PerplexityのMacアプリ|配布先と求められる権限を確認する
Mac App StoreでPerplexityを検索しても、Perplexity AI Inc.名義のアプリは出てきません。並ぶのは個人の開発者による別のチャット系ユーティリティや、他社のアシスタントです。ここで「Mac版は無い」と結論を出すと、非公式の似た名前のアプリを入れてしまう方向に進みます。macOS版は存在していて、配布元は公式サイトです。そして中身は、検索窓を出す小さなアプリから、Macを操作するエージェントへと性格が変わっています。入れるかどうかは、この変化を知ってから決める話になります。
配布はMac App Storeではなく公式サイト
公式のMac向けページには、macOS版のダウンロードボタンと設定ガイドが並んでいます。ページ自体が、いま配っているものが何かを1行で説明しています。
Run Personal Computer on any Mac through the Perplexity macOS app. 出典: perplexity.ai
同じページには、見出しの文言だけでは分からない条件も書かれています。ダウンロードのボタンのすぐ下に Requires macOS 15 Sequoia or later. とあり、macOS 15 Sequoia以降が必要だと明記されています。「どのMacでも動く」という表現とは食い違うので、先にここを見ておく必要があります。
Requires macOS 15 Sequoia or later. 出典: perplexity.ai
macOS 14 Sonoma以前のMacでは、このアプリはそもそも入りません。その機械での選択は「アプリかサイトか」ではなく、「サイトをどう開くか」になります。お使いの版は、アップルメニューの「このMacについて」で確認できます。
「Personal Computerは、PerplexityのmacOSアプリを通してどのMacでも動く」という趣旨です。つまりダウンロードするのはアプリで、その中に入っているのがPersonal Computerと呼ばれる機能になります。
Mac App Storeを通さない配布は、この分野では珍しいことではなくなりました。よく知られたアシスタントのデスクトップ版も、公式サイトからの直接ダウンロードで配られているものが目立ちます。Mac App Storeで名前を検索して出てくるのが第三者の製品ばかりという状況も、同じ理由で起きています。
直接ダウンロードには2つの影響があります。更新はApp Storeの更新一覧ではなくアプリ自身の仕組みで行われるため、更新の確認が止まっていても気づきにくくなります。削除もストアの操作ひとつでは済まず、アプリ本体に加えて設定や権限の後始末が残ります。
iPhone向けのアプリで代用する道もありません。iOS版の対応はiOS 18.0以降で、AppleシリコンのMacで動かせるiPadアプリとしては提供されていません。Macでの選択肢は、公式サイトからのダウンロードか、ブラウザでサイトを開くかの2つです。
いまアプリの中に入っているもの
macOS版アプリは、Personal Computerを収める器として説明されています。公式ページに並ぶ機能は、Macのどこからでもキーボードショートカットで呼び出せるタスクバー、前面にあるアプリを認識する仕組み、メール・Finder・Slackなどのネイティブアプリの操作、接続したフォルダの読み書き、音声での指示です。
検索の答えを速く見たいだけの人が想像するものとは、性格が違います。こちらが代わりにクリックとキー入力を行うソフトウェアです。公式ページには、Mac miniの中で24時間動き続ける使い方も紹介されています。作業を任せる相手としての紹介であり、検索窓の説明ではありません。
設定ガイドの手順は5つで、その並びに製品の性格が出ています。macOSアプリを入れる、Cometを入れる、macOSの権限を許可する、フォルダとアプリを接続する、スマートフォンを紐づける。最後の手順は、二要素認証の確認や重要な操作の承認をスマートフォン側で行うためのものです。
答えを返すだけのソフトウェアに、承認用の2台目の端末は要りません。ダウンロードの前にこの手順表を読むと、探していたものかどうかがその場で分かります。
求められる3つの権限
設定ガイドは、macOSがどの権限を求めるかを明記しています。
macOS will prompt for Accessibility (so the agent can click and type), Screen & System Audio Recording (so it can see what's on screen), and Full Disk Access (so it can read your files). 出典: perplexity.ai
日本語のmacOSの表記では、アクセシビリティ、画面収録とシステムオーディオ録音、フルディスクアクセスにあたります。いずれもmacOSが用意している権限の中で強い部類です。
- アクセシビリティ: すべてのアプリに対してクリックとキー入力を送れる
- 画面収録: 表示されている内容を取得できる。他のアプリの窓も含む
- フルディスクアクセス: 通常は保護されている領域のファイルまで読める
理由は隠されておらず、説明も筋が通っています。画面が見えなければ操作はできません。問題は、これが形式的な同意ではなく実際の判断だということです。
判断が変わるのは、Macの立場によってです。個人のMacと、秘密保持契約のある取引先の資料が入っているMac、学生や患者の情報を扱うMac、勤務先の規程で管理されているMacでは、同じ許可の重さが違います。会社支給の端末では、情報システム部門の設定でこれらの許可自体が止められている場合もあり、無理に通すと規程から外れた状態になります。
エージェントではなく検索の方を使いたいなら、この手順の前で止めるのが素直です。検索はWebサイトとして提供されており、ブラウザで開く限り権限の確認は1つも出ません。
Cometは別のソフトウェア
Perplexityは、アシスタントを組み込んだブラウザのCometも配布しています。公式ページには、Mac、Windows、iOS、Androidで利用できると書かれています。設定ガイドではPersonal Computerの手順の中に組み込まれており、Web上の作業をCometに渡す設計になっています。
つまりMacでは、Perplexityの名前が付いたものが3つ並ぶことになります。
| 名前 | 入手方法 | 中身 |
|---|---|---|
| PerplexityのmacOSアプリ | 公式サイトからダウンロード | Personal Computerを動かす器 |
| Comet | 公式サイトからダウンロード | アシスタント内蔵のブラウザ |
| perplexity.ai | ブラウザで開く | 検索と回答の画面 |
ブラウザをもう1つ入れるかどうかは、それ自体が独立した判断です。ブラウザはログインセッション、拡張機能、履歴、既定のブラウザ設定を抱えます。毎日の閲覧をそこへ移すのは、アプリを1本増やすより大きな変更になります。答えを窓で見たいだけなら、ブラウザを乗り換える必要はありません。
窓だけが欲しい場合の選択肢
多くの検索が実際に求めているのは、表の3行目です。開けば回答画面が出て、Dockにアイコンがあり、Command+Tabの一覧にも並び、Macの操作までは引き受けない窓です。
その形は、すでに入っているブラウザの上に作れます。Chrome、Brave、Microsoft Edge、Vivaldiといったブラウザを土台にすれば、設定済みの拡張機能はそのまま効き、済ませたログインもそのまま使え、更新はブラウザ側に任せられます。常駐する2つ目の更新機構も増えず、アクセシビリティやフルディスクアクセスを求める画面も出ません。窓がサイトを開いているだけだからです。
アカウントの使い分けも同じ仕組みで片づきます。窓ごとにブラウザのプロファイルを分ければ、個人の契約と勤務先から支給された契約を同時にサインインしたまま並べられます。片方に入り直すたびにもう片方が切れる、という往復が無くなります。
この形にできないのは、エージェントが存在する理由そのものです。Finderを開いてファイル名を変える、別のアプリを操作するといった作業は行いません。比べているのは同じ製品の2つの版ではなく、役割の違う2つの道具です。
合わなかったときに戻す順番
試したうえで自分の使い方に合わないと判断するのは、正しい結果の1つです。戻す作業自体は難しくありませんが、順番を間違えると残るものがあります。
最初に外すのは権限です。権限はアプリと切り離して残るため、アプリを消してから気づいても一覧に項目だけが居座ります。システム設定のプライバシーとセキュリティにある、アクセシビリティ、画面収録とシステムオーディオ録音、フルディスクアクセスの各項目を開き、該当のアプリのスイッチを切ってから、一覧からも削除します。
次がログイン項目です。Macのどこからでも呼び出せるタスクバーを持つソフトウェアは、起動時に自動で立ち上がる設定になっているのが普通です。システム設定の一般にあるログイン項目を確認して、残っていれば外します。
3つ目が接続したフォルダです。ダウンロード、デスクトップ、作業中のプロジェクトなどを指定していた場合、その関係はアプリの中に記録されています。アプリを消す前に接続を切っておく方が、後から確認しやすくなります。
Cometを一緒に入れていた場合は、別のソフトウェアとして別に外します。ブラウザは既定のブラウザの設定を持つため、消した後にシステム設定のデスクトップとDockで既定のWebブラウザを確認しておきます。ここが残っていると、リンクを開くたびに存在しないブラウザが呼ばれます。
権限、ログイン項目、アプリ本体。この順に進めると残りものが出ません。
検索結果を読み分ける
この語で出てくる記事は、製品の時期がばらばらです。macOS版が単純な検索窓だった頃に書かれた記事は、いまとは違うアプリを説明しています。Cometについて書かれた記事はブラウザの話で、iPhone版について書かれた記事はMacに入らないものの話です。
見分ける手がかりは3つあります。権限の確認画面に触れているか、スマートフォンの紐づけに触れているか、ブラウザとアシスタントを区別して書いているか。3つとも触れていない記事は、以前の版を説明していると考えて読む方が安全です。
ダウンロード先についても同じ注意が要ります。配布元はperplexity.aiで、再配布している集約サイトのファイルは別物です。アクセシビリティとフルディスクアクセスを渡す相手を選ぶ場面なので、ここは省略できません。
独自データから見える傾向
どのWebサービスが独立したアプリにされているかを見ると、偏りがあります。プリセットは300以上のプリセットからすぐ作れる状態にあり、その多くは公式のMac用アプリが無いか、あってもアカウントを使い分けたいサービスです。生成AI系のサービスは、公式アプリがMac App Storeを通さない配布になっている点でも共通しており、この条件に当てはまりやすい分野になります。
土台にできるブラウザはChrome、Chrome Canary、Chromium、Brave、Microsoft Edge、Vivaldi、Operaの7種類で、アプリごとに独立したプロファイルが割り当てられます。何ができるかはできることに、作る手順は使い方ガイドにまとまっています。対象のサービスが含まれているかは対応サービス一覧で確認でき、費用は料金、迷いやすい点はよくある質問に載っています。
先に決めるのは、3つのうちどれが欲しいのかです。Macの操作を任せたいならガイドどおりに進め、権限の画面を1つずつ読む。速く開ける質問の窓が欲しいだけなら、いま使っているブラウザの上にサイトの窓を作り、権限の手順には入らない。この分岐で作業量が大きく変わります。
よくある質問
PerplexityのMac版アプリはMac App Storeにありますか?
Perplexity AI Inc.名義のものはありません。Mac App Storeで検索して出てくるのは第三者のチャット系ユーティリティや他社のアシスタントです。macOS版は公式サイトからの直接ダウンロードで、iOS版はAppleシリコンのMacで動かせる形では提供されていません。
インストール時にどんな権限を求められますか?
公式の設定ガイドには3つ挙がっています。クリックとキー入力のためのアクセシビリティ、画面の内容を見るための画面収録とシステムオーディオ録音、ファイルを読むためのフルディスクアクセスです。いずれもシステム設定のプライバシーとセキュリティで許可します。
CometとmacOS版アプリは同じものですか?
別のソフトウェアです。CometはPerplexityが配布しているブラウザで、Mac、Windows、iOS、Androidに対応と案内されています。設定ガイドではmacOS版アプリと一緒に入れる流れになっていますが、機能の一部ではなくブラウザそのものです。
権限を渡さずにPerplexityを窓で使う方法はありますか?
あります。回答画面はWebサイトなので、いま入っているブラウザを土台にした窓を作れば、Dockのアイコンとアプリ切り替えの項目が手に入り、アクセシビリティやフルディスクアクセスの確認は出ません。その代わり、他のアプリを操作する動きは行いません。