サイトをアプリにする方法|Macで毎日開くページをDockへ出す手順
サイトをアプリにする方法をMacで探しているとき、たいていの入口は同じです。タブが30枚並んでいて、そのうち本当に毎日使うのは3つで、カレンダーを探すたびにファビコンを目で追っている。この状態を抜けるには、そのサイトだけを独立した窓に出して、Dockのアイコンから直接開けるようにするのが早い。macOSにはその道が複数あり、どれを選ぶかでログインの持ち方も通知の出方も変わります。
Macで「アプリにする」と何が変わるのか
アプリにしたところで、中身はブラウザのエンジンが描いているWebページのままです。サイト側から特別なものがダウンロードされるわけでも、何かがコンパイルされるわけでもありません。変わるのは、ページを包んでいる入れ物のほうです。
入れ物が変わると、次の5つが手に入ります。
- Dockに専用のアイコンが並ぶ
- Command+Tabの切り替えとMission Controlに、ブラウザとは別の項目として出る
- タブバーもアドレスバーも無い窓になり、うっかり別のページへ移動してしまう経路が消える
- システム設定の「通知」に単独のアプリとして並び、そのサイトの通知だけを個別に調整できる
- 道によっては、Cookieの保管場所がブラウザと分かれる(同じサービスの2つ目のアカウントを同時に開ける)
このうち5つ全部が要る人は多くありません。逆に、5つのうち1つも満たさないものは、見た目の良いブックマークです。メニューの場所を調べる前に、自分に足りていないのがどれなのかを決めておくと、選ぶ道は自然に絞れます。通知が要らないなら手軽な道で足りるし、2つ目のアカウントが要るなら選べる道は限られます。
3つの道を並べて比べる
| SafariのDockに追加 | Chromeのアプリとしてインストール | 専用の道具 | |
|---|---|---|---|
| 必要なもの | macOS Sonoma 14以降 | 現行のChrome | 別途の導入 |
| Cookieとログイン | Safariと共有しない | インストールしたプロファイルと共有 | アプリごとに独立 |
| 同じサービスの2アカウント | 使える | プロファイルに従うため不可 | 使える |
| 通知 | 未読件数のバッジも出る | Chrome経由で出る | 道具による |
| アイコンの変更 | アプリの設定から可能 | サイト側のものが使われる | たいてい可能 |
| 保存先 | ホームフォルダのアプリケーション | Chromeが管理(chrome://apps) | 通常のアプリ |
| 壊れるとき | サイトのURLが変わったとき | プロファイルを消したとき | 道具の更新が止まったとき |
表が結論です。以下は、それぞれの行がなぜそうなるのかの説明になります。
SafariのDockに追加は、ログインが引き継がれない
macOS Sonoma 14から、SafariはWebページをそのままアプリとして保存できるようになりました。手順は短く、対象のページを開いて、メニューバーの「ファイル」から「Dockに追加」を選ぶ。または、ツールバーの共有ボタンから「Dockに追加」を選ぶ。名前を入れて「追加」を押せば終わりです。
驚くのはその直後で、作ったアプリを開くとログイン画面が出ます。Appleの資料はこの点をはっきり書いています。
Webアプリは、Safariとは別に機能します。閲覧履歴、Cookie、Webサイトデータ、設定情報はSafariと共有されません。 出典: support.apple.com
最初は不具合に見えますが、これがこの道を選ぶ理由でもあります。同じサービスから2つのアプリを作れば、2つのログインが同時に生きる。仕事用と個人用のアカウントを行き来していた人は、プロファイルの切り替えごと不要になります。
保存先はホームフォルダの中の「アプリケーション」フォルダで、ディスク直下の共通のアプリケーションフォルダではありません。Finderの「移動」から「ホーム」を選べば辿り着けます。アプリを開いてメニューバーのアプリ名から「設定」を開くと、表示名の変更、アイコンの差し替え、URLの変更、ナビゲーションコントロール(戻る・進む等)の表示切り替えができます。プライバシータブではそのサイトのCookieとキャッシュを消せて、機能拡張タブではSafari機能拡張をこのアプリだけ有効・無効にできます。
通知には落とし穴が1つあります。通知の許可を求められたとき、Safari側ではなくWebアプリの中で「許可」を押す必要があります。そうして初めてシステム設定の通知一覧に並び、Dockのアイコンに未読件数の赤いバッジが出ます。
Chromeのメニューには似た項目が2つある
現行のChromeでは、右上の3点メニューの「キャスト、保存、共有」の中に2つの項目が並んでいます。ページをアプリとしてインストールするほうが、窓が独立する本命です。もう1つのショートカットを作成は、名前を付けたランチャーを作るだけで、開くと通常のタブとして表示されます。
古い解説記事にある「ウィンドウとして開く」のチェックボックスは、現在のショートカット作成の画面にはありません。機能が消えたのではなく、2つの項目に分かれたと理解するのが正確です。インストールしたアプリは chrome://apps に並び、間違えて作ったものはアプリ側の3点メニューのアンインストールから消せます。保存されたデータも一緒に消すかどうかを選べます。
この道のログインは、インストールしたプロファイルのものをそのまま引き継ぎます。取引先ごとにプロファイルを分けている人には、開いた瞬間にログイン済みという利点になります。逆に、1つのサービスだけを他から切り離したかった人には向きません。プロファイルを消したり作り直したりすると、そのアプリも道連れになります。
拡張機能が使えるのは、この道の正直な強みです。広告のブロック、パスワード管理、クリップ系の道具を普段どおり動かしたまま、窓だけを独立させられます。
専用の道具にできること、できないこと
3つ目は、URLを包んで独立したアプリを作る専用の道具です。Chromiumを土台にするものと、macOSのWebKitを使うものがあり、無料で公開されているものから買い切りのものまで幅があります。
得られるのは制御です。アプリごとに保管場所が分かれるのでアカウントを並べられる。アイコンを自分で決められる。別ドメインへのリンクを既定のブラウザ側で開かせて、アプリの中を目的のサイトだけに保てる。メニューバーへの常駐や、呼び出し用のキーボードショートカットを持つものもあります。使いたいサービスの雛形が用意されていれば設定の大半は済んでいるので、導入前に対応サービス一覧のようなページで自分の使うサービスが載っているかを見ておくと早いです。
限界も3つあります。1つ目は、埋め込みのブラウザ表示ではログインを完了させない認証基盤があること。ブラウザなら通る社内向けのシングルサインオンが、包んだアプリでは弾かれることがあります。2つ目は、保護された動画の再生に必要な仕組みを持たないものが多く、音だけ出る、あるいは再生を拒否される場合があること。3つ目はメモリで、Chromiumを土台にした道具はアプリごとにエンジンを抱えるので、5つ包めば5つ分が常駐します。WebKitを使うものはmacOSが読み込み済みのものを借りるため、この差が出ません。
どのサイトをアプリにするかの線引き
片端から包むと、タブで起きていた混雑がDockで再現されるだけです。線引きの基準は好き嫌いではなく、開き方にあります。
アプリにする価値があるのは、次のどれかに当てはまるサイトです。
- ほぼ毎日、自分の意思で最初に開く
- 用途が1つに定まっていて、そこから他のページへ広がっていかない
- 通知が届いたら実際に手を動かす種類のものである
- 同じサービスのアカウントを2つ同時に開きたい
逆に向かないのは、調べ物の起点になってタブが20枚に増えるサイト、週に1〜2回しか開かないサイト、その道では使えない拡張機能に依存しているサイト、保護された動画を見るサイトです。検索エンジン、公式ドキュメント、通販サイトはブラウザのままで困りません。
迷ったら、直近1週間の履歴を開いて、そのサイトが何日に登場したかを数えてください。5日中5日ならアプリ、2日ならブックマークです。毎日出てくるけれど必ず他のページのリンク経由で開いている、というサイトもブラウザ側に残します。入口が他にあるなら、アイコンを増やしても押されません。
あとから壊れる3つの場面
作ったあとに寄せられる不具合の相談は、ほとんどが次の3つに分類できます。先に知っておくと、壊れたときに作り直しから始めずに済みます。
1つ目は、サイト側のURLが変わって、開くたびに転送のページや白い画面が出る場合です。社内の道具が別のサブドメインへ移った、サービス名が変わった、といった事情で起こります。SafariのWebアプリなら、アプリの設定でアプリケーションURLを書き換えるか、目的のページを開いた状態で「現在開いているページを指定」を押せば直ります。設定画面を持たない道で作ったものは作り直しになるので、どのアイコンをどの道で作ったかを控えておくと復旧が早くなります。
2つ目は、ログインの途中で止まる場合です。認証が別のドメインを経由する仕組みだと、アドレスバーの無い窓の中で行き先を見失うことがあります。社内向けの認証を通すアプリでは、戻る・進むのナビゲーションコントロールを表示したままにしておくと、この状態から自力で復帰できます。
3つ目は、macOSやブラウザの更新でデータの保管の仕組みが変わる場合です。ブラウザに含まれる道なら、ブラウザ側の更新で追随します。更新が止まっている道具で作ったものは追随しないため、導入前に最後の更新がいつかを見ておく価値があります。
対策は難しくありません。どのアプリをどの道で作ったかを1行ずつ書いた覚え書きを1つ持っておくこと。そして、社内システムのように認証が絡むものは、まず1つだけ作って、セッションが切れて再ログインするところまで通してから他に広げること。14日目に落ちる認証は、初日に落ちる認証よりずっと厄介で、期限が切れるまで待たないと見つかりません。
対応表と料金表から読み取れること
道具を選ぶとき、機能の一覧より先に見ておくと判断が早くなる情報が2つあります。
1つは、対応しているサービスの数と種類です。この種の道具の一覧ページには300を超える雛形が並ぶものもあり、その並びを見れば、想定されている使い方が偏っていないかが分かります。チャットとメールしか無い一覧なら、社内の管理画面を包む用途は想定の外かもしれません。どんな設定項目を持つ道具なのかはできることのような一覧で確認でき、手順の細かさは使い方ガイドで見当が付きます。
もう1つは、費用の形です。買い切りなのか継続課金なのか、対応するmacOSのバージョンはどこまでかを料金のページで先に見ておくと、あとで乗り換える手間が減ります。判断に迷う点の多くはよくある質問にまとまっているので、導入前に目を通しておく価値があります。
そして、この3つの道は排他ではありません。通知と2アカウントが要るものはSafariで、拡張機能が要るものはChromeで、アイコンとリンクの制御まで欲しいものだけ専用の道具で作る。実際に長く残っている構成は、この混在型がほとんどです。
よくある質問
Macでサイトをアプリにするのに費用はかかりますか?
SafariのDockに追加とChromeのアプリとしてインストールは、macOSとブラウザに含まれているため追加の費用はかかりません。専用の道具は無料で公開されているものと有料のものがあり、買い切りと継続課金の両方があります。まず無料の道で試して、足りない点がはっきりしてから有料を検討する順序が無駄になりません。
作ったアプリを消したいときはどうしますか?
SafariのWebアプリは、ホームフォルダの中の「アプリケーション」フォルダを開いてゴミ箱にドラッグします。Chromeのアプリは、アプリの3点メニューからアンインストールを選ぶか、chrome://apps を開いて操作します。専用の道具で作ったものは、通常のアプリと同じ手順で削除できます。
会社のシステムをアプリにしても安全ですか?
通信の仕組みはブラウザで開くときと同じで、暗号化のされ方も変わりません。注意が要るのは認証のほうで、埋め込みのブラウザ表示ではシングルサインオンを完了できない場合があります。まず1つ作って、ログインが最後まで通るかを確かめてから他の人に広げるのが安全です。
iPhoneやiPadでも同じことができますか?
ホーム画面に追加という形で近いことができ、独立した画面で開くようになります。ただしMacのように名前やアイコンを後から細かく変えたり、Cookieの保管場所を分けたりする設定は用意されていません。この記事の手順はMac向けのもので、iPhoneやiPadでそのまま同じ設定にはなりません。