サイトをDockに置くがうまくいかない|確かめる順番

サイトをDockに置く操作は数十秒で終わるはずのものですが、終わったあとで思っていた動きにならない相談が多く残ります。押すとブラウザのタブで開く、メニューに項目が見当たらない、開くたびにログイン画面に戻る、通知が来ない。症状はばらばらに見えて、原因の置き場所は4つほどしかありません。ここでは直し方を並べる前に、どの症状がどこに属するかを切り分ける順番を置きます。

直す前に、何で作ったものかを見分ける

最初にやることは設定の見直しではありません。Dockにあるそのアイコンが、どの方法で作られたものかを確かめることです。ここを飛ばすと、Safariの設定を探しているのに実物はChromeで作られていた、という空振りが起きます。

見分ける場所は2つあります。1つはホームフォルダの「アプリケーション」フォルダです。Finderのメニューバーで「移動」から「ホーム」を選び、その中の「アプリケーション」を開きます。Safariで作ったものはここに入ります。ディスク直下の共通のアプリケーションフォルダではないので、そちらを探して見つからないという相談はたいていこれが原因です。

もう1つは、アイコンを押したときの出方です。独立したウインドウが開くなら、アプリとして作られています。ブラウザが前面に出てタブが1本増えるなら、それはアプリではなくブックマークかリンクです。この違いは見た目の好みの話ではなく、以降の症状のうち半分がここで説明できてしまうため、最初に押さえます。

3つ目の可能性として、専用の道具で作った場合があります。その場合は道具の側に設定画面があるので、ブラウザやOSの設定を探しても出てきません。

症状1: アイコンを押すと、ブラウザのタブで開いてしまう

独立したウインドウを期待していたのにタブが増える場合、原因は作るときに選んだ項目です。

Chromeでは2024年に項目が2つに分かれました。Chrome 128から、それまで使われていた「ショートカットを作成」はデスクトップにブックマークを作るものに変わり、ウィンドウで開くアプリを作る動きは別の項目に移っています。手順を書いた記事が2024年より前のものだと、当時あったチェックボックスを探すことになりますが、それは移動したのではなく無くなっています。

Starting in Chrome 128, the Create Shortcut menu item in More > Save and share now creates a bookmark on the user's desktop or homescreen. The previous behavior of this menu item on desktop has moved to the Install Page as App option. 出典: developer.chrome.com

日本語の画面では、三点メニューから「ページをアプリとしてインストール」を選ぶ形になります。すでに作ってしまったブックマーク側は残しておくと紛らわしいので、消してから作り直します。

もう1つ、URLをDockの右側にドラッグして置いた場合も同じ症状になります。これは最初からブラウザで開く仕組みなので、設定で直す対象ではありません。独立したウインドウが必要なら、作り方そのものを変えます。

症状2: メニューに「Dockに追加」が見当たらない

Safariの「ファイル」メニューを開いても項目が無い場合、確かめる順番は3つです。

1つ目はmacOSの版です。Appleの案内には次のように書かれています。

macOS Sonoma 14以降が必要です。 Webアプリがホームフォルダの「アプリケーション」フォルダに保存され、DockやSpotlightからも開けるようになります。 出典: support.apple.com

Venturaで止まっているMacには、この項目自体がありません。会社の方針でOSを1世代遅らせている場合も同じで、設定で出せるものではありません。この場合はChromeで作る形か、専用の道具に移ります。

2つ目は、そもそも見ている場所が違う場合です。項目はメニューバーの「ファイル」の中にあり、ツールバーの共有ボタンからも選べます。ブラウザがSafariでなければ当然この項目はありません。

3つ目が保存先の書き込み権限です。作ったものはホームフォルダの「アプリケーション」フォルダに入るため、このフォルダの権限が崩れていると保存が通りません。Appleのコミュニティでは、このフォルダの権限に自分のユーザーが入っておらず、追加して読み書きを許可したことで解決した例が報告されています。Finderで「移動」から「フォルダへ移動」を選び、チルダ付きのアプリケーションのパスを入力すると開けます。

症状3: 開くたびにログイン画面に戻る

作ったばかりのアプリを開いてログイン画面が出るのは、仕様どおりの動きです。Appleの案内には、閲覧履歴、Cookie、Webサイトデータ、設定情報はSafariと共有されないと明記されています。ブラウザでログイン済みでも、そこから引き継がれることはありません。

問題になるのは、1度ログインしたのに翌日また戻る場合です。確かめる点は3つあります。ログインのときに「ログイン状態を保持する」にあたる項目を選んでいるか、サイト側のセッションが短い設定になっていないか、そしてMacやアプリを終了するときにCookieを消す設定が入っていないかです。

パスワードの自動入力も、ブラウザと同じ動きになるとは限りません。アプリの中で入力欄を押したときに候補が出てこない場合は、手で入力するか、パスワード管理の側でコピーして貼り付ける形になります。毎日入るサイトでここが詰まると使い続かないので、候補に挙げた段階で1度確かめておく項目です。

なお、同じサイトから名前を変えて2つ作った場合、それぞれが別のログインを持ちます。片方でログインしても、もう片方には反映されません。これも不具合ではなく、アカウントを分けたい人のための動きです。

症状4: 通知が届かない

通知が来ないという相談で最も多いのは、許可を出す場所の取り違えです。許可はブラウザの中ではなく、作ったアプリの中で答える必要があります。ブラウザで許可済みだから届くはずだと考えて待っていても、状態は変わりません。

順番としては、まずアプリを開き、サイトから出る通知の確認に答えます。そのあとでシステム設定の「通知」の一覧を見ると、アプリの名前で並びます。ここに名前が出ていなければ、許可の手前で止まっています。

許可が通っていれば、未読の件数がDockのアイコンに赤いバッジとして出ます。届かない状態が続く場合は、アプリを終了していないかも確かめます。終了しているアプリには届きません。ブラウザのタブのときは常に開いていたのに、アプリにしてからこまめに終了するようになったせいで気づかなくなった、という入れ替わりはよく起きます。

あわせて、そのサイトが通知を配信しているかどうかも確かめる対象です。配信していないサイトでは、どの作り方をしてもバッジは出ません。作り方ごとに何ができるかはできることに整理されているので、作る前に見ておくと、通知を期待して作ったのに出ないという行き違いを避けられます。

症状5: 途中で外のブラウザに飛ぶ

ログインの途中や、メールから開いたリンクで、既定のブラウザが前面に出てしまう症状です。GoogleやMicrosoftの画面を経由してログインするサイトで起きやすくなります。

飛んだ先でログインが終わっても、アプリに戻ってこないことがあります。この場合はアプリを開き直して、ログイン済みの状態になっているかを確かめます。なっていなければ、アプリの中でログインをやり直します。何度やっても外に出る場合は、そのサイトとその作り方の組み合わせが合っていないので、作り方の側を変えるほうが早く済みます。

似た症状に、メールやチャットで届いたリンクを押すと、作ったアプリではなく既定のブラウザで開くというものがあります。リンクを受け取る先はOSの既定のブラウザなので、同じサイトのリンクであってもアプリには渡りません。毎回アプリで開きたい場合は、リンクを押すのではなくDockのアイコンから開いて、アプリの中で目的のページに移動する形になります。ここは設定で直すというより、開き方の習慣を1つ変える話になります。

行き先を見失ったときのために、設定で「ナビゲーションコントロールを表示」を有効にしておくと、戻るボタンが使えます。サイトの中で1階層深いページに入ったまま抜けられない、という状態から復帰しやすくなります。

症状6: 名前やアイコンがおかしい、URLが変わった

作ったあとで直せる項目は決まっています。Safariで作ったものには、アプリケーション名、アプリケーションURL、アイコン、ナビゲーションコントロールの表示、タイトルバーの色の表示という設定があります。

アイコンが荒い場合は、ここで画像を差し替えます。サイト側が用意している画像をそのまま使うと、小さい画像が引き伸ばされて荒く見えることがあります。

サービスの引っ越しでURLが変わった場合も、作り直す前にアプリケーションURLを見ます。ここを書き換えれば、Dockのアイコンの位置も名前もそのままで中身だけが移ります。Chromeで作ったものは、設定を探すより作り直したほうが早い場合が多くなります。

同じサイトのアプリが気づかないうちに2つ3つ増えている場合もあります。うまくいかないたびに作り直して、前に作ったものを消していないと起こります。Dockに出しているのは最新の1つでも、フォルダには古いものが残っているため、Spotlightで名前を打つと複数の候補が出て、古いほうを開いてしまいます。切り分けの前に、フォルダを開いて同じ名前のものが並んでいないかを見ておきます。

消したい場合は、ホームフォルダの「アプリケーション」フォルダから捨てます。Dockから外すだけでは本体が残るので、同じ名前で作り直したときに2つ並ぶことがあります。Chromeのアプリは、アプリを開いた状態で右上のその他アイコンから「[アプリ名]をアンインストール」を選びます。

確かめる順番を1枚にする

ここまでを、症状から入る形に並べ直します。

症状 最初に見る場所
タブで開く 作ったときに選んだ項目。ブックマーク側かどうか
メニューに項目がない macOSの版。次に保存先フォルダの権限
ログインが切れる ブラウザとデータが分かれる仕様かどうか
通知が来ない 許可を出した場所。アプリの中で答えたか
外のブラウザに飛ぶ 外部ログインを経由しているか
名前やURLが違う アプリ側の設定項目

この表の左から入ると、設定画面を順に開いて回る時間がほとんど要らなくなります。切り分けの多くは、Finderでホームフォルダの「アプリケーション」を開くのと、アイコンを1回押すことで済むからです。

直したあとで同じ症状が戻る場合は、対象の選び方そのものを見直す価値があります。拡張機能や外部ログインに強く寄りかかっているサイトは、独立させると毎回どこかで引っかかります。どの種類のサイトが独立したアプリとして扱われているかは対応サービス一覧で確かめられ、自分が詰まっているサイトと近いものがあるかを見る材料になります。作る手順そのものを1度なぞり直したいときは使い方ガイドが使えます。

作り方を変える判断に移る場合は、費用の形も先に見ておきます。買い切りか継続かで3年単位の負担が変わるため、表示されている金額だけでは比べられません。この点は料金に整理されています。作る前に出やすい疑問はよくある質問にまとまっているので、症状が再発したときはそちらも確かめる先になります。

よくある質問

Dockのアイコンを押すとブラウザのタブで開きます。どこを直しますか?

設定ではなく、作り方を見ます。Chromeは2024年のChrome 128で項目が分かれ、以前の「ショートカットを作成」はブックマークを作るものになりました。ウィンドウで開くものが必要なら「ページをアプリとしてインストール」で作り直します。URLをDockにドラッグしたものも、同じくタブで開く仕組みです。

Safariの「ファイル」メニューに「Dockに追加」がありません。

まずmacOSの版を確かめます。Appleの案内ではmacOS Sonoma 14以降が必要とされており、それより古いMacにはこの項目自体がありません。版が足りている場合は、保存先であるホームフォルダの「アプリケーション」フォルダの権限も確かめる対象になります。

ログインし直しても、翌日また同じログイン画面に戻ります。

作ったアプリはブラウザと閲覧履歴やCookieを共有しないため、ブラウザ側の状態は引き継がれません。そのうえで毎日切れる場合は、ログイン時に状態を保持する項目を選んでいるか、終了時にCookieを消す設定が入っていないか、サイト側のセッションが短くないかの3点を順に確かめます。

通知が届かないのは不具合ですか?

多くは許可を出した場所の違いです。通知の許可はブラウザの中ではなく、作ったアプリの中で答える必要があります。許可が通っていればシステム設定の通知の一覧にアプリ名で並び、未読の件数がDockのアイコンに赤いバッジとして出ます。アプリを終了している間は届きません。

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