safari サイトをアプリにする前に決めること|Dockに追加の使い分け
safari サイトをアプリにする方法自体は短く、メニューを2回選んで名前を入れるだけで終わります。詰まるのはその手前と、その後です。どのページを開いた状態で実行するかで、できあがるアプリの中身が変わります。そして、アプリにして楽になるサイトと、見た目の良いブックマークが1つ増えるだけのサイトがあります。この記事は、手順そのものよりも、その2点の判断材料を並べます。
Safariがこの機能を持ったのはmacOS Sonoma 14から
Webページをアプリのように扱う考え方は以前からあり、専用のWebアプリ化ツールも複数存在していました。Safariが標準でこれを持ったのはmacOS Sonoma 14からで、それ以前のSafari利用者は同じことをするために別のブラウザか別の道具を用意する必要がありました。手元のMacが対象かどうかは、Appleメニューの「このMacについて」で確認できます。
作られるものの性格は、Appleの資料が短く定義しています。
WebページをWebアプリとして使う場合、見た目と動作はSafariの中で使うときと変わりません。それでも、Webアプリの使い勝手は若干異なります。Webアプリは、Safariとは別に機能します。閲覧履歴、Cookie、Webサイトデータ、設定情報はSafariと共有されません。 出典: support.apple.com
見た目は変わらない、けれど中身は切り離される。この2行が、後で起きることのほとんどを説明します。作った直後に開いてログイン画面が出るのも、Safariで入れていたはずのパスワードが効かないように見えるのも、ここから来ています。不具合ではなく、そう作られています。
macOS標準の機能なので追加の費用は0円です。まずここで試して、足りない部分がはっきりしてから専用の道具を検討する順番にすると、無駄な出費が出ません。
どのURLを開いた状態で実行するかで、できあがりが変わる
ここが手順の中でいちばん結果を左右します。「Dockに追加」は、そのとき開いているページのURLをアプリの起点として固定します。トップページを開いた状態で作れば、毎回トップページから始まるアプリになります。深い階層の画面を開いた状態で作れば、毎回そこから始まります。
毎日開くのがダッシュボードや特定のボードなら、その画面を開いた状態で実行するのが正解です。トップページから作ってしまうと、開くたびに同じクリックを繰り返すことになり、アプリにした意味が半分削られます。
ただし、URLに一時的な情報が混じっている画面には注意が必要です。次のようなURLを起点にすると、時間が経ってから開けなくなります。
- 検索結果や絞り込みの条件がクエリとして入っているURL
- セッションIDや一時的なトークンが含まれているURL
- 共有リンクなど、期限が設定されているURL
- ログインの途中でリダイレクトされている最中のURL
安全なのは、ブックマークに入れても差し支えない安定したURLです。判断に迷ったら、いったんSafariのプライベートウインドウでそのURLを開き直してみると、ログイン前提の一時的なURLかどうかが分かります。
起点のURLは後から変えられます。作ったWebアプリを開き、メニューバーでそのアプリの名前をクリックして「設定」を選ぶと、「アプリケーションURL」の欄があり、「現在開いているページを指定」というボタンも用意されています。使い始めてから「開く場所が違った」と気づいた場合は、目的の画面まで進んでからこのボタンを押すのが早道です。
アプリにして効くサイトと、効かないサイト
すべてのサイトをアプリにする必要はありません。判断の軸は4つで、当てはまる数が多いほど効きます。
| 軸 | 効くサイトの条件 | 当てはまらない場合 |
|---|---|---|
| 滞在の長さ | 開いたら数十分から一日そのまま | 用が済んだら閉じる |
| 開く頻度 | 毎日決まった時間に開く | 週に1回か、思い出したとき |
| 通知 | 通知を受け取って反応する | 通知を出さない |
| 切り分け | 仕事と個人でアカウントが分かれる | 単一のアカウントで済む |
滞在が長いサイトは、専用の窓を持つ効果が大きくなります。タブバーもアドレスバーもない窓になるため、別のページへ横滑りする経路が消えます。逆に、調べ物のように用が済んだら閉じるサイトは、アプリにしてもDockのアイコンが1つ増えるだけです。
通知を出すサイトは、アプリにする理由が明確です。Webアプリでは未読の件数がDockのアイコンに赤いバッジで表示されます。これを使うには、通知の許可をSafariの中ではなくWebアプリの中で出す必要があります。その手順を踏むと、システム設定の「通知」にそのWebアプリの名前で行が並び、サイト単位ではなくアプリ単位で通知を調整できるようになります。
アカウントの切り分けは、Cookieが共有されない性質をそのまま利用する使い方です。仕事用のアカウントでログインしたWebアプリを1つ持っておけば、Safari側は個人のアカウントで開いたままにできます。毎朝アカウントを切り替える操作が消えるのは、ここが理由です。
4つの軸のうち1つも当てはまらないサイトは、アプリにしてもDockのアイコンが1つ増えるだけで終わります。逆に3つ以上当てはまるサイトは、作った翌日から効果が分かる部類です。最初の1つを選ぶときは、当てはまる数がいちばん多いものから始めると判断を間違えません。
名前とアイコンを先に決めておくと、後で作り直さずに済む
追加のときに入力する名前は、あとから複数の場所に出てきます。Dockのアイコンの下、Command+Tabの切り替え画面、Spotlightの検索結果、強制終了の一覧、そしてシステム設定の「通知」に並ぶ行です。Appleの資料にも、通知の一覧にはWebサイトのURLではなくWebアプリの名前で表示されると書かれています。
ここで効いてくるのが先頭の文字です。同じ会社のサービスから3つ作って全部同じ語で始まる名前にすると、Spotlightで何文字打っても候補が3行に割れます。「経理 freee」「日報 Notion」「問い合わせ Gmail」のように用途を先頭に置くか、「Gmail 仕事」「Gmail 個人」のようにアカウントを入れるかのどちらかで、先頭の文字が重ならないようにしておくと、呼び出しが2文字か3文字で決まります。
アイコンは、指定しなければサイト側のものが使われます。粗く見える場合や、似たアイコンが並んで見分けがつかない場合は、設定画面のアイコン欄から手持ちの画像に差し替えられます。Dockに3つ以上並べるつもりなら、色の系統を分けておくと目で探す時間が短くなります。
毎朝いちばんに開くサイトであれば、開く操作そのものを消す手もあります。Appleの資料には、Webアプリをログイン項目として追加すればログイン時に自動的に開くようにできると書かれています。システム設定の「一般」にある「ログイン項目と機能拡張」から追加すると、Macを立ち上げた時点でその窓が用意されている状態になります。
作ったあとに変えられるもの
設定画面には、作成時に決められなかった項目がまとまっています。開き方は、Webアプリを起動して、メニューバーのアプリ名から「設定」を選ぶだけです。
- アプリケーション名。Dock、Command+Tab、Spotlight、通知一覧に出る名前がまとめて変わります
- アプリケーションURL。起点にする画面を差し替えます
- アイコン。手持ちの画像を選ぶと、そのままアイコンになります
- ナビゲーションコントロールを表示。戻る、進む、共有、機能拡張のボタンを出すかどうかを選びます
- タイトルバーにカラーを表示。サイト側の色をタイトルバーに反映するかどうかを選びます
ナビゲーションコントロールは、消すか残すかで使い勝手が変わります。窓の中を1画面で完結させたい業務なら消したほうが集中できますが、サイト内で階層を行き来する使い方だと戻るボタンが無いのは不便です。迷ったら残しておき、邪魔だと感じてから消すほうが失敗しません。
「プライバシー」のタブからは、そのサイトのCookieやキャッシュを消せます。ログイン状態がおかしくなったときに、Safari全体のデータを触らずにそのアプリの分だけ消せるのは、切り分けられていることの利点です。「機能拡張」のタブでは、Safariの機能拡張をこのWebアプリで有効にするかどうかを個別に選べます。パスワード管理の拡張をここで有効にしておくと、ログインし直しの手間が軽くなります。
うまくいかないときに疑う場所
動かない、という状態にはいくつか型があります。
開いたらログイン画面が出る場合は、仕様どおりの動きです。1回入り直せば以後は保たれます。それでも毎回ログインを求められるなら、そのサイトがCookieの保持期間を短く設定しているか、ブラウザのデータを消す設定が働いています。
窓の中で別のドメインへ移動すると、Webアプリの外へ出ることがあります。外部サイトへのリンクは既定のブラウザで開くため、業務の途中で窓の外に放り出されたように見えます。1つのアプリの中で完結させたい場合は、そのサイトが外部のドメインをどれだけ経由するかを先に確かめておくと、期待とのずれが減ります。
シングルサインオンを使うサービスは、認証の途中で別ドメインへ飛びます。ここで既定のブラウザ側に処理が渡ると、Webアプリに戻ってきたときにログインできていない状態になります。作る前に、そのサービスのログインが同じドメインの中で完結するかどうかを見ておくと判断が早くなります。
作ったはずのアプリが見当たらない場合は、探している場所が違います。保存先はホームフォルダの中の「アプリケーション」フォルダで、ディスク直下の共通のフォルダではありません。Finderのメニューバーから「移動」を開いて「ホーム」を選び、その中の「アプリケーション」を開けば入っています。削除も同じ場所からゴミ箱にドラッグします。Dockからアイコンを外しただけでは実体が残るため、使わなくなったWebアプリが気づかないうちに溜まるのはこのためです。
独自データの考察
サイトをアプリにする道具の側で、あらかじめ用意されているサービスの顔ぶれを見ると、実際にアプリにされているものの傾向が読めます。300以上のサービスがプリセットとして登録されている状態で、その中身はチャット、タスク管理、会計、デザイン、社内の管理画面といった、滞在が長く毎日開くものに寄っています。並んでいる顔ぶれは対応サービス一覧で確認できます。前の節の4つの軸で選んだサイトが、この一覧にも入っているなら、判断としては外していません。
Safariの標準機能で足りるかどうかを見極める材料としては、専用の道具の側で何ができるかを一度見ておくと差が分かります。作れるものの範囲はできることに、実際の作成手順は使い方ガイドにまとまっています。専用の道具を使う場合の費用は料金に、作る前に迷いやすい点はよくある質問に集まっています。
進め方としては、いちばん長く開いているサイト1つをSafariの「Dockに追加」でアプリにして、1週間そのまま使ってみる。開く場所が違えば設定でURLを差し替え、名前が呼びにくければ変える。それで困らなければ追加の道具は要りません。困った点が3つ以上出てきたときが、次を検討する頃合いです。
よくある質問
どのページを開いた状態で「Dockに追加」を実行すればいいですか?
毎日いちばん最初に見る画面を開いた状態で実行します。開いていたページのURLがアプリの起点として固定されるため、トップページから作ると毎回同じクリックを繰り返すことになります。検索条件やセッションIDが混じったURLは時間が経つと開けなくなるので、ブックマークに入れても差し支えない安定したURLを選びます。
Safariで開いているサイトなら、どれでもアプリにできますか?
メニューの操作としてはどのページでも実行できます。ただし、認証の途中で別ドメインへ飛ぶサービスや、外部のドメインを頻繁に経由するサイトは、窓の中で完結せず既定のブラウザ側に処理が渡ることがあります。作る前に、そのサイトのログインが同じドメインの中で終わるかどうかを見ておくと判断が早くなります。
作ったWebアプリを消したいときはどうしますか?
ホームフォルダの中の「アプリケーション」フォルダを開き、ゴミ箱にドラッグします。Finderのメニューバーから「移動」を開いて「ホーム」を選ぶとたどり着けます。Dockからアイコンを外しただけでは実体が残るので、整理するときはこちらのフォルダを見ます。
Safariの標準機能ではなく、専用の道具を使う理由はどこにありますか?
Chrome専用の機能拡張が業務の前提になっている場合、Macが複数台あって同じ構成を何度も作りたい場合、外部リンクの開き方やアイコンを細かく指定したい場合が主な理由です。逆に、この3つに当てはまらないなら標準機能で足ります。困った点を書き出してから比べると、必要かどうかがはっきりします。