Notionをアプリとして使うがうまくいかないとき|確かめる順番

Notionをアプリとして使う設定を終えたあとに起きる不具合は、症状の見た目が似ていて原因がまったく違います。白い画面のまま動かない、ログインの画面から先に進まない、通知が来ない。これらを同じ手順で潰そうとすると時間だけが消えます。

先に決めるべきは対処法ではなく、どの層で起きているかの判定です。層が決まれば確かめる順番は自動的に決まり、手数は数分で済みます。この記事は、その層の分け方と、層ごとに見る箇所を扱います。

不具合は4つの層のどこかで起きている

アプリ化したNotionが動かないとき、原因は次の4つの層のどれかにあります。ここを混ぜると、直らない場所をいくら触っても状況が変わりません。

  • 入れ物の層。Dockに置いたアプリそのもの。ウインドウの作り、保存しているログイン情報、リンクの扱い方
  • ページの層。Notion側の仕様や障害。ブラウザで開いても同じことが起きるならここ
  • 回線の層。接続が切れている、社内の通信制限で特定の通信が通らない
  • macOSの層。アプリの起動許可、通知の許可、ファイルへのアクセス許可

4つのうち、入れ物の層とmacOSの層は、アプリにしたことで初めて登場します。ブラウザのタブで使っていたときは、これらの許可をブラウザがまとめて持っていたためです。アプリに分けた瞬間に許可も分かれるので、ブラウザでできていたことが新しいアプリではできない、という状態が普通に起きます。これは壊れているのではなく、許可がまだ渡っていないだけです。

判定の順番は、外側から内側へ向かうのが速くなります。まずページの層かどうかを切り分け、次にmacOSの層、最後に入れ物の層の設定を見る。この順にすると、直す必要のない場所を触らずに済みます。

最初にやる切り分けは同じURLを普通のブラウザで開くこと

どの症状であっても、最初の1手は同じです。アプリが開いているのと同じURLを、普通のブラウザのタブで開きます。

ここで同じ症状が出るなら、原因はページの層か回線の層です。入れ物の設定をいくら変えても直りません。Notion側で障害が起きている、あるいは社内のネットワークが特定の通信を止めている、といった可能性を先に潰すことになります。

ブラウザでは正常に開くのに、アプリでだけ症状が出るなら、入れ物の層かmacOSの層です。ここで初めて、アプリの設定や許可を見る価値が生まれます。

この1手を飛ばす人が多いのですが、飛ばすと最も損をします。原因がNotion側にある場合、アプリの設定を全部見直しても改善せず、そのうち「アプリ化したのが悪かった」という誤った結論に行き着くためです。所要時間は30秒程度なので、どの症状でも必ず先にやる価値があります。

もう1つ、同じタイミングで確認しておくとよいのが、アプリに設定されているURLそのものです。ワークスペースの入口ではなく特定のページのURLで作っていた場合、そのページが削除されたりアーカイブされたりすると、アプリは当然何も表示しません。壊れているのはアプリではなく、指し先です。

起動しても中身が出ない場合に見る順番

ウインドウは開くのに白いまま、あるいは読み込みの表示から進まない。この症状は原因の候補が多いので、順番を決めて潰します。

1つ目は、回線が繋がる前にアプリが起動した場合です。Macの起動直後やスリープ復帰の直後に起きやすく、ウインドウを閉じて開き直すか、アプリを一度終了して起動し直せば解消します。恒久的な不具合と勘違いされやすい症状の代表です。

2つ目は、保存されているログイン情報が期限切れになっている場合です。この状態では、本来ログイン画面が出るべきところで白い画面になることがあります。入れ物の側にログイン情報を消す機能があればそれを使い、無ければアプリを作り直すのが早くなります。

3つ目は、ウインドウの幅です。Notionの画面は幅に応じて表示を変えるため、極端に細いウインドウで開いていると内容が畳まれて何も無いように見えることがあります。一度大きく広げて確認すると判定できます。

4つ目は、拡張機能や広告遮断の設定です。ブラウザ側に入れていた遮断の仕組みは新しいアプリには引き継がれませんが、逆にMac全体に効く種類の遮断を入れている場合は、アプリからの通信だけが止まっていることもあります。

ログインが途中で止まる場合

アプリ化したNotionで最も多い詰まりがログインです。しかも原因が仕様側にあるため、設定をいじっても直らない種類の詰まりが混ざっています。

Notionのログインには、メールにコードを受け取る方法、Googleのアカウントを使う方法、勤務先によってはSAML SSOを使う方法があります。このうちGoogleを使っている場合、Googleは別のアプリの中に埋め込まれたブラウザからのログインを止めることがあると公式のヘルプに明記しています。Webページを包んだアプリは、この「別のアプリの中に埋め込まれたブラウザ」に該当し得ます。つまり、ボタンを押しても先に進まないのは不具合ではなく、設計どおりの動作である場合があります。

対処は2通りです。1つは、ログインの画面だけ外のブラウザに渡して結果を受け取る作りの道具を使うこと。もう1つは、Notion側でメールのコードによるログインに切り替えることです。どちらかが成立すれば通ります。

SSOを使っている場合は、別の見方が要ります。SSOのログインは、Notionのドメインから勤務先の認証基盤のドメインへ一度移動し、そこで認証を終えてから戻ってくる作りです。入れ物の側が「最初に指定したURL以外は外のブラウザで開く」設定になっていると、移動した先で経路が切れます。この場合は、移動を許す設定に変えるか、認証基盤のドメインを例外として登録すれば通ります。どの設定が用意されているかは道具によって違うので、できることで扱える範囲を確認しておくと判断が早くなります。

macOSがアプリを開かせない場合

ダブルクリックしても起動せず、警告のダイアログだけが出る。これはNotionともアプリの中身とも無関係で、macOSの層の話です。

既知の開発元によってAppleに登録されていないアプリを開こうとすると、警告ダイアログが表示されます。レビューされていないアプリなので、リリース後に変更されたり破損したりしているかどうかを確認できません。 出典: support.apple.com

Appleの案内では、開こうとしたあとに「システム設定」の「プライバシーとセキュリティ」を開き、「セキュリティ」の項目から開く操作を行う手順が示されています。この操作のボタンは、アプリを開こうとしたあと約1時間の間だけ表示されるとも書かれています。時間を置いてから設定を見に行って項目が見つからない場合は、もう一度アプリを開こうとしてから設定を開けば出てきます。

同時に知っておきたいのは、Apple自身がこの操作を推奨していない点です。セキュリティ設定を無効化して開くのはMacがマルウェアに感染する最も一般的な経路だと明記されています。したがって、この画面が出たときに問うべきは操作の手順ではなく、そのアプリの出どころです。自分が作ったアプリなのか、配布されたものなのか。作った道具が開発元として登録されているかどうかで、この画面が出るか出ないかが変わります。毎回この操作を挟む状態が続くなら、道具の選定そのものを見直す対象になります。

リンクが想定と違う場所で開く場合

不具合として相談が多いものの、実際には設定の問題であることが多いのがリンクの挙動です。

症状は2方向あります。Notionの中のページへのリンクを押したのに外のブラウザで開いてしまう。あるいは逆に、外部サイトへのリンクを押したのにアプリの中で開いてしまい、そのアプリが本来の用途から外れたページを表示したままになる。

これは入れ物の層が、どのURLを自分で表示し、どのURLを外へ渡すかの判定を持っているためです。判定の基準は多くの場合ドメインで、最初に指定したURLと同じドメインなら中で開き、違えば外へ渡す、という形になっています。Notionの場合は共有リンクや添付ファイルの表示が別のドメインを使うことがあるため、この基準だけでは意図と食い違う場面が出てきます。

対処としては、中で開く対象のドメインを追加できるか、あるいは外部リンクの扱いを切り替えられるかを見ます。どちらも用意されていない道具では、この挙動は変えられません。設定の位置や手順そのものは使い方ガイドにまとまっているので、該当する項目があるかを先に確認すると無駄が減ります。

通知が届かない場合

ブラウザのタブで使っていたときは届いていた通知が、アプリにしてから来なくなる。これは層の話を知っていれば予想できる症状です。

macOSの通知の許可はアプリ単位で管理されます。ブラウザに与えていた許可は、新しく作ったアプリには引き継がれません。したがって、新しいアプリからの通知は「まだ許可していない」状態から始まります。確認する場所は「システム設定」の「通知」で、一覧にそのアプリが並んでいるかどうかを見ます。

もう1段あります。Notion側のWebページが通知を出す仕組みを使っている場合、macOSの許可とは別に、そのページに対する許可も必要になります。片方だけ許可しても届きません。両方を通してはじめて表示されます。

さらに、アプリが起動していない間の通知をどう扱うかは道具によって違います。閉じている間は何も受け取らない作りもあれば、常駐して受け取る作りもあります。通知を業務で使っているなら、ここは導入前に確認しておく項目です。Appleの案内は通知の設定にまとまっており、アプリ単位で何を制御できるかが書かれています。

不具合に見えて仕様である症状

ここまでの手順で直らないものの中には、そもそも直せない種類が混ざっています。仕様であると分かれば、探すのをやめられます。

症状 実際に起きていること 直せるか
回線が切れると何も表示されない 表示しているのは生きたWebページ 直せない。公式アプリを併用する
アプリの中にタブが作れない タブは公式のデスクトップアプリの機能 直せない
2つのアプリで同じアカウントに入ってしまう ログイン情報の保存先が共通になっている 道具によっては分けられる
大きいファイルの添付が失敗する 契約プランの容量制限 アプリ側では直せない
更新した機能がすぐ反映される 生きたページなので常に最新 仕様

オフラインの行が最も誤解されます。Notionの料金ページには、オフラインでの利用がデスクトップアプリとモバイルアプリで使えることが書かれています。裏を返せば、Webページを包んだアプリは対象外です。回線が切れて白くなるのは故障ではありません。

添付の行も同様です。無料プランではファイルのアップロードが5MBまでに制限され、ページ履歴は7日分、外部ゲストは10人までとされています。これらは契約の層にある制限なので、開き方を変えても動きません。プランの金額と道具の費用は別の層にあり、混ぜると判断を誤ります。道具側の費用は料金で別に確認する形になります。

層を先に判定する進め方が効く理由

道具の側から見ると、報告される不具合の多くは入れ物の層に無い問題です。ページの層、回線の層、macOSの許可の層。この3つで説明が付く症状が大半を占めます。

それでも入れ物の層から探し始める人が多いのは、いちばん新しく変えた場所だからです。直前に変えたものを疑うのは自然ですが、この件では判定の順番として非効率になります。ブラウザで同じURLを開くだけで外側の2層を同時に切り分けられるのに、その30秒を惜しんで設定画面を往復することになるためです。

もう1つ、複数のサイトをアプリにしている場合の見方があります。1つのアプリだけで症状が出るのか、全部で出るのかを比べると、層はさらに速く絞れます。全部で出るならmacOSの層か回線の層、1つだけならそのアプリの設定かページの側です。240以上のプリセットからすぐ作れるような仕組みで複数を同じやり方で作っていれば、この比較が成立します。作り方がばらばらだと比較対象にならず、毎回ゼロから調べ直すことになります。同じ仕組みで扱えるサービスの範囲は対応サービス一覧で確認できます。導入前の疑問はよくある質問にも整理されています。

よくある質問

アプリにしたNotionが白い画面のまま動かないときは何から見ますか?

同じURLをブラウザのタブで開くのが最初の1手です。ブラウザでも同じなら原因はNotion側か回線側で、アプリの設定を触っても改善しません。ブラウザでは正常なら、アプリを一度終了して起動し直し、それでも直らなければログイン情報の期限切れを疑う順番になります。

Googleログインのボタンを押しても先に進まないのは故障ですか?

故障とは限りません。Googleは別のアプリの中に埋め込まれたブラウザからのログインを止めることがあると明記しており、Webページを包んだアプリはこれに該当し得ます。ログインの画面だけ外のブラウザに渡す作りの道具を使うか、Notion側でメールのコードによるログインに切り替えると通ります。

「開発元が確認できない」と出て起動できません。どうすればよいですか?

macOSの警告で、アプリの中身とは無関係です。Appleの案内では「システム設定」の「プライバシーとセキュリティ」から開く手順が示されており、その操作のボタンはアプリを開こうとしたあと約1時間だけ表示されます。ただしAppleはこの操作を推奨していないため、毎回出るなら出どころの方を見直す対象になります。

通知がアプリから届かないのは設定のどこが原因ですか?

許可が2段あるためです。macOSの通知の許可はアプリ単位なので、ブラウザに与えていた許可は新しいアプリに引き継がれません。加えてNotionのページ側の通知の許可も別に必要で、片方だけでは届きません。アプリを閉じている間の扱いは道具によって違うので、そこも合わせて確認します。

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