Google Keep デスクトップアプリの代わりに|Macで独立した窓にする

「Google Keep デスクトップ アプリ」で検索した人の多くは、インストーラの置き場所を探している。結論を先に書くと、GoogleはmacOS向けのGoogle Keepアプリを配っていない。探しても見つからないのは、読者の探し方が悪いからではない。ただし、Macの標準機能だけでGoogle Keepを独立した窓に出すことはできる。この記事では、取れる道と、その道を選んだあとに実際どうなるかを順に整理する。

Google Keepに公式のデスクトップアプリは用意されていない

Googleのヘルプは、パソコンでGoogle Keepを使う手順を「keep.google.com にアクセスします」から書き始めている。インストールの節は無く、パソコン版の入口はブラウザだけだと読める。Google Keep の使い方のページでも、パソコン・Android・iPhoneとiPadの3つのタブが用意され、パソコンの側だけが唯一、アプリのダウンロードに触れていない。

Windows側の事情を解説した記事も、同じ前提に立っている。

Google Keepのデスクトップ向けのアプリはありませんが、Chromeであらかじめショートカットを作成し、デスクトップに配置しておくと、スムーズにメモ画面を立ち上げられます。手順は以下のとおりです。 出典: dime.jp

つまりWindowsでもmacOSでも、状況は変わらない。GoogleはGoogle Keepをブラウザで動くサービスとして設計していて、専用の実行ファイルを配る計画を公表していない。メモアプリの分野では、Appleの「メモ」やMicrosoft OneNoteのようにネイティブアプリを持つ製品が多いため、Google Keepだけ入口が違うことに戸惑う人が出る。検索結果に「PC版アプリのインストール方法」という見出しが並ぶのも、書き手が同じ戸惑いを拾っているからで、中身を開くとほぼすべてがブラウザ側の機能の説明になっている。

探す先を変えるほうが早い。「配布されているアプリを見つける」ではなく、「手元のMacでGoogle Keepを1枚の窓に切り出す」と考え直すと、macOSにもChromeにも、そのための機能がすでに入っている。

独立した窓に出す3つの道を並べて比べる

Macで取れる道は大きく3つある。どれが良いかは、通知を出したいか、複数のGoogleアカウントを行き来するかで変わる。

ひとつ目は、ブラウザのタブのまま使い続ける道。何も設定しないで済み、他のGoogleサービスとログイン状態を共有できる。弱点は、タブが20枚を超えたあたりから目的のタブを探す時間が増えること、そしてCmd+Tabのアプリ切り替えでメモに直接飛べないことだ。

ふたつ目は、Safariの「Dockに追加」。Appleのサポート文書によれば、この機能はmacOS Sonoma 14以降で使える。Safariでkeep.google.comを開き、メニューバーの「ファイル」から「Dockに追加」を選び、名前を入れて追加すると、ホームフォルダの「アプリケーション」フォルダにWebアプリが保存される。DockからもSpotlightからも開けるようになる。

Webアプリは、Safariとは別に機能します。閲覧履歴、Cookie、Webサイトデータ、設定情報はSafariと共有されません。 出典: support.apple.com

この一文は使い勝手を大きく左右する。Safariで日頃ログインしているGoogleアカウントの状態は引き継がれないため、Webアプリ側で改めてログインし直す必要がある。裏を返せば、Safariでは個人用、Webアプリ側では仕事用というように、アカウントを分けて常駐させられる。

みっつ目は、Chromeの「ページをアプリとしてインストール」。Chromeでkeep.google.comを開き、右上のその他アイコンから「キャスト、保存、共有」を選び、「ページをアプリとしてインストール」に進む。Chromeのヘルプは、この形で入れたウェブアプリについて、通知やアイコンバッジといった追加機能を持つ場合があると説明している。Chromeで作った場合はChromeのプロファイルとログイン状態を共有するので、すでにChromeでGoogleにログインしていれば、開いた瞬間からメモが並ぶ。

3つを同じ基準で並べると、手間の少なさはタブのまま、アカウントの切り分けはSafari、既存のログインの引き継ぎやすさはChrome、という住み分けになる。作ったあとに気が変わっても損は小さい。Safariで作ったWebアプリはホームフォルダの「アプリケーション」フォルダに置かれるので、ゴミ箱に入れれば消える。Chromeで入れたウェブアプリも、アプリの設定からアンインストールできる。どちらもGoogle Keep側のメモには一切触れないため、試すこと自体にリスクは無い。

ひとつ補足しておくと、Safariで作ったWebアプリは名前とアイコンを自由に変えられる。Appleの説明では、Webアプリを開いてメニューバーからそのアプリ名をクリックし、「設定」を選ぶと、アプリケーション名・アプリケーションURL・アイコンを差し替えられる。Google Keepの既定のアイコンは黄色で、他の黄色いアプリと並べるとDockで見分けにくいことがある。業務内容に合わせた画像を当てておくと、目で探す時間が減る。

アプリにしたあと、Macでの使い勝手はどう変わるか

独立した窓に切り出すと、変わるのは見た目だけではない。

Cmd+Tabのアプリ切り替えに、Google Keepが1つのアプリとして並ぶ。ブラウザのタブは切り替え候補に出てこないので、これだけでも到達までの操作が減る。Missionコントロールやステージマネージャでも、ブラウザとは別の枠として扱われる。

Dockのアイコンにはバッジを出せる。Appleの資料は、未読の通知の件数を赤いバッジとして表示できると説明したうえで、その条件として、通知の許可をSafariの中ではなくWebアプリの中で与える必要があると書いている。ブラウザ側で先に許可を出してしまっていると、Webアプリのほうが「通知」設定の一覧に現れず、バッジが出ない。順番が結果を決める点は覚えておきたい。

ログインした状態は、窓を閉じても保たれる。macOSを再起動したあとも、多くの場合は開いた瞬間にメモが並ぶ。ログイン時に自動で開くようにしたい場合は、Webアプリをログイン項目に加えればよい。

ウィンドウの大きさと位置も覚える。Google Keepのように、画面の隅に縦長で置いておきたいサービスとは相性が良い。ブラウザのタブでは毎回同じ場所に置き直す必要があったものが、アプリにすると開くたびに同じ形で出てくる。

複数アカウントを扱う場合は注意がいる。SafariのWebアプリは1つのURLに1つの窓が対応する作りなので、同じサービスの2つ目のアカウント用に、もう1つ別のWebアプリを作るのが素直な運用になる。Chrome側で作る場合は、プロファイルごとにインストールすることになる。個人用と仕事用でプロファイルを分けているなら、仕事用のプロファイルでChromeを開いてからインストールすれば、そのアプリは仕事用のアカウントだけを見る。

ツールバーの扱いも選べる。Safariで作ったWebアプリには、戻る・進む・共有のボタンと、入れているSafari機能拡張のボタンが並ぶツールバーがあり、設定の「ナビゲーションコントロールを表示」で出し入れできる。Google Keepのように画面を広く使いたいサービスでは、これを隠すと縦の情報量が増える。逆に、メモから外部のページへ飛ぶことが多いなら、戻るボタンを残しておいたほうが扱いやすい。

一方で、ブラウザの機能を全部持ち込めるわけではない。ブックマークバー、タブ、読み込んだ拡張機能の一部は、独立した窓の中では使えないか、使い方が変わる。ブラウザの拡張機能に頼った作業が多い人ほど、切り出したあとで足りなさを感じやすい。その場合は共有ボタンから「Safariで開く」を選べば、同じページをブラウザ側に戻せる。

Google Keep特有のつまずきどころ

Google Keepを窓に切り出したときに起きやすいのは、次の3つだ。

ひとつは、アカウントの取り違え。Googleの各サービスは、同じブラウザで複数アカウントにログインしていると、URLの末尾に付く番号で誰のデータを見るかが決まる。keep.google.com をそのまま登録すると、既定のアカウントの側が開く。仕事用を常駐させたいなら、その状態のURLを控えてからWebアプリを作り、設定の「アプリケーションURL」に「現在開いているページを指定」で入れ直すのが確実だ。

ふたつめは、通知が期待ほど来ないこと。Google Keepの通知はリマインダーを設定したメモに紐づく。メモを書いただけでは何も飛んでこない。窓を用意しても通知が静かなままなのは、アプリ化の失敗ではなく、通知の種類が限られているためだ。

みっつめは、Chrome拡張機能との混同。Googleは「Google Keep Chrome 拡張機能」を配っていて、これは閲覧中のページをメモに保存するための道具だ。ブラウザの中で完結する機能なので、独立した窓を作る話とは目的が別になる。ページを保存したいなら拡張機能、メモそのものを常駐させたいならアプリ化、と役割を分けて考えると迷わない。

Windows向けの解説がMacでも役に立つ場面はある。

PC向けアプリの有無にかかわらず、いずれもショートカットを作成してデスクトップに配置が可能。方法は、Google Keepと同じです。 出典: dime.jp

Google KeepだけでなくGoogleカレンダーやGoogleドキュメントも同じ手順で窓にできる、という指摘は、macOSでもそのまま当てはまる。Googleのサービス群は公式アプリを持たないものが多いため、一度手順を覚えると、他のサービスにも同じやり方を使い回せる。

どのサイトを独立した窓にするか、判断の基準を持つ

何でもアプリにすると、今度はDockが混む。判断の基準を持つと迷わなくなる。

目安になるのは、1日に何回開くかだ。朝と夕方に確認する程度のサイトは、ブックマークで足りる。逆に、作業のたびに開き直すサイトや、他の作業をしながら横に置いておきたいサイトは、窓に切り出す価値がある。Google Keepは後者に入りやすい。

もう1つの目安は、ブラウザの再読み込みで困るかどうか。書きかけのメモがある状態でブラウザが重くなり、タブをまとめて閉じてしまうことがある。独立した窓なら、ブラウザの都合に巻き込まれない。

作れるかどうかを事前に確かめたいときは、対応しているサービスが一覧になっている資料を見ると早い。Webサイトを独立したmacOSアプリにする道具の対応サービス一覧には、Googleの各サービスを含め、アプリ化の実績があるサービスが並んでいる。手順そのものを追いたい場合は、作成から通知の設定までを画面ごとに説明した使い方ガイドがある。

標準機能で足りない部分を埋めたいときには、専用の道具という選択肢もある。標準機能で作ったWebアプリは、アイコンの差し替えや通知の扱いを1つずつ手で設定することになるが、専用の道具は300以上のプリセットからすぐ作れる形をとっていて、よく使われるサービスは設定済みの状態から始められる。何ができるのかはできることにまとまっていて、費用の考え方は料金、導入前に出やすい疑問はよくある質問で確認できる。

おすすめの進め方としては、まず標準機能で1つ作ってみて、Cmd+Tabに並んだ状態が自分の作業に合うかを数日試すのがよい。合わないと感じたら、Webアプリをゴミ箱に入れるだけで元に戻せる。合うと感じたら、次はGoogleカレンダーや社内の管理画面など、毎日開くものを順に窓へ出していく。Google Keepの公式アプリを待つより、手元の機能で解決するほうが、結果として早く片付く。

よくある質問

Google Keepの公式デスクトップアプリはいつか出ますか?

Googleは現時点でmacOS向けGoogle Keepアプリの配布や開発の予定を公表していません。ヘルプのパソコン向け説明もkeep.google.comへのアクセスから始まります。公式の配布を待つより、SafariのDockに追加やChromeのアプリ化で独立した窓を作るほうが確実です。

SafariでDockに追加すると、Safariのログイン状態は引き継がれますか?

引き継がれません。Appleの説明によると、Webアプリは閲覧履歴・Cookie・Webサイトデータ・設定情報をSafariと共有しません。初回はWebアプリ側で改めてログインが必要です。逆にこの性質を使えば、Safariでは個人用、Webアプリでは仕事用とアカウントを分けて常駐させられます。

Dockのアイコンに未読バッジを出すにはどうすればよいですか?

通知の許可を、ブラウザの中ではなくWebアプリの中で与える必要があります。先にブラウザ側で許可してしまうと、システム設定の「通知」の一覧にWebアプリが現れず、バッジが出ません。うまくいかないときは、一度Webアプリを削除して作り直し、最初の通知確認をWebアプリ内で許可してください。

Google Keep Chrome拡張機能を入れれば、アプリ化は不要になりますか?

目的が違うため置き換えにはなりません。拡張機能は閲覧中のページをメモとして保存するための道具で、ブラウザの中で動きます。メモの一覧そのものを独立した窓に常駐させ、Cmd+Tabで切り替えたい場合は、SafariのDockに追加やChromeのアプリ化が必要です。

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