Slackのブラウザ版がうまくいかないとき|確かめる順番
Slackがブラウザで開かない、開いても読み込みが終わらない、新着が勝手に入ってこない。こうした症状は原因が1つではなく、しかも見える画面がよく似ているため、思いついた順に試すと時間だけが溶けていきます。
Slackは接続の問題と通知の問題について、それぞれ切り分けの手順を公開しています。この記事では、その手順を「どの順番で確かめるか」という形に組み直します。上から順に試せば、自分の環境の話なのか、ネットワークの話なのか、そもそも不具合ではないのかが、途中で分かる並びにしてあります。
最初の分岐は、アプリでも同じことが起きるかどうか
手を動かす前に1つだけ確かめておくと、以降の作業量が半分になります。同じMacでデスクトップアプリを開いて、そこでも同じ症状が出るかどうかです。
両方で起きるなら、ブラウザの設定やキャッシュを疑う意味はほとんどありません。ネットワーク側か、Slack側か、アカウント側の話になります。ブラウザだけで起きるなら、逆にブラウザの中の話に絞れます。拡張機能、キャッシュ、通知の許可、バージョンという4つの候補に一気に狭まります。
デスクトップアプリを入れられない環境であれば、別のブラウザで開く方法でも同じ切り分けができます。普段Chromeを使っているならSafariで、SafariならChromeで開いてみる。片方だけで起きるなら、そのブラウザの中に原因があります。両方で起きるなら外にあります。この1回の確認で、以降どちらの章を読めばよいかが決まります。
スマートフォンのSlackアプリで同じワークスペースを開いてみるのも有効です。そこで新着が普通に届いているなら、Slack側のサービスは動いています。届いていないなら、次の章の稼働状況の確認へ進みます。
症状は5つに分かれていて、出るメッセージが違う
Slackは接続まわりの問題を5つに分類して、それぞれに出るメッセージを公開しています。自分の画面に出ている文言を、まずこの表と照らし合わせます。
| 症状 | 画面に出るもの |
|---|---|
| 接続のエラー | Slackに接続できません |
| 読み込み時の問題 | 何らかの理由により、Slackを読み込めませんでした |
| サーバーエラー | 申しわけありません!エラーが発生しましたが、調査に取りかかっています |
| WebSocketのトラブル | 前回の更新 : 1分未満前(灰色のバナーに表示される) |
| ブラウザのエラー | ブラウザ自身が出すエラー画面 |
この5つは、対処がそれぞれ違います。特に見落とされやすいのが4番目です。WebSocketのトラブルでは、画面は普通に表示されていて、エラーらしいエラーも出ません。ただ、チャンネルやダイレクトメッセージで新規メッセージが自動的に受信できなくなります。再読み込みすると新着がまとめて出てくる、という状態がこれにあたります。「Slackが重い」「反応が遅い」と表現されがちですが、実際には接続が維持できていないだけです。
5番目のブラウザのエラーは、Slackの画面ではなくブラウザ自身が出すものです。この場合、Slackの設定をいくら見ても意味がありません。ブラウザ側のエラーメッセージにトラブルシューティングの手順が含まれていることが多いので、まずそちらを読むのが最短になります。
順番の1番目は、再読み込みと稼働状況の確認
最初に試すのは、費用も手間もかからないものからです。Macであれば⌘+Rで再読み込みします。サーバー側の一時的な問題であれば、これだけで戻ることがあります。
それでも直らない場合は、Slackの稼働状況サイトを確認します。現在対応中の問題があるかどうかがここに出ます。自分の環境を疑って何十分も使ったあとで、実は全体障害だったと分かるのは徒労です。所要時間は1分もかからないので、順番としてはかなり前に置くべき作業です。
ここまでで直らず、稼働状況にも異常がないなら、問題は自分の側にあります。以降の手順に進みます。なお、このとき「いつから起きているか」を思い出しておくと後で効きます。ブラウザを更新した直後、拡張機能を入れた直後、社内ネットワークの設定が変わった直後といった心当たりがあれば、その時点で候補が絞れます。
順番の2番目は、キャッシュを消してシークレットウィンドウで開く
読み込みが終わらない、途中で止まるという症状に対して、Slackが最初に挙げているのはキャッシュのクリアです。ブラウザの場合、やり方はブラウザの種類によって違います。
そのうえで、切り分けとして非常に効く手順が続けて書かれています。
プライベートウィンドウやシークレットモードで Slack を開きます。Slack に接続できるようなら、問題の原因はブラウザの拡張機能の可能性があります。 ブラウザの拡張機能をすべて無効にし、これによって通常のブラウザウィンドウに Slack が読み込まれるか確認してください。 出典: slack.com
この手順が優秀なのは、原因を直さずに原因の場所だけを特定できる点です。シークレットウィンドウでは拡張機能が既定で無効になり、保存されているデータも使われません。そこで正常に開くなら、犯人は拡張機能か、保存されたデータのどちらかです。そこでも同じ症状が出るなら、その2つは容疑者から外れます。
拡張機能が原因だった場合、全部を無効にしてから1つずつ戻すのが確実です。広告や追跡をブロックする種類、プライバシー保護を名乗る種類、企業が配布する監査用の種類は、通信を途中で止める作りになっているため、この症状を起こしやすい部類に入ります。
順番の3番目は、接続テストとバージョンの確認
拡張機能でもキャッシュでもないと分かったら、次はネットワークです。Slackはブラウザから開ける接続テストを用意していて、slack.com/help/test がその入口です。ここでエラーが出る場合は、自分の手元ではなくネットワーク管理者に連絡する段階だと明記されています。プロキシ、ファイアウォール、ウイルス対策ソフト、VPNといったものが間に入っている環境では、ここで結果が出ます。
あわせて確認しておきたいのがブラウザのバージョンです。Slackは対応ブラウザの最低バージョンを公開していて、Chromeは137以降、Firefoxは139以降、Safariは26以降、Microsoft Edgeは136以降となっています。要件は半年ごと、5月と11月に更新されるとも書かれています。
ここで押さえておくべきなのは、サポートが完全に終了したブラウザで起きることです。Slackは、そのブラウザでの利用、サインイン、新しいワークスペースの作成、設定の管理ができなくなると明記しています。つまり「調子が悪い」ではなく「使えない」になります。長く更新していないブラウザで急に入れなくなったなら、不具合ではなく期限切れの可能性があります。
新着が自動で入ってこないときは、WebSocketを疑う
再読み込みすれば新着が出るのに、待っていても出てこない。この症状が出たら、確認すべき対象がはっきりしています。SlackはWebSocketの接続維持に問題がある場合の症状として、チャンネルやダイレクトメッセージで新規メッセージを自動的に受信できなくなると説明しています。
対処は自分の手元では完結しません。ネットワーク管理者に連絡して、WebSocket接続がサポートされているかを確認してもらう手順が案内されています。その際、接続の試行を検証してもらう対象として3つのドメインが挙げられています。
| 確認してもらうドメイン |
|---|
| wss-primary.slack.com |
| wss-backup.slack.com |
| wss-mobile.slack.com |
社内ネットワークにこの問い合わせを出すときは、症状と一緒にこの3つを渡すと話が早く進みます。「Slackが遅い」とだけ伝えるより、確認対象が具体的に示されているほうが、相手の作業が短くなるからです。
それでも解決しない場合は、ネットワークログを集めて送る手順が用意されています。Chromeであれば chrome://net-export/ を開き、ディスクへのロギングを開始してからSlackを開き、症状が出た時点でロギングを停止します。生成されたファイルはダウンロードフォルダに入るので、それを添付して問い合わせます。Chrome以外のブラウザを使っている場合は、ログを自分で集めずに問い合わせるよう案内されています。
通知が来ないのは、不具合ではないことが多い
「ブラウザ版の不具合」として扱われがちな症状のうち、実際には仕様である割合が最も高いのが通知です。Slackの通知のトラブルシューティングには、ブラウザの項目の末尾に短い注記があります。
注 : お使いのブラウザで開いているワークスペースについてのみ通知が届きます。 出典: slack.com
ワークスペースを複数持っている人が「片方だけ通知が来ない」と感じるのは、多くの場合これです。直す対象が存在しないので、設定をいくら見ても変わりません。
それ以外の通知の不着については、確認する場所が層になっています。まずSlack側で通知を一時停止していないか。次にブラウザ側の許可で、Chromeなら設定のプライバシーとセキュリティからサイトの設定に入って権限の通知を、Edgeなら Cookie とサイトのアクセス許可からすべてのアクセス許可の通知を、Firefoxならプライバシーとセキュリティの許可設定にある通知を、Safariなら環境設定のWebサイトから通知を見ます。最後にmacOS側で、システム設定の通知が許可されていて、おやすみモードが入っていないかを確認します。
電源管理モードやパフォーマンス最適化を名乗るアプリが配信を妨げる場合があることも明記されています。心当たりがあれば、無効にするか許可リストに加えます。未読のバッジが消えないという別種の症状には、対象のワークスペースを開いてShiftとEscを押してすべて既読にする、という手順が案内されています。
直っても繰り返すなら、原因は設定の外側にある
ここまでの手順で症状は止まりますが、しばらくすると同じことが起きる、という繰り返しに入る人がいます。その場合、原因は設定ではなく、置き場所にあることがあります。
ブラウザ版は、他の何十というタブと同じ領域を共有しています。拡張機能はすべてのタブに効き、キャッシュもすべてのサイトで共通で、片付けのために保存データを消せばSlackのサインインも一緒に飛びます。1つのタブの都合で全体を掃除し、そのたびにSlackが巻き添えになる。この循環に入ると、Slackを直しているつもりでブラウザを直し続けることになります。
もう1つの繰り返しは、タブを見失う種類です。名前を呼ばれてから探す、切り替えのショートカットが別のタブに当たる、誤って閉じて履歴から戻す。これらは接続の問題ではないので、上のどの手順でも直りません。
この層に効くのは、毎日開くものをタブの列から出して、独立した窓として持つ方法です。SafariのDockに追加も、Chromeのページをアプリとしてインストールも、macOSやブラウザに含まれている機能なので追加の費用は発生しません。任意のURLを同じ手順で扱いたい場合は、Webアプリ化ツールという種類の道具が選択肢になり、何ができるのかはできることに整理されています。作る手順は使い方ガイドで追えます。
判断の材料として数えておくとよいのは、いま毎日開いているサイトの数と、そのうち公式のMacアプリを持っているものの数です。Slackのように公式アプリがあるサービスと、社内の管理画面のように持たないサービスが混在している場合、どこまで同じ方法で揃えられるかは対応サービス一覧で確かめられます。費用が発生するのはどの段階からなのかは料金に、判断に迷いやすい点はよくある質問にまとまっています。
よくある質問
ブラウザでSlackが読み込めないとき、最初に何をすべきですか?
まず⌘+Rで再読み込みし、次にSlackの稼働状況サイトで全体の障害がないかを見ます。どちらでも変わらなければ、ブラウザのキャッシュを消したうえで、シークレットウィンドウで開いてみてください。そこで正常に開くなら、原因は拡張機能か保存データのどちらかに絞れます。
画面は出ているのに新着が自動で届きません。何が起きていますか?
WebSocketの接続が維持できていない可能性があります。この症状では画面にエラーが出ず、再読み込みしたときだけ新着がまとめて表示されます。対処はネットワーク管理者への確認になり、wss-primary.slack.com、wss-backup.slack.com、wss-mobile.slack.comへの接続を検証してもらう手順が案内されています。
ワークスペースを2つ使っていますが、片方の通知だけ来ません。
仕様である可能性が高い症状です。ブラウザで開いているワークスペースについてのみ通知が届く、とSlackが明記しています。両方の動きを取りこぼさずに受け取りたい場合は、デスクトップアプリを使うか、それぞれを独立した窓として常に開いておく形にする必要があります。
急にブラウザからサインインできなくなりました。不具合ですか?
ブラウザのバージョンがサポート終了に達している可能性があります。Slackはサポートが完全に終了したブラウザでは、利用、サインイン、新しいワークスペースの作成、設定の管理ができなくなると明記しています。最低バージョンはChrome 137以降、Firefox 139以降、Safari 26以降、Edge 136以降なので、手元の数字を先に確認してください。