Google スライドをブラウザの外に出す|ショートカットをブラウザに取られない
スライドを複製しようとしてブックマークの登録画面が出た。この経験があると、Google スライド デスクトップ アプリという形を探したくなります。結論を先に書くと、GoogleがMac向けに配っているスライドのデスクトップアプリはありません。ただし、Macの標準機能だけで独立した窓を作る道はあり、しかも窓にするとブラウザのタブに割り当てられたキー操作が画面から消えます。重なりの多い作業ほど、この差が効きます。
配られている公式アプリの対象
App Storeの「Google スライド」の情報を見ると、販売元はGoogle LLC、サイズは424.4MBで、互換性の欄にはiOS 17.0以降のiPhoneとiPadOS 17.0以降のiPadが挙げられています。Macの行はありません。Androidについても同名のアプリがストアに置かれています。つまり、専用のアプリが用意されているのはスマートフォンとタブレットまでで、パソコンからの利用はWebブラウザが前提の作りです。
この構造は昔から変わっておらず、デスクトップのアプリに慣れた人が戸惑う点として取り上げられてきました。
とはいえ、Microsoft Officeなどのデスクトップアプリに慣れている人は、少しとっつきにくく感じるかも。今回は、Googleドライブをデスクトップアプリみたいに使う方法を紹介します。 出典: lifehacker.jp
とっつきにくさの中身を具体的に言うと、置き場所とキー操作の2つに分かれます。置き場所は、毎回ブラウザのタブから探すという問題です。キー操作は、スライドの側に割り当てられた組み合わせと、ブラウザの側に割り当てられた組み合わせが重なっているという問題です。前者は窓を作れば解消します。後者は、重なっている場所を知ったうえで窓にすると効きます。
重なっているキー操作を先に見る
Googleのヘルプに載っているスライドの操作から、Macのものを挙げます。ショートカットの一覧を出すのがcommand + / 、メニューの項目を検索するのがoption + / です。フィルムストリップにフォーカスがある状態で、空白のスライドを追加するのがcommand + M、スライドのコピーを作るのがcommand + Dです。最初からスライドショーを表示するのがcommand + shift + enterで、停止はEscです。上部のボタンやメニューが表示されない場合は、Ctrl + Shift + Fで表示できると案内されています。
一方、Chromeのヘルプに載っているMacの操作はこうなっています。新しいタブを開くのが⌘+t、現在のタブを閉じるのが⌘+w、特定のタブに移動するのが⌘+1から⌘+8、最後のタブに移動するのが⌘+9、ウィンドウを最小化するのが⌘+m、現在のウェブページをブックマークとして保存するのが⌘+dです。
並べると、重なっている組み合わせが2つ見えます。スライドの複製とブックマークの保存がどちらもcommand + D、空白のスライドの追加とウィンドウの最小化がどちらもcommand + Mです。どちらが効くかは、そのときフォーカスがどこにあるかで決まります。ページの中に入力の焦点があるときと、ブラウザの枠の側にあるときとで結果が変わるため、同じキーを押したのに違うことが起きた、という状態になります。
窓に出すと、この重なりのうち、ブラウザの枠が持っている側が減ります。タブが存在しない窓では、タブを開く、閉じる、番号で選ぶ、という操作そのものが要らなくなるためです。
窓にすると画面から何が消えるか
Appleの説明では、SafariのWebアプリについて次のように書かれています。ツールバーには戻るボタン、進むボタン、共有ボタンのほか、インストールしたSafari機能拡張に関連するボタンが表示されます。ブックマーク、タブなどのSafariの機能が必要な場合は、共有ボタンをクリックして「Safariで開く」を選ぶことで切り替えられるとされています。
Webアプリは、Safariとは別に機能します。閲覧履歴、Cookie、Webサイトデータ、設定情報はSafariと共有されません。そのため、Safariプロファイルを使う場合と同様に、ブラウズをほかとは切り分けることができます。Webアプリで行ったことは、その中だけで完結します。 出典: support.apple.com
タブの列とアドレスバーが無くなるぶん、縦の表示領域も広がります。スライドの編集画面はフィルムストリップ、キャンバス、スピーカーノートを縦に積む作りなので、数十ピクセルの差でもノートの行数が変わります。プレゼンテーションの練習をしながらノートを直す作業では、ここが体感に出ます。
さらに、窓の設定でナビゲーションコントロールの表示を切ることもできます。戻るボタンや共有ボタンを消してしまえば、編集中に誤って前のページへ戻る操作も起きません。共有のリンクを頻繁に配る使い方なら、表示したままのほうが速く済みます。作業の中身で選ぶ部分です。
Safariの「Dockに追加」で作る手順
macOS Sonoma 14以降なら、標準機能だけで作れます。Safariでスライドの一覧か、よく開くプレゼンテーションを開き、メニューバーの「ファイル」から「Dockに追加」を選び、名前を付けて「追加」をクリックします。ホームフォルダの「アプリケーション」フォルダに保存され、DockからもSpotlightからも開けるようになります。
Cookieが共有されないため、Safariでログイン済みでも、作った窓では改めてGoogleアカウントにログインする必要があります。2段階認証を使っている場合は、その確認も窓ごとに1回通ります。所要は1分ほどですが、確認用の端末が手元にない状態で始めると止まります。
作ったあとは、窓を開いてメニューバーでアプリの名前をクリックし「設定」を選ぶと、アプリケーション名、アイコン、ナビゲーションコントロールの表示を変更できます。ログイン項目に追加しておけば、Macにログインした時点で開いた状態にすることもできます。
Chromeでアプリとしてインストールする手順
Chromeを主に使っている場合は、こちらの手順です。Chromeで対象のページを開き、右上のその他アイコンから「キャスト、保存、共有」を選び、「ページをアプリとしてインストール」を選びます。サイトによっては、アドレスバーの右側にインストールのアイコンが出ることもあります。
Chromeのヘルプでは、ウェブアプリについて、ウェブサイトがアプリとして機能し、パソコンやモバイルデバイスのランチャーやホーム画面からアクセスできるようになると説明されています。一部のウェブアプリには、オフラインでコンテンツを閲覧するための追加のストレージ、通知、ファイルシステムへのアクセス、アイコンバッジなどの追加機能が含まれるとも書かれています。
作ったものはchrome://appsから管理でき、アイコンを右クリックして「起動時に開く」を選べば、Macにログインした時点で開いた状態にできます。デスクトップやメニューにショートカットを作る項目も同じ場所にあります。アプリの設定は、窓の右上のその他アイコンから「アプリ情報」を開いて変更します。
オフラインで編集したいなら、作り方が決まる
移動中の新幹線や機内でスライドを直す予定があるなら、窓の作り方は選べません。Googleのヘルプでは、オフラインでドキュメント、スプレッドシート、スライドを使うための条件が次のように整理されています。インターネットに接続した状態で準備すること、Google ChromeブラウザまたはMicrosoft Edgeブラウザを使うこと、シークレット ブラウジングを使わないこと、「Google オフライン ドキュメント」のChrome拡張機能をインストールして有効にすること、デバイスに十分な空き容量があることの5つです。
設定の場所はGoogle ドライブで、右上の設定アイコンから「設定」を開き、「オフライン」の設定を有効にします。特定のファイルだけを対象にしたい場合は、スライドのホーム画面でファイルのその他アイコンから「オフラインで使用できるようにする」をオンにします。オフラインで開ける状態かどうかは、ファイルのタイトル横にあるドキュメントのステータスを確認するアイコンで見られます。
この条件に照らすと、SafariのWebアプリはオフライン編集の前提を満たしません。オフラインで触る可能性があるなら、Chromeで作る経路を選ぶことになります。別のGoogleアカウントでオフラインアクセスを使う場合は、正しいChromeプロフィールまたはEdgeプロフィールにログインしている必要がある点もヘルプに明記されています。
アカウントを分けている人ほど効く
仕事用と個人用でGoogleアカウントを分けている人は、窓を分ける実利が大きくなります。1つのブラウザで回していると、共有されたスライドのリンクを踏んだときに、どのアカウントで開いているかを都度確かめる作業が発生します。開いたあとでアカウントを切り替えると、URLが変わって共有の状態も見え方が変わります。
Cookieとサイトデータが共有されない仕様は、ここで効きます。アカウントごとに窓を作り、それぞれログインしておけば、開いた時点でどちらかが確定します。名前とアイコンを変更できるので、Dockの中でも見分けが付きます。
保存容量の考え方も押さえておくと判断が早くなります。Google Workspaceでは組織内で共有できるストレージが各ユーザーに提供され、Business Starterでユーザー1人あたり30GB、Business Standardで2TB、Business PlusとEnterprise Plusで5TBとされています。窓をいくつ作ってもこの数字は変わりません。増えるのは、画面への到達の速さと、取り違えの起きにくさだけです。
ほかの毎日開く画面も同じ形にそろえる
スライドを窓にして具合がよければ、次はドキュメント、スプレッドシート、メール、チャットへと広がります。ここで問題になるのが、作り方がばらつくことです。SafariのWebアプリはmacOS Sonoma 14以降が前提で、Chromeのウェブアプリはインストールの項目が出ないサイトもあり、オフラインの条件はサービスごとに違います。
作り方を1つにそろえたい場合は、サイトをアプリにする専用の道具を使う経路があります。URLとアイコンを指定して独立したアプリを作る形で、アプリごとに別のブラウザプロファイルを割り当てるものが多く、アカウントの使い分けを前提に設計されています。300以上のプリセットからすぐ作れる作りであれば、よく使われるサービスはURLの入力もアイコンの設定も要りません。作れる範囲はできることにまとまっており、実際の流れは使い方ガイドで確認できます。
選ぶときに見る点は3つです。どのブラウザエンジンで動くか、キー操作がどこまで窓の中に渡るか、複数のサービスを1つの窓にまとめる形を選べるか。資料を作りながらメールとチャットを数分おきに行き来するなら1つの窓にまとめたほうが速く、プレゼンテーション中に何も紛れ込ませたくないならアイコンを分けたほうが向きます。登録済みのサービスは対応サービス一覧で確認でき、無料の範囲でどこまで作れるかは料金にあります。細かい挙動の違いはよくある質問に整理されています。
進め方としては、オフラインで使うかどうかを先に決め、使わないならSafariの「Dockに追加」で1つ作って1週間そのまま使うのが確実です。誤ってブックマークの画面が出る回数が減ったか、タブを探す動きが消えたかを見ます。そこで足りるなら追加の道具は要りません。オフライン編集が要る、Googleアカウントが3つ以上ある、ほかの毎日開く画面も同じ形にしたい。このどれかに当たった人だけが、次を見ればよい話です。
よくある質問
Google スライドにMac用の公式デスクトップアプリはありますか?
App Storeの掲載情報では、販売元はGoogle LLCで、互換性はiOS 17.0以降のiPhoneとiPadOS 17.0以降のiPadです。Macの行はありません。パソコンからはWebブラウザで使う前提の作りで、独立した窓にしたい場合はMacやChromeの標準機能でWebアプリとして保存する形になります。
スライドの操作とブラウザの操作で重なっているキーはありますか?
あります。Googleのヘルプでは、Macでスライドのコピーを作るのがcommand + D、空白のスライドを追加するのがcommand + Mと案内されています。Chromeのヘルプでは、⌘+dが現在のウェブページをブックマークとして保存、⌘+mがウィンドウの最小化です。どちらが効くかはフォーカスの位置で変わります。
窓にすればオフラインでも編集できますか?
窓にしただけでは編集できません。Googleのヘルプでは、オフラインで使う条件としてGoogle ChromeまたはMicrosoft Edgeを使うこと、シークレット ブラウジングを使わないこと、Google オフライン ドキュメントのChrome拡張機能をインストールして有効にすること、ドライブの設定でオフラインを有効にすることが挙げられています。
仕事用と個人用のアカウントを1台で使い分けられますか?
使い分けられます。Appleの説明では、SafariのWebアプリは閲覧履歴やCookie、Webサイトデータ、設定情報をSafariと共有しません。アカウントごとに窓を作ってそれぞれログインしておけば、開いた時点でどちらかが確定します。名前とアイコンも変更できるため、Dockの中で見分けが付きます。