trello mac appはApp Storeだけ|入れる前に見る3点

trello mac appを探すと、Mac版のアプリはすぐ見つかります。無料で、掲載も続いています。それでも判断が終わらないのは、入れたあとに何が変わるのかが書かれていないからです。ボードがタブの海に沈む、通知がどこに出ているか分からない、この2つを片づけたくて調べている人がほとんどで、その用途に対して入手先・動作条件・オフラインの3点は、事前に知っておかないと選び直しになります。

入手先はMac App Storeの1本だけ

公式の案内は明快で、Mac版はMac App Storeから、Windows版はMicrosoftのストアから配ると書かれています。公式サイトにディスクイメージが置かれているわけではありません。

App Storeの掲載を見ると、提供元はTrello, Inc.、区分はビジネス、価格は無料、サイズは148.5MB、掲載されている版は2.16.7です。ここから入れると、更新はAppleの経路に乗り、そのMacにサインインしているApple Accountに紐づきます。

配布経路が1本しかないことは、その経路が使えるうちは何の問題もありません。困るのは、会社から支給されたMacでApp Storeの利用が止められている場合や、共用の端末で個人のApple Accountをサインインさせたくない場合です。提供元によっては直接ダウンロードできるファイルを別に置いていますが、このサービスにはその逃げ道がありません。App Storeが塞がれている端末では、公式アプリという選択肢がその時点で消えます。

順番としては、macOSの版を調べる前にApp Storeを開いて、インストールのボタンが反応するかを見るのが早いです。反応しなければ、残るのはブラウザで使うか、ブラウザを土台にした独立したアプリを作るかの2つになります。

動作条件の数字が、2か所で食い違っている

必要なmacOSの版は、公式の2か所に別々の数字で書かれています。

記載場所 書かれている条件
Mac App Storeの掲載 macOS 12.0以降が必要
公式ヘルプのデスクトップアプリの頁 macOS(11.0以上、64ビットのみ)

実際にインストールの可否を決めるのはApp Storeの掲載です。ヘルプの記載を見てmacOS 11のMacで入れようとすると、ストアの側で止まります。ヘルプの数字は以前の状態のまま残っているとみるのが自然です。

判断の材料としては、このMacについてを開いてOSの版を確かめ、12.0を下限として扱うのが確実です。それより前の版で使い続けているMacでは、公式アプリの話はそこで終わります。ブラウザを土台にする作り方なら、下限は「入っているChromium系ブラウザが動くかどうか」に置き換わるため、古い機種でも道が残ります。

食い違い自体は珍しいことではありませんが、そこから読み取るべきことは1つあります。最低OSの条件は、書き換えられる側の都合で上がります。いま動いているMacが来年の版も動かせる保証はなく、ブラウザの側に寄せておくほうが、機種の寿命は長くなります。

デスクトップアプリでも、オフラインでは使えない

アプリを入れる理由として最もよく挙がるのが「回線が切れても使える」です。このサービスでは、その理由が提供元によって明確に否定されています。

Web版のTrelloと同様、Trelloのデスクトップ アプリにはアクティブなインターネット回線が必要で、オフライン同期はサポートされません。 出典: support.atlassian.com

この1文で、判断の形が変わります。飛行機の中でも、トンネルに入った電車でも、電波の届かない建物でも、入れたアプリとブラウザのタブは同じように止まります。148.5MBを使って手に入るものの中に、回線が切れたときの粘り強さは含まれていません。

残るのは、窓の扱い、通知の出方、キーボードからの呼び出しの3つです。これは値打ちのある3つですが、それ以上でもありません。移動中にボードを開く前提で入れると、いちばん困る場面で当てが外れます。回線が要ることを先に織り込んでおけば、どの経路を選んでも同じ土俵で比べられます。

入れることで増えるもの

デスクトップ版だけの機能は公式に列挙されています。あいまいに語るより、そのまま並べたほうが判断が早くなります。

  • Dockのアイコンに未読の印を出す、OS側の通知
  • どのアプリを使っていても呼び出せるショートカット(Macは⌘+Option+T)
  • 対応するMacBook ProのTouch Barからの操作(新しい窓、任意のボードへのカード追加、履歴の前後移動)
  • 専用のメニューバーと、独自のキーボードショートカット、既定のボードを決める設定

このうちTouch Barの項目は、その部品を積んだMacBook Proにしか効きません。手元の機種に無ければ、この行はそのまま消えます。

一方、どこからでも呼び出せるショートカットは、ブラウザ側の窓では作れない種類の機能です。既定のボードを決められる設定も、毎朝同じボードから始める使い方には効きます。

誤解されやすいのは通知です。ブラウザに置いたままだと通知が受け取れないと思われがちですが、独立した窓として作ったアプリにも、自前のDockアイコンがあり、土台のブラウザ経由でWeb通知が出ます。印の付き方は同じではありませんが、タブを見張らずにカードの動きに気づくという目的なら足ります。

通知の宛先がアプリ単位になると、集中モードが効く

見落とされやすい違いが、通知をどの名前で受け取るかです。macOSの通知の設定も、集中モードで通知を許可する相手の指定も、アプリ単位で並びます。ボードをブラウザのタブに置いている間、この一覧に出てくる名前はブラウザです。

その結果、通知の扱いが粗くなります。ボードの動きだけを通したいのに、許可の単位はブラウザ全体なので、調べもので開いたニュースサイトの通知も、別の管理画面の通知も、同じ扱いで一緒に入ってきます。逆に集中したくてブラウザからの通知を止めると、ボードの動きも一緒に止まります。片方だけを選ぶことができません。

独立したアプリにすると、この一覧に別の名前で並びます。集中モードの許可する相手にそのアプリだけを入れれば、原稿を書いている間もボードの通知は届き、他のサイトの通知は入らない、という分け方ができます。会議の時間帯だけ止めることも、アプリ単位でできます。公式のMac版を入れた場合も、ブラウザを土台にして作った窓の場合も、この点では同じ扱いになります。

もう1つ、通知をどこで押すかも変わります。ブラウザの通知から入ると、開くのは既にタブが並んだ窓なので、押した先で目的のボードを探し直すことになります。アプリの窓から入れば、そこにあるのはボードだけです。1日に何度も通知が来る使い方ほど、この差は積み上がります。

タブに置いたままだと、何が起きているか

入れるかどうかを迷う人が実際に困っているのは、機能の不足ではなく置き場所です。ボードは20枚のタブの中に混ざり、アイコンだけになって並び順も変わります。Command+Tabで戻れる相手はブラウザ全体で、ボードそのものではありません。検索した資料や取引先の管理画面と同じ窓に同居しているため、調べものをするたびにボードの位置がずれます。

独立した窓にすると、この3つが同時に消えます。Dockに自分のアイコンが並び、Command+Tabの列に独立して現れ、他のタブと入れ替わりません。これは公式アプリでも、サイトをアプリにする道具で作った窓でも同じで、違いは入手先と動作条件、そして次の節のアカウントの扱いのほうにあります。

複数のワークスペースを行き来する使い方

Trelloの使い方は、1つのワークスペースに収まらないことが多くなります。取引先のワークスペースにゲストとして入りながら自分のものを持つ、案件ごとにボードを分ける、個人の板と誰か別の人が持つ共有の板を並行して見る、といった形です。

同じアカウントに属するワークスペースなら、1つの窓の中で切り替えられます。問題は、アカウント自体が別のときです。インストールしたアプリが保てるサインイン状態は1つなので、もう一方を見るにはサインアウトして入り直すことになり、これが1日に何度も発生します。

ブラウザのプロファイルは、この用途のために用意された仕組みです。プロファイルごとに独立したアプリを作れば、アイコンが2つ、窓が2つ、セッションが2つになり、取引先の板と自分の板を同じ画面に並べられます。1つのアプリを入れる形では、この並べ方はできません。

拡張機能も同じ側に付いてきます。パスワード管理、画面の切り抜き、カードの題名を読む時間計測など、ブラウザに入れて日常になっているものは、窓の中身がブラウザそのものなのでそのまま動きます。実行環境を同梱する作りのアプリは空のプロファイルから始まるため、この部分は引き継がれません。何が引き継がれて何が引き継がれないかはできることに整理されており、作る手順は使い方ガイドにまとまっています。300以上のプリセットからすぐ作れるので、URLとアイコンを自分で集める作業も要りません。実際に何が並んでいるかは対応サービス一覧で確認できます。

料金の上限は、アプリを入れても動かない

最後に、実務で先に当たるのは機能ではなく上限です。公開されている数字は具体的です。

プラン 価格(1人あたり月額) 主な上限
Free $0 ワークスペースあたり10ボード、1ファイル10MB、コマンド実行250回/月
Standard $5(年払い)/$6(月払い) ボード無制限、1ファイル250MB、コマンド実行1,000回/月
Premium $10(年払い)/$12.50(月払い) コマンド実行無制限
Enterprise $17.50(年払い、1人あたり年$210) ワークスペース無制限

Power-Upsはボードに付く仕組みなので、どの経路から開いても同じように動きます。公式アプリで使えてブラウザで使えない、という差はここにはありません。

先に天井に当たりやすいのは、月250回のコマンド実行のほうです。自動化のルールは裏側で静かに消費するため、気づいたときには止まっています。無料枠の10ボードも、仕事と私用を分け始めると数か月で埋まります。どちらの数字も、アプリを入れたかどうかでは動きません。入れるかどうかは窓とキーボードの話、契約をどうするかは容量の話で、片方を決めても、もう片方は残ります。

決める順番としては、App Storeが使えるか、OSの版が12.0以降か、アカウントが1つか、の3つです。3つとも当てはまるなら公式アプリが最短で、どれか1つでも外れるなら、ブラウザ側から独立した窓を作る形のほうが後戻りが少なくなります。

よくある質問

Mac版はどこからダウンロードしますか?

公式の案内では、Mac版はMac App Storeから、Windows版はMicrosoftのストアから配布されています。公式サイトに直接ダウンロードできるファイルは置かれていないため、App Storeが使えない端末では、ブラウザで使うか、ブラウザを土台にした独立したアプリを作るかになります。

必要なmacOSの版はいくつですか?

App Storeの掲載はmacOS 12.0以降、公式ヘルプはmacOS 11.0以上(64ビットのみ)と書かれており、数字が食い違っています。実際にインストールの可否を決めるのはApp Storeの側なので、12.0を下限として考えるほうが確実です。

デスクトップアプリならオフラインでも使えますか?

使えません。公式ヘルプに、デスクトップアプリもWeb版と同様にインターネット回線が必要で、オフライン同期には対応しないと明記されています。アプリを入れて得られるのは窓の分離と通知とショートカットで、回線が無い場所での作業ではありません。

1台のMacで2つのアカウントを同時に開けますか?

インストールしたアプリ1つでは開けません。保持できるサインイン状態が1つだからです。同じアカウント内のワークスペースは切り替えられますが、アカウントが別なら、ブラウザのプロファイルを分けてそれぞれから独立したアプリを作る形が現実的です。

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