Googleカレンダーのアプリを無料で|値段でなく欠ける機能で選ぶ

Googleカレンダーのアプリを無料で使いたい、という検索は、答えが出る前に前提でつまずきます。比較の対象になるはずの有料版が、そもそも存在しないからです。Googleはデスクトップ用のカレンダーを売っておらず、配ってもいません。この1点を先に置くと、探すべきものが変わります。無料か有料かではなく、無料の経路がいくつかあって、それぞれ何が落ちるのか。落ちたものを取り戻すために他社にお金を払う価値があるのか。この2つが本当の判断です。

比べる相手の有料版が、そもそも存在しない

出発点はGoogleのヘルプに1行で書かれています。多くの比較記事が読み飛ばす部分です。

パソコンにカレンダーをダウンロードしてインストールすることはできませんが、オフラインで使用することは可能です。 出典: support.google.com

インストーラが無く、試用期間も無く、上位プランも無いので、値段が付きません。検索結果に並ぶものは、この前提の上で2つに分かれます。カレンダーのデータを、すでに入っているアプリに取り込む方法か。Webサイトそのものに専用の窓を与える方法か。どちらも無料です。有料の製品は存在しますが、それはGoogleカレンダーの有料版ではなく、Googleのアカウントを読める別のカレンダーアプリです。

この区別を保っておくと、この検索で最も多い判断ミスを避けられます。値段で経路を選ぶと、毎日使っている機能が落ちる経路を、無料だからという理由で選んでしまいます。使っていない機能が落ちるなら本当に無料ですが、毎日使う機能が落ちるなら、それは高い買い物です。

標準のカレンダーに寄せると、3つの機能が落ちる

Macに最初から入っているカレンダーは追加費用なしで使え、Googleアカウントをそのまま登録できます。Googleはその手順を案内しており、同じページに、移行しない機能の一覧も公開しています。

Apple カレンダーで利用できない Google カレンダーの機能: 予定のメール通知、新しい Google カレンダーの作成、会議室の予約機能 出典: support.google.com

この3つは、効く相手がそれぞれ違います。だから一律のおすすめが当たりません。

  • 予定のメール通知は、画面を見ていない人に届く唯一の経路です。通知センターではなく受信トレイに届くリマインダーを頼りにしている人は、この経路を失います
  • 新しいGoogleカレンダーの作成は、毎日行う操作ではありません。ただし新しい案件や共有の予定表を立ち上げる瞬間の操作なので、そのたびにWebサイトへ戻る必要が出ます
  • 会議室の予約機能は、会議室を予約する組織に属している人にだけ関係します。関係する人にとっては、これ1つで結論が決まります

3つのうちどれも自分に関係しないと確認できたなら、標準のカレンダーに寄せる判断は素直です。追加の費用がかからず、切断中でも読み書きでき、通知もOSの仕組みにそのまま乗ります。逆に1つでも当てはまるなら、その1つを回避する方法を先に決めてから経路を選ぶ順番になります。

設定の前に知っておきたい点がもう1つあります。自動で同期されるのは、マイカレンダーに入っているカレンダーと誕生日だけです。それ以外は、カレンダーの同期のページで対象を選んで保存する必要があります。アカウントを追加したのにカレンダーが1つ足りない、という相談の多くは、故障ではなくこの設定です。

無料でオフラインにできる範囲は、過去4週間と未来

最初の引用にあったオフラインの機能は実在しますが、言葉の印象より範囲が狭いものです。Googleの説明では、オフラインのカレンダーはChromeブラウザで開き、過去4週間または今日以降の予定を、週・日・月の単位で表示できます。

制限も同じページに並んでいます。オフラインの間は、予定の作成や編集ができず、ゲストにメールを送ることもできず、タスクにもアクセスできません。あとから効いてくる注意書きもあります。パソコンのキャッシュに保存された画像とファイルを削除すると、オフラインのサポートが無効になり、設定をやり直す必要があります。

この範囲は、想定される使い方とずれることがあります。過去の予定を遡って確認する作業、たとえば請求や勤怠の裏取りをする場面では、4週間より前が必要になります。逆に、移動中に今週と来週の予定を確認したいだけであれば、この窓で足ります。自分がどちらの使い方をしているかは、直近の1か月を思い出せばすぐ分かります。

前の節と並べると、きれいに割れます。標準のカレンダーに寄せる経路は、データを手元のアプリに複製するので、オフラインでも読めて書けます。その代わり3つの機能が落ちます。Webサイトのままの経路は、機能を1つも失いませんが、切断中は4週間の窓の中を読むだけです。優劣ではなく、壊れる方向が逆です。どちらの壊れ方なら許せるかは、その人の働き方によって決まります。

有料のカレンダーアプリが売っているもの

無料という語がこの検索に出てくる理由は、有料の選択肢が実在するからです。各社が公開している内容を見ると、何を買うことになるのかがはっきりします。

BusyCalは価格が49.99ドル、動作条件はmacOS 12.0以降、14日間の無料試用があり、Setapp経由でも提供されています。公開されている説明の中心は、Googleとの接続ではなく画面の作りです。日・週・月・年間プランナー・リストの表示を切り替えられること、文字サイズや色や密度を調整できること、カレンダーのまとまりを切り替えるカレンダーセットを持つことが挙げられています。

Flexibitsは定額の形を取っています。料金ページには常に無料の階層が置かれ、そこにFantasticalとCardhopが含まれます。その上に個人・家族・チームの有料階層があり、プレミアムの機能と日程調整の機能が開きます。

ここから読み取れることが2つあります。どちらも批判ではありません。1つは、売っているのは画面であってデータの経路ではない、ということです。これらのアプリもGoogleアカウントを標準のカレンダーと同じやり方で読むので、Googleが利用できないと明記している3つの機能は、お金を払っても戻りません。もう1つは、買い切りと定額では比較の形が揃わないことです。画面の使い勝手を良くしたい人には実用的な選択肢があり、Googleカレンダーの画面のままDockにアイコンが欲しい人は、そもそもこれらの製品の想定読者ではありません。

有料の候補を比べるときに、値段より先に確かめておきたい点が4つあります。提供が終了していないか、新規の受付を止めていないか、運営している会社が変わっていないか、そして料金の改定が予告されていないか。カレンダーのアプリは一度入れると何年も使い続ける種類の道具なので、いま表示されている金額だけを見て決めると、あとから前提が動きます。公式サイトの更新履歴と料金ページの表記を、購入の前に一度読んでおくと安全です。

値段の行を入れて、4つの経路を並べる

標準のカレンダー Webサイトをタブで Webサイトを専用の窓で 有料のカレンダーアプリ
費用 macOSに同梱 無料 無料 買い切りまたは定額
Googleカレンダーの画面 置き換わる 残る 残る 置き換わる
予定のメール通知 使えない 使える 使える 使えない
新しいGoogleカレンダーの作成 使えない 使える 使える 使えない
会議室の予約機能 使えない 使える 使える 使えない
切断中に予定を作る できる できない できない できる
切断中に予定を読む できる 4週間の窓・Chrome 4週間の窓・Chrome できる
Dockのアイコンと切り替え枠 独立する しない 独立する 独立する

真ん中の3行が同じ形で繰り返されているのが、この表の要点です。3つの機能が落ちるのは、無料だからでも安いからでもありません。Googleカレンダーの画面ではなく同期の仕組みを通してアカウントを読んでいるからです。画面が置き換わる列は、値段に関係なく同じ3行を失います。画面が残る列は、値段に関係なく1つも失いません。

もう1つ、表には収まらない差があります。画面が置き換わる列では、Googleカレンダー側に新しい機能が追加されたときに、それが手元のアプリへ届くまでに時間がかかるか、そもそも届きません。同期の仕組みが運べる範囲を超えているためです。画面が残る列では、Webサイトが更新された瞬間に手元でも変わります。日々の使い勝手ではなく、数年単位で見たときにこの差は効いてきます。

お金以外に払っているもの

無料の経路にも費用はあり、設定の時ではなく数週間後に姿を現します。

複製する経路が払うのは、突き合わせの手間です。予定表が2か所に存在し、アカウントの設定で選んだ間隔で同期します。普段は見えませんが、片方で承諾した招待がもう片方に出てこない日に、はじめて表に出ます。とくに自分ではなく他人によって予定が動かされる立場の人は、更新の間隔を既定のまま放置しないほうが安全です。電池のもちを優先した長い間隔は、動かされた会議が見えない時間でもあります。

Webサイトのままの経路が払うのは、注意です。データの複製が1つも無いので構造的な費用はゼロですが、タブは場所ではありません。どの窓に入れたかを思い出す作業が毎日発生します。この費用は1回あたりは数秒で、記録にも残らないため、見積もりから抜け落ちます。ところが1日に開く回数を掛けると、突き合わせの手間より大きくなることがあります。専用の窓を用意する価値は、機能の差ではなく、この見えない費用を消すところにあります。

有料の経路が払うのは、お金と、それより見えにくい移行の手間です。表示・色・通知の既定値・カレンダーのまとまりを一通り設定したあとで別の製品へ移ると、同じ作業をもう一度することになります。14日間の試用は画面が合うかを試すには十分ですが、毎日の運用で何が起きるかを見るには短い期間です。

画面を残したまま、無料で窓を用意する

Googleカレンダーの画面が残ることが条件なら、あとは外側の殻を何にするかだけの話になり、OSの標準機能の範囲では費用が発生しません。SafariはmacOS Sonoma 14以降でページをWebアプリとして保存でき、Appleはそのアプリが閲覧履歴やCookieやWebサイトデータをSafariと共有しないと明記しています。Chromeはその他のメニューのキャスト、保存、共有からページをアプリとしてインストールできます。どちらもDockのアイコンと切り替え枠の席を無料で用意します。

ここまでの整理を踏まえると、無料という語の意味も変わってきます。費用がかからないことと、失うものが無いことは別です。標準のカレンダーに寄せる経路は費用がゼロで、失うものが3つあります。Webサイトに窓を与える経路も費用はゼロで、失うものはありません。同じ無料でも、この2つは同列に置けません。

専用の道具が足すのは殻そのものではなく、その周りの面倒です。アカウントの分離、名前とアイコン、そして同じ処理を1つのサイトでは終えられないという事実の方です。300以上のプリセットからすぐ作れる形で並んでいる対応サービス一覧を見ると、カレンダーは長時間開かれるサイトの1つでしかないことが分かります。費用の考え方は料金に、作る手順は使い方ガイドにまとまっています。

よくある質問

Googleカレンダーの無料の公式Macアプリはありますか?

無料でも有料でも、公式のデスクトップアプリは存在しません。Googleのヘルプには、パソコンにカレンダーをダウンロードしてインストールすることはできないと書かれており、代わりにブラウザでのオフライン利用が案内されています。デスクトップ用の経路は、別のカレンダーアプリでアカウントを読むか、Webサイトを専用の窓で開くかのどちらかです。

Macの標準カレンダーに登録すると、何が使えなくなりますか?

Googleが公開している一覧では、予定のメール通知、新しいGoogleカレンダーの作成、会議室の予約機能の3つです。それ以外は同期しますが、自動で同期されるのはマイカレンダーに入っているものと誕生日だけで、それ以外はカレンダーの同期のページで選んで保存する必要があります。

オフラインのときに予定を作れますか?

Webサイトの経路では作れません。Googleのオフライン機能でできるのは、過去4週間と今日以降の予定を表示することまでで、予定の作成や編集、ゲストへのメール送信、タスクへのアクセスはできないと明記されています。切断中に予定を作る必要があるなら、アカウントを取り込む形のアプリを使う判断になります。

有料のカレンダーアプリを買えば、落ちた機能は戻りますか?

戻りません。有料のアプリも標準のカレンダーと同じ経路でGoogleアカウントを読むため、Googleが利用できないとしている3つの機能はそのまま欠けたままです。買っているのは表示の作りや日程調整の機能であって、Googleカレンダーの画面と同じ機能一式ではありません。

記事一覧へ戻る