Prime VideoのMacアプリ|対応OSとアカウント1つの壁

Macで動画配信サービスを開くとき、多くはWebサイトしか用意されていません。Prime Videoはその例外です。Mac App Storeに配信があり、提供元はAmazonで、しかもiPhone用のアプリを大きな画面に広げたものではなく、Mac向けに別に用意されたものです。ですから調べるべき点は「アプリがあるかどうか」ではありません。自分のMacに入るのか、入れた後で足りなくなる場面はどこか、の2つです。どちらも配信ページに書かれています。

Mac版は別のファイルとして配られている

Prime VideoはAppleの各プラットフォームで1つの配信ページを共有しています。同じページでも、iPhoneのアプリとして見るときとMacのアプリとして見るときで中身が入れ替わります。

iPhoneのアプリとして表示したときのサイズはおよそ339.3MB、評価数はおよそ300万件です。Macのアプリとして表示すると、サイズはおよそ110.1MB、評価数はおよそ43,000件で、エンターテインメントのランキングでは首位に付き、Appleの編集部が選ぶバッジも付いています。説明文も別で、Mac側の説明にはiPhoneとiPadでは別のiOS用アプリを、Apple TVでは別のtvOS用アプリをダウンロードするようにと書かれています。同じページを共有した別のアプリだと確認できる一文です。

提供元はどちらもAMZN Mobile LLCです。Mac App Storeで動画配信の名前を検索すると、個人開発者や無関係の会社による「ストリーミング用ブラウザ」「動画プレイヤー」といった第三者の製品が混ざって並びます。並んでいるアイコンではなく、この提供元の行を見るのが確実です。

Macから探すときは、Mac上のApp Storeで開くのが早道です。表示しているプラットフォームによって、提示されるファイルが変わるためです。

必要なmacOSのバージョン

入るか入らないかを決めるのは対応OSの行で、その数字は配信ページの説明文に書かれています。

お使いのデバイスのApp Storeから最新のアプリをダウンロードして、Apple TVやMacでPrime Videoのアップデートをお楽しみください。この機能をご利用いただくには、第3世代以降のApple TV、また、Macの場合はmacOS Big Sur 11.4以降が必要です。 出典: apps.apple.com

Big Surが登場したのは2020年です。いま現役で使われているMacの多くはこの範囲に入ります。近ごろのMac用アプリにはmacOS 14以降を求めるものが増えているので、そちらでは対象外になったMacでも、こちらは入るという場合があります。

下限を割っているMacでも、サービスが使えなくなるわけではありません。Prime VideoはブラウザでもWebサイトとして再生できます。CatalinaやMojaveのまま使っているMacは、その経路で見ることになります。App Storeはサービスの入口の1つであって、唯一の入口ではありません。

いま入っているバージョンの確認は、画面左上のAppleロゴから「このMacについて」を開けば表示されます。Big Sur 11.4以降であれば条件を満たしています。

アプリを入れると何ができるようになるか

配信ページに並ぶ機能のうち、ブラウザに置き換えの無いものが1つあります。

ダウンロードです。作品をダウンロードして、通信の無い場所でも視聴できることが機能として挙げられています。ブラウザのタブは再生するだけで手元に残さないため、飛行機、電波の悪い区間を走る列車、通信量が課金される宿といった場面では、アプリを入れる理由がそのまま立ちます。なお、作品によってはダウンロードできない場合があるとも注記されています。

2つ目がピクチャインピクチャです。他のアプリやWebサイトを操作しながら、映画・番組・ライブ配信を小さな窓で再生し続けられます。仕事の画面の隅に試合を出しておく使い方に合います。

残りは便利さの範囲です。プロフィールを複数作れば、家族それぞれにおすすめと視聴中の一覧が分かれます。IMDbによるX-Rayでは、再生中に出演者や場面の情報を出せます。新作のレンタルと購入もアプリの中で完結します(視聴できる作品は国や地域によって異なります)。

ここに並んでいないものにも意味があります。2つ目のアカウントに関する記載も、2つのライブラリを同時に開く機能もありません。次の節がその話です。

アカウントは1つ、プロフィールは別の話

プロフィールとアカウントは混同されがちですが、ここでは区別が要ります。プロフィールは1つのAmazonアカウントの中を分ける仕組みで、家族それぞれのおすすめと視聴履歴を分けます。アカウントは、契約と支払い方法と、どの国のAmazonに属しているかを持つ単位です。

アプリがサインインできるのは、一度に1つのアカウントです。別のアカウントに移るにはサインアウトして入り直すことになり、前のアカウントで落としたダウンロードや設定はそのまま持ち越せません。家族で1つのアカウントを使っているなら、この制約に当たることはありません。当たるのは次の3つです。

  • 1つの家に契約が2つあり、共用のMacを別々のアカウントの人が使う
  • 仕事用と個人用でアカウントが分かれていて、購入した作品が片方に、契約がもう片方にある
  • 国が違うAmazonのアカウントを2つ持っている。ライブラリも購入履歴も別々になる

これは不具合ではなく、サインインする作りのアプリなら当然の性質です。アプリの設定をどう探しても、サインインそのものが制約なので変わりません。

見落とされやすいのは、視聴の途中経過がアカウント側に紐づいている点です。プロフィールを増やしても、それは1つのアカウントの中の区分けにとどまります。別のアカウントで買った作品は、プロフィールを切り替えても現れません。家族の誰かが自分の契約で買った映画を共用のMacで見たい、という場面は、プロフィールでは解けない種類の相談になります。

サイトを独立した窓にする方法が効く場面

ブラウザはプロファイルでアカウントを分けられます。ブラウザを土台にした窓は、その性質をそのまま受け継ぎます。窓を2つ作り、それぞれ別のプロファイルに割り当てれば、2つのAmazonアカウントに同時にサインインしたまま置いておけます。窓ごとにDockのアイコンが並び、名前も分けられ、Command+Tabの一覧にも別々に出ます。

アカウントの問題と、古いMacの問題を同時に片づけられるのが利点です。Big Sur 11.4を割っているMacはアプリを入れられませんが、サイトは開けます。そのサイトを独立した窓にすれば、アプリを入れたときと同じようにDockから開けます。

Mac App Storeのアプリ ブラウザのタブ サイトを独立した窓に
ダウンロードして視聴 できる できない できない
2アカウント同時 サインインは1つ プロファイル次第 窓ごとに分離
macOS 11.4より前 入らない 使える 使える
Dockのアイコン あり なし あり

表の読み方は、どちらかを選ぶというより、役割が違うということです。主に使うアカウントのオフライン視聴はアプリ、2つ目のアカウントや古いMacは窓、という組み合わせが素直です。パスワード管理や翻訳の拡張機能を使っている場合も、ブラウザを土台にした窓ならそのまま効きます。

他のデバイスは別のダウンロードになる

Mac側の説明文には、他のデバイスでは別のアプリを入れるようにと書かれており、条件もそれぞれ違います。iPhoneとiPadでは別のiOS用アプリで、Mac側の説明にはiOS 14以降と書かれています。テレビで見る場合は別のtvOS用アプリで、第3世代以降のApple TVが必要です。

3つの下限は離れているので、1つの数字で家じゅうの機器を判断すると調べ直しになります。アプリを入れられないMacの隣で、Apple TVは問題なく入るという状態は普通に起こります。

言語の対応は日本語を含む複数の言語で、年齢制限指定は13歳以上です。表示される言語は各デバイスのシステムの言語に従うため、同じアカウントでもMacとスマートフォンで表示が違うことがあります。テレビへ飛ばす機能についても差があり、Chromecastでの再生はスマートフォンとタブレット側の機能として説明されています。Macから飛ばすつもりなら、先に確認しておく方が安全です。

課金の窓口がどこになるか

配信ページの価格表示は「無料、アプリ内課金あり」です。このアプリ内課金には、作品のレンタルと購入に加えて、対象の国と地域ではPrime Videoの登録そのものが含まれます。ここを通して契約すると、支払いの窓口はAmazonではなくAppleアカウント側になります。

配信ページの説明文には、購入の確定時にiTunesアカウントに請求されること、現在のプランの期間が終わる24時間前までに自動更新を無効にしない限り会員資格が自動更新されること、管理と自動更新の停止はアカウントまたはiTunesから行うことが書かれています。

つまり、この経路で登録した人がAmazonのサイトで解約の設定を探しても見つかりません。探す場所はAppleアカウントのサブスクリプションの一覧です。逆に、Amazonのサイトで直接契約した人は、Appleアカウント側には何も出てきません。どちらで契約したかを先に思い出すと、この行き違いは起きません。

第三者のアプリとの取り違えにも同じ注意が要ります。動画配信の名前で検索して出てくる有料のユーティリティは、そのサービスを運営していない会社の製品です。そこで支払った金額は、Prime Videoの会員資格とは関係しません。提供元の行がAMZN Mobile LLCかどうかを見るのが、いちばん短い確認です。

独自データから見える傾向

どのWebサービスが独立したアプリにされているかを見ると、傾向があります。プリセットは300以上のプリセットからすぐ作れる状態にあり、動画配信や買い物のサイトも含まれています。共通しているのは、公式のMac用アプリが無いか、あってもアカウントを2つ以上使い分けたいサービスです。Prime Videoはアプリがある側ですが、アカウントの使い分けという条件では後者に当てはまります。

土台にできるブラウザはChrome、Chrome Canary、Chromium、Brave、Microsoft Edge、Vivaldi、Operaの7種類で、アプリごとに独立したプロファイルが割り当てられ、Cookieとログインセッションが分離されます。何ができるかはできることに、作る手順は使い方ガイドにまとまっています。対象のサービスが含まれているかは対応サービス一覧で確認でき、費用は料金、迷いやすい点はよくある質問に載っています。

最初に見るのは「このMacについて」のバージョンです。Big Sur 11.4以降ならApp StoreからMac版を入れ、オフラインで見る習慣があるならそれを主に使う。下限を割っているMacや、2つ目のAmazonアカウントが日常に入っている場合は、サイトを独立した窓にしてブラウザにサインインを任せる。この分け方で迷いが減ります。

よくある質問

Prime VideoのMac用アプリは公式にありますか?

あります。Mac App StoreにAMZN Mobile LLC名義で配信されており、Mac版のサイズはおよそ110.1MBで、同じページのiPhone・iPad版とは別のファイルです。エンターテインメントのランキングでも上位に入っています。

どのmacOSから使えますか?

配信ページの説明文には、Macの場合はmacOS Big Sur 11.4以降と書かれています。それより古いMacではアプリを入れられませんが、ブラウザでPrime Videoのサイトを開いて視聴する方法は使えます。

Macでダウンロードしてオフラインで見られますか?

作品をダウンロードしてオフラインで視聴できることは、アプリの機能として案内されています。ブラウザは再生するだけで手元に残さないため、この用途ではアプリを入れることになります。作品によってはダウンロードできない場合があるとも注記されています。

Amazonのアカウントを2つ使い分けるにはどうすればよいですか?

アプリがサインインできるのは一度に1つで、プロフィールは1つのアカウントの中を分ける仕組みです。ブラウザのプロファイルを2つ用意してそれぞれにサインインしておけば、両方を同時に開いたままにできます。窓を分ければDockのアイコンも別々になります。

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