Kindle for Mac が使えないときに残る読み方の選び方
Kindle for Mac が使えないという状態には、いくつか違う中身が混ざっている。入れようとしても入らない場合と、入ったが起動しない場合、そして買ったはずの本が出てこない場合では、見る場所がそれぞれ違う。この記事では、最初に切り分けるべき条件を示したうえで、公式のアプリを待たずに読み進める道と、その道を毎日使うための整え方までを順に並べる。
入らないのは、必要な macOS の版が上がったから
現在配られている Amazon Kindle のアプリは、iPhone と iPad と Mac で1つの配信にまとまっている。App Store の互換性の欄には、Mac について macOS 14.0 以降が必要と表示されている。つまり、macOS 13 やそれより前で動いている Mac には入らない。
ここで起きやすい誤解が1つある。検索して出てくる手順や画面の写真は、条件を満たした Mac で撮られたものになる。そのとおりに進めても入手のボタンが押せない場合、操作を間違えているのではなく、条件の側で弾かれている。
配信の大きさは205.4MB と表示されている。容量が足りないという別の理由で止まることもあるため、空き容量も同時に確かめておくと切り分けが早い。
古い Mac を使っている場合、この条件は自分では動かせない。OS を上げられる機種であれば上げるという道があるが、機種が対象外であれば、公式のアプリを使うという選択肢はそこで閉じる。閉じた前提で次を考えるほうが、時間を無駄にしない。
手元の macOS の版を先に確かめる
条件の話をするには、手元の版が分かっていることが前提になる。画面左上のアップルのマークをクリックし、このMacについてを選ぶと、バージョンが表示される。ここに出る数字が 14 未満であれば、今のアプリは入らない。
同じ画面でモデル名も分かる。Apple のサポートには、機種ごとに対応する macOS の一覧が公開されているため、上げられるのかどうかはその表で判断できる。上げられる機種であっても、仕事で使う別のソフトが古い版でしか動かない環境では、上げること自体が別の問題を呼ぶ。
判断の順番はこうなる。まず版を見る。14 以上なら、入らない理由は別にあるので、容量やアカウントの側を疑う。14 未満なら、上げられるかどうかを機種で判断し、上げないと決めたなら読み方を変える。
この切り分けを飛ばすと、再インストールを繰り返す時間が増える。入らない理由が条件にある場合、何度やり直しても結果は変わらない。
ブラウザで読むという道が公式に用意されている
Amazon は、ブラウザで読む入口を公式に用意している。read.amazon.co.jp がその入口で、以前は Kindle Cloud Reader と呼ばれていたものが、現在は Kindle for Web という名前になっている。
この入口では、アカウントでログインすると購入済みの本が並ぶ。ページには、テキストのサイズやフォント、レイアウト、余白、背景色を調整できること、メモを取ってハイライトを付けられること、本の中を検索できること、単語を長押しすると辞書の定義が出ることが機能として挙げられている。
読むための基本的な操作はここでそろう。アプリが入らない Mac でも、ブラウザさえ動けば本を開けるという点が重要になる。macOS の版で弾かれた場合の逃げ道が、公式の側に最初から用意されている形になる。
一方で、ブラウザの中に置くと別の面倒が出る。タブが増えたときに読みかけのページが埋もれること、ほかのサイトを見ている途中で読書に戻れなくなること、そして閉じるつもりのないタブを間違えて閉じてしまうことになる。読む道具としては、窓が独立していたほうが扱いやすい。
タブに置くと、読む場所を毎回探すことになる
毎日使うものをタブに置いたままにすると、探す時間が積み上がる。タブは開いた順に並ぶため、読書のタブは新しいタブに押されて端へ寄っていく。読もうと思った瞬間に、まずタブを探す作業が入る。
読書の場合、この摩擦は続きにくさに直結する。数分だけ開く使い方をしたいのに、開くまでに手間があると、その数分ごと諦めることになる。
解決の方向は2つある。1つはタブを固定して位置を動かないようにする方法で、ブラウザの機能だけで済む。もう1つは、そのページだけが入った独立した窓を用意して、Dock から直接開けるようにする方法になる。
後者を選ぶと、アプリの切り替え操作でそのまま読書の窓に移れる。ブラウザを経由しないため、読んでいる途中でほかのページに気を取られる余地も減る。公式のアプリが入らない環境で、アプリに近い扱いを取り戻す方法がこれになる。
Safari で作る窓は macOS 14 から使える
Safari には、開いているページを Dock に置く機能がある。Apple のサポートには、その条件がはっきり書かれている。
macOS Sonoma 14から、SafariでWebページをWebアプリとして保存できるようになりました。Webアプリは、Safariとは切り離して使うことができます。 出典: support.apple.com
ここで条件が重なる点に気づく。この機能も macOS 14 以降になっている。つまり、Kindle のアプリが入らない理由が版の古さであれば、Safari のこの機能も同じ理由で使えない。
Apple の説明によると、この方法で作った窓は Safari と閲覧履歴や Cookie を共有しない。名前とアイコンを自由に付けられ、通知を出すサイトであれば Dock のアイコンに未読の件数を表示できるとも書かれている。条件を満たす Mac であれば、読書用の窓を1つ持つ手段として使える。
macOS 13 で選べる道は Chrome 側に寄る
版が 13 で止まっている場合、選べる道は限られる。Chrome のシステム要件は macOS 13 Ventura 以降となっているため、Chrome 自体は動く。
Chrome には、開いているページをアプリとして入れる機能がある。ヘルプには、右上のその他のアイコンから保存と共有を開き、ページをアプリとしてインストールを選ぶ手順が書かれている。入れたものはランチャーやホーム画面から開けるようになり、ブラウザのタブとは別の窓で動く。
ウェブアプリを使用すると、ウェブサイトがアプリとして機能し、パソコンやモバイルデバイスのランチャーやホーム画面からアクセスできるようになります。 出典: support.google.com
この道であれば、macOS 13 の Mac でも読書用の窓を作れる。公式のアプリが入らない環境で、ブラウザのタブから抜け出す方法として現実的な選択肢になる。
ただし、この方法で作った窓は Chrome の設定を引き継ぐ。ログインしているアカウントも Chrome のものになるため、家族で同じ Mac を使っている場合は、誰のアカウントで開くのかを先に決めておく必要がある。
入るのに開かない、買った本が出ないときに見る場所
macOS の版が条件を満たしているのに困っている場合は、原因が別のところにある。症状ごとに見る場所が変わるため、順に当てていく。
起動してすぐ閉じる場合は、いったん削除して入れ直すのが先になる。入れ直しても同じなら、Mac を再起動した直後に一度だけ試す。ここまでで直らない症状は、アプリではなくアカウント側にあることが多い。
買ったはずの本が並ばない場合は、ログインしているアカウントが購入したアカウントと同じかを確かめる。家族で使い分けている環境や、仕事用のアドレスで登録した本がある環境では、ここがずれていることがある。ブラウザで read.amazon.co.jp を開き、同じ本が並ぶかどうかを見れば、アプリ側の問題かアカウント側の問題かが分かれる。
端末の登録数で止まっている場合もある。1つのアカウントに登録できる端末には上限があり、古い端末を登録したままにしていると、新しい Mac を追加できないことがある。この場合は使っていない端末を登録から外す作業が必要になる。
一覧には並ぶのに開けない本がある場合は、その本の配信の形が原因のことがある。読み放題の対象から外れた本や、貸出の期限が切れた本は、手元に残っていても開けない。ここは操作では直らないため、購入履歴の側で状態を確かめる。
読むための窓に求める条件を3つに絞る
読書用の窓を用意するとき、見る条件は多くない。次の3つで足りる。
- その窓を開いたときに、読みかけのページに戻れるか
- ほかの作業の窓と見分けが付くアイコンになっているか
- ログインが保たれ、開くたびに入力を求められないか
1つ目は、窓を閉じたときの挙動で決まる。閉じるたびに最初のページへ戻る作りだと、続きを探す手間が毎回かかる。
2つ目は、Dock に並んだときの見分けやすさになる。ブラウザの機能で作った窓は、元のサイトの画像がそのままアイコンになることが多い。読書用だと分かるものに差し替えられるかどうかで、探す速さが変わる。
3つ目は、アカウントの持ち方の話になる。ブラウザと同じ保管場所を使う作りだと、ブラウザ側でログアウトした瞬間に読書の窓も閉め出される。窓ごとにログインを持てる作りであれば、この巻き添えは起きない。
条件が合わない場合に、道具側で埋める
macOS の版で公式のアプリが弾かれ、Safari の機能も使えない場合でも、サイトを独立したアプリに変える道具を使えば窓を用意できる。道具によって必要な macOS の版が違うため、選ぶ前に条件を見比べる形になる。
この作り方でできることはできることにまとめられていて、窓の見た目、通知の扱い、ログインを分ける仕組みといった項目が並ぶ。読書のように1つのページだけを長く開く使い方であれば、必要な設定はそう多くない。
実際の手順は使い方ガイドに画面の順番どおりに書かれているため、URL を入れて名前とアイコンを決めるところまで迷わず進める。読書用の窓は1本作れば足りることが多く、最初の1本を作る時間で判断が付く。
どのサービスが同じやり方で扱えるかは対応サービス一覧にサービス名で並んでいる。300以上のプリセットからすぐ作れる形になっているため、読書以外に毎日開いているものがあれば、同じ場で確かめられる。
条件から逆算して、読み方を決める
整理すると、判断は3段になる。1段目は手元の macOS の版で、14 以上なら公式のアプリが入る。2段目は入らなかった場合で、ブラウザで読む道に切り替える。3段目はその読み方を続けやすくする工程で、タブから窓へ出す。
多くの人が止まるのは2段目と3段目の間になる。ブラウザで読めることは分かったが、毎回タブを探すのが面倒で結局読まなくなる、という形で止まる。ここを越えるための作業は一度で済む。
何本まで作れるか、支払いが1回で終わるのかといった条件は料金に並んでいる。読書用に1本だけ作るのであれば、無料で試せる範囲に収まることが多い。細かい疑問はよくある質問を見れば、作る前に確かめられる。
公式のアプリが入らないという事実は変えられないが、読める状態にすることと、読み続けられる状態にすることは、手元の操作で埋められる。
よくある質問
Kindle のアプリが Mac に入らないのはなぜですか?
App Store で配られている Amazon Kindle のアプリは、Mac について macOS 14.0 以降が必要と表示されています。手元の Mac が macOS 13 やそれより前で動いている場合、条件で弾かれるため入手のボタンが押せません。操作の誤りではないので、やり直しても結果は変わりません。まず画面左上のアップルのマークからバージョンを確かめてください。
アプリが入らない Mac でも Kindle の本は読めますか?
読めます。Amazon はブラウザで読む入口を公式に用意しており、read.amazon.co.jp から購入済みの本を開けます。以前は Kindle Cloud Reader と呼ばれていたもので、現在は Kindle for Web という名前です。文字の大きさや背景色の調整、ハイライト、本の中の検索、辞書の表示といった操作が使えます。
ブラウザで読むと使いにくいのですが、改善する方法はありますか?
読書のページだけが入った独立した窓を用意すると、Dock から直接開けるようになります。macOS 14 以降なら Safari のDockに追加が使えます。macOS 13 では Chrome のページをアプリとしてインストールが使えます。どちらも使えない環境では、サイトを独立したアプリに変える道具を使う形になります。
macOS 13 の Mac では何が使えますか?
Chrome のシステム要件は macOS 13 Ventura 以降となっているため、Chrome 自体は動きます。Chrome のページをアプリとしてインストールを使えば、読書用の窓を作れます。ただし Safari の Webアプリは macOS 14 からの機能なので使えません。公式の Kindle アプリも同じ理由で入りません。