Slackのブラウザ版の費用|無料でできる範囲

Slackのブラウザ版の費用を調べようとすると、そもそも値段が見つからないはずです。理由は単純で、ブラウザ版という独立した商品が存在しないからです。料金表に並んでいるのはフリー、プロ、ビジネスプラス、Enterprise+という4つのプランで、どの入口から開くかは請求の計算に入っていません。

この記事では、無料で使える範囲がどこまでなのかを、公開されている料金表に書かれている条件から線引きします。あわせて、ブラウザのタブを独立した窓にしたいという話にいくらかかるのかも切り離して整理します。この2つを混ぜて考えると、どちらの金額を見ているのか分からなくなって結論が出ません。

入口を変えても、Slackの請求は1円も動かない

最初に確定させておくと迷わなくなる事実があります。Slackの料金はワークスペースのメンバー1人あたりの月額で決まっていて、単価はブラウザで開いてもデスクトップアプリで開いても同じです。ブラウザ版に割引はなく、アプリに追加料金もありません。

なぜこうなっているかというと、プランの区分がメンバーに紐づいているからです。ある人が有料プランのワークスペースに所属していれば、その人がどの画面から入っても有料プランの機能が使えます。フリープランのワークスペースであれば、高性能なMacに公式アプリを入れても、フリープランの範囲のままです。料金を決めているのは所属であって、道具ではありません。

ここを押さえておくと、費用の質問が2つに分解できます。1つは「Slackにいくら払うか」で、これは人数とプランで決まります。もう1つは「タブを窓にするのにいくらかかるか」で、これは選ぶ手段で決まります。前者は入口を変えても動かず、後者だけが選択によって動きます。動かないほうを先に確定させてから、動くほうを考えるのが順番として速いです。

なお、ブラウザ版を選ぶと節約できるものが1つだけあります。Macのストレージです。アプリの実体を置かないので容量を使いません。ただし削減できるのはそれだけで、料金には反映されません。

無料の線は2本あり、片方は見落とされやすい

フリープランは「ずっと無料」と明記されていて、金額は0円です。ただし範囲には条件が付いています。料金表には次のように書かれています。

90 日間のメッセージ履歴 メッセージは 90 日間保存され、検索可能です。過去 12 か月分のメッセージにアクセスするにはアップグレードが必要です。 出典: slack.com

ここで引かれている線は90日です。それより古いメッセージは、フリープランでは見えません。

見落とされやすいのはもう1本の線です。同じ料金表のデータ保存ポリシーの行には、フリープランでは1年後にデータが削除される、有料プランではデフォルトで永続的に保持され設定変更も可能である、と書かれています。90日は「見えるかどうか」の線で、1年は「残っているかどうか」の線です。

この違いは、あとで有料プランに切り替えるつもりがある場合に効いてきます。90日より古いメッセージは見えないだけなので、アップグレードすれば過去12か月分に手が届きます。一方、1年を過ぎて削除されたものは戻りません。フリープランで運用しながら「いつか必要になったら払えばいい」と考えている場合、猶予は90日ではなく1年だと理解しておく必要があります。

フリープランで使える範囲を、条件ごとに並べる

金額以外の条件も料金表に一覧で載っています。ブラウザ版で使う場合も、この条件がそのまま適用されます。

項目 フリープランの条件
メッセージ履歴 90日間
データの保存 最大1年間(その後は削除)
連携できるアプリ 10個まで
ハドルミーティング 1対1のみ
Slackコネクト(社外とのやりとり) 1対1のダイレクトメッセージのみ
ワークスペース 1つ
投稿権限の管理 #generalチャンネルのみに限定
サポート 年中無休・24時間

見比べると、フリープランは機能を細く削ったものではないことが分かります。チャンネル、検索、音声クリップと動画クリップ、canvas、リスト、ワークフロービルダーといった中心的なものは含まれていて、2要素認証やセッションの有効期限のようなセキュリティの項目も入っています。制限がかかっているのは、期間、数、人数という「量」の側です。

サポートの行も、意外に思われる部分です。フリープランであっても、カスタマーサポートへのアクセスは年中無休・24時間と記載されています。有料プランで変わるのは初回対応の速さで、プロとビジネスプラスには4時間以内の初回対応を保証する旨が、Enterprise+にはそれを優先対応とする旨が書かれています。無料だから問い合わせ先がない、という構造にはなっていません。

量の制限のうち、実際につまずきやすいのはハドルの行です。1対1のみという条件なので、3人以上で話そうとした時点で止まります。連携アプリの10個という上限も、App ディレクトリに2,600種類を超えるアプリが並んでいることを思えば、使い始めると早い段階で触れます。

有料にするといくらか、そして割引の条件

日本円で表示した料金表の数字は次のようになっています。表示は消費税が該当する場合は別途という前提です。

プラン 月払い 年払い
フリー 0円 0円
プロ 1人あたり月額1,050円 1人あたり月額925円
ビジネスプラス 1人あたり月額2,160円 1人あたり月額1,920円
Enterprise+ 営業への問い合わせ 営業への問い合わせ

プロに上げると、メッセージ履歴が無制限になり、アプリの連携数の上限がなくなり、ハドルがグループで使えるようになり、Slackコネクトが最大250のOrGが参加できる形に広がります。つまり、フリープランで制限されていた「量」の行が、そのまま外れる構成です。

料金表には期間限定の割引も掲載されています。プロとビジネスプラスについて、3か月間50%オフという表示です。ただし条件が明記されていて、チームの作成から7日以内にオンラインで購入する必要があり、年払いのプランやEnterprise+へのアップグレードには適用されず、利用は1顧客につき1回のみとされています。割引期間の後は標準の料金に戻ります。すでに何か月も使っているワークスペースには効かない条件なので、金額を比べるときは割引前の数字で見ておくほうが安全です。

月払いと年払いの差も、人数が増えると無視できなくなります。プロの場合、月払いの1,050円と年払いの925円では1人あたり月125円の差があり、1年では1,500円になります。10人のチームなら年15,000円です。ただし年払いは先に1年分を確定させる形なので、メンバーの入れ替わりが多い時期に締めると、使わない分を抱えることになります。人数が安定してから年払いに移すほうが、差額を素直に受け取れます。

計算の単位にも注意が要ります。これらは1人あたりの月額です。5人のチームで年払いのプロを使えば、月額は925円ではなく4,625円になります。人数で増える性質の支出だという点は、あとで出てくる「台数で増える支出」と混ざりやすいので分けておきます。

タブを窓にする側は、0円の経路が2つある

ここからが、選択によって金額が動くもう一方です。ブラウザのタブに置いているSlackを、Dockから一発で開ける独立した窓にしたい、という話にいくらかかるかを整理します。

追加費用が発生しない経路が2つあります。1つはmacOSに含まれるSafariの「Dockに追加」です。OSの機能なので、使っている時点で支払いは発生しません。もう1つはChromeの「ページをアプリとしてインストール」で、これもChrome本体の機能です。どちらも独立したウインドウとDockのアイコンが手に入ります。

Slackに限っていえば、3つ目の無料の経路もあります。公式のデスクトップアプリです。無償で配布されていて、ブラウザ版で制限されていた通知の範囲もここでは広がります。動作条件としてmacOS 13以降とアプリのバージョン4.44以降が必要なので、条件を満たすMacで、ソフトウェアの導入が許されているなら、まずこれを試すのが順当です。

費用が発生しうるのは4つ目の経路だけです。任意のURLを独立したmacOSアプリに変える汎用の道具を使う場合で、この種のWebアプリ化ツールは買い切りと月額に分かれています。ここが唯一、比較して選ぶ意味のある層です。何にいくらかかるのかは料金に整理されているので、上の3つで足りるかどうかを先に確かめてから見ると、判断が短く済みます。

金額として請求されない費用のほうが大きいことがある

支払いが0円でも、負担がゼロとは限りません。ここを数えておかないと、無料の経路を選んだのに結局やめてしまう、ということが起きます。

1つは、手段がばらついたときの負担です。Slackだけ公式アプリ、社内の勤怠システムはSafari、取引先の管理画面はChrome、という状態にすると、作り方も消し方も更新の通知も全部違うものが同時に並びます。金額は0円のままですが、覚えておくことは3通りになります。

2つ目は、探す時間です。Slackを1日に20回開く人が、毎回タブの列から目的のものを探しているとすれば、その積み上げは料金表のどこにも出てきません。出てこないので比較の対象にもならず、結果として放置されます。

3つ目は、片付けの手数です。ブラウザの保存データを消すと、Slackのサインイン状態も一緒に消えます。1つのサイトの都合でブラウザを掃除するたび、無関係なサービスまで巻き添えになり、入り直す作業が発生します。窓を分けておくと、この巻き添えが減ります。

何個を窓にするかで、判断の重心が移る

費用の判断は、対象が1つなのか複数なのかで性質が変わります。

Slack1つだけを窓にしたいのであれば、公式のデスクトップアプリで完結します。無償で、通知の範囲も広く、ここに費用をかける理由はほとんどありません。ブラウザ版を選ぶ理由が「アプリを入れられない」だった場合は、SafariのDockに追加かChromeのアプリとしてインストールが次の候補になります。これも0円です。

毎日開くサイトが5個を超えたあたりから、判断の重心が金額から統一性へ移ります。同じ手順で作れること、同じ場所に並ぶこと、同じ手順で消せることの価値は、対象が増えるほど大きくなるからです。どのサービスがこの形で扱えるのかは対応サービス一覧にまとまっているので、自分が毎日開いているものが何個そこに載っているかを数えると材料になります。

もう1つの分かれ目は、公式のMacアプリを持たないサービスがいくつあるかです。Slackには公式アプリがありますが、社内の管理画面や業務システムには存在しないことがほとんどです。持たないものが多数派なら、全部をまとめて扱える手段に寄せたほうが手数が減ります。具体的に何ができるのかはできることに、作る手順は使い方ガイドにあり、費用の前に確かめておきたい点はよくある質問でも扱われています。

進め方の順番はこうなります。まずSlackのプランを確認して、90日と1年の線に自分の使い方が触れるかを見る。次に公式アプリが入れられるかを確かめる。入れられないなら標準機能で窓にしてみる。そのうえで、毎日開くサイトを書き出して、同じ扱いにしたいものが何個あるかを数える。有料の道具を検討するのは、この数が出てからで間に合います。

よくある質問

ブラウザ版だと料金は安くなりますか?

変わりません。Slackの料金はワークスペースのメンバー1人あたりの月額で決まっていて、ブラウザで開くかデスクトップアプリで開くかは請求に影響しません。ブラウザ版という独立した商品が存在しないためです。節約できるのはMacのストレージだけで、金額には反映されません。

フリープランのまま、どこまで使えますか?

メッセージ履歴は90日間まで検索でき、連携できるアプリは10個まで、ハドルミーティングとSlackコネクトは1対1のみ、ワークスペースは1つです。チャンネル、検索、canvas、リスト、ワークフロービルダーといった中心的な機能は含まれており、2要素認証などのセキュリティ項目も使えます。

90日を過ぎたメッセージは消えてしまうのですか?

90日は「検索して見られる範囲」の線です。それとは別に、フリープランではデータが1年後に削除されると明記されています。90日より古いものはアップグレードすれば過去12か月分まで見られますが、1年を過ぎて削除されたものは戻りません。

Dockから開けるようにするのに費用はかかりますか?

無料の経路が複数あります。Slackの公式デスクトップアプリは無償配布で、macOS 13以降とアプリのバージョン4.44以降が条件です。アプリを入れられない場合も、SafariのDockに追加やChromeのページをアプリとしてインストールで独立した窓を作れます。費用が発生するのは、任意のURLを同じ手順で扱う汎用のWebアプリ化ツールを選んだ場合だけです。

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