サイトをDockに置くの代わりになるもの|手放してよい機能
サイトをDockに置く方法を調べていて、手順は分かったのに踏み切れない、という状態はよくあります。置きたい理由が1つではないからです。すぐ開きたいのか、通知に気づきたいのか、他の作業と混ぜたくないのか。理由によって、Dockに置く以外の手段のほうが手軽で確実な場合があります。この記事では、Dockに置くことで得られるものを5つの目的に分解して、それぞれに代わりになる手段を並べ、最後に手放してよい機能と手放すと戻れない機能を切り分けます。
「Dockに置きたい」には、5つの目的が混ざっている
Dockに置いたときに実際に手に入るものを並べると、次の5つになります。
1つ、開くまでの手数が減ること。2つ、いま起動しているかどうかが目で分かること。3つ、通知に気づけること。4つ、アプリの切り替え操作の対象になること。5つ、他の作業と窓が混ざらないこと。
自分が欲しいのがこのうちどれなのかを先に決めると、話が早くなります。5つ全部が欲しいならDockに置く形が最短です。1つか2つで足りるなら、もっと軽い手段が用意されています。
すぐ開きたいだけなら、Dockを使わずに済む
開くまでの手数を減らすだけが目的なら、Dockは選択肢の1つにすぎません。
Spotlight で呼び出す方法があります。名前の先頭数文字を打てば候補に出るので、Dockのアイコンを目で探すより速いことが多いです。Dockはアイコンが増えるほど1つあたりが小さくなり、探す時間が伸びます。キーを打つ方法は、数が増えても速度が落ちません。
ブックマークにキーを割り当てる方法もあります。ブラウザのブックマークバーに並べたものは、先頭から数えた位置で呼び出せます。よく使う数件をバーの左から順に並べておけば、キー操作だけで開けます。ブラウザがすでに開いている時間が長い人には、この方法がいちばん手数が少なくなります。
macOS 標準のショートカットアプリで、URLを開く動作を作り、そこにキーの組み合わせを割り当てる方法もあります。Dockにもアプリ一覧にも出さずに、キーだけで開ける状態になります。
デスクトップにURLのファイルを置く方法もあります。ただしこれは、置いた場所が窓に隠れていると使えないので、常に何かを全画面にしている人には向きません。
これらはいずれも、開くまでの手数だけを解決します。開いた先はブラウザのタブなので、他の4つの目的は満たしません。
いま開いているかを知りたいなら、Dock以外に見る場所がある
作業中のサイトが今どこにあるのか分からなくなる、という悩みには、Dockに置く以外の解き方があります。
ブラウザのタブを固定する機能があります。固定したタブは幅が狭くなってタブ列の左端に寄り、他のタブを閉じても消えません。位置が固定されるので、目線を動かす距離が毎回同じになります。開きっぱなしにするサイトが3件か4件なら、これで足りることが多いです。
タブをグループにまとめる機能もあります。仕事用と調べ物用のようにまとめておけば、グループを切り替えるだけで関係ないタブが視界から消えます。1つの窓の中で、見えている範囲を減らす方法です。
デスクトップを複数用意して、用途ごとに分ける方法もあります。ブラウザの窓を別のデスクトップに置いておけば、そのデスクトップに移動したときだけ見える状態になります。窓を閉じずに視界から外せるので、開いているかどうかを気にしなくてよくなります。
これらは「見つけやすくする」という目的は満たしますが、ブラウザを閉じると一緒に消えるという性質は変わりません。
通知に気づきたいなら、代わりはほとんど無い
5つの目的のうち、代わりの手段が最も少ないのがここです。
Dockに置いた独立の入れ物は、未読の数をアイコンの上に表示できます。
The number of unread notifications appears as a red badge on the app's icon in the Dock. 出典: support.apple.com
ブラウザのタブでも通知は受け取れますが、気づき方が違います。タブの通知は、ブラウザが起動していることが前提です。ブラウザを閉じていれば届きません。タブのタイトルに未読の数が出るサイトもありますが、タブが細くなっていると数字まで見えません。
メニューバーに常駐する形の道具を使えば、画面の上端に印を出せます。ただし、これはサイト側が対応しているか、その用途の道具が存在する場合に限られます。
通知を確実に受け取りたいという目的が上位にあるなら、Dockに置く形を選ぶ理由になります。逆に、通知は要らない、見たいときに自分で開くだけ、という使い方なら、前の2つの節で挙げた軽い手段で足ります。
切り替えを速くしたいなら、窓を分ける方法がある
Macのアプリ切り替えは、ブラウザの中のタブまでは見ません。ブラウザを1つのアプリとして扱うので、切り替えたあとにタブを探す作業が残ります。
これを軽くする方法の1つが、ブラウザの窓を分けることです。同じブラウザでも、窓を2つ以上開いておけば、窓の単位で切り替えられます。ただし、切り替えの一覧にはどちらもブラウザとして並ぶため、どちらがどちらかは開いてみるまで分かりません。
もう1つが、ブラウザのプロファイルを分ける方法です。仕事用と個人用でプロファイルを分けると、それぞれが別の窓として立ち上がります。アイコンに色や文字の区別が付くブラウザもあるので、窓を分けるだけの場合より見分けやすくなります。
Dockに置く形との違いは、切り替えの一覧に何という名前で並ぶかです。独立した入れ物にすると、そのサービスの名前とアイコンで並びます。窓やプロファイルを分ける方法では、ブラウザの名前のまま並びます。毎日何十回も切り替える人には、この差が効きます。
作業を混ぜたくないなら、分け方が3段階ある
窓が混ざるのを避けたいという目的には、負担の軽い順に3段階の手段があります。
軽いほうから、タブのグループで分ける方法。次に、窓そのものを分ける方法。その次が、プロファイルを分ける方法です。プロファイルを分けると、ログイン状態も履歴も拡張機能も別々になるので、混ざる余地がほぼなくなります。
そして最も分離が強いのが、独立した入れ物にする方法です。ブラウザの外に出るので、ブラウザを閉じる操作の巻き添えを受けません。
どこまでの分離が必要かは、混ざったときに何が困るかで決まります。見た目が煩わしいだけならタブのグループで足ります。間違ったアカウントで送信してしまう可能性があるなら、プロファイル以上の分離が必要です。
Dockに置く形そのものにも制約がある
代わりの手段を検討する前に、Dockに置く形の制約も知っておくほうが公平です。
Dockには区切り線があり、その左側にアプリ、右側にファイルやフォルダが並びます。URLを保存しただけのファイルは、アプリとして扱われないので右側にしか置けません。右側は普段あまり見ない場所なので、置いたのに使わなくなることがあります。左側に並べたいなら、アプリの形になっているものが必要です。
アイコンにも制約があります。ブラウザの機能で作ったものは、サイト側が用意している画像を使います。画像が用意されていないサイトでは、汎用の絵柄になり、Dockの中で見分けにくくなります。
数の制約もあります。Dockは横幅が決まっているので、増やすほど1つあたりが小さくなります。ここは代わりの手段の議論と直結していて、「全部Dockに置く」は現実的ではありません。置くのは数件に絞り、残りはキー操作で開くという組み合わせが、いちばん破綻しにくい形です。
置き換える前に、3つの数字を数えておく
どの手段にするかで迷ったときは、感覚で決めずに次の3つを数えると答えが出ます。どれも1分で数えられます。
1つ目は、そのサイトを1日に何回開き直しているかです。開きっぱなしにしているなら回数は0に近くなり、その場合に効くのは開く速さではなく、閉じたときに困るかどうかです。逆に何度も開き直しているなら、キー操作で開く手段を整えるだけで体感が変わります。
2つ目は、ブラウザを1日に何回閉じるかです。閉じない人にとっては、タブの固定もタブのグループも十分に機能します。作業の区切りごとに閉じる人や、更新のたびに再起動がかかる人は、閉じた瞬間に消える手段に頼ると毎回やり直すことになります。
3つ目は、窓を取り違えたときの損失です。見た目が煩わしいだけなら、分離は軽いもので足ります。間違ったアカウントで返信する、間違った環境に反映する、といった結果になるなら、プロファイルより強い分離が要ります。
3つの数字のうち、2つ目と3つ目が大きい人だけが、Dockに置く形を選ぶ理由を持っています。1つ目だけが大きい人は、キー操作の整備で足ります。
手放してよい機能と、手放すと戻れない機能
代わりの手段に切り替えるとき、何を諦めることになるのかを表にまとめます。
| 目的 | 代わりになる手段 | 手放すもの |
|---|---|---|
| すぐ開きたい | Spotlight、ブックマーク、キー割り当て | 何も手放さずに済む |
| 開いているか見たい | タブの固定、タブのグループ、デスクトップ分け | ブラウザを閉じると消える |
| 通知に気づきたい | ブラウザのタブで受け取る | ブラウザを閉じている間の通知 |
| 切り替えを速くしたい | 窓を分ける、プロファイルを分ける | 切り替え一覧での名前とアイコン |
| 作業を混ぜたくない | タブのグループ、プロファイル分け | ブラウザを閉じる操作からの独立 |
手放してよい機能は、上の3行です。開く速さは代わりの手段でも十分に出ますし、見つけやすさも工夫で埋まります。
手放すと戻りにくいのは、下の2行です。特に、切り替え一覧に自分の名前で並ぶかどうかと、ブラウザを閉じても生き残るかどうかは、代わりの手段では埋められません。この2つが要らないなら、Dockに置く必要はありません。要るなら、置く価値があります。
対応表から見える、置く価値が残るサイトの性格
サイトをアプリの形にする道具がどのサービスをあらかじめ用意しているかを見ると、置く価値が残るサイトの性格が分かります。対応サービス一覧に並んでいるのは、対話型のAI、チャット、ノート、案件や課題の管理、カレンダー、メールのように、開きっぱなしにして通知を受け取る種類のものが中心です。
これは偶然ではなく、前の節で「手放すと戻れない」とした2つの条件に当てはまるサービスが集まった結果です。逆に、検索や買い物や動画の視聴のように、用事があるときだけ開くサイトはこの並びの中で目立ちません。そうしたサイトは、キー操作で開く軽い手段のほうが向いています。
どこまでをアプリらしく振る舞わせられるかは道具によって差があり、名前とアイコンを替えるだけのものから、通知やキー操作まで面倒を見るものまで幅があります。設定できる項目はできることに一覧があり、作る流れは使い方ガイドに順番どおり並んでいます。どこから費用が発生するのかは料金で確かめられ、権限やデータの扱いについての疑問はよくある質問にまとまっています。
いま開いているタブを見渡して、ブラウザを閉じても生き残ってほしいものが何件あるかを数えてください。0件なら、この記事の前半にある軽い手段で足ります。1件か2件あるなら、その分だけをDockに置く形にするのが、いちばん無駄の少ない配分です。
よくある質問
Dockに置かずに、キーだけでサイトを開けますか?
開けます。macOS標準のショートカットアプリでURLを開く動作を作り、キーの組み合わせを割り当てる方法があります。ブックマークバーに並べたものを位置で呼び出す方法や、Spotlightで名前の先頭数文字を打つ方法もあります。いずれも開く手数だけを減らす手段で、通知や独立した窓は手に入りません。
URLのファイルをDockに置くと、なぜ右側にしか入らないのですか?
Dockは区切り線の左側にアプリ、右側にファイルやフォルダを並べる作りになっているためです。URLを保存しただけのファイルはアプリとして扱われないので、左側には入りません。左側に並べたい場合は、アプリの形になっているものを用意する必要があります。
ブラウザのタブを固定するだけでは足りませんか?
開きっぱなしにするサイトが3件か4件で、通知をブラウザ経由で受け取れていれば足ります。固定したタブは幅が狭くなって左端に寄り、他のタブを閉じても消えません。足りなくなるのは、ブラウザを閉じている間も通知を受け取りたい場合と、アプリ切り替えの一覧にそのサービスの名前で並べたい場合です。
何件までならDockに置いても破綻しませんか?
Dockは横幅が決まっていて、増やすほど1つあたりのアイコンが小さくなります。全部を置くのではなく、ブラウザを閉じても生き残ってほしいサイトと、通知を受け取りたいサイトだけに絞るのが現実的です。残りはSpotlightやキー割り当てで開く形にすると、Dockの見分けやすさを保てます。