Slackのブラウザ版の代わりになるもの|手放してよい機能

Slackのブラウザ版の代わりを探している人は、ブラウザが嫌いになったわけではありません。タブが20枚並んだ中から目的の会話を毎回探している、通知が来たり来なかったりする、ハドルミーティングのボタンを押したら断られた。そういう具体的な詰まりが先にあって、その解き方として「別の開き方」を探しています。ところが候補を並べると、公式のデスクトップアプリも、ブラウザが持っている切り出し機能も、外の道具も、説明文だけでは似て見えます。判断がつかないのは、経路を丸ごと比べているからです。ブラウザのタブでしか起きない詰まりは3か所しかありません。その3か所を先に特定すれば、どれを手放してよいかは自動的に決まります。

ブラウザのタブに置いたままで詰まるのは、3か所だけ

Slackをブラウザで開いていることそのものが問題になる場面は、意外なほど限られています。メッセージの読み書き、検索、ファイルの添付、絵文字のリアクション、canvasやリストの編集は、ブラウザでもデスクトップアプリでも同じように動きます。差が出るのは次の3か所です。

1つ目は通知です。ブラウザの通知は、そのブラウザで開いているワークスペースの分しか届きません。Slackのヘルプセンターは通知が届かないときの確認手順として、Chrome・Edge・Firefox・Safariそれぞれの通知許可の場所を挙げたうえで、ブラウザで開いているワークスペースの通知しか受け取れないと注意書きを添えています。タブを閉じた瞬間に、そのワークスペースからの呼びかけは画面に出なくなります。仕事の合間にタブを整理する習慣がある人ほど、ここで取りこぼします。

2つ目はキーボードショートカットです。Slackのショートカット一覧には、デスクトップアプリでしか動かないものが明示されています。

アスタリスク 2 個(**)が記載されたショートカットは、Slack デスクトップアプリでのみ機能します。 出典: slack.com

この印が付いているのは、環境設定を開く操作、ファイルをアップロードする操作、アプリを終了する操作、チャンネルをブラウズする操作、スレッド画面を開く操作です。ブラウザではキーの組み合わせがブラウザ自身の機能に先に取られるため、押しても何も起きないか、まったく別のことが起きます。

3つ目はハドルミーティングです。Slackのシステム要件のページには、ブラウザ側の制限がはっきり書かれています。ハドルミーティングに対応しているのはGoogle ChromeとFirefoxだけで、SafariやMicrosoft Edgeで開いているとヘッドフォンのアイコンから先へ進めません。音声で呼ばれる頻度が高い職場でSafariを使っているなら、これは毎日のつまずきになります。

逆に言えば、この3か所に当てはまらない使い方をしている人は、ブラウザのタブのままで困っていません。代わりを探す前に、自分の詰まりがどれなのかを1行で言えるかどうかを確かめてください。言えないなら、変えるべきは開き方ではなくタブの数です。

移り先は4つ。それぞれ何を引き継いで、何を捨てるか

ブラウザのタブから離れる先は、大きく4つに分かれます。公式のデスクトップアプリ、SafariのDockに追加、Chromeのページをアプリとしてインストール、そしてサイトを独立したmacOSアプリに変える外の道具です。同じ「アプリにする」という言葉で語られますが、引き継ぐものが違います。

移り先 通知 ハドル デスクトップ専用ショートカット ログインのやり直し
公式のデスクトップアプリ OS標準の通知 使える 使える 必要
SafariのDockに追加 OS標準の通知 使えない 使えない 多くの場合は不要
Chromeでアプリとしてインストール ブラウザの通知 使える 使えない 不要
サイトをアプリにする道具 実装による 使える組み合わせがある 使えない 道具の保存領域による

表の読み方で大事なのは、右に行くほど良いという並びではないことです。4つのうち、デスクトップ専用のショートカットを引き継げるのは公式アプリだけで、これは仕組み上どうにもなりません。ブラウザの上に作られたものは、ブラウザのキー割り当てを土台にしているからです。

SafariのDockに追加は、macOS Sonoma 14から入った機能です。Safariでページを開き、メニューバーの「ファイル」から「Dockに追加」を選んで名前を付けると、ホームフォルダのアプリケーションフォルダに保存され、DockからもSpotlightからも開けるようになります。Appleの説明によれば、サインイン済みの状態はたいていそのまま引き継がれ、ユーザー名とパスワードも変わりません。ツールバーは戻る・進む・共有だけの細いものになります。あとから設定画面で名前・URL・アイコンを差し替えられるところまで用意されています。

Chromeの場合は、右上のメニューから「キャスト、保存、共有」を開き、「ページをアプリとしてインストール」を選びます。Chromeのヘルプでは、この形で入れたものはランチャーやホーム画面から開けるWebアプリとして案内されています。ハドルミーティングが動くブラウザの上に作られるため、音声通話まで含めて引き継げるのがSafari経由との違いです。

手放してよいもの、手放すと戻ってこないもの

移ると決めたときに実際に失うのは、多くの人が思っているものとは違います。

手放してよいものから並べます。タブの並びは失っても困りません。むしろ探す時間が減ります。アドレスバーとブックマークバーも、Slackを使っている最中に触ることはほとんどありません。ブラウザの拡張機能は、Slackの画面に何かを足す種類のものを入れていなければ、無くても同じです。前後のタブへ移動するキー操作も、独立した窓になれば不要になります。

手放すと戻ってこないものは2つです。ひとつは、Slack以外のページへ1手で移れることです。チャンネルに貼られたリンクを開くと、独立した窓からブラウザ側へ飛びます。窓が分かれている以上これは避けられません。もうひとつは、ブラウザの検索履歴や翻訳機能のような、ブラウザ全体にかかっている仕掛けです。翻訳を常用している人は、移る前に窓側で同じことができるかを確かめてください。

判断に迷ったら、3日だけタブを固定してみる方法があります。Slackのタブをブラウザの左端に固定し、その3日のあいだに「タブを閉じてしまって通知を逃した回数」と「Slackから他のページへ飛んだ回数」を数えます。前者が多ければ独立した窓に移る価値があり、後者が圧倒的に多ければタブのままのほうが手数は少なくなります。

全部を移す必要はない。片方だけ切り出すという置き方

代わりを探すときに見落とされがちなのが、全部を移さなくてよいという選択です。ブラウザのタブと独立した窓は排他ではありません。同じアカウントで両方を同時に開いておけます。

この置き方が効くのは、ワークスペースを2つ以上持っている人です。呼ばれたら手を止める必要があるほうだけを独立した窓に出し、たまにしか見ないほうはタブに残します。窓の側は常に同じ場所にあるのでDockから一発で開けますし、タブの側はブラウザを閉じたときに一緒に消えても困りません。通知の設定も、窓の側だけを許可して、タブの側はバッジだけにしておけば、画面に出てくる回数が自然に減ります。

どちらを切り出すかは、開く回数ではなく、返す速さで決めるほうがうまくいきます。1日に何度も見ていても、返事が翌日でよいものは窓にする必要がありません。逆に、1日1回しか鳴らなくても、鳴ったら5分以内に返す約束があるものは、タブに置いておくべきではありません。取りこぼしたときの損失が大きい順に、上から窓へ出していきます。

窓を作ったあと、タブの側を閉じるかどうかは急いで決めなくて構いません。1週間ほど両方を開いたままにして、どちらから開いているかを見てから片付けても遅くありません。

料金の条件は、開き方を変えても動かない

代わりを探す動機が「有料プランを避けたい」であれば、先に確かめておくことがあります。プランの制限は、ブラウザで開いてもアプリで開いても同じです。

Slackの料金ページによれば、フリープランでさかのぼって検索できるメッセージは90日分で、連携できるアプリは10個まで、ハドルミーティングは1対1に限られます。プロプランは月払いで1人あたり1,050円、年払いなら925円です。ビジネスプラスプランは月払い2,160円、年払い1,920円となっています。

この数字は開き方と無関係です。ブラウザ版で見えていない機能が、デスクトップアプリに移ると見えるようになる、ということは起きません。逆に、プランを上げれば解決する詰まりを開き方で解こうとすると、時間だけが消えます。3か月分のメッセージが見つからないのはブラウザのせいではありません。

移ると決めたあとに、先に決めておく3つ

開き方を変えると決めたら、作業に入る前に3つだけ決めておくと、あとで作り直さずに済みます。

ひとつ目は名前とアイコンです。Dockに並ぶものが増えるので、ワークスペースが複数あるなら名前で区別できるようにします。Safariの場合は作ったあとから設定画面で変えられますが、最初に決めておくほうが早いです。

ふたつ目は通知の経路です。OS標準の通知として受けるのか、ブラウザの通知のままにするのかで、集中モードの扱いが変わります。macOSの集中モードで通知を止めている人は、新しく作ったものが許可の一覧に入っているかを確認してください。名前を変えた直後は一覧に出てこないことがあります。

みっつ目はログインの保存領域です。ブラウザと同じ領域を使うのか、分けるのかで、片方からサインアウトしたときの影響が変わります。仕事用と個人用のワークスペースを行き来する人は、分かれている作りのほうが事故が減ります。同じ領域を共有していると、ブラウザ側で全部のCookieを消したときに窓の側も落ちます。

対応しているサービスの一覧から見える、置き換えの実際

サイトを独立したアプリに変える道具の側から見ると、Slackは特別な位置にあります。常時開いておく前提のサービスで、かつ通知が仕事の速度に直結するからです。どのサービスがどの形で扱われているかは対応サービス一覧にまとまっていて、チャットのように常駐するものと、月に数回しか開かない管理画面とでは、求められる作りが違うことが見て取れます。

作る手順そのものは長くありません。窓の作り方、名前とアイコンの決め方、通知の許可の順番は使い方ガイドに並んでいます。手順を先に読んでおくと、上で挙げた3つの決めごとをどの画面で指定するかが分かるので、迷う時間が減ります。

費用の考え方も、比べる前に見ておく価値があります。公式のデスクトップアプリは無料で、ブラウザの切り出し機能も無料です。外の道具を使う理由があるとすれば、複数のサービスを同じ作法で並べたい、保存領域を分けたい、といった条件が重なるときです。判断の材料としては料金を先に見て、その条件が自分に当てはまるかを確かめるほうが早く決まります。当てはまらないなら、手元のブラウザが持っている機能で足ります。

よくある質問

ブラウザ版のままハドルミーティングを使うには、どうすればよいですか?

Slackのシステム要件では、ハドルミーティングに対応しているブラウザはGoogle ChromeとFirefoxだけとされています。SafariやMicrosoft Edgeで開いている場合は、対応しているブラウザに切り替えるか、デスクトップアプリかモバイルアプリを使う形になります。フリープランでは参加できる人数が1対1に限られる点も併せて確認してください。

Dockに追加したものと公式のデスクトップアプリは、併用できますか?

併用できます。別々のものとしてDockとアプリケーションの切り替え画面に並びます。ただし通知が二重に届くことがあるため、片方の通知を切っておくと画面が静かになります。ワークスペースごとに使い分ける場合は、名前を変えておくと取り違えが減ります。

ブラウザから移ると、もう一度サインインし直す必要がありますか?

経路によります。SafariのDockに追加では、サインイン済みの状態がそのまま引き継がれる場合が多いとAppleが説明しています。公式のデスクトップアプリに移る場合は、ワークスペースごとにサインインの手続きが必要です。シングルサインオンを使っている職場では、その場でブラウザが開いて認証に戻ることがあります。

会社の端末でアプリを入れられない場合、代わりは何になりますか?

ブラウザが持っている切り出し機能が候補になります。新しいソフトを追加するのではなく、すでに入っているブラウザの設定を使うためです。管理ポリシーによってはこの機能も止められていることがあるので、メニューに項目が出てくるかを先に確かめてください。項目が出てこない場合は、タブを固定して並び順を固定する方法が現実的な落としどころになります。

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