Notionをアプリとして使う費用|無料でできる範囲の線引き

Notionをアプリとして使う費用を調べ始めると、話が途中で噛み合わなくなることがあります。Notionの月額が出てきたり、アプリ化ツールの買い切り価格が出てきたり、macOSの標準機能なら無料だという話が混ざったりするからです。これらは全部本当なのですが、支払う先が違います。

この記事では、費用を層ごとに分けて、それぞれの層で何が無料で何が有料なのかを、公開されている料金表と提供条件の範囲で整理します。金額を並べることが目的ではなく、自分の使い方だと支払いが発生するのかしないのかを判断できる状態にすることが目的です。

費用は2つの層に分かれていて、片方はアプリ化で動かない

最初に押さえておくと迷わなくなる分け方があります。Notionをアプリとして使うときにかかりうる費用は、Notionそのものの利用料と、アプリの形にするための手段の費用という2つの層に分かれています。

このうちNotionの利用料は、アプリ化しても一切変わりません。ブラウザのタブで開いても、公式のデスクトップアプリで開いても、Dockに置いた独立したウインドウで開いても、同じアカウントで同じワークスペースを見ている限り請求は同じです。プランの区分はワークスペースのメンバー単位で決まっていて、どの窓から入ったかは料金の計算に入っていません。

もう一方のアプリ化の手段には、無料のものと有料のものが混在しています。ここだけが、選択によって金額が変わる層です。つまり「アプリとして使うと高くつくのか」という問いに対しては、Notion側は動かない、手段側だけ動く、という答えになります。

この分け方をしないまま合計額を比べようとすると、性質の違う支出を足し算することになり、結論が出ません。先に層を切り離してから、それぞれを個別に判断したほうが早く終わります。

Notionの料金表に実際に書かれている数字

Notionの公式料金ページは日本円での表示に切り替えられます。日本円表示では、フリーが0円、プラスが1人あたり月額1,650円、ビジネスが1人あたり月額3,150円、エンタープライズはカスタム料金で営業への問い合わせとなっています。支払いは月払いと年払いを選べて、ページには年間プランで最大20%お得になる旨と、日本の消費税が該当する場合は別途かかる旨が書かれています。

プランごとの制限も料金表に一覧で載っています。フリープランではファイルのアップロードが1つあたり最大5MBまで、ページの履歴をさかのぼれるのが7日間、外部ゲストが10人まで、チャートが1つまでです。プラスに上げるとページ履歴が30日に伸びてファイルアップロードの本数制限がなくなり、ビジネスでは履歴が90日、エンタープライズでは無制限になります。

オフラインの行も料金表にあり、デスクトップアプリとモバイルアプリでNotionをオフラインで使えること、オフライン用にダウンロードするページを選べること、最近見たページとお気に入りが自動でダウンロードされることが書かれています。ここで重要なのは、オフラインがプランの差ではなく、どのアプリで開いているかの差だという点です。フリープランでも公式のデスクトップアプリならオフラインの行に入りますが、Webページを包んだだけのアプリでは、どのプランを払っていても回線が切れた時点で表示できません。

この料金表を読むときに注意したいのは、単価がメンバー1人あたりの月額だという点です。3人のチームでプラスを使えば月額は1,650円ではなく4,950円になります。アプリ化の話で出てくる金額はたいてい1台あたりの支払いなので、単位がそろっていません。片方は人数で増え、片方は台数で増えるものとして、別々に数えたほうが正確です。

アプリにする側は、3つの経路が追加費用なしで使える

アプリ化の手段のうち、少なくとも3つは新たな支払いが発生しません。

1つ目はNotionが配布している公式のデスクトップアプリです。ダウンロードページにはmacOS Universal、macOS Apple Silicon、macOS Intel x64の3種類が並んでいて、いずれも無償で配布されています。同じページからNotionカレンダーが別のダウンロードとして提供され、Web ClipperはChromeの拡張機能として配られています。公式側でもアプリが1本ではないので、必要なものだけを入れる形になります。

2つ目はSafariの「Dockに追加」です。macOSに含まれている機能なので、OSを使っている時点で費用は発生しません。

3つ目はChromeの「ページをアプリとしてインストール」です。Chromeのヘルプには、その他のメニューからキャスト、保存、共有に進み、ページをアプリとしてインストールを選ぶ手順が書かれています。サイトによってはアドレスバーの右上にインストールのボタンが出ます。これもChrome本体の機能であり、追加の支払いはありません。

有料になりうるのは4つ目の経路、つまり任意のURLを独立したmacOSアプリに包む汎用の道具を使う場合だけです。この種のWebアプリ化ツールは買い切りと月額に分かれていて、金額は道具によって違います。ここが唯一、比較して選ぶ意味のある層になります。何にいくら払うことになるのかは料金に整理されているので、先に上の3経路で足りるかどうかを確かめてから見ると、判断が短く済みます。

無料のままどこまで公開できるか

費用の話でよく見落とされるのが、Notionページを公開して配る側の条件です。社内向けの手順書や顧客向けのマニュアルをNotionで作って、それをアプリの形で配りたいという使い方があります。

Notionのヘルプには、Notionサイトでできることとして次のように書かれています。

無制限のページをWebに公開する。notion.siteドメインを1つ取得する。サイトで「ネット検索を許可」を有効にする。 出典: notion.com

ここまではプランを問わず使えます。有料プランで追加されるのは、検索エンジン最適化やテーマ、Googleアナリティクスとの連携といったカスタマイズで、独自ドメインの利用はアドオンの購入という扱いです。URLの末尾を自分で決めるスラッグの変更も有料プラン向けで、使える文字は英数字とハイフン、長さは最大60文字までと決められています。

公開に関してもう1点、費用とは別に効いてくる仕様があります。ページを公開すると、その配下のサブページもまとめて公開される点です。アプリにして配る前に、公開範囲を必ず確かめておく必要があります。無料でできる範囲が広いぶん、うっかり広く出してしまう余地も同じだけ広い、ということです。

支払いが発生する条件を1つの表にする

ここまでの条件を、どの層で何を選ぶといくら動くのかという形で並べ直します。

判断する項目 費用が動くか 決まり方
Notionのプラン 動く メンバー数とプランで決まる。アプリ化とは無関係
公式デスクトップアプリを入れる 動かない 無償配布
SafariでDockに追加する 動かない macOSの機能
Chromeでアプリとしてインストールする 動かない Chromeの機能
汎用のアプリ化ツールを使う 動く 買い切りか月額か、道具による
Notionページを公開する 動かない 公開ページ数に制限なし
公開ページのURLを自分で決める 動く 有料プランの機能
独自ドメインで公開する 動く アドオンの購入

表を見ると、費用が動く行は4つしかありません。しかもそのうち3つはNotion側の話で、アプリ化の判断とは切り離して考えられます。純粋に「アプリにするかどうか」で動く金額は、汎用ツールを選んだ場合の1行だけです。

この形にすると、費用を理由にアプリ化をためらう必要がある人はかなり限られることが分かります。標準機能で足りるなら0円で始められますし、足りないと分かってから道具を検討しても、失うものは検証にかけた時間だけです。

見えにくい費用は金額ではなく手数で出てくる

金額として請求されない部分にも、負担は存在します。ここを数えておかないと、無料の経路を選んだのに結局やめてしまうということが起きます。

1つはアプリごとの管理の手間です。Chromeでインストールしたアプリは、アプリ名やアイコンが変わるときにChromeから更新の通知が届き、承認、無視、アンインストールのいずれかを選ぶ作りになっています。1つなら誤差ですが、毎日開くサイトを10個アプリにしたなら、その回数だけ判断が発生します。

もう1つは消すときの手数です。Chromeのアプリをアンインストールする画面には、Chromeからもデータを削除するという選択肢があります。ここを選ぶかどうかでログイン状態が残るか消えるかが変わります。作るときは一瞬でも、片付けるときには1つずつ触ることになります。

3つ目は、作り直しの手数です。アプリの中身は最初に指定したURLで固定されます。ワークスペースを移したり、公開ページのURLを変えたりすると、そのアプリは古い場所を指したままになります。Notionの公開ページはスラッグを変更できますが、一度完全に削除したページのスラッグは再利用できないと明記されています。あとで直す前提で作ると、この種の手戻りが積み上がります。

4つ目は、手段がばらついたときの負担です。Notionだけを公式アプリ、他をSafari、さらに別のものをChromeという状態にすると、作り方も消し方も更新の通知も全部違うものが同時に並びます。金額は0円のままですが、覚えておくことは3倍になります。毎日開くサイトが何個あるかによって、この負担の重さは変わります。

何個をアプリにするかで、判断の重心が移る

対応の広さという観点から見ると、費用の判断はサイトの数によって性質が変わります。

Notion1つだけをアプリにしたいのであれば、公式のデスクトップアプリで完結します。これは無償で、オフラインも含めて機能が最も多く残る経路です。ここに費用をかける理由はほとんどありません。

一方で、Notionを含めて毎日開くサイトが5個を超えたあたりから、判断の重心が金額から統一性へ移ります。同じ手順で作れること、同じ場所に並ぶこと、同じ手順で消せることの価値は、対象が増えるほど大きくなるからです。どのサービスがこの形で扱えるのかは対応サービス一覧にまとまっているので、自分が毎日開いているものが何個そこに載っているかを数えると、判断の材料になります。

もう1つの分かれ目は、公式アプリを持たないサービスが何個あるかです。Notionには公式アプリがありますが、社内の管理画面や業務システムには存在しないことがほとんどです。印の付かないものが多数派なら、全部をまとめて扱える手段に寄せたほうが手数が減ります。具体的に何ができるのかはできることに整理されています。

判断を前に進めるなら、順番はこうなります。まず毎日開くURLを書き出す。次に公式のMacアプリがあるものに印を付ける。印が付いたものは公式アプリ、付かないものは標準機能でまず試す。標準機能で足りない条件が出てきたときに初めて、有料の道具を検討する。この順で進めれば、支払う前に必要かどうかが分かります。作る手順そのものは使い方ガイドにあり、判断に迷いやすい点はよくある質問でも扱われています。

よくある質問

Notionをアプリにすると月額は上がりますか?

上がりません。Notionの料金はワークスペースのメンバー数とプランで決まっていて、どの窓から開いたかは計算に入っていません。フリープランのままDockに独立したアイコンを置くこともできます。金額が動くのは、汎用のアプリ化ツールを購入した場合だけです。

無料の経路だけでどこまでできますか?

公式デスクトップアプリ、SafariのDock追加、Chromeのアプリとしてインストールの3つは、いずれも追加費用なしで使えます。Dockに独立したアイコンを置いて専用のウインドウで開くところまでは、この3つで到達できます。ワークスペースごとにアイコンを分けたい場合も、後ろの2つで作れます。

フリープランのままでもNotionページを公開して配れますか?

配れます。Notionのヘルプには、無制限のページをWeb公開できること、notion.siteドメインを1つ取得できること、ネット検索を許可する設定があることが書かれています。有料になるのは、URLの末尾を自分で決めるスラッグの変更や、独自ドメインの利用、テーマなどのカスタマイズの部分です。

有料のアプリ化ツールを検討すべきなのはどういうときですか?

標準機能で足りない条件が具体的に出たときです。たとえば同じサービスに別アカウントで同時にログインしたい、毎日開くサイトが10個以上あって作り方と消し方を揃えたい、公式アプリを持たないサービスが多数派である、といった場合です。条件が出る前に買うと、何と比べてよいのかが分かりません。

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