Last.fmをMacで使う|再生履歴の画面を別の窓にする

Last.fmをMacで使おうとして検索した人の目的は、だいたい2つに分かれます。聴いた曲を記録する仕組みをMacでどう用意するのか、というのが1つ。もう1つは、自分のライブラリやチャートの画面を毎日見ているのに、ブラウザのタブに埋もれて探す時間が増えている、という詰まりです。前者は公式の案内に答えが書かれていて、後者は書かれていません。ここでは公式が用意しているものを確かめたうえで、記録を見る画面を独立した窓に切り出す道を整理します。

MacのLast.fmに、公式のデスクトップアプリはあるのか

公式の「My ミュージックの追跡」のページには、PC/Mac、Android、iOSという並びでタブが用意されています。PC/Macのタブを開くと、Mac用のデスクトップアプリの案内が出てきます。そこに書かれている説明は1行で、iTunesの再生履歴を取得してプロフィールを自動更新するものだという内容です。ダウンロードボタンの下には、必要OSが OS X 10.6 以降であることが添えられています。

ここで前提を確かめておく価値があります。Appleが現在のMacで音楽を再生するアプリとして案内しているのは「ミュージック」で、専用のユーザガイドも用意されています。公式のデスクトップアプリが取得先として挙げているのはiTunesの再生履歴で、必要OSの表記は OS X 10.6 以降です。つまり、この案内は現行のMacの構成をそのまま前提にしたものではありません。Macで聴いた曲の記録をどう取るかは、後述する接続の側で考えるほうが確実です。

もう1つ押さえておきたいのは、公式のiOSアプリの位置です。iOSアプリは iOS 14.5 以降が必要で、対応機種はiPhoneとiPadに限られます。App Storeの対応機種にMacは含まれていないため、Appleシリコン搭載のMacにiPhone向けのアプリを入れる形は取れません。Macで見る画面は、ブラウザで開くlast.fmのページが本体になります。

Scrobbleの入口が増え、ブラウザの画面が要になった

Last.fmの記録は、Scrobbleという名前で呼ばれています。公式の説明はこうです。

Scrobble とはあなたが聴いた音楽を Last.fm が記録し、自動的にあなたの音楽プロフィールに追加することを言います。 出典: last.fm

同じページには、記録を取れるサービスが並んでいます。YouTube、Spotify、Tidal、Deezer、SoundCloud、Mixcloud、Sonos、Hype Machine、8tracks、Bandcamp、Pandoraの11種類です。このうちSpotifyはアカウントを接続する方式で、接続してしまえば使うアプリやデバイスの種類を問わず記録が残ります。Sonosのように機器側で完結するものもあります。

この構成が意味するところは、記録を取る仕組みはサービス側に寄っていき、Macの手元には「記録を見る画面」だけが残るということです。プロフィール、ライブラリ、週ごとのチャート、友達の再生状況。どれもブラウザで開くページで、しかも1日に何度も開き直す種類の画面です。公式のデスクトップアプリの案内が古い前提のまま置かれているのに対して、Webの画面は現役で更新され続けています。Macでの使い勝手を上げる余地は、記録の取り方ではなくこの画面の置き場所に残っています。

履歴の画面をタブに置いたままにすると詰まる3か所

毎日開く画面をブラウザのタブに残したままにすると、詰まる場所はいつも同じ3つに集まります。

  • タブの数が増えると、last.fmのタブを探す時間が伸びる。音楽関係のタブが並ぶとファビコンで見分けることになる
  • ブラウザを閉じたときに一緒に消える。朝いちばんに開き直す手間が毎日かかる
  • 仕事用のGoogleアカウントでブラウザにログインしていると、同じブラウザの中に私用の画面が混ざる

3つ目は見落とされやすい割に効きます。音楽の再生履歴は趣味の記録で、画面共有や録画のときに映ってよいものとは限りません。ブラウザのプロファイルを分ければ解決しますが、そのために毎回ブラウザを切り替えるのは手数が増えます。

さらに、Last.fmの画面は「開いて閉じる」使い方ではなく「開いたままにしておく」使い方に向いています。再生中の曲が更新されていく画面を横に出しておきたい、という需要が実際にあるからです。開いたままにする画面は、タブよりも窓のほうが向いています。

Last.fmの画面を独立した窓にする2つの道

Macで用意されている道は2つあります。1つはSafariの機能で、もう1つはChrome系のブラウザを使う道です。

Safariには、開いているページをそのままアプリの形にする機能があります。Appleのサポート情報では、メニューバーの「ファイル」から「Dockに追加」を選ぶ手順として案内されていて、macOS Sonoma 14以降が必要だと明記されています。作られたWebアプリはホームフォルダの「アプリケーション」フォルダに保存され、DockとSpotlightから開けるようになります。設定画面ではアプリケーション名、アプリケーションURL、アイコン、ナビゲーションコントロールの表示を変えられます。

Webアプリに付けたい名前を入力してから「追加」をクリックします。Webアプリがホームフォルダの「アプリケーション」フォルダに保存され、DockやSpotlightからも開けるようになります。 出典: support.apple.com

この手の利点は、追加の道具が要らないことです。弱点は2つあります。SafariのWebアプリはWebKitで動くため、Chrome用の拡張機能は使えません。もう1つは、同じサイトの窓を複数作って別々のアカウントで使い分ける形にしにくいことです。

Chromeを使う道では、三点メニューの「キャスト、保存、共有」から「ページをアプリとしてインストール」を選びます。Googleのヘルプでは、こうして作ったものをウェブアプリと呼び、通知やオフラインでの閲覧といった機能が加わる場合があることが説明されています。注意点は、作ったウェブアプリが元になったプロファイルを引き継ぐことです。仕事用のプロファイルから作れば、その窓は仕事用のアカウントで開きます。

3つ目の道として、サイトをアプリにする道具を使う形もあります。窓ごとにブラウザのプロファイルが分かれるため、ログインの状態が混ざりません。Chrome用の拡張機能をそのまま入れられる点も、SafariのWebアプリとの差になります。

窓を何で分けるかを先に決める

窓を作る前に決めておくとよいのは、分ける単位です。Last.fmの場合、分け方の候補は3つあります。

1つ目は用途で分ける形です。自分のプロフィールとライブラリを見る窓を1つだけ作り、それ以外はブラウザで開きます。開き直す回数がいちばん多い画面に絞る形で、まず試すならこれが早いです。

2つ目は画面の役目で分ける形です。ライブラリの一覧を見る窓と、週ごとのチャートやレポートを見る窓を分けます。前者は日常の確認、後者は月に数回振り返るための画面で、性質が違います。SafariのWebアプリでもChromeのウェブアプリでも、起動時に開くURLを指定できるため、目的のページが最初から出る窓になります。

3つ目はアカウントで分ける形です。Last.fmのアカウントを複数持っている場合、窓ごとにログインの状態が分かれている必要があります。SafariのWebアプリはCookieなどのサイトのデータをSafari本体と分けて持つため、本体側と窓側で2つまでは分けられます。3つ以上に分けたいなら、プロファイルごとに窓を作れる作りのものを選ぶことになります。

判断の基準を1つに絞るなら、1日の開き直す回数です。5回以上開き直す画面は独立させる価値があり、週に1度で足りる画面はタブのままで困りません。

Proを使うなら、常設する画面が変わる

Last.fmには有料のProがあります。公式の料金ページに出ている金額は、月払いが月額 4.99 ドル、年払いが年額 49.99 ドルで、年払いは16%以上お得だと書かれています。いつでもキャンセルできる形です。

Proで増えるものの多くは、Webの画面で使う機能です。Scrobbleの編集、高度な統計、過去のリスニングレポート、メンバー限定の表示オプション、広告非表示での閲覧。レポートについては、Last.fmのプロフィールに記録した音楽をもとに生成され、2016年12月か参加した日付のいずれか新しい日付から表示できると注記されています。

ここが窓の置き方に効いてきます。無料のまま使う場合、毎日見る画面はプロフィールとライブラリの2つに収まります。Proにすると、レポートと統計の画面が追加で見る対象になり、しかもこれらは月に数回じっくり見る種類の画面です。日常の確認と振り返りを1つの窓で行き来すると、戻り先を見失います。有料にするなら、窓を2つに分けておくほうが素直です。

無料の範囲で試す場合も、順番は同じです。まずライブラリの窓を1つ作り、開き直す回数が減るかを1週間見てから、増やすかを決めます。

毎日開く画面を選び分ける基準

サイトをアプリにする道具のプリセットの顔ぶれを見ると、この手が効く画面の性質が分かります。メール、カレンダー、チャット、生成AIの窓口、音楽の配信サービスが並んだ対応サービス一覧には、SpotifyやSoundCloud、Apple Music、Amazon Musicといった音楽系の入口も含まれています。共通しているのは、1日に何度も開き、開いている時間が長く、他のタブと並べる意味が薄い画面だという点です。

Last.fmの画面は、この3つに当てはまります。記録は自動で積み上がっていくため、見る側は「確認する」だけです。確認だけの画面は、探す手間がそのまま無駄になります。300以上のプリセットからすぐ作れる形になっているものを使えば、URLとアイコンを自分で用意する手間もかかりません。

作った窓で何ができるのかはできることに、タブバーの表示や通知を窓ごとに切り替える手順は使い方ガイドにまとまっています。3アプリまでは費用がかからない範囲で試せるため、ライブラリの窓1つで効き方を見てから増やす順番が無駄がありません。費用の内訳は料金に、判断に迷う点はよくある質問に整理されています。

Last.fmをMacで使うときに決めることは2つです。記録をどの接続から取るかと、確認する画面をどこに置くかです。前者は聴いているサービスで決まり、後者は開き直す回数で決まります。

よくある質問

Last.fmに公式のMac用デスクトップアプリはありますか?

公式の「My ミュージックの追跡」のページにMac用デスクトップアプリの案内があり、iTunesの再生履歴を取得してプロフィールを更新するものだと説明されています。必要OSの表記は OS X 10.6 以降です。現在のMacで音楽を再生するアプリは「ミュージック」という名前になっているため、記録の取り方はサービス側の接続で考えるほうが確実です。

MacでScrobbleするにはどの経路が確実ですか?

公式ページに並んでいる接続先を使う形です。Spotifyはアカウントを接続すれば、使うアプリやデバイスの種類を問わず記録が残ります。YouTube、Tidal、Deezer、SoundCloud、Mixcloud、Sonos、Bandcampなども対応先として挙げられています。聴いているサービスが一覧にあるかを先に確かめてください。

iPhone向けのLast.fmアプリをMacに入れられますか?

入れられません。App Storeの対応機種はiPhoneとiPadで、Macは含まれていません。必要なOSは iOS 14.5 以降です。Macで見る画面は、ブラウザで開くlast.fmのページが本体になります。

Last.fm Proの料金はいくらですか?

公式の料金ページでは、月払いが月額 4.99 ドル、年払いが年額 49.99 ドルと案内されています。年払いは16%以上お得だと書かれており、いつでもキャンセルできます。Scrobbleの編集、高度な統計、過去のリスニングレポート、広告非表示での閲覧などが対象です。

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