Gmailをインストールしたいmacで実際に選べる3つの道
GmailをMacにインストールしようとしてApp Storeを探し、見つからずに戻ってきた人は多いはずです。探し方が悪いのではなく、GoogleはmacOS向けのGmailアプリを配布していません。それでも「インストールしたい」と考える理由は3つに分かれていて、どれに当てはまるかで選ぶべき道が変わります。
公式のMac用Gmailアプリは存在しない
最初に前提を確認しておきます。GoogleはAndroidとiPhone、iPad向けにはGmailのアプリを配布していますが、macOS向けのデスクトップアプリは用意していません。App Storeで「Gmail」を検索すると、他社が作ったメールソフトや、Gmailに対応したクライアントが並びますが、Google本体のものは出てきません。
この状況は何年も変わっておらず、Googleの方針としてWebのGmailが正式な窓口になっています。Gmailの新しい機能は、まずWebの画面に入り、モバイルのアプリが追う順番で配られます。つまり、macOSに何かをインストールしたとしても、それはGmailのWeb画面を別の形で開く仕組みか、Gmailのメールを受け取るだけの別のメールソフトか、どちらかになります。
「インストールしたい」と考える理由を分けると、次の3つに整理できます。1つ目は、ブラウザのタブの中に埋もれるのが嫌で、独立したアイコンから開きたい。2つ目は、新着メールの通知をmacOSの通知センターで受け取りたい。3つ目は、インターネットに繋がっていないときもメールを読みたい。この3つは必要な道具が違うため、先に自分がどれなのかを決めてください。
macOS標準の「メール」にGmailを追加する
3つ目の「オフラインでも読みたい」に当てはまるなら、macOS標準のメールにGmailアカウントを追加するのが最短です。Appleはこの手順を公式に案内しています。
Macの「メール」でメールアカウントを追加する/管理する 出典: support.apple.com
操作は、メールを開いて「メール」メニューから「アカウントを追加」を選び、Googleを選んでサインインするだけです。標準のメールはOSに組み込まれたソフトなので、ブラウザを開いていなくても動き、受信したメールは手元に保存されます。飛行機の中や電波の届かない場所で過去のやり取りを読み返す用途では、この形が一番確実です。
その代わりに失うものもあります。ラベルの扱い、スレッドのまとめ方、検索演算子の効き方、スヌーズや送信取り消しといった機能は、Gmailの画面とは挙動が変わります。ラベルは標準のメールでは「メールボックス」として並ぶため、複数のラベルが付いた1通のメールがどこに見えるのかで戸惑うことがあります。Gmailの画面の操作を体に覚えさせている人ほど、この差は効きます。
複数のGmailアカウントを使っている場合は、標準のメールに全部を追加して1つの受信箱にまとめるという選択もできます。ただし、返信するときにどのアカウントから出すのかを毎回確かめる必要が出るため、仕事と個人をはっきり分けたい場合には向きません。
ブラウザからアプリとして入れる
1つ目の「独立したアイコンから開きたい」に当てはまるなら、Gmailの画面をそのままアプリの形にする道があります。Chromeには、開いているページをアプリとして入れる機能があります。
ウェブアプリを使用すると、ウェブサイトがアプリとして機能し、パソコンやモバイルデバイスのランチャーやホーム画面からアクセスできるようになります。 出典: support.google.com
手順は、ChromeでGmailを開き、右上のその他アイコンから「キャスト、保存、共有」を辿って「ページをアプリとしてインストール」を選ぶだけです。Safariにも「Dockに追加」という似た機能があり、こちらはmacOS Sonoma以降で使えます。
この方式の良いところは、追加の道具が要らないことと、アドレスバーとタブバーが消えて表示領域が広がることです。縦方向に 70 ピクセル前後が戻ってくるため、受信箱の一覧に表示されるメールの件数が増えます。
一方で、制約もはっきりしています。Chromeの「アプリとしてインストール」で作ったアプリは、Chrome本体とログインの状態を共有します。Safariの「Dockに追加」も同様に、Safari側のログインを引き継ぎます。仕事用と個人用のGmailを両方使っている場合、この共有が問題になります。片方のアカウントに切り替えると、もう片方のアプリの表示も切り替わってしまうためです。
複数のGmailアカウントをどう分けるか
仕事と個人、あるいは複数の取引先ごとにGmailのアカウントを持っている人にとって、ここが最大の実務課題になります。Googleのアカウント切り替えは、同じブラウザの中でアカウントを重ねる仕組みなので、「同時に2つの受信箱を並べて見る」という使い方には向いていません。
これを解くには、アプリごとにブラウザのプロファイルが分かれる方式を選ぶことになります。プロファイルが分かれると、Cookieもログインの状態も履歴も別々に保持されるため、仕事用のGmailと個人用のGmailを、ログアウトを挟まずに同時に開いたままにできます。片方で作業している間に、もう片方に新着が届いても、それぞれのアイコンに別々に通知が出ます。
実務では、アカウントの数だけアイコンを作る形が一番迷いません。Dockに「仕事のメール」「個人のメール」と名前を分けて並べておけば、どちらに書いているのかを間違えにくくなります。アイコンの絵柄を変えられる方式なら、色でも見分けが付きます。誤送信の多くは、書いた内容ではなく、どのアカウントから出すかの取り違えで起きるため、入口の段階で分けておく効果は小さくありません。
この性質は、Googleのアカウントに限った話ではありません。同じ仕組みは、複数のテナントを持つ業務系の管理画面や、検証用と本番用でアカウントを分ける必要のあるサービスでも効きます。何ができるのかは機能の一覧に具体的に並んでいて、300以上のサービスプリセットから選ぶだけで作れる点のほか、アプリごとに拡張機能を切り替えられる点や、Webサイトの通知をmacOSの通知センターに流せる点ができることにまとめられています。
Gmailの画面でしか使えない機能を先に洗い出す
どの道を選ぶかを決める前に、自分がGmailの画面のどの機能に依存しているのかを洗い出しておくと、あとで戻ることがなくなります。標準のメールや他社のメールソフトに移すと挙動が変わる代表は4つです。
1つ目は検索です。Gmailの検索欄は、差出人、添付の有無、期間、サイズ、ラベルなどを組み合わせた条件で絞り込めます。この書き方に慣れている人は、標準のメールの検索に移ると目的のメールに辿り着く時間が延びます。2つ目はラベルで、1通のメールに複数のラベルを付ける運用をしている場合、フォルダの発想で作られた他のソフトでは同じ形を再現できません。
3つ目は、あとで対応するためにメールを一度受信箱から消す操作です。Gmailの画面では指定した日時に受信箱へ戻す扱いができますが、この状態は他のソフトからは単に消えたように見えます。4つ目は、送信の取り消しと自動の下書き保存の挙動です。送信の取り消しはGmail側の設定で秒数が決まっているため、別のソフトから送ったメールには効きません。
この4つのうち2つ以上に依存しているなら、Gmailの画面そのものを開く形、つまりブラウザの中か、ページを切り出した独立した窓のどちらかを選ぶことになります。逆に、メールを読んで返信するだけの使い方なら、標準のメールに移しても困る場面は少なくなります。
通知をどこで受け取るかを決める
2つ目の「通知を受け取りたい」に当てはまる場合、選んだ道によって届き方が変わります。macOS標準のメールに追加した場合は、OSの通知としてそのまま届きます。設定は「システム設定」の通知の欄で、アプリごとにスタイルや音を細かく指定できます。
Gmailの画面をアプリの形にした場合は、Webサイト側のプッシュ通知をmacOSの通知として表示する設定が要ります。この設定を有効にすると、Gmailの新着やチャットのメンションが通知センターに並びます。アプリを閉じている間は届かないため、受け取りたい時間帯はアプリを開いたままにしておく形になります。
macOSの通知の設定では、バナーで数秒だけ出す形と、操作するまで画面に残す形を選べます。メールは後者にすると作業が止まるため、バナーで流し、あとから通知センターで一覧する形が扱いやすくなります。
通知を増やしすぎると、結局どれも見なくなります。仕事用のGmailだけ通知を有効にし、個人用は通知を切って自分で開きに行く、という分け方が現実的です。アプリごとに通知の設定を分けられる方式なら、この線引きがそのまま設定に落とせます。作る流れと設定項目の意味は使い方ガイドが画面ごとに順を追っていて、通知、タブバー、シークレットモード、Dockに表示といった項目が1つずつ説明されています。
メールを独立させる価値がどこにあるか
メールは、1日のうちに開く回数が最も多いWebサービスの1つです。その観点で候補になるサービスの顔ぶれは、あらかじめ登録されているプリセットの一覧を見ると見当が付きます。対応サービス一覧には、メール、カレンダー、チャット、AIの対話画面、動画、業務系の管理画面といった区分で並んでいて、上位に来るのはどれも開いている時間が長く、他のタブと見比べる意味が薄いものです。メールがこの顔ぶれの筆頭にあるのは、確認の割り込みが1日のうちに何十回も入るからです。
費用の考え方も先に見ておくほうが迷いません。料金では無料で作れる本数と買い切りの金額が並んでいて、まず 3 本まで作って試してから決める形になっています。買い切りの価格は 3,980 円(税込)で、月額の課金はありません。仕事用のGmail、個人用のGmail、カレンダーの3つを独立させて1週間使えば、自分の働き方に合うかどうかは判断できます。
導入の前に引っかかりやすい点は、先に答えを見ておくと想定外が減ります。どのブラウザが必要か、ブラウザが更新されたときに生成したアプリはどうなるか、アプリを削除したときにログイン情報はどこへ行くのかといった項目がよくある質問に並んでいます。削除したときの扱いは、仕事用のアカウントを扱う場合に特に確認しておく価値があります。
決め方の手順をまとめると、こうなります。オフラインで読みたいならmacOS標準のメールに追加する。Gmailの画面をそのまま使いたくて、アカウントが1つだけなら、ブラウザの「アプリとしてインストール」で足ります。アカウントを2つ以上使い分けているなら、プロファイルが分かれる方式を選んでください。この3つの分岐で、ほとんどの場合は答えが出ます。
よくある質問
GmailにMac用の公式アプリはありますか?
ありません。GoogleはAndroidとiPhone、iPad向けにはGmailのアプリを配布していますが、macOS向けのデスクトップアプリは用意していません。App Storeに並ぶのは他社製のメールソフトなので、選べるのは標準のメールに追加するか、Gmailの画面を別の形で開くかのどちらかです。
オフラインでもGmailのメールを読めますか?
macOS標準のメールにGmailアカウントを追加すれば、受信したメールが手元に保存されるため、電波の届かない場所でも読み返せます。Gmailの画面をアプリの形にした場合は、Webのページを表示する仕組みなので、オフラインでの動作は限定的です。
仕事用と個人用のGmailを同時に開いておけますか?
アプリごとにブラウザのプロファイルが分かれる方式なら、ログアウトを挟まずに同時に開いたままにできます。Chromeの「ページをアプリとしてインストール」やSafariの「Dockに追加」ではプロファイルが分かれないため、片方を切り替えるともう片方の表示も切り替わります。
新着メールの通知をmacOSの通知センターで受け取れますか?
受け取れます。標準のメールに追加した場合はそのままOSの通知として届きます。Gmailの画面をアプリの形にした場合は、Webサイトのプッシュ通知をmacOSの通知として表示する設定を有効にしてください。アプリを閉じている間は届かないため、受け取りたい時間帯は開いたままにしておく形になります。