Notionをアプリとして使う手順|先に決める4つのこと

Notionをアプリとして使う手順のうち、実際の操作は数分で終わります。時間がかかるのは操作ではなく、その前に決めておくべきことを決めていないまま作り始めて、あとから作り直す部分です。

この記事では、作る前に決めることを、あとから直しにくい順に並べます。順番が重要なのは、先に決める項目ほど変更のコストが高く、あとに回せる項目ほど何度でもやり直せるからです。この順で進めれば、作り直しはほぼ起きません。

決める順番は、直しにくさの順

先に全体像を示します。決めるべきことは4つあり、直しにくい順に並べるとこうなります。

  • 1つ目は、どのURLを指すか
  • 2つ目は、どのアカウントで入るか
  • 3つ目は、何という名前にして、どのアイコンにするか
  • 4つ目は、通知を受けるか

1つ目と2つ目を間違えると、多くの場合は作り直しになります。3つ目は直せますが、覚え直しが必要になります。4つ目はいつでも変えられます。ところが実際の手順書の多くは、この逆の順で書かれています。作る操作が先に来て、URLをどう選ぶかは触れられないことがほとんどです。

したがって、作業としてはまず何も作らず、この4つに答えを出すところから始めます。答えが出てしまえば、残りは数分です。

1つ目に決める。どのURLを指すか

アプリは、作るときに指定したURLで固定されます。開くたびにそこへ行くので、この選択がアプリの性格を決めます。Notionの場合、候補は大きく3つに分かれます。

1つ目はワークスペースの入口です。毎回サイドバーのある画面から始めたい人向けで、探索的な使い方に向きます。

2つ目は特定のページやデータベースのURLです。毎朝同じタスク一覧を開くなら、その画面を直接指しておくと、開いた瞬間に目的の表が出ます。手数としてはここが最も短くなります。ただし、そのページを移動したり作り直したりするとURLが変わるので、構成がまだ固まっていない段階では向きません。

3つ目は公開しているページのURLです。社内向けの手順書や顧客向けのマニュアルのように、読む人がNotionのアカウントを持っていない前提のものは、これが唯一の選択肢になります。

ここで注意したい仕様が2つあります。Notionのヘルプには、公開したページのスラッグ、つまりドメインの後ろに続く部分を有料プランで変更できること、使える文字は英数字とハイフンで最大60文字までであることが書かれています。加えて次の記述があります。

公開したページを完全に削除すると、そのスラッグは再利用できなくなります。同じスラッグを再度使用する可能性があると思われる場合は、ページを削除する前にスラッグを更新してください。 出典: notion.com

つまり公開ページを指すアプリを作るなら、URLを決める作業はアプリの都合だけでは終わりません。先にNotion側でURLを確定させ、そのうえでアプリを作る順になります。もう1点、ページを公開すると配下のサブページもまとめて公開される仕様があるので、公開範囲の確認もこの段階で済ませます。

2つ目に決める。どのアカウントで入るか

次に決めるのは、そのアプリがどのアカウントでログインした状態になるかです。これが2番目に来るのは、あとから変えるとログインをやり直すことになり、場合によってはアプリごと作り直しになるからです。

判断が必要なのは、Notionに複数のアカウントで入っている場合です。仕事用と個人用、あるいは自社と客先のワークスペース。この2つを別々のアイコンとして並べたいなら、ログイン状態が分かれる作り方を選ぶ必要があります。

ここは経路によってできることが違います。ブラウザの機能で作ったアプリは、そのブラウザのプロファイルにログイン情報が属します。したがって同じサービスに2つのアカウントで同時に入っておくことはできず、片方に入り直せばもう片方は入れ替わります。プロファイル自体を分ければ別々にできますが、今度はプロファイルの管理が増えます。

汎用のアプリ化ツールには、アプリごとに保存領域を分ける作りのものがあり、その場合は同じサービスに別アカウントで同時にログインできます。分かれるかどうかは道具によって違うので、複数アカウントが要件に入っているなら、ここは作る前に確かめる項目になります。何がどこまでできるのかはできることに整理されています。

要件が1アカウントだけなら、この項目で悩む必要はありません。どの経路でも同じ結果になります。

あわせて決めておきたいのが、消すときにログイン情報をどうするかです。Chromeのヘルプには、ウェブアプリをアンインストールする際にChromeからもデータを削除するという選択肢があり、これを選ぶと次回そのサイトにアクセスしたときに再度ログインが必要になると書かれています。試しに作って消す前提なら、この挙動を先に知っておくと、消したあとに他のタブまでログアウトしていて驚く、ということが起きません。

3つ目に決める。名前とアイコン

名前は見た目の問題に見えますが、実際には呼び出しやすさの問題です。Spotlightやアプリ切り替えで探すときに打つ文字がこれになるからです。

ワークスペースを2つ並べるなら、両方を「Notion」という名前にすると区別がつきません。用途が分かる語を入れておくと、打ち始めた数文字で目的のものに絞り込めます。この判断は、アイコンを並べた時点ではなく、探すときに効いてきます。

アイコンについては、Chromeの機能で作った場合に知っておくべき挙動があります。Chromeのヘルプには、ウェブアプリが画面に表示される名前やアイコンを更新しようとする場合にChromeから通知が届き、更新の承認、無視、アンインストールのいずれかを選べることが書かれています。悪意のある変更が疑われる場合はアンインストールすべきだという注意も添えられています。つまり名前とアイコンは、作ったあとも完全に固定ではありません。

この段階の決定は、間違えても作り直しにはなりません。名前を変えるだけで済みます。ただし、一度覚えた呼び出し方を変えることになるので、無料ではありません。最初に決めておくほうが得です。

4つ目に決める。通知を受けるかどうか

最後が通知です。これを最後に置いているのは、いつでも変更できるからです。

決めることは1つ、そのアプリから通知を受けたいかどうかです。受けたいなら、macOSの通知を許可します。受けたくないなら許可しません。あとからどちらにも変えられます。

ここで現実的な話をすると、通知を受けたくてもサイト側が対応していなければ届きません。通知やアイコンバッジは、すべてのWebアプリが持っている機能ではなく、サイトが実装している場合に働く追加機能です。ブラウザのタブで通知が来ていないサイトなら、アプリにしても来ません。期待する前に、ブラウザで来ているかどうかを確かめるのが早道です。

もう1つ、通知を許可するかどうかは、アプリの数が増えたときに意味が変わります。1つなら気になりませんが、10個のアプリが全部通知を出す状態にすると、Dockに逃げたはずの注意が別の形で戻ってきます。全部許可するのではなく、本当に割り込んでほしいものだけを選ぶほうが結果はよくなります。

決めたあとの操作は、経路ごとに入口が違うだけ

4つの決定が済んでいれば、作る操作は入口を知っているかどうかの問題になります。

Chromeで作る場合、ヘルプに書かれている手順は、Chromeを開いて対象のサイトにアクセスし、右上のその他アイコンからキャスト、保存、共有に進み、ページをアプリとしてインストールを選ぶ、というものです。サイトによってはアドレスバーの右上にインストールのボタンが出ます。作ったあとの管理はchrome://appsからも行えて、右クリックでログイン時に自動で開く設定にもできます。

Notionの公式デスクトップアプリを使う場合は、ダウンロードページから該当するビルドを選びます。macOS Universal、macOS Apple Silicon、macOS Intel x64の3種類が並んでいます。Notionカレンダーは同じページから別のダウンロードとして提供され、Web ClipperはChromeの拡張機能として配られているので、必要なものだけを選ぶ形になります。

汎用の道具を使う場合は、決めておいたURLを入力してアプリを生成します。ここで先ほどの4つの決定が効いてきます。URLは決まっている、アカウントも決まっている、名前も決まっているので、迷う場所がありません。準備をしていない状態で入力欄の前に座ると、この3つを同時に考えることになり、だいたい手が止まります。

作り終えたら、その場で1回だけやっておくとよいことがあります。窓の大きさを、実際に使う大きさに合わせておくことです。Notionは窓の幅で表示が変わるので、ここを最初に決めておくと、次回から同じ見え方で開きます。

4つの決定と、直しにくさの対応表

判断の重さを一覧にします。

決めること あとから変えられるか 変えるときに起きること
どのURLを指すか 実質できない アプリを作り直す
どのアカウントで入るか 経路による ログインし直すか、作り直す
アプリの名前 できる 呼び出し方を覚え直す
アイコン できる 見た目の記憶が変わる
通知の許可 できる 設定を切り替えるだけ
窓の大きさ できる 次回から新しい大きさで開く

上の2行だけが重い決定で、残りはすべて軽い決定です。この構造が分かっていれば、どこに時間をかけるべきかがはっきりします。名前とアイコンで30分悩むより、URLを1分考えるほうが効きます。

最初の1つを決めてから、残りを増やす

4つの決定が済んだら、実際に作る段階に入ります。ここで手順として重要なのは、いきなり全部を作らないことです。

毎日開くサイトが10個あるとして、10個を一度に作ると、どれが実際に使われているのかが分からなくなります。使わないアイコンがDockに並ぶと、整理するために作ったはずのDockが、また探す場所になります。

順序としては、最も頻繁に開く1つだけを作り、2週間そのまま使うのが確実です。この期間で確認するのは2点です。ブラウザのタブではなくDockから開いた回数と、アプリの中で何かが動かずブラウザに戻った回数です。前者が多く後者が少なければ、同じやり方を他にも広げる根拠になります。

広げる段階で見るべきなのが、対象サイトの顔ぶれです。Notionのように公式のMacアプリを持つサービスと、社内の管理画面のように持たないサービスでは、選ぶべき経路が変わります。どのサービスがこの形で扱えるのかは対応サービス一覧にまとまっているので、自分のリストと突き合わせると、何個が同じ仕組みで揃うのかが見えます。公式アプリを持たないものが多数派なら、全部を同じ手順で作れることの価値が大きくなります。

まず今日やることは1つです。毎日必ず開くNotionの画面を1つ選び、そのURLをコピーしてください。それが決まっていれば、残りの3つの決定は数分で終わります。操作の詳細は使い方ガイドに、費用の考え方は料金に、判断に迷いやすい点はよくある質問にまとまっています。

よくある質問

どのURLを指すのが正解ですか?

使い方によって変わります。毎朝同じ表を見るならそのデータベースのURL、サイドバーから探し始めたいならワークスペースの入口、他の人に読ませるなら公開ページのURLです。判断の基準は、開いた瞬間に出ていてほしい画面はどれか、の一点です。

あとからURLを変えられますか?

道具によっては編集できますが、できない前提で選んだほうが安全です。特に公開ページを指す場合、Notion側でスラッグを変更する必要が出ることがあり、完全に削除したページのスラッグは再利用できないと明記されています。URLはアプリを作る前に確定させておくのが確実です。

仕事用と個人用のワークスペースを別々のアイコンにできますか?

アイコンを分けること自体はどの経路でもできます。分かれないことがあるのはログイン状態のほうです。ブラウザの機能で作った場合は同じプロファイルを共有するため、同時に2つのアカウントに入っておくことはできません。同時ログインが要件なら、アプリごとに保存領域を分けられる道具を選ぶ必要があります。

最初に何個作るのがよいですか?

1個です。最も頻繁に開くものを1つだけ作り、2週間使ってから広げてください。Dockから開いた回数と、動かずにブラウザへ戻った回数を見れば、同じやり方を他にも広げてよいかが判断できます。最初に10個作ると、使わないアイコンが混ざって整理の効果が消えます。

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