Notionをアプリとして使う選び方|先に決める4つの条件

Notionをアプリとして使う選び方でつまずく人の多くは、手段の比較から入っています。公式アプリとブラウザのどちらが速いか、Dockに出す方法はどれが簡単か、といった順番です。この入り方だと結論が出ません。条件が決まっていない状態で手段を比べても、どの列が自分に当てはまるのかが判定できないからです。

順番を逆にすると短時間で決まります。先に自分の側の条件を4つ固定し、そのあとで手段を当てはめる。この記事はその4つの条件と、それぞれがどこで効いてくるかを扱います。

条件を埋める前に数えておく2つの回数

4つの条件のうち3つは、記憶ではなく回数で答えが出ます。先に数えておくと、あとの判断が迷いません。

1つ目は、1日にNotionを開く回数です。ブラウザのタブに置いている場合、開くたびにブラウザを前面に出して目的のタブを探す手数が乗ります。この手数は1回あたりは数秒でも、回数がそのまま倍率になります。日に20回開いているなら消す価値がありますが、週に3回なら、Dockのアイコンが1つ増える負担のほうが上回ることもあります。正確に数えるのが面倒なら、午前中だけ数えて3倍しても傾向は掴めます。

2つ目は、毎日開くサイトがNotionを含めて何個あるかです。この数は条件4に直結します。Notionだけなら、Notionに最適な手段を単体で選べばよい。ほかにも管理画面や社内ツールが並んでいるなら、それらを同じやり方で扱えるかどうかが判断の中心になります。数えるときは、公式のMacアプリが出ているサービスと、出ていないサービスに分けて印を付けておくと、条件4の答えがそのまま出ます。

条件1: アカウントとワークスペースの構成

最初に確定させるのは、自分がNotionのアカウントを何個持っていて、ワークスペースを何個使っているかです。ここで分岐の大半が決まります。

アカウント1つ、ワークスペース1つなら、選択肢はほぼ全部が使えます。制約がないので、あとの3条件だけで決められます。

アカウントが2つ以上ある場合、あるいは1つのアカウントでワークスペースを複数持っていて、それらを同時に画面に並べたい場合は、条件が一気に厳しくなります。公式のデスクトップアプリは1つのアプリの中でアカウントとワークスペースを切り替える作りなので、Dockのアイコンは1つのまま変わりません。同時に並べたいなら、URLごとに別のアイコンを作れる手段を選ぶ必要があります。

ここで注意したいのは、「切り替えられる」と「同時に並べられる」は別だという点です。切り替えで足りる人にとっては公式アプリの作りが最短で、アイコンを分ける手段はむしろ手数が増えます。自分がどちらなのかは、直近の1週間で仕事用と個人用を行き来した回数を思い出せば判定できます。日に何度も往復しているなら並べる側、週に数回なら切り替える側です。

条件2: ログインの方式

2つ目の条件はログインの方式で、これが手段を最も強く絞ります。しかも見落とされやすい条件です。

Notionにはメールにコードやリンクをもらってログインするやり方と、Googleのアカウントでログインするやり方があり、組織によってはSAML SSOが使われています。このうちGoogleでログインしている場合に、注意すべき仕様があります。Googleは、別のアプリの中に埋め込まれたブラウザからのログインを止めることがあると明記しています。

Google might stop sign-ins from browsers that: Don't support JavaScript or have JavaScript turned off. Have unsecure or unsupported extensions added. Are being controlled through software automation rather than a human. Are embedded in a different application. 出典: support.google.com

開発者向けの規約でも、GoogleのOAuth認証の要求を埋め込み型のユーザーエージェントに向けてはならないと書かれています。つまり「Webページを包んだアプリ」の中でGoogleログインのボタンを押す経路は、仕組みとして保証されていません。

勤務先がSAML SSOを使っている場合は、別の確認が要ります。SSOのログインはNotionのドメインから会社が契約している認証基盤のドメインへ一度飛び、そこで認証を終えてから戻ってくる作りです。つまり途中で別のサイトを経由します。包む形の手段によっては、最初に指定したURL以外へ移動しようとしたときに外のブラウザへ渡す設定になっていることがあり、そうなると戻り先を見失います。ここは手段ごとに挙動が分かれる箇所なので、導入前に一度通しで試しておくのが確実です。

これが選び方に直結します。Googleログインを使っていて、かつ包む形の手段を検討しているなら、確認すべきは2点です。1つは、その道具がログインの画面だけ外のブラウザに渡して戻ってくる作りになっているか。もう1つは、Notion側でメールのコードによるログインに切り替えられるか。どちらかが成立していれば問題は起きません。両方とも当てはまらない場合は、その手段は候補から外れます。この確認を先にやるかどうかで、あとからやり直す手間が変わります。

条件3: 回線が切れた状態で読むかどうか

3つ目は持ち出しの条件です。新幹線や飛行機、地下、回線の不安定な現場でNotionを開く場面があるかどうか。

Notionの料金ページには、オフラインでの利用がデスクトップアプリとモバイルアプリで使えること、オフライン用に落とすページを選べること、最近見たページとお気に入りは自動で落ちることが書かれています。裏を返すと、これは公式アプリだけの機能です。SafariのDock追加も、Chromeのアプリ化も、汎用のWebアプリ化ツールも、表示しているのは生きたWebページなので、回線が切れれば何も出ません。

ここは妥協の余地が小さい条件です。月に何度も回線のない場所でNotionを開いているなら、公式アプリは残す前提で考えることになります。逆に、この3か月で一度もそういう場面がなかったなら、オフラインは判断材料から外してかまいません。外せば条件1と条件4だけで決まるので、選定はかなり速くなります。

判断を曖昧にしたまま「念のため公式アプリ」を選ぶ人は多いのですが、念のためで選んだ機能は使われないまま残ります。回数で決めるほうが後悔が少なくなります。

条件4: Dockに置きたい単位

4つ目は、Dockに何を何個置きたいかです。単位が3通りあり、それぞれ向く手段が違います。

ワークスペース単位で置きたいなら、URLごとにアイコンを作る手段が要ります。ページ単位、たとえば毎朝開くタスクのデータベースだけをDockに置きたいなら、これも同じ手段の範囲です。サービス単位、つまりNotion全体で1つでよいなら、公式アプリで足ります。

もう1つ、単位を考えるときに効いてくるのが「Notion以外に何個あるか」です。毎日開くサイトがNotionだけなら、Notionに最適な手段を選べばよい。Notionを含めて6個も8個もあるなら、全部を同じ仕組みで扱えるかどうかが効いてきます。作り方も置き場所も消し方も揃っているほうが、数が増えるほど管理が楽になるからです。

どのサービスがまとめて扱えるかは対応サービス一覧で確認できます。Notionのように公式のMacアプリを持つサービスと、持たないサービスが並んでいるので、自分のDockに入れたいものがどちらに偏っているかを見ておくと、単位の答えが出ます。

4つの条件を当てはめる表

条件が埋まったら、次の形に当てはめます。

条件の組み合わせ 向いている手段
ワークスペース1つ、オフラインが要る 公式のデスクトップアプリ
ワークスペース1つ、Notionだけを置きたい 公式のデスクトップアプリ
ワークスペース複数、同時に並べたい URLごとにアプリを作る手段
公開ページだけを開きたい URLごとにアプリを作る手段
Notion以外にも毎日開くサイトが多い 全部を同じ仕組みで扱える手段
Googleログインで、外のブラウザに渡せない道具 その道具は候補から外す

表の行が複数当てはまることはよくあります。その場合はオフラインの行を最優先にしてください。オフラインだけは他の手段で代替できない機能なので、ここが該当するなら公式アプリを残す判断が先に立ちます。残したうえで、追加でアイコンを分ける手段を併用する形も取れます。両方入れて干渉することはありません。

決めたあとに確かめる3点

手段を決めたら、本格的に移す前に短い確認をします。ここを飛ばすと、1週間後に戻すことになります。

1点目はログインが通るかどうかです。条件2で整理した内容を、実際に一度試します。通らなければその時点で判断をやり直せます。

2点目は、Notion内のリンクをたどったときにどこで開くかです。包む形の手段では、リンク先が外のブラウザで開く設定になっていることがあります。それが都合がよい場合も悪い場合もあるので、どちらに設定できるかを見ておきます。

この2点は、移す前に確認するか、移したあとに気づくかで手間が大きく変わります。作り直しが短時間で済む手段なら後から気づいても影響は小さいのですが、ログインをやり直す必要が出た場合は往復が増えます。

3点目は、通知を出すかどうかの設定です。Dockに置いたアプリから通知を出す場合、macOSの通知の許可がアプリ単位で必要になります。何ができるかはできることに整理されています。設定の手順そのものは使い方ガイドが扱っています。

条件を先に固定することの効き方

道具の側から見ると、選び方で失敗する原因はほぼ一定です。条件を決めずに手段を試し、うまくいかなかった点だけを理由に次の手段へ移る。この進め方だと、3つ目まで試しても判断の基準が手元に残りません。

先に4つの条件を書き出す方法は、試す回数を減らします。条件1でワークスペースの数、条件2でログインの方式、条件3でオフラインの要否、条件4でDockの単位。この4つが埋まれば、候補は1つか2つに減ります。残った候補を実際に動かして、上の3点を確認する。これで決着します。

費用を条件に入れる位置にも注意が要ります。Notionの契約プランの金額と、アプリにする手段の費用は別の層にあります。プランを上げてもDockのアイコンは増えませんし、手段を変えてもファイルの容量制限は動きません。したがって、プランの金額を理由に手段を選ぶ判断は成り立ちません。手段側の費用は手段側だけで比べることになるので、金額の前提は料金で確かめてから、上の4条件と突き合わせる順番になります。

もう1つ、条件は変わるものだという前提を持っておくと動きやすくなります。転職や副業の開始でワークスペースが1つ増えれば、条件1の答えが変わります。会社のログインがSSOに切り替われば条件2が変わります。そのときに全部を選び直さずに済むよう、いま選ぶ手段は「条件が変わったときに作り直しやすいか」も見ておくと後が楽です。作り直しの手間が小さい手段ほど、条件の変化に耐えます。疑問点はよくある質問にも整理されています。

よくある質問

条件を全部埋めても候補が2つ残った場合はどうしますか?

2つとも同時に使ってかまいません。公式のデスクトップアプリと、Dockに置いたWebアプリは干渉せず共存します。2週間ほど両方を置いて、実際にどちらのアイコンを押しているかを数えてから、押していないほうを外すのが確実です。頭で比べるより速く答えが出ます。

Googleログインを使っていると包む形の手段は使えませんか?

使えないと決まったわけではありません。Googleは埋め込みブラウザからのログインを止めることがあると明記していますが、ログインの画面だけ外のブラウザに渡す作りの道具なら通ります。Notion側でメールのコードによるログインに切り替える方法もあります。導入前に一度試して確かめるのが確実です。

ワークスペースが1つでもアプリ化する意味はありますか?

1日に開く回数で決まります。ブラウザのタブに混ぜていると、まずブラウザを前面に出してタブを探す手数が毎回かかります。1日20回開くならその手数を消す価値があり、週に数回ならDockのアイコンが増える負担のほうが上回ることもあります。回数を数えるのが判断の近道です。

あとから手段を変えるのは大変ですか?

変える対象によります。Dockのアイコンを作り直すだけなら短時間で済みますが、ログインをやり直す必要がある場合は手間が増えます。だからこそ条件2のログイン方式を先に確認しておくと、あとの変更が軽くなります。作り直しやすさも選定の基準に入れておくと安全です。

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