終わります。料金のページでは、3つまでは無料で、無制限にする場合が買い切り3,980円という形が示されています。アカウントが2つで足りるうちは無料の範囲に収まる、という読み方もできます。

拡張機能とアドオンは、片方向にしか引き継がれない

Gmailに後から足したものは、アカウントではなく画面のほうに付いています。メールソフトへ移るときに、ここでつまずきます。

系統は2つあります。Google Workspace Marketplace のアドオンはGmailのページの中、メッセージの横の枠で動きます。ブラウザの拡張機能はページの外側で動き、パスワード管理・文章校正・ノートアプリへの切り抜きなどはこちらです。

入れ物なら両方そのまま残ります。ページが変わらず、エンジンもブラウザのままだからです。Chromium系のアプリでは、そのアプリが使うプロファイルに入れてある拡張機能が動くので、メールのアプリにはパスワード管理だけ、といった絞り込みができます。SafariのWebアプリでは、アプリの設定にある機能拡張タブから、そのアプリの分だけを個別に切り替えます。

ネイティブのメールソフトでは、どちらも残りません。そのソフトが自分で実装した機能だけが存在します。何も差し込まれないメール画面は速くて静かなので、これは損失ではなく選択にできます。ただし、1週間使ってから気づくのではなく、決めてから移るほうが痛みは小さくなります。

試用の14日間で、最初の1時間に確かめること

試用期間は、順番さえ間違えなければ十分な長さです。最後の日ではなく最初の1時間で見るべき項目が4つあります。

差出人の扱いを最初に見ます。長く使っているGmailのアカウントは、複数のアドレスから送り分けていることが多く、返信が違うアドレスで出ていくのがいちばん痛い失敗です。使っているアドレスが一覧に出るか、署名がアドレスに追随するかを確かめます。

次は検索です。from や has:attachment、日付での絞り込みといった演算子を打ち込んでいる人は、Gmail側の検索に頼っています。手元で索引を作る方式のソフトでは結果が変わるので、記憶にある検索を3つ実際に打って見比べます。

3つ目は、1日に20回やる操作です。キー1つでのアーカイブ、スヌーズ、キーボードからのラベル付け、カテゴリごとの仕分け。何であれ、その最短経路の速さがそのソフトを使い続けるかどうかを決めます。

最後は予定の招待と大きな添付です。どちらもメール単体ではなく他のGoogleのサービスに関わるため、メールだけを話すソフトの限界が見える場所になります。

通知の分離と、「コミュニケーション」が先頭に並ぶ理由

メールは、通知の経路をきちんと設定しておく価値がいちばん高い相手です。届いたことを、画面を見張らずに知りたいからこそ入れ物を変えるわけです。

Webアプリでバッジを出すには順番の決まりがあります。サイトからの通知の許可を、Safariの中ではなくWebアプリの中で答えることです。先にSafari側で答えてしまうと、そのアプリは通知の一覧に現れません。正しく答えれば、システム設定の通知にアプリ名で並び、Dockのアイコンに未読件数が出ます。

効き目が大きいのは集中モードとの組み合わせです。通知はアプリ単位で振り分けられるので、仕事の集中モードではメールのアプリだけ通し、ブラウザは黙らせるという分け方ができます。ピン留めしたタブでは分けられません。

プリセットの分類でコミュニケーションが先頭に置かれているのも、同じ性質の裏返しです。開いている時間が長く、ログイン状態が切れると作業が止まり、通知が要り、アカウントを複数持ちやすい。この4つが揃うサービスは、独立したアプリにしたときの差が最も大きくなります。よくある質問には、必要なブラウザや、作ったアプリを消したときにプロファイルのデータがどう扱われるかもまとめられています。判断の起点は1つで、直したいのがGmailの画面なのか、その周りの窓なのかを決めることです。

よくある質問

Mac用のGmail公式アプリはありますか?

GoogleはmacOS向けのGmailアプリを配布していません。デスクトップで使う正式な形はWebの画面で、これをSafariの「Dockに追加」やChromeの「ページをアプリとしてインストール」で独立したアプリにできます。それ以外の製品は、Gmailに接続する第三者のメールソフトか、同じWeb画面を包む入れ物のどちらかです。

Appleの「メール」でラベルの見え方がおかしいのはなぜですか?

接続にIMAPを使っているためです。IMAPには1通が複数のラベルを同時に持つという概念がありません。ラベルは1つずつメールボックスとして表示されるので、3つのラベルが付いたメールは3か所に見えます。Gmail APIの上に作られたクライアントなら、Gmailと同じ見え方になります。

有料のメールソフトを買い切りで使えますか?

Mimestreamでは選べません。料金ページに、購入方法はサブスクリプションのみと明記されています。年額49.99ドルか月額4.99ドルで、カード登録の要らない14日間の試用があります。買い切りの価格設定は、Webサイトをアプリにする道具の側にあります。

2つのGmailアカウントが互いに開いてしまうのを止められますか?

アカウントごとに、独立したブラウザセッションを持つアプリを用意すると止まります。Gmailはログインした順でURLの番号を割り当てるため、リンクの行き先がずれます。1アプリに1アカウントだけを持たせれば、選ぶ番号そのものが無くなります。

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