PWAをMacに入れるの費用|無料でできる範囲と、払う理由

PWAをMacに入れる費用を調べ始めると、比較記事から入った人ほど答えに面食らいます。Macで使っているサイトをアプリの形にする作業そのものには、お金がかかりません。すでに入っているソフトだけで終わります。この分野の有料製品はどれも、その土台の上に何かを足して売っている形です。だから問いを立て直したほうが早く片が付きます。無料の範囲は何を含んでいないのか、そのうち自分の場合に金額を払う価値があるのはどれか。この2つは半日あれば答えが出ますし、答えは扱うサイトの数と、使う人が自分だけかどうかで大きく変わります。

費用がかからない道は、標準のソフトの中にある

Macにすでに入っているソフトで完結する道が2つあります。

Safariの道は、macOS Sonoma 14から使えるようになりました。「ファイル」から「Dockに追加」を選び、名前を入れて「追加」を押します。できたものはホームフォルダのアプリケーションフォルダに保存され、DockやSpotlightから開けます。アカウントを作る必要も、試用期間も、作れる個数の上限もありません。

Chromeの道は、右上の3点メニューから「キャスト、保存、共有」を開き、「ページをアプリとしてインストール」を選びます。入れたものはchrome://appsに一覧で並び、右クリックで「起動時に開く」を設定できます。EdgeなどChromium系のブラウザにも同じ位置に相当する命令があります。

どちらも料金は発生せず、有料製品の機能制限版でもありません。ブラウザそのものの機能です。この違いは言葉の上では小さく見えますが、判断には効きます。ソフトウェアの「無料プラン」は普通、商用版をわざと絞ったものを指します。ここでの無料は、ブラウザを作っている側が公開すると決めた範囲がそのまま天井になっているだけです。絞る意図があってこの形になっているわけではありません。

無料の範囲に、実際には何が含まれているか

払う前に読んでおく価値があるのは、この一覧が思ったより長いからです。

  • ブックマークではなく、ファイルとして実体を持つアプリの束
  • Dock、アプリケーションの切り替え画面、Spotlightの名前検索に並ぶアイコン
  • アドレスバーの無い独立した窓
  • ログイン項目に追加して、起動時に自動で開かせる設定
  • 名前とアイコンの変更(Safariの道では、メニューバーのアプリ名から「設定」を開くと、アプリケーション名・アプリケーションURL・アイコン・ナビゲーションコントロールの表示・タイトルバーの配色が並びます)
  • 通知と、Dockアイコンの未読件数のバッジ表示
  • 保存領域の分離(Safariの道では、閲覧履歴・Cookie・Webサイトデータ・設定情報をブラウザと共有しません)

Chromeの道では、保存領域の分離はプロファイル単位になります。アカウントを分けたい場合は、先にプロファイルを分けてから、それぞれの中で作る順番です。

毎日開くサイトが3つか4つの人が自分だけで使う場合、費用の問題はそもそも発生しません。 無料の道でその範囲は全部収まります。

金額を払う理由が生まれるのは、機能ではなく数

差が出るのは個々の機能ではありません。それを20個作るとき、あるいは自分以外の人のために作るときです。

作る手間が1つ目です。無料の道では1件ずつ手で作ります。サイトを開き、命令を選び、名前を打ち、アイコンを探す。1回なら数分ですが、20回続けると半日近くかかります。時間を食うのはほぼアイコンの工程です。サイトが公開しているファビコンは解像度の低い四角が多く、Dockの大きさで見ると輪郭がぼやけます。

ブラウザへの固定が2つ目です。入れたアプリは入れたブラウザで動きます。同じサイトを2つのブラウザから入れると、保存領域を共有しない2つのアプリができます。使うブラウザを途中で変えると、作り直しと入り直しが全件に発生します。

リンクの行き先が3つ目です。独立した窓は、外へ出るリンクをどこで開くかを自分では決められません。アプリから外へのリンクは既定のブラウザに渡り、メールで届いた自分のサイトへのリンクも、アプリではなくブラウザで開きます。

Firefoxを使っている人には4つ目の事情があります。mac版には入れる命令がなく、Webアプリの機能はWindows版に限って提供されています。無料の道を使うには、2つ目のブラウザを日常に入れることが前提になります。

共有の機械は5つ目です。無料の道は、作る人と使う人が同じであることを前提にしています。社内で同じ5つの管理画面を使っているとしても、完成したひとそろいを配る方法がありません。全員が同じ手順を繰り返し、名前もアイコンも開始URLもばらばらになります。ここで払っているのは利用料ではなく、あとから「なぜ自分だけログイン画面が出るのか」を調べる時間のほうです。

有料の道具が提示している金額と、その形

各社が公開している金額を並べます。数字は製品ページに載っているものをそのまま書いており、どれを選ぶべきかという判断は含めません。

道具 金額 形 公開されている動作条件
Coherence X6 39.99米ドルから 買い切り。任意の有料アップグレードあり。ライセンスはCoherence X 6.x向け macOS 13.5以降。Apple SiliconとIntel
Unite Pro 39.99米ドルから 買い切り。任意の有料アップグレードあり。ライセンスはUnite Pro 1.x向け macOS 15以降
Fluid 無料。5米ドルのライセンスあり ステータスバーへの常駐、ユーザースクリプトとユーザースタイル、全画面表示を解除する一度きりの購入 バージョン2.1。Mac OS 10.12以降

金額そのものより、この表で見ておく点が3つあります。

1つ目は、ライセンスが対象とする版の範囲です。上の2製品はどちらも、ライセンスが1つのメジャー版を対象とし、その先は任意の有料アップグレードになると明記しています。この分野の「買い切り」はメジャー版ごとの買い切りであり、永久に一度きりという意味ではありません。実質的な年あたりの費用は、メジャー版が何年おきに出ているかで決まります。値札より先に、版の番号が動いた間隔を見るほうが判断に使えます。

2つ目は、対応するmacOSの下限です。Unite ProはmacOS 15以降、Coherence X6はmacOS 13.5以降と公開しています。この下限は版が上がるたびに引き上げられるため、古い機械を使い続けている場合、買い切りが結果として継続的な支出に変わる仕組みになっています。

3つ目は、上の2製品がどちらも最初の1つを無料で作れると案内している点です。自分の使い方に合うかどうかを、支払う前に確かめられます。

自分で作る道を選んだときの費用

包む仕組みを自分で書く道は、ライセンス料の面では無料で、それ以外のすべての面で高くつきます。

この用途で長く使われてきたNativefierは、GitHubの保管庫が既に凍結されており、最後の更新は2023年9月で止まっています。古い記事から辿り着いた人が見ているのは、保守されていない状態の道具です。ElectronやTauriを直接使う道は今も無料で公開されていますが、ブラウザの道が初めから持っている機能を1つ実装するごとに、おおむね1日単位の作業が発生します。

避けられない支出が出るのは配布の段階です。自分の機械で動かすだけなら証明書は要りません。同僚のMacで警告なしに開かせるには署名と公証が必要で、そのためにはAppleの開発者向けプログラムへの登録が要ります。金額は登録のページに直接書かれています。

Apple Developer Programのメンバーシップは年間99米ドルです。価格は地域によって異なる場合があり、登録手続きの際は現地通貨で表示されます。 出典: developer.apple.com

この99米ドルが計算を変えます。自作の仕組みをチームに配る道は、開発の時間を数える前の段階で年99米ドルかかり、これは市販品の提示価格である39.99米ドルの2倍を超えます。自作が見合うのは、要件が本当に特殊な場合であって、同じものを安く済ませたい場合ではありません。

値段表に載らない費用

3つあります。判断を左右する頻度でいえば、値札よりこちらのほうが上です。

乗り換えの費用が1つ目です。アプリは作った仕組みに紐づいています。Chromeの道から専用の道具へ、あるいは道具から別の道具へ移るときは、全件を作り直し、全件でログインし直します。この費用は個数に比例して増えます。そして個数が多いことこそが、道具を使いたくなった理由だったはずです。

保守の費用が2つ目です。macOSの版が上がるたびに動作条件の下限が動きます。更新が止まった道具は、止まるその日まで動きます。そして止まる日を決めるのはOSの側であって、使っている人ではありません。ここで見るべき指標は機能の一覧ではなく、最後の更新がいつだったかという日付です。

消したあとに残るものが3つ目です。アイコンを消すことと、そのアプリが保存したデータを消すことは別です。Safariの道では、アプリの設定にある「プライバシー」タブからCookieやキャッシュを含むサイトのデータを消せます。Chromeの道ではアンインストールの窓に別のチェックボックスがあり、初期状態では入っていません。仕事のアカウントが入った機械では、これは片付けの話ではなく取り扱いの話になります。

支払ったあとで気づく4つ目もあります。この分野の道具はそれぞれ独自の形でアプリを書き出すため、できたアプリがその道具の存在を前提にしていることがあります。道具を消すと、Dockに並んだアイコンが開かなくなる場合があるということです。これは欠陥ではなく作りの違いですが、業務で使い続けるものに当てるなら先に確かめておく点になります。候補の道具に対して聞くべきことは1つで、その道具を消したとき作ったアプリはどうなるのか、そしてその答えがどこかに書かれているかどうかです。書かれていなければ、無料で作れる1つ目のアプリで実際に試すのが確実です。

対応の一覧から読み取れる、費用を判断する順番

サイトをアプリにする道具の側から見ると、費用の話は機能の話より後に来ます。先に決まるのは個数だからです。

用意されている一覧を見ると、240以上のプリセットからすぐ作れる形で並んでいるのは、1日中開いたままになる種類のサイトです。どんなサイトが対象になりやすいかは対応サービス一覧で確かめられます。ここに並ぶ数がそのまま、手で作ったときの工数になります。逆に言えば、この一覧から自分が使うものを数えるだけで、払う理由があるかどうかの見当が付きます。

道具の側が引き受ける範囲はできることに並んでいます。上で挙げた5つの圧力のうち、作る手間とリンクの行き先、そして配布の3つがここに含まれます。金額の条件と対応するmacOSの版は料金で確かめられ、買い切りかどうかという形の部分も同じ場所に書かれています。作ったあとの直し方や消し方の手順は使い方ガイドにまとまっており、支払う前に引っかかりやすい点はよくある質問に整理されています。

最初にやることは1つです。いま使っているブラウザで2つだけ作り、1週間使ってみる。その1週間で天井に届かなければ、費用の検討はそこで終わります。届いたなら、どの圧力で届いたのかが具体的に言えるようになっているはずです。金額を比べるのはそのあとで間に合います。

よくある質問

Macでサイトをアプリにするのに費用はかかりますか?

かかりません。Safariの「Dockに追加」はmacOS Sonoma 14から標準で使え、Chromeの「ページをアプリとしてインストール」もブラウザの機能です。どちらも作れる個数に上限はなく、アカウントの登録も不要です。有料の道具は、この土台の上に機能を足して売っている形であって、土台自体を有料にしているわけではありません。

有料の道具は月額ですか、買い切りですか?

上で挙げた2製品はどちらも39.99米ドルからの買い切りとして案内しており、ライセンスが対象とするのは1つのメジャー版です。その先は任意の有料アップグレードになるため、実質的な費用はメジャー版が出る間隔で決まります。Fluidは形が違い、無料で配布したうえで5米ドルのライセンスが特定の機能を解除する作りです。

自分で作れば費用はゼロになりますか?

自分の機械だけで使うならゼロです。他人のMacで警告なしに開かせるには署名と公証が必要で、Appleの開発者向けプログラムに年99米ドルで登録することが前提になります。古い記事が勧めているNativefierは保管庫が凍結済みで、2023年9月以降の更新がありません。

何個くらいから有料の道具を考える価値がありますか?

決まった数はありませんが、圧力は個々の機能ではなく繰り返しから生まれます。3つか4つを手で作るのは短時間で終わります。20個を作り、アイコンの見た目をそろえ、リンクの行き先を制御しようとする段階で手作業が伸びなくなります。支払いを検討する前に、自分が何個使っているかを数えてください。

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