Google MeetをMacアプリにするをどう選ぶか|条件の見方

Google MeetをMacアプリにする手順そのものは、ブラウザの標準機能だけで数十秒で終わります。判断が要るのはその手前です。毎日開くサイトのうち、どれをDockへ出して、どれをタブのままにしておくか。Meetは他のサービスと事情が違います。会議に入る入口がカレンダーやメールの側にあり、画面共有という重い機能を抱え、無料と有料で使える時間が変わります。この記事では、アプリにする価値があるかどうかを見分ける5つの軸を並べ、最後に決める順番を示します。

ブラウザで動く前提のまま置かれているサービス

Meetには、Macに入れて使う公式のデスクトップ版がありません。Googleが示している使用要件は、Chrome・Firefox・Edge・Safariのいずれかの最新版を使うこと、対応するOSを使うことの2つです。macOSは最新バージョンとその2つ前までのメジャーリリースが対象と書かれています。つまり公式の想定は「ブラウザで開く」であり、Dockから開きたいという要望は利用者の側の工夫で埋めることになります。

そのうえでMeetは、1日に何度も開くサービスです。会議が3件ある日は、少なくとも3回はタブを増やすことになります。終わったタブを閉じ忘れると、カメラのインジケータが点いたままになることもあります。タブに埋もれる度合いは、資料を読むだけのサイトより明らかに強いです。

料金の条件も判断材料になります。Googleは無料で使える範囲を次のように書いています。

Google アカウントをお持ちであれば、どなたでもビデオ会議を開催できます。参加者 100 人まで、最長 60 分までの会議なら料金もかかりません。モバイルおよび 1 対 1 の通話の場合は時間制限がありません。 出典: workspace.google.com

60分で区切られる使い方と、有料プランで最長24時間つなぎっぱなしにする使い方とでは、独立した窓を持つ意味がまるで変わります。ここを先に確かめておくと、あとの判断が早くなります。

軸1 会議に入る動線が、どこから始まっているか

いちばん効く軸です。過去1週間の会議を思い出して、どこを押して入ったかを数えます。

カレンダーの予定に貼られたリンク、メールの招待、チャットに流れてきたURL。これらを押すと、行き先はMacの既定のブラウザです。Meetの入れ物をDockに作っても、この動線には割り込みません。作ったアプリはDockに並んだまま、実際の会議はブラウザのタブで進むことになります。招待リンク経由が8割を超える人は、アプリ化で得られるものが小さいと考えたほうが実態に合います。

逆に、会議コードを打ち込んで入る、その場で新しい会議を作って相手を呼ぶ、決まった常設の部屋に毎朝入る。この3つが中心なら、入口は meet.google.com そのものです。Dockのアイコンを押せば会議の一覧画面が開く状態は、そのまま手数の削減になります。

判断を1行にすると、こうなります。自分でMeetを開いて始める回数が、招待リンクを押す回数を上回っているかどうか。上回っていればアプリにする価値があり、下回っているならタブのままでも困りません。

軸2 Googleアカウントをいくつ使っているか

仕事用と個人用でGoogleアカウントを分けている人には、この軸が最優先になることがあります。

MeetのURLはアカウントごとに切り替わります。ブラウザ側で先に個人用にログインしていると、仕事の会議に個人の名前で入ってしまう取り違えが起こります。会議の参加者一覧に私用のアカウント名が並んでしまい、入り直しになる。この事故は、開く場所を分けるだけでかなり減ります。

Safariから作った入れ物は、閲覧履歴・Cookie・Webサイトデータ・設定情報をSafariと共有しません。つまり、Safariでは個人用にログインしたまま、Dockに置いた入れ物では仕事用にログインしておく、という持ち方ができます。Chromeから作った場合の挙動は別で、元になったプロファイルに紐づきます。Chrome側で仕事用のプロファイルからログアウトすれば、そこから作ったアプリも同じ状態になります。

アカウントが1つだけなら、この軸は判断に効きません。2つ以上あるなら、アプリ化の目的は「早く開くこと」ではなく「取り違えないこと」に変わります。目的が変われば、名前とアイコンの付け方も変わります。仕事用には会社名を入れた名前を付けておくと、Dockを見ただけでどちらか分かります。

軸3 画面共有をどうやっているか

Meetの画面共有には、タブ・ウインドウ・画面全体の3つの選び方があります。Googleの説明では、Chromeのタブを共有した場合はそのタブの音声も既定で共有され、ウインドウや画面全体を共有する場合は「システム音声も共有する」を有効にすると音声を送れます。同時に共有できるのは10画面までとされています。

ここで分かれ目になるのは、ふだん何を見せているかです。ブラウザで開いた資料やダッシュボードをタブ共有で見せる機会が多い人は、会議そのものもブラウザ側にいたほうが、共有したいタブと会議が同じ場所に並びます。一方、KeynoteやExcel、開発中のアプリなど、ブラウザの外にあるウインドウを見せることが多い人は、会議が独立した窓にいるほうが扱いやすくなります。会議の窓と資料の窓を別々に並べられるからです。

もう1つ、覚えておくと事故が減る点があります。Googleは、共有するときは会議のウインドウではなく別のタブやウインドウを選ぶよう案内しています。会議の窓そのものを共有すると、画面の中に画面が延々と入れ子になる状態が起きます。独立した窓にしておくと、共有の選択画面で会議の窓と資料の窓が別の名前で並ぶので、選び間違いが起きにくくなります。

軸4 1回の会議で、どれくらいつないでいるか

短い打ち合わせを刻む使い方と、作業通話を何時間もつなぎっぱなしにする使い方では、窓を分ける価値が違います。

無料の範囲では、3人以上の会議は60分で区切られます。1対1の通話には時間の制限がありません。有料のプランでは会議の長さの上限が24時間まで伸びます。長時間つなぐほど、そのタブが他のタブに紛れる時間も長くなります。読み物のタブを閉じるつもりで会議のタブを閉じてしまう事故は、つないでいる時間に比例して起きやすくなります。

独立した窓にしておくと、Command+Wで閉じる範囲が会議だけになり、ブラウザの整理と会議の継続が干渉しなくなります。Mission Controlでの見つけやすさも変わります。逆に、1日1回の30分の定例だけという使い方なら、この軸はほとんど点数になりません。

軸5 カメラ・マイク・画面収録の許可を、どこに与えるか

macOSの許可はアプリごとに管理されます。Meetを独立した入れ物に移すと、その入れ物に対してカメラとマイクの許可を改めて出すことになります。Googleの案内でも、Meetを使い始める前にカメラとマイクへのアクセスを許可する必要があると書かれています。

画面共有と録画にはもう1段あります。macOS Sequoia以降では、会議中に画面共有や録画を始めるときに確認のダイアログが出ます。最初のダイアログを見逃した場合は、システム設定から画面録画とシステム音声録音の許可を与え直す必要がある、というのがGoogleの説明です。ブラウザで済ませていたときはブラウザ1つに許可を出せば足りていたものが、入れ物を作ると、その入れ物にも同じ許可が要ります。

この手間は1回きりですが、入れ物を作り直すたびに発生します。作り方を何度も変える予定があるなら、先に方式を決めてから作るほうが結果的に早く済みます。許可の状態は、システム設定のプライバシーとセキュリティの中にある、カメラ・マイク・画面収録の各項目で確認できます。

3つの作り方を、同じ表で並べる

Meetを独立した窓にする方法は大きく3つです。判断に効く点だけを並べます。

見る点 SafariのDockに追加 Chromeのアプリとしてインストール 専用の道具
費用 0円 0円 無料のものと有料のものがある
必要な環境 macOS Sonoma 14以降 Chromeが入っていること 道具ごとに異なる
ログインの持ち方 Safariと共有しない 元のプロファイルに紐づく 道具ごとに異なる
URLの差し替え 設定から変更できる 該当する項目が見当たらない 道具ごとに異なる
置かれる場所 ホームフォルダのアプリケーション chrome://apps で管理 通常のアプリと同じ扱い
通知 Dockのアイコンに未読の件数 Chromeの通知の仕組みに従う 道具ごとに異なる
消し方 ゴミ箱へドラッグ アンインストールを選ぶ アプリを削除する

Safariの方式は、アプリ名・アプリケーションURL・アイコンを後から変えられるのが特徴です。会議の入口を meet.google.com にするか、特定の常設の部屋にするかを、作ったあとで変更できます。Chromeの方式は、chrome://apps から起動時に開く設定にできるので、Macにログインした直後から会議の画面を出しておきたい人に向きます。どちらも費用はかかりません。

決める順番を3問にする

軸を全部見比べる必要はありません。次の順に答えると、たいていは1つに絞れます。

  • 1問目。会議を自分で開いて始めることが多いか。招待リンクを押して入ることが多いか。後者ならアプリ化は後回しでよい
  • 2問目。Googleアカウントを2つ以上使い分けているか。使い分けているなら、ログインを分けられる方式を選ぶ
  • 3問目。画面共有はブラウザのタブ中心か、ブラウザの外のウインドウ中心か。後者なら独立した窓の利点が大きい

1問目で「後回しでよい」に着いた人でも、カレンダーの予定を開く場所そのものを見直すと状況が変わることがあります。予定表をDockから開く形にしておけば、そこから押したリンクの行き先は既定のブラウザのままですが、会議の前後の動きが1か所にまとまります。毎日開くサイトをどう配置するかという全体の設計に戻る、ということです。

サイトをアプリにする道具から見た、Meetの位置づけ

Webサイトを独立したアプリに変える道具の側から見ると、Meetは扱いが特殊なサービスに分類されます。理由は3つあります。カメラとマイクという許可が要ること、画面共有という他のアプリの内容に触れる機能があること、入口が別のサービス(カレンダーやメール)にあることです。この3つがそろうサービスは多くありません。

どのサービスが同じように扱われているかは、実際に対応している一覧を見ると分かります。会議・チャット・資料作成・業務システムなど、Dockに出す対象として想定されているサービスが並んでいます。自分が毎日開くもののうち何本が該当するかを数えると、アプリ化の対象を決めやすくなります。詳しくは対応サービス一覧にまとまっています。

入れ物に何を求めるかを整理したい場合は、窓の作り、通知の扱い、複数アカウントの持ち方といった機能の一覧が参考になります。できることを先に読んでから軸を当てはめると、どの方式で足りるかの判断が短くなります。作る手順そのものを知りたい場合は使い方ガイドに一連の流れがまとまっています。

費用の条件は、Meet側の料金とは別に数える必要があります。Meetの料金は利用者1人あたりの月額で増え、アプリ化の道具の費用は台数や本数で増えます。単位が違うものを足し算すると判断を誤ります。料金で単位を確かめてから、Meetのプランと並べて計算するのが確実です。判断に迷う点が残ったときはよくある質問に同じ論点が整理されています。

最後に、選び終えたあとの見直しについて触れておきます。会議の入り方は、職場のツールが変わると一緒に変わります。カレンダー中心だった動線がチャット中心に移ることもあれば、その逆もあります。半年に1度、1週間分の会議の入り方を数え直すだけで、いまの配置が合っているかどうかは判断できます。軸は5つのままで、答えだけが変わります。

よくある質問

Google Meetに公式のMac用アプリはありますか?

Googleが示している使用要件は、Chrome・Firefox・Edge・Safariのいずれかの最新版で開くことです。macOS向けに配布されている公式のデスクトップ版は案内されていません。Dockから開きたい場合は、ブラウザの標準機能で入れ物を作るか、サイトをアプリにする道具を使うことになります。

カレンダーの招待リンクから会議に入ると、作ったアプリは使われますか?

リンクを押したときの行き先はMacの既定のブラウザです。作った入れ物はその動線には割り込みません。招待リンク経由が大半の人は、アプリ化の効果が小さくなります。自分で会議を開いて始める回数のほうが多いかどうかを先に数えてください。

仕事用と個人用のGoogleアカウントを分けたいのですが、どの方式が向きますか?

Safariから作った入れ物は、閲覧履歴やCookie、Webサイトデータ、設定情報をSafariと共有しません。ブラウザ側と入れ物側で別のアカウントにログインしておけます。Chromeから作った場合は元のプロファイルに紐づくため、プロファイルを分ける前提になります。

画面共有はアプリにしても同じように使えますか?

共有の選び方はタブ・ウインドウ・画面全体の3つで変わりません。ただしmacOS Sequoia以降は、画面共有や録画を始めるときに許可の確認が出ます。入れ物ごとに画面録画の許可が要るため、システム設定のプライバシーとセキュリティで状態を確かめてください。

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