Jiraをブラウザの外に出す|Cmd+Tabで行き来できる形に

課題の一覧とボードを1日じゅう開いておく仕事をしていると、Jira デスクトップ アプリという形を探したくなります。ブラウザのタブに埋めておくと、通知に気づくのが遅れ、資料を探している間にタブが入れ替わります。結論を先に書くと、提供元はMac向けのアプリのサポートを終え、ブラウザでの利用を案内しています。ただし、Macの標準機能だけで独立した窓を作る道はあり、業務用の画面ほど効き目が出ます。

提供元はブラウザでの利用を案内している

Mac向けのアプリについて調べると、提供元のサポートサイトにその案内が残っています。ドキュメントは残っているものの、ページの先頭に現在の扱いが明示されています。

Jira Cloud for Mac アプリのサポートは終了しました。ご利用の Web ブラウザーから Jira で作業を進めます。 出典: support.atlassian.com

かつてはMac向けのアプリが配られていたため、ダークモードの使い方やサイトの切り替え方といったドキュメントが今も読めます。ここが紛らわしい部分です。検索結果に出てくるページのタイトルだけを見ると現行の機能に見えますが、中身は提供が終わったアプリの説明です。

サーバー版の資料も混ざります。zipファイルを使って自分のサーバーにインストールする手順や、Windowsのサービスとして動かす方法を説明したページは、自社でJiraを立てて運用する管理者向けの資料です。クラウドで使っている利用者が探しているものとは別系統なので、混同しないほうが早く目的に着きます。

このガイドでは、zip ファイルを使用して、外部データベースを備えた本番環境に手動で Jira アプリケーションをインストールする方法を説明します。 出典: ja.confluence.atlassian.com

つまり、パソコンで使う限り入口はブラウザです。そこを起点に、独立した窓をどう作るかという話に切り替えるのが正しい順序になります。

Macで独立した窓を作る2つの手順

1つめはSafariの機能です。macOS Sonoma 14以降であれば、Safariで自社のボードや課題の一覧を開き、メニューバーの「ファイル」から「Dockに追加」を選び、名前を付けて追加します。ホームフォルダの「アプリケーション」フォルダに保存され、DockからもSpotlightからも開けるようになります。

Webアプリは、Safariとは別に機能します。閲覧履歴、Cookie、Webサイトデータ、設定情報はSafariと共有されません。そのため、Safariプロファイルを使う場合と同様に、ブラウズをほかとは切り分けることができます。Webアプリで行ったことは、その中だけで完結します。 出典: support.apple.com

2つめはChromeの機能です。Chromeでページを開き、右上のその他アイコンから「キャスト、保存、共有」を選び、「ページをアプリとしてインストール」を選びます。Chromeのヘルプでは、こうしたウェブアプリはランチャーから開ける形になり、通知やアイコンのバッジ、オフライン用の追加ストレージを含む場合があると説明されています。単なるブックマークとは別の扱いです。

どちらも費用はかかりません。違いは前提です。Safariの手順はmacOS Sonoma 14以降が必要で、Chromeの手順はそれより古い環境でも使えます。作ったあとに設定画面からアプリケーションURLを差し替えられるため、起点にする画面を自分に割り当てられた課題の一覧にするか、スプリントのボードにするかも後から選べます。

Cmd+Tabの並びに入ると何が変わるか

窓を分けて変わるのは、探す動きが切り替えの動きに置き換わることです。効果が出るのは次の4点です。

  • Command+Tabの並びにアイコンが入る。課題を確認する動きが、タブを探す動きから切り替え操作に変わる
  • 通知の許可を窓の中で与えれば、Dockのアイコンに未読の件数がバッジとして出る
  • 通知の設定がアプリ単位になる。システム設定の通知一覧には、URLではなくWebアプリの名前で並ぶ
  • ログイン項目に追加しておけば、Macにログインした時点で開いた状態にできる

業務用の画面ほど、この差が積み上がります。1日に20回開くものと、週に1回開くものでは、1回あたりの手数の差が効く総量がまるで違います。窓にする候補を選ぶときは、開く回数を基準にすると外しません。

作業の中身で言うと、効き目が出やすいのは課題やコメントを書く場面です。タブに置いていると、書いている途中で別のタブへ移り、戻ったときに書きかけが残っているかを確認する動きが入ります。窓が分かれていれば、ほかの作業に移っても入力欄の状態はその窓の中で保たれます。ファイルを添付するときも、Finderと窓を横に並べたままドラッグできます。

もう1つ効くのが、ブラウザを閉じるときの取りこぼしです。拡張機能の更新や動作が重くなったことでブラウザを再起動すると、開いていたタブは復元できても、絞り込みの条件や開きかけのサイドパネルまでは戻りません。窓が分かれていれば、ブラウザ側の都合で閉じる操作が課題管理の画面に及びません。逆に、窓だけを閉じてブラウザは開いたままにするという使い方もできます。

複数のサイトとアカウントを分けて置く

窓を分ける利点がいちばん大きいのは、複数のサイトに参加している人です。自社のサイトと、取引先から招待されたサイトの両方を毎日見る場合、1つのブラウザで回していると、課題のURLを踏んだときにどちらのサイトの画面を見ているかを都度確かめる動きが発生します。

CookieとWebサイトデータが共有されない仕様は、ここで効いてきます。サイトごとに窓を作り、それぞれにログインしておけば、開いた時点でどちらかが確定します。Appleの説明では名前とアイコンを後から変更できるため、サイト名を付けてアイコンを分けておけば、Dockの中で取り違えることがなくなります。

置き場所も固定できます。Dockのアイコンを右クリックして「オプション」を開き、「このデスクトップ」を選ぶと、その窓は決めたスペースで開きます。自社の案件用のスペースと、受託の案件用のスペースを分けている人であれば、窓の置き場所をそれに合わせておくと、開いた瞬間に文脈が切り替わります。

SSOと2段階認証の通り方

作った窓では、初回に必ずログインを求められます。Cookieが共有されないためです。会社のアカウントでシングルサインオンを使っている場合は、認証画面が開いて、身元の確認まで一度通ることになります。

ここで止まりやすいのが、認証のために別のアプリや端末が必要な場合です。窓を作ったその場で、確認コードを受け取る端末を手元に置いてログインまで通しておくと、作業の途中で止まりません。所要はせいぜい数分ですが、朝いちばんに急いで開こうとしたときに認証で止まると、体感の印象が悪くなります。

一方で、変わらないことも把握しておくべきです。表示される画面も、操作も、権限も、ブラウザで開いたときと同じです。IPアドレス制限を設定している環境でも、窓を分けたところで通信の経路は変わらないため、制限の挙動に影響はありません。権限の設計や監査の記録も同じです。窓を分ける効果は、置き場所と切り替えの話に限られます。

通知をどこで受け取るかを決める

窓を分けたあとに効いてくるのが、通知の設計です。課題の割り当てやメンションの通知を、メール、モバイル、デスクトップの通知のどこで受け取るかが整理されていないと、同じ内容が3か所に届きます。

現実的な落とし所は、即応が要るものだけをデスクトップの通知に残し、残りをメールにまとめる形です。窓をアプリ単位で扱えると、この切り分けがやりやすくなります。システム設定の通知一覧にWebアプリの名前で並ぶため、課題管理の窓だけ通知を出し、ほかの窓は切るといった調整ができます。

窓を分けたからといって、通知の種類が増えたり減ったりするわけではありません。どこで受け取るかを選べるようになるだけです。ここを取り違えると、窓を作ったのに通知が来ないという状態になります。作った直後に自分宛の課題を1件立ててコメントを付け、通知が届くところまで一度通しておくのが確実です。届かない場合は、窓の中で通知の許可を与えていないか、サービス側の通知設定が切れているかのどちらかに当たります。

ほかの業務画面も同じ形にそろえる

作った窓の大きさと置き場所は、一度決めれば次からそのまま開きます。ボードを見る窓は横幅を広く取り、課題の詳細を書く窓は縦を長めに取るといった具合に、用途で形を変えておくと見やすさが上がります。

課題管理を窓にして具合がよければ、次は文書の共有、勤怠、経費、社内の管理画面と広がります。ここで問題になるのが、作り方がばらつくことです。SafariのWebアプリはmacOS Sonoma 14以降が前提で、Chromeの手順はChromeを入れておく必要があり、サイトによってはインストールの項目そのものが出てこないこともあります。

作り方を1つにそろえたい場合は、サイトをアプリにする専用の道具を使う経路があります。URLとアイコンを指定して独立したアプリを作る形で、アプリごとに別のブラウザプロファイルを割り当てるものが多く、サイトやアカウントの分離を前提に設計されています。300以上のプリセットから選ぶだけで作れる作りであれば、よく使われるサービスはURLの入力もアイコンの用意も要りません。どこまで作れるかはできることにまとまっており、実際の流れは使い方ガイドで確認できます。

選ぶときに見る点は3つです。ブラウザが更新されたあとも作ったアプリがそのまま動くか、通知をアプリごとに切り替えられるか、複数のサービスを1つの窓にまとめる形も選べるか。同じ案件の中で課題管理とチャットを数分おきに往復するなら1つの窓にまとめたほうが速く、通知の扱いを分けたいならアイコンを分けるほうが向きます。あらかじめ登録されているサービスは対応サービス一覧で確認でき、無料の範囲でどこまで作れるかは料金に書かれています。細かい挙動の違いはよくある質問に整理されています。

進め方としては、まずSafariの「Dockに追加」で1つ作り、1週間そのまま使うのが確実です。通知の出方と、サイトの取り違えが減ったかどうかを見ます。そこで足りるなら追加の道具は要りません。macOSの版が合わない、参加しているサイトが3つ以上ある、ほかの業務画面も同じ形にしたい。この3つのどれかに当たった人だけが、次を検討すればよい話です。

よくある質問

JiraにMac用の公式デスクトップアプリはありますか?

提供元のサポートサイトには、Mac向けアプリのサポートは終了し、Webブラウザーで作業を進めるよう案内が出ています。関連するドキュメントは今も読める状態で残っていますが、現行の入口はブラウザです。パソコンで使う場合はブラウザの画面を起点に考える必要があります。

検索で出てくるインストール手順のページは何ですか?

zipファイルを使って本番環境に導入する手順や、Windowsのサービスとして動かす方法を説明したページは、自社でJiraを立てて運用する管理者向けの資料です。クラウドで使っている利用者向けの案内とは別系統なので、混同しないほうが目的に早く着きます。

複数のサイトを別々の窓で開けますか?

開けます。SafariのWebアプリは閲覧履歴やCookie、WebサイトデータをSafariと共有しないため、サイトごとに窓を作ってそれぞれログインしておけば、開いた時点でどちらかが確定します。名前とアイコンを変更できるので、Dockでの見分けも付きます。

窓を分けるとSSOや権限の扱いはどうなりますか?

権限の判定はサービス側で行われるため、窓を分けても変わりません。IPアドレス制限の挙動も同じです。ただしCookieが共有されないため、作った窓では初回にログインとシングルサインオンの確認を通す必要があります。確認コードを受け取る端末を手元に用意してから始めると滞りません。

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