Macのメニューバーアプリ|置く価値がある種類と、増えたときの整理
Macのメニューバーアプリという言葉は、2つの別のものを指して使われます。1つは画面右上に小さなアイコンだけを置いて常駐するアプリ、もう1つは増えすぎたアイコンを隠して整理する道具です。後者を探している状況は、前者を増やし続けた結果として生まれます。どちらを足すかを決める前に、メニューバーが何のための場所で、どこまで置けるのかを確かめておくと選び方が変わります。
判断の材料になるのは、置く価値がある種類の見分け方、増えたときに消えるアイコンの仕組み、そして標準の機能でどこまで片付くかの3つです。
メニューバーは「状態を見る」ための場所
Appleの説明は、この領域が何のために用意されたのかを言い切っています。
メニューバーはMacの画面の一番上に横方向に表示されます。メニューバーのメニューとアイコンを使って、コマンドを選択したり、タスクを実行したり、状況を確認したりします。 出典: support.apple.com
右端に並ぶ項目は状況メニューと呼ばれ、バッテリーの残量のような状態の確認や、キーボードの輝度のような機能の切り替えに使う位置づけです。つまり、見るか、切り替えるか。この2つに収まるものが向いています。
常駐型のアプリは、Dockにアイコンを出さず、Command+Tabの切り替えにも現れない作りにできます。軽く感じるのはこのためですが、裏返すと探す手段が限られます。窓が無いので Mission Control にも出ず、終了するにはアイコンの中のメニューを開くしかない。数が増えるほど「何のアイコンか思い出せない」状態になりやすいのは、この性質が理由です。
形式に合うのは、クリップボードの履歴、音声出力の切り替え、VPNの接続状態、バッテリーの詳細、作業時間の計測、スクリーンショットの補助といった種類です。どれも、いま見ている画面を離れずに2秒で終わる操作という点で共通しています。
増えたアイコンが消える仕組み
状況メニューは右から左へ詰めて並びます。何も遮るものが無い画面では、前面にあるアプリのメニューにぶつかるところまで並びます。
ノッチのあるMacBookでは、使える幅が画面の中央より手前で終わります。カメラの部分にアイコンを描けないため、限界に達するのが早く、しかも前面のアプリによって位置が動きます。メニューの項目が多いアプリを前面にすると、その分だけ境界が右へ寄る。あるアプリでは見えていたアイコンが、別のアプリに切り替えた瞬間に消えるという症状は、設定の問題ではなくこの仕組みによるものです。
外部ディスプレイをつなぐと事情はさらに分かれます。メニューバーはディスプレイごとに描かれるため、同じアイコンの並びでも使える幅が違います。外部ディスプレイで整えた並びが、持ち出した瞬間に崩れて見えるのはこのためです。
前提として押さえておきたいのは、メニューバーが置き場所ではなく限られた枠だという点です。1つ足すたびに枠を消費する。この見方に切り替えると、整理の手順も決めやすくなります。
標準の機能だけでできる整理
道具を入れる前に、macOSが用意している3つの操作で足りることが多くあります。
1つ目は並べ替えと削除です。Appleの説明では、どちらもCommandキーを押しながらのドラッグとされています。
状況メニューの配置を変更するには、Commandキーを押したままアイコンをドラッグします。状況メニューを素早く削除するには、Commandキーを押したままアイコンをメニューバーの外にドラッグします。 出典: support.apple.com
毎日押すアイコンを時計の隣へ寄せ、それ以外をメニューバーの外へ出す。この作業は1分ほどで終わり、追加のソフトも要りません。整理の効果としては、この操作がいちばん大きい部分です。
2つ目はコントロールセンターです。たまにしか触らない項目は、メニューバーに常駐させずコントロールセンターの中に置けます。逆に、常に見たい項目をコントロールセンターからメニューバーへ移すこともできます。常時見えている必要が無いものは、時計の隣ではなくコントロールセンターに寄せるのが本来の配置です。
3つ目はメニューバー自体の自動的な非表示です。ポインタを画面の上端へ動かしたときだけ表示する設定にすると、縦方向の作業領域が広がります。ただし、状態を見張るために置いたアイコンは、見に行く操作が必要になった時点で目的を失います。監視のために置いているものがある場合は、この設定と噛み合いません。
いま並んでいるアイコンを棚卸しする
新しく足す前に、すでに並んでいるものを1度見直す価値があります。メニューバーのアイコンは、意図して増やしたというより、別のソフトを入れた副作用として増えていることが多いためです。
右から順に読んで、3つに仕分けます。
- 今週押したもの: 残す。時計の側へ寄せる
- 使うが頻度が低いもの: コントロールセンターへ移すか、アプリ側の設定でアイコンの表示を切る
- 何のアイコンか分からないもの: 押してメニューを開き、名前を確認する
3つ目が曲者です。数か月前に1度だけ使ったソフトや、大きなアプリと一緒に入った補助のプログラムであることが多く、終了しても次の起動時にまた現れます。止めるにはシステム設定の「一般」にある「ログイン項目と機能拡張」を開き、そこで無効にします。
ここで、隠すことと止めることの違いがはっきりします。整理の道具でアイコンを隠しても、アプリは動いたままです。メモリも、更新の確認も、通信も、そのまま残ります。使っていないものは、隠すのではなくログイン項目から外すほうが効きます。
見えている数の目安は5個から8個です。この範囲なら、ノートの画面でも時計の隣に収まり、前面アプリのメニューとぶつかりません。十数個を超えたあたりから整理の道具を探し始める人が多いのですが、棚卸しを先に済ませると道具が要らなくなることもあります。
整理の道具を見るときの見方
標準の操作で足りない場合、専用の道具が候補になります。よく名前が挙がる2つは、成り立ちが違います。
| Bartender 6 | Ice | |
|---|---|---|
| 提供元 | Applause Group, Inc. | オープンソースのプロジェクト |
| 費用 | 有料 | 無料 |
| ライセンス | 商用 | GPL-3.0 |
| 対応するmacOS | Tahoe と Sequoia 向けと明記 | macOS 14以降 |
| 主な機能 | 状況メニューの表示と非表示 | 状況メニューの表示と非表示 |
Bartender は現行が6で、提供元のページでは Tahoe と Sequoia 向けに作られていると説明されています。それ以前のmacOSには5が案内されています。Ice は公開されている説明で、主な機能はメニューバー項目の表示と非表示であり、macOS 14以降で導入された仕組みを使うため、それより前のバージョンへ対応する予定は無いと明示されています。開発は継続中で、未実装の機能があることも書かれています。
どちらを選ぶにしても、道具が解決するのは見た目だけです。動いているアプリの数は変わりません。ここを踏まえたうえで、隠す価値のあるアイコンが実際に何個あるのかを数えると、必要かどうかの判断が付きます。
選ぶ前に確かめておきたい点も、料金だけではありません。対応しているmacOSの下限、提供元が変わっていないか、新規の受付を止めていないか、そして料金の改定が予告されていないか。この4つは公式のページを開けば分かる範囲です。常駐して画面の一部を預ける種類の道具なので、更新が続いているかどうかは特に効いてきます。
導入した後の作り込みにも差が出ます。隠した項目を呼び出す方法が、アイコンのクリックだけなのか、キーボードのショートカットにも割り当てられるのか。監視のために置いたアイコンを普段は隠しておき、必要なときだけ1つのキーで出す運用にできるなら、見えている数をさらに減らせます。
メニューバーとDockの線引き
置き場所を決める基準は1つで足ります。他の画面を見ながら答えが欲しいものはメニューバー、いったん手を止めて入っていくものはDockです。
バッテリーの残量、いま音が出ている機器、VPNがつながっているか、計測中の時間。これらは答えです。半秒で読めて、窓は開きません。
メール、予定表、課題管理、チャット、社内の管理画面。これらは場所です。入って、作業して、出ます。メニューバーの小さなパネルは、他をクリックした瞬間に閉じるため、数十秒以上かかる作業の入れ物には向きません。
迷うのは、頻繁に確認しつつ作業もする種類です。両方に置きたくなりますが、入口を2つ持つより1つに決めるほうが迷いません。判断としてはDock側が無難です。パネルと違い、別の場所をクリックしても消えないためです。
数を見張りたいだけなら、置き場所より通知の設計を先に決めるほうが効きます。件数はDockのバッジで足り、割り込まれたくない相手は通知を切って自分から見に行く。この2つを分けておくと、メニューバーに常駐させる理由が減ります。常駐は画面の枠を毎日消費し続ける選択なので、代わりが効く用途は外していくほど残った数個が見やすくなります。
Webサービスはメニューバーに置けない
ここが行き止まりになりやすい部分です。1日中確認している社内のダッシュボードや、依頼の一覧のようなWebサービスを、ここまでの方法でメニューバーに置くことはできません。状況メニューはそれを提供するように作られたアプリから出るもので、URLから作る手段はブラウザ側にも用意されていません。
代わりにできるのは、独立したアプリにすることです。単独の窓を持ち、Dockにアイコンが並び、Command+Tabの切り替えにも出る形になります。未読の件数を見張りたいという動機なら、Dockのバッジがその役目を担います。監視のためにメニューバーへ押し込もうとしていた用途は、この形のほうが素直に収まります。
作り方は複数あります。macOS Sonoma 14以降のSafariにはファイルメニューからWebアプリとして保存する機能があり、Chromium系のブラウザにはページをアプリとしてインストールする項目があります。どちらも費用はかからないので、まず試して足りるかを見るのが先です。
標準の機能で足りないのは、アイコンをサイト側のファビコンではなく自分で選びたいとき、同じサービスを2つのアカウントで同時に開きたいとき、そして作った入れ物が十数個になって管理が要るときです。この段階でWebアプリ化ツールが候補になります。300以上のプリセットからすぐ作れる形なら、URLもアイコンも名前も選んだ時点で埋まるため、本数が増えても手数が一定に収まります。自分が毎日開くサービスが含まれるかは対応サービス一覧で確認でき、窓の挙動やアイコンの指定をどこまで決められるかはできることにまとまっています。作成の手順は使い方ガイドで画面付きに追えます。
費用の桁も先に見ておくと迷いません。標準機能は0円、専用の道具は3アプリまで無料で、それ以上を作る段階で3,980円の買い切りに移る形があります。線引きは料金に、導入前の疑問はよくある質問に整理されています。
よくある質問
メニューバーのアイコンが表示されたり消えたりするのはなぜですか?
アイコンは右から詰めて並び、ノッチのあるMacBookではカメラの部分より先に描けません。さらに、前面にあるアプリのメニュー項目が多いほど使える幅が狭まります。同じ設定のまま、アプリを切り替えた瞬間に見えなくなるのはこのためです。表示するアイコンを減らすと安定します。
アプリを消さずにメニューバーのアイコンだけ消せますか?
できます。Commandキーを押したままアイコンをメニューバーの外へドラッグすると外れます。アプリ側の設定にアイコンの表示を切る項目がある場合は、そちらのほうが確実です。ドラッグで外した場合、再起動やアプリの更新で戻ってくることがあります。
整理用の道具は入れたほうがよいですか?
まず標準の操作で足ります。Commandキーを押しながらのドラッグで不要なものを外し、たまに使う項目はコントロールセンターへ寄せる。この2つで数が十分に減ることが多いです。それでも常時使うアイコンが多く残る場合に、隠す道具を検討する順番になります。
Webサービスをメニューバーアプリにできますか?
標準の方法ではできません。状況メニューは、それを提供するように作られたアプリから出るもので、URLから作る手段は用意されていないためです。サイトを独立したアプリにすれば、単独の窓とDockのアイコンが持てます。未読を見張る用途なら、Dockのバッジが同じ役割を果たします。