Google MeetをMacアプリにする代わりの道|手放してよい機能
Google MeetをMacアプリにする方法を探し始める入口は、たいてい同じです。ダウンロードページを探したのに、Mac用のアプリが見つからない。次に浮かぶのが「では代わりに何を使うか」という問いで、ここから道が4つに分かれます。公式のPWA、SafariのDockに追加、ChromeやEdgeでアプリとしてインストール、そしてサイトをアプリにする道具で包む方法です。どれを選んでもDockにアイコンは並びます。違うのは、何を手放すことになるかです。そして手放したものの一部は、会議の最中になって初めて表に出ます。
Googleが配っているのは、ダウンロードするアプリではない
パソコンで使うMeetは、Webで動く製品です。デスクトップ向けに用意されているのはPWAと呼ばれる形式で、公式の説明はこう書かれています。
PWA と Google Meet の機能は同じです。Google Chrome ブラウザの更新時に自動的に更新されます。 出典: support.google.com
この2文が、比較の大半を先に片付けてしまいます。公式の道は機能を削った簡易版ではなく、放っておいても取り残されない。同じページには、対応するのがWindows・macOS・Chrome OS・Linuxであること、実行にはバージョン73以降のChromeが必要であることも書かれています。導入時にChromeが起動している必要はありますが、既定のブラウザにしておく必要はありません。
スマートフォンとは事情が違う点も分けて理解しておきます。携帯端末には本物のアプリがあり、対応はAndroid 5.0以上とiOS 17以上と示されています。「スマホにアプリがあるのだからMacにもあるはずだ」という推測は、別の土俵の話を持ち込んでいることになります。
もう1つ、どの道を選んでも共通してかかる制約があります。動作条件のページによれば、Meetが対応するのは最新のmacOSとその前の2つの主要リリースまでです。入れ物を変えてもこの範囲は広がりません。対応範囲を持っているのはMeetのほうであって、包んでいる側ではないからです。
Macで取れる4つの道を、同じ表で並べる
| 方式 | ログイン情報の保管 | 背景ぼかしなどの映像効果 | 費用 | 更新の出どころ |
|---|---|---|---|---|
| ChromeでPWAとして導入 | Chromeのプロファイルと共有 | 使える | 無料 | Chrome |
| Edgeでアプリとしてインストール | Edgeのプロファイルと共有 | 使える | 無料 | Edge |
| SafariのDockに追加 | Safariと分離 | Safariでは提供されない | 無料 | macOS |
| サイトをアプリにする道具で包む | 道具による。多くはアプリごと独立 | 使う描画エンジンによる | 買い切りまたは継続課金 | 道具の作り手 |
判断を分けるのは、たいてい3列目です。Meetは映像効果と仮想背景の機能を、SafariとFirefoxでは提供していません。これはDockに追加する操作の不具合ではなく、ブラウザに紐づいたMeet側の仕様です。macOS側をどう設定しても現れません。
ChromeとEdgeの2行は、ほとんど同じ性質を持ちます。どちらもページをアプリとしてインストールする機能を備え、窓からタブとアドレスバーが消え、Launchpadとアプリケーションフォルダにも並びます。分かれるのは、どちらのブラウザにログイン情報が置かれているかという1点だけで、それは道具の優劣ではなく、その人のMacの現状で決まります。Meetのためだけにもう1つブラウザを増やすのは、常駐するものを増やすだけになりやすい点は意識しておく価値があります。
2列目は、それ以外の場合を分けます。Chromeで作ったアプリは作成元のプロファイルのログイン情報を引き継ぐので、2つのGoogleアカウントを同時に開いたままにはできません。SafariのWebアプリはSafariと保管場所を分けるとAppleが明記しており、だから2つ目のアカウントを保持できます。背景ぼかしが欲しい人と、アカウントを2つ開きたい人とで、選ぶ道が正反対になる理由がここにあります。
何を手放すことになるのか
「何が手に入るか」ではなく「何を手放すか」で並べ直すと、判断が速くなります。全部を必要としている人はいないからです。
タブの列を手放す。これはどの道でも達成できます。窓にタブもアドレスバーも無く、Command+Tabの切り替えにも独立した項目として出ます。会議中に誰かがリンクを貼って、それを開いたせいで会議の画面が30枚のタブの裏に消える、という事故が起きなくなります。ここまでが目的なら、追加の費用は一切要りません。
Chromeへの依存を手放す。これができるのは4つのうち2つだけです。公式のPWAはChromeが入っていること自体が前提で、更新もChromeに連動します。Safariの道と、macOSの描画エンジンで包む道具は、その前提を持ちません。この1つの用途のためだけにChromeを入れているMacなら、常駐するものが1つ減るという実質的な差になります。
共有プロファイルを手放す。アカウントを分離したい場合の話で、これは気づくのが遅れるほど痛みます。仕事用の会議と個人用の会議が同じ時間帯に入った日に、初めて問題として表面化するからです。
映像効果を手放す。Safariの道を選んだときの交換条件です。ぼかしも背景の差し替えも使えないので、カメラに映るのは部屋そのままになります。在宅で会議に入る頻度が高い人にとっては、ここが決定打になることがあります。
自分で更新する手間を手放す。公式のPWAとSafariの道は、どちらも手作業の更新が発生しません。片方はChromeに、もう片方はmacOSに乗っているためです。
知らせの受け取り方も、方式によって形が変わります。Appleの資料は、Dockに追加したWebアプリについて、未読の件数がDockのアイコンに赤い印として出ると書いています。会議の開始が近いことを知りたいのか、それとも会議中に他の通知が出てこないほうがよいのかで、望ましい挙動は逆になります。前者なら知らせを受け取れる形を選び、後者なら会議の窓だけを独立させて、他の知らせはブラウザ側に置いたままにするほうが静かに使えます。ここは好みの問題に見えて、実際には会議のたびに効いてくる差です。
手放せないのは、許可の層
macOSでは、カメラ・マイク・画面収録の許可は、要求したアプリケーションに対して与えられます。サイトに対してではありません。この1点が、この分野の混乱の大半を生んでいます。
Meetをブラウザのタブから新しい入れ物へ移しても、それまでの許可は引き継がれません。macOSから見ると別のアプリケーションなので、最初の会議でカメラとマイクを改めて聞かれます。画面共有については、システム設定で画面収録を許可するまで、押しても何も起きない状態になります。これはどの方式の欠陥でもなく、許可の仕組みがそうなっているだけです。だからこそ、入れ物を変えるのは会議の4分前ではなく、前日に済ませておく作業になります。
機種によって変わる条件も1つあります。ウインドウや画面全体の共有に音声を含める機能は、macOS 14.2以降が必要です。これは入れ物ではなくOSの側の条件なので、古いMacが道具を変えることで手に入るものではありません。
作ったのに使われないアプリ
もう1つの、静かな失敗の形があります。正しく導入され、正しく動き、それでも一度も開かれないアプリです。
会議はMeetのトップページから始まりません。カレンダーの予定か、貼られたリンクから始まります。そしてそのリンクは既定のブラウザで開きます。ブラウザが受け取ってしまえば、Dockのアイコンは使われないまま並び、会議はタブの中で行われる。せっかく作った状態が、作る前と同じになります。
方式によって打てる手が違います。ChromeやEdgeでインストールしたアプリは、対応するリンクをアプリ側で開く設定を持ちます。SafariのWebアプリは、現在のmacOSでは自身のサイト宛のリンクを引き受けます。他社の道具は、その機能を実装しているかどうか次第です。だからここは、購入したあとではなく前にできることの一覧で確かめる項目になります。
確かめ方は1回のクリックで済みます。カレンダーの予定を開き、会議のリンクを押して、前面に出てくるのがどの窓かを見る。ブラウザが勝つなら、直すべきはリンクの行き先です。窓の見た目をいくら整えても、この1点の代わりにはなりません。ついでに、チャットとメールからも同じリンクを押してみます。3つの経路が同じ結果になるとは限らず、実際に朝いちばんで使われるのはメールの経路だからです。
誰が保守を持つかで、数年後が変わる
方式の違いは機能の違いだけではありません。導入した翌日から先、誰がこれを動く状態に保つのかという問いへの答えでもあります。
公式のPWAは、その責任をGoogleとChromeに預けます。Chromeの更新に連動するので、別に管理するバージョンが存在せず、アプリ側だけ古いMeetが動いている状態になりません。他人と時刻を合わせて使う道具としては、機能一覧に並ぶどの項目よりも効いてくる性質です。
Safariの道は、macOSに預けます。保存したページがシステムの描画エンジンで動くだけなので、OSが進めば一緒に進みます。手で更新するものは何もありません。その代わりが、先に書いた映像効果の不在です。
道具で包む道だけは、特定の作り手が更新を出し続けることが前提になります。ここは選ぶ前に最終更新の時期を見ておく価値があります。Appleは、Apple Silicon搭載のMacでIntel専用のアプリを動かすための仕組みについて、macOS 27を最後の対応リリースとすると公表しています。更新の止まった道具は、そのまま期限付きの土台に変わります。買い切りか継続課金か、対応するmacOSの範囲がどこまでかは料金で確かめられ、判断に迷う点はよくある質問にまとまっています。
どの条件の人が、どれを選ぶか
Googleアカウントが1つで、普段からChromeを使っていて、背景のぼかしを使いたい人は、公式のPWAを入れてそこで終わりにするのが最短です。機能はWebのMeetと同じで、費用はかからず、放っておいても古くなりません。
仕事用と個人用のアカウントを行き来していて、仮想背景は使わない人は、SafariのDockに追加する道のほうが実際の困りごとを解いています。保管場所が分かれていることが、そのまま解決策になっているからです。
Meetだけでなく、毎日開く6つのサイトを同じように独立した窓に置きたい人は、もうMeetの問題を解いていません。入れ物の問題を解いているので、答えは7つ全部を同じ作法で扱える道具になります。240以上のプリセットからすぐ作れる形の道具なら、対象のサイトが最初から用意されているかを対応サービス一覧で確かめられ、実際の作成手順は使い方ガイドで見当が付きます。これらの道は排他ではないので、会議だけ公式のPWA、残りを別の道具、という混在も成立します。
よくある質問
Google Meetに公式のMac用アプリはありますか?
ダウンロードして入れる形の製品はありません。パソコン向けにはPWAが用意されていて、macOS・Windows・Chrome OS・Linuxに対応し、Chrome経由で導入します。公式には、機能はWebのMeetと同じで、Chromeの更新に合わせて自動的に更新されると書かれています。携帯端末向けにはAndroidとiOSのアプリがあります。
アプリにしたあともChromeは必要ですか?
導入にはバージョン73以降のChromeが必要で、作業中はChromeが起動している必要があります。導入後は独立した窓とDockのアイコンを持ちますが、土台はChromeのままで、更新もChromeに連動します。Chromeを削除すると、そのアプリの土台も無くなります。
背景のぼかしや映像効果が見当たりません。なぜですか?
Meetは仮想背景と映像効果の機能を、SafariとFirefoxでは提供していません。SafariのDockに追加した窓や、macOSの描画エンジンで包んだ入れ物では、ブラウザのSafariと同じ理由でこれらの操作が現れません。Chromeを土台にする方式なら使えます。
画面共有がアプリの窓から動かなくなりました。原因は何ですか?
macOSは画面収録の許可をアプリケーション単位で与えるため、新しい窓は別のアプリとして扱われ、許可が引き継がれていません。システム設定で画面収録を許可し、いったん終了してから開き直してください。なお、共有に音声を含める機能はmacOS 14.2以降が条件で、これは入れ物を変えても解決しません。