Google Chat デスクトップ アプリの正体|Chromeが要る条件と代わりの道
Google Chat デスクトップ アプリを探すと、「公式には無い」と書いた記事と「公式にある」と書いた記事の両方が出てきます。どちらも部分的に正しく、そこが分かりにくさの原因です。Googleはスタンドアロンアプリを公式に用意していますが、それはChromeに入れるウェブアプリで、macOS向けの独立したインストーラが配られているわけではありません。この記事では、公式の道の条件と、その条件が合わないときに取れる道を並べます。
公式のスタンドアロンアプリは用意されている
Google Chatのヘルプには、専用のページがあります。書かれている内容はこうです。
Chrome ブラウザに Google Chat スタンドアロン アプリをインストールすると、Google Chat を簡単に使用できます。このアプリは、プログレッシブ ウェブ アプリケーション(PWA)として提供されており、デスクトップから開くことができるため、Chat をよりスムーズに利用できます。 出典: support.google.com
同じページには、Chromeの拡張機能は存在しないことも明記されています。拡張機能を探して見つからず、諦めてしまった人がいるとすれば、探す対象が違っていたことになります。
システム要件は2つです。Google Chrome 73以降が入っていること、そして拡張機能とアプリをパソコンにインストールできる状態であること。仕事用や学校用のアカウントで途中まで進めなくなる場合は、管理者側の設定で止められている可能性があるので、Google Workspace の管理者に確認する順番になります。
入れ方と、入れたあとの置き場所
手順は短く、chat.google.com にログインした状態で、Chromeの右上にあるインストールのアイコンを押すか、その他のアイコンから「Google Chat をインストール」を選びます。ここで1つ、意図せず入ってしまう経路があります。ヘルプには、chat.google.com へのChromeショートカットをすでに作成している場合はアプリが自動的にインストールされる、と書かれています。手動で入れ直すことはできないので、「押していないのにアイコンがある」という場合はこれが理由です。
入れたあとの置き場所も決まっています。macOSではアプリケーションフォルダの中に「Chat」という名前で並びます。Chromeのアドレスバーに chrome://apps と入れた一覧からも開けます。Windowsではスタートメニュー、ChromeOSではランチャーに入ります。Finderで「Google Chat」と打って見つからない場合は、「Chat」で探すと出てきます。
Macを起動したときから待機させたい場合は、chrome://apps の一覧でアイコンを右クリックし、起動時に開く設定を選びます。チャットは待つ側のツールなので、この設定を入れておくかどうかで、実際に使い物になるかどうかが変わります。
「Chromeを開く必要がある」という条件の意味
公式の道を選ぶかどうかを決めるのは、ここです。ヘルプには次のように書かれています。
Chrome をデフォルトのブラウザにする必要はありませんが、Chat スタンドアロン アプリを使用するには、Chrome を開く必要があります。 出典: support.google.com
普段Chromeを使っている人には何の制約でもありません。一方、SafariやほかのブラウザでWebを見ていて、Chromeは入れていないという人にとっては、チャットのためだけにChromeを常駐させることになります。メモリの話より効いてくるのは、Chromeを終了したときにチャットの窓も一緒に終わる点です。ブラウザを閉じて作業を切り上げる習慣の人ほど、通知が届かない時間ができます。
窓として独立しているかどうかは、Command+Tabで確かめられます。並びの中に「Chat」として出てくるなら、ブラウザとは別のアプリとして扱われています。ここに出ず、ブラウザに切り替わってしまう場合は、作ったつもりのものがタブで開く入口だったということです。タブの列から取り出すのが目的であれば、この確認を最初にしておくと、後から作り直す手間が省けます。
もう1つの性質として、このアプリはインストール元のChromeプロファイルのログイン状態に従います。Chromeで個人のアカウントにログインしているなら、アプリもそのアカウントのChatになります。会社のアカウントで使いたい場合は、Chrome側のプロファイルをそのアカウントに切り替えてから入れることになります。
Chromeを使っていない場合に取れる道
公式のスタンドアロンアプリが合わない場合でも、Chatを独立した窓にすることはできます。macOS側にも同じ目的の機能があるからです。
SafariでChatを開き、メニューバーの「ファイル」から「Dockに追加」を選ぶと、Webアプリとして保存されます。Appleはこの機能についてこう説明しています。
Webアプリは、Safariとは別に機能します。閲覧履歴、Cookie、Webサイトデータ、設定情報はSafariと共有されません。 出典: support.apple.com
Cookieを共有しないので、作った直後はログインからになります。その代わり、Safariでどのアカウントにログインしていようと、その窓は自分のログイン状態を保ちます。ブラウザを閉じてもこの窓は独立して動きます。
3つ目の道として、サイトをアプリにする道具を使う形もあります。アプリの実体を作るため、どのブラウザを普段使っているかに左右されません。アイコンや名前を自分で決められる点と、Chat以外の毎日開くサイトも同じやり方で揃えられる点が、ブラウザの機能との違いです。
| 道 | 前提 | ブラウザを閉じたとき | アカウントの分け方 |
|---|---|---|---|
| 公式のスタンドアロンアプリ | Chrome 73以降 | Chromeと一緒に終わる | Chromeのプロファイルに従う |
| Safariの「Dockに追加」 | macOS Sonoma 14以降 | 独立して動く | 窓ごとにログインを分けられる |
| サイトをアプリにする道具 | 道具の対応環境による | 独立して動く | アプリごとに分けられる |
仕事用と個人用、2つのChatを並べたいとき
Google Chatを使う人の多くは、会社のWorkspaceアカウントを持っています。そこに個人のGoogleアカウントや、取引先から招かれた別のWorkspaceが加わると、切り替えが日常になります。
公式のスタンドアロンアプリで2つを同時に開きたい場合は、Chrome側でプロファイルを2つ用意し、それぞれのプロファイルからアプリを入れる形になります。プロファイルを分けるのはChromeの標準機能なので難しくはありませんが、どちらの窓がどちらのアカウントなのかは、アイコンでは見分けが付きません。
アプリごとにログイン状態を分けられる作り方であれば、名前とアイコンを変えて2つ作れます。Dockに並んだ時点で見分けが付くので、間違った側に返信を書いてしまう事故が減ります。3つ以上のアカウントを行き来している人ほど、この差は大きくなります。
GmailのなかのChatを使っている場合
窓を作る前に、自分がどこからChatを開いているかを確かめておくと、作り直しを避けられます。Googleのヘルプは、パソコンでの入口として、Gmailでログインして使う方法、chat.google.com に直接アクセスする方法、スタンドアロンアプリにログインする方法の3つを挙げています。
Gmailの画面の左側からChatを使っている人は多く、その場合はメールとチャットが1枚のタブに同居しています。この状態のまま窓を作ると、出来上がるのはGmailの窓であって、Chatの窓ではありません。メールを閉じたくてもチャットが道連れになり、チャットだけを残したい場面で困ります。Chatだけを独立させたいなら、chat.google.com を開いた状態から作ります。
逆に、メールとチャットをひとまとめに扱いたい人であれば、Gmailの画面で窓を作るほうが行き来が減ります。どちらが合うかは、1日のうちメールとチャットを同時に見ている時間が長いかどうかで決まります。
なお、Gmailの画面にChatが出ていない場合は、Gmailの設定でChatを表示する項目がオフになっている可能性があります。ここは窓の作り方とは別の話なので、先にブラウザで表示できる状態にしてから作業に入ります。
通知が届かないときに見る場所
チャットを窓にする目的は通知なので、ここが動かないと意味がありません。順番に見ます。
最初はChat側の設定です。Chatの画面の設定に通知の項目があり、ここがオフだと何も出ません。次にmacOSのシステム設定の「通知」です。新しく作った窓はアプリの一覧に新しい項目として増えるので、許可がまだ与えられていない状態から始まります。集中モードが効いている時間帯も同じ見え方になります。
最後に、そのアプリが動いているかどうかです。公式のスタンドアロンアプリはChromeに依存するため、Chromeを終了していると届きません。起動時に開く設定を入れるか、Chromeを開いたままにしておく必要があります。SafariのWebアプリや独立したアプリは、ログイン項目に追加しておけばMacの起動時から待機します。
消し方と、作り直し
合わなかったときに戻せることが分かっていると、試すのが楽になります。公式のスタンドアロンアプリは、chrome://apps を開いてアイコンを右クリックし、アンインストールを選びます。SafariのWebアプリは、ホームフォルダの中のアプリケーションフォルダから、通常のアプリと同じようにゴミ箱へ入れます。
どちらの場合も、消えるのは窓とその窓が持っていたログイン状態だけで、Chatの会話やスペースには影響しません。ブラウザでchat.google.comを開けば今まで通りです。作り直すときは、先に古いほうを消してから作ると、Dockに同じアイコンが2つ並ぶ混乱を避けられます。
Chat以外のサイトをどうするか
Chatを窓にすると、次にカレンダーやメールや管理画面はどうするか、という話になります。目安は3つで、1日に何度も戻るか、通知を待っているか、複数のアカウントを使い分けているか。このうち2つ以上に当てはまるものだけをアプリにすると、Dockの並びが実際の作業の形に近づきます。
どんなサイトが対象になりやすいかは対応サービス一覧にまとまっています。チャットやメールのように短く何度も戻るものが上位に並びます。作る手順とアイコンや名前の決め方は使い方ガイドにあり、300以上のプリセットからすぐ作れるので、1つずつ設定を考える必要はありません。複数アカウントの分け方や通知の扱いで迷ったら、よくある質問に同じ詰まり方の答えが載っています。
よくある質問
Google Chatに公式のデスクトップアプリはありますか?
あります。ただしmacOS用のインストーラが配られているのではなく、Chromeに入れるウェブアプリ(PWA)という形です。Google Chrome 73以降が必要で、使うにはChromeを開いておく必要があるとヘルプに明記されています。
インストールした覚えがないのに、アプリが入っているのはなぜですか?
chat.google.com へのChromeショートカットをすでに作成していた場合、アプリが自動的にインストールされるとヘルプに書かれています。手動で入れ直すことはできない仕様なので、心当たりのないアイコンはこれが理由であることが多いです。
Chromeを終了しても通知は届きますか?
公式のスタンドアロンアプリはChromeに依存するため、Chromeを終了すると届きません。ブラウザを閉じても通知を受け取りたい場合は、SafariのWebアプリや、アプリの実体を作る道具のように、ブラウザから独立した形を選びます。
会社用と個人用のChatを同時に開いておけますか?
公式のスタンドアロンアプリでは、Chrome側でプロファイルを分け、それぞれから入れる形になります。アプリごとにログイン状態を分けられる作り方であれば、名前とアイコンを変えて2つ作れるので、Dockの並びで見分けが付きます。