Uniteがうまくいかないとき|確かめる順番

作ったアプリでページが真っ白になる、日本語の変換中に文字が飛ぶ、押したはずのリンクが別のブラウザで開く。こうした症状に当たったとき、いちばん時間を失うのは設定画面を手当たり次第に開くやり方です。この種の道具の不具合には出やすい順番があり、公開されている更新履歴を追うと、どの層で何が起きやすいかがはっきり分かります。順番どおりに確かめれば、多くは最初の2手で片が付きます。

最初にやること、サイト側かアプリ側かの切り分け

手を動かす前に1つだけ確認します。同じURLをSafariで開いて、同じ症状が出るかどうかです。Safariでも同じなら、原因はサイト側の変更か、アカウントの状態か、回線です。アプリの設定をいくら見ても直りません。

この切り分けが効くのは、UniteがWebKitを土台にしているからです。同じ描画の仕組みを使っている以上、サイトの実装が変わったことによる崩れは、Safariでも同じように再現します。逆にSafariでは正常なのにアプリだけ崩れるなら、原因は窓の側、つまりアプリに載せている設定か、アプリのバージョンにあります。ここから先の手順は、後者だった場合の話です。

2手目、本体と作成済みアプリの両方に更新を当てる

いちばん当たりの多い原因がバージョンです。本体の更新はメニューから「Check for Updates」で確認できます。見落とされやすいのは、本体を更新しても作成済みのアプリが古いままになり得る点です。設定には作成済みアプリへ更新を自動で適用する項目があり、初期状態では有効になっています。これを切っていた場合、作ったアプリは作られた時点のバージョンのまま動き続けます。手動で追いつかせるには、本体でそのアプリを編集して保存し直します。

更新で実際に何が直ってきたのかは、公開されている履歴を見ると具体的です。

  • 1.3(2026年4月23日)で、CloudflareとAkamaiの保護画面が通らない問題に対処
  • 1.5(2026年6月18日)で、NotebookLMの一部が読み込まれない問題と、全画面動画の再生、ユーザーエージェントの既定値を更新
  • 1.6(2026年7月26日)で、ChatGPTのような画面で入力と応答表示が遅くなる原因を修正
  • 1.7(2026年8月9日)で、タブを閉じたときにまれに落ちる問題を修正
  • 1.8(2026年8月30日)で、ラテン文字以外のキーボード配列での操作と、ユーザースクリプトの引用符の扱いを修正

つまり「特定のサイトだけ挙動がおかしい」という症状の多くは、設定ではなく本体の更新で解決してきた履歴があります。設定を触るより先に、更新を当てるほうが速い理由がここにあります。

3手目、アプリを作り直す

更新を当てても直らない場合、次はアプリそのものの再構築です。本体でそのアプリを開いて編集し、保存し直すと、現行のバージョンに合わせて中身が作り直されます。

この操作が特に効くのは、macOSを大きく上げた直後です。サポート文書でも、OSの更新後に何かが壊れた場合の手順として、本体の更新を確認したうえで、対象のアプリを編集して保存し直すことが案内されています。新しいOSが出た直後は、描画の仕様やウィンドウの扱いが変わることがあり、古い状態で作られたアプリだけが取り残されるためです。

ログインや読み込みで弾かれるとき

ページが途中で止まる、認証の画面が延々と回る、「自動化されたアクセス」として扱われる。この系統はユーザーエージェントの設定を疑います。Uniteにはユーザーエージェントの既定値とサイトごとの切り替えが用意されており、履歴上でもここは何度も手が入っています。1.5では既定値の更新に加えて、SafariやmacOSの更新後に選んだ設定が勝手に戻ってしまう問題が修正されています。設定したはずなのに効いていない、という場合は、いま何が選ばれているかを一度見直す価値があります。

保護サービスの画面で止まる場合は、前述の1.3の修正が該当します。それでも通らないサイトについては、そのサイトだけを既定のブラウザへ転送する設定にして、認証のときだけ本体のブラウザを使う運用も選べます。

キーボードが効かないとき

日本語を使う環境で最も報告が集まるのがこの層です。更新履歴を追うと、どの段階で何が直ったかがはっきりします。

1.2.1(2026年4月6日)では、日本語と中国語の入力に関わるキーボード処理と、Googleドキュメントのようなページ内のテキスト編集にアプリ側の割り当てが割り込む問題が改善されています。同じ版でアドレスバーへ移動する操作と、検索パネルに戻る操作の不具合も直っています。1.4(2026年5月10日)では、シフトキーがアプリ側の待ち受けに吸われて一部のサイトで効かなくなる問題が修正されました。1.7ではタブを行き来する操作が1つ飛ばしになる問題、1.8ではラテン文字以外の配列での操作と、貼り付けが2回実行される問題が直っています。

  • 変換中に文字が消える、確定が効かない場合は、まず本体と作成済みアプリの版を確認する
  • 特定のサイトの中だけで効かない場合は、アプリ側の割り当てとサイト側の割り当てがぶつかっている
  • 割り当ては本体の設定から検索して付け替えられるので、ぶつかっている操作だけを外す

この層は設定でどうにかしようとすると深追いになりがちです。版が古いだけ、という結論が多い領域です。

バッジや通知が合わないとき

Dockの数字が実際の未読と違う、いつまでも古い数字が残る。この症状には仕組みの理解が要ります。サポート文書には、バッジが何を根拠にしているかが明記されています。

Badges reflect the unread count as shown by the website itself. 出典: help.bzgapps.com

つまりDockバッジは、サイトが表示している未読の数をページの中身から読み取る作りです。サイト側が「99+」と出していればDockには99が出ますし、ページを開くまで数を更新しないサイトでは、開いたあとにしか数字が動きません。数字が合わないこと自体が、必ずしもアプリ側の不具合とは限らないわけです。

一方で、明確に修正された例もあります。1.0.2(2026年3月16日)では、Gmailで下書きの数を受信箱の数として表示してしまう問題と、タブのアイコンに古い通知の数が残り続ける問題が直っています。同じ版で、カメラ、マイク、位置情報の許可がセッションをまたいで保持されない問題も修正されました。会議の通知やマイクが急に使えなくなった場合は、この許可の保持が絡んでいる可能性があります。

リンクが違う場所で開くとき

押したリンクが想定と違う場所で開く症状は、リンク転送の設定と、その実装の版に分かれます。設定側では、URLごとにアプリ内で開く、無視する、別のブラウザへ送る、別のアプリへ送るを指定できます。ここで使うパターンにワイルドカードを含めている場合は注意が要ります。1.6で、ワイルドカードを含む指定が意図どおりに一致しない問題が修正されているためです。

既定のブラウザへ送る設定にも修正が入っています。同じ1.6で、この設定を有効にした時点の既定ブラウザに固定されてしまい、あとからmacOSの既定を変えても追従しない問題が直りました。ブラウザを乗り換えたのにリンクが古いほうへ飛ぶ場合は、この版より前を使っている可能性があります。ほかのアプリを呼び出す形式のリンクについては、1.1で対応が入り、1.5で確認の出し方と繰り返しの起動を抑える改善が行われています。

ライセンスと起動で止まるとき

症状が「使えない」ではなく「開けない」場合は、ライセンス側を見ます。登録時に、そのコードはすでに使用済みだという趣旨の表示が出る場合、原因は前のMacで解除していないことです。元のMacで解除の操作を行ってから登録し直すか、そのMacが手元にないなら購入時のメールを添えてサポートに連絡すれば割り当てを解放してもらえます。解除の操作にはインターネット接続が要る点も押さえておきます。

月額のサービス経由で使っている場合は、別の止まり方をします。作成済みのアプリは、30日に一度は本体を開いて契約が続いていることを確認する必要があり、越えると確認を求める表示が出ます。本体を開けば即座に元へ戻ります。本体をほとんど開かない使い方をしていると、心当たりのないタイミングで出てくるので、この条件は覚えておく価値があります。

旧バージョンから移した直後だけ起きること

Unite 6以前で作ったアプリを新しい形式へ移した直後は、移行そのものが原因の症状が出ます。移行で引き継がれるのは、URL、アプリ名、アイコン、表示モード、閲覧データ、保存したパスワード、ブックマーク、履歴、ユーザースクリプトとスタイルです。引き継がれないものが2つあります。旧来のDock Slicesの設定は新しいDock Monitorに置き換わったため作り直しが要り、コンパクトモードは廃止されたため通常モードへ寄せられます。細かい設定の一部も、新しい設定画面で指定し直す必要があります。

移行の一覧に古いアプリが出てこない場合は、置き場所の問題です。検出の対象はアプリケーションフォルダと指定済みの保存先で、それ以外の場所や外付けのドライブに置いてあると自動では見つかりません。その場合は、移行の画面へアプリのファイルを直接ドラッグして追加します。なお移行の操作そのものに有効なライセンスが必要で、移行前に控えを取るための書き出しもライセンスが要る機能です。

順番を守ると、何が減るのか

ここまでを1本の流れに直すと、Safariで再現するかを見る、本体と作成済みアプリに更新を当てる、アプリを作り直す、それでも残る症状だけを層ごとに切り分ける、という4段になります。この順番の利点は、設定を壊さずに済むことです。原因が版にあるのに設定を触ってしまうと、更新で直ったあとも余計な設定だけが残り、次の不具合の原因になります。

同じ症状が別の道具でも起きるのか、道具を替えれば避けられるのかも、判断の材料になります。たとえば描画の土台をどこから持ってくるかで、サイト側の変更に追従する速さは変わります。ブラウザ本体を参照する方式なら、そのブラウザが更新された時点で描画も追いつきます。方式ごとの違いと、その結果として何が自動で直り何が直らないのかはできることに整理されています。

再発を減らす観点では、設定をやり直す回数そのものを減らす手もあります。サービスごとの初期設定が用意されていれば、作り直しのたびに同じ指定を繰り返す必要がなくなります。対応サービス一覧には300以上のプリセットが並び、ワンクリックでアプリを作れる形が示されており、1本を作り直すコストの目安になります。作成と設定の手順そのものは使い方ガイドに、動作条件やライセンスまわりの疑問はよくある質問にまとまっています。

最後に、記録の残し方について1つ。症状が出たら、そのときの本体の版と、作成済みアプリの版と、対象のURLを控えておきます。この3つが揃っていれば、更新履歴と突き合わせるだけで、既知の問題なのかどうかがその場で判断できます。サポートへ連絡する場合も、この3点があるだけで往復の回数が減ります。

よくある質問

作ったアプリでページが真っ白になります。何から確認すればよいですか?

まず同じURLをSafariで開きます。Safariでも同じなら原因はサイト側かアカウント側で、アプリの設定では直りません。Safariでは正常なら、本体の更新を確認し、作成済みアプリにも更新が当たっているかを見ます。設定で自動更新を切っていると、作ったアプリだけ古い版のまま動き続けます。

日本語の変換中に文字が消えたり、ショートカットが効かなかったりします。

この系統は版が古いことが原因の場合が多い領域です。2026年4月6日の1.2.1で日本語と中国語の入力に関わる処理が改善され、5月10日の1.4でシフトキーが一部のサイトで効かなくなる問題が、8月30日の1.8でラテン文字以外の配列と貼り付けの二重実行が修正されています。まず更新を当て、それでも残る場合はアプリ側とサイト側の割り当ての衝突を疑います。

Dockのバッジの数字が実際の未読と合いません。

バッジはサイトが表示している未読の数をページから読み取る仕組みなので、サイトが「99+」と出していれば99が表示され、ページを開くまで数を更新しないサイトでは開いたあとにしか動きません。ただし2026年3月16日の1.0.2で、Gmailの下書き数を受信箱の数として出す問題と、古い数字が残り続ける問題は修正されています。

新しいMacで登録しようとしたら、すでに使用済みだと表示されます。

ライセンスは同時に1台でのみ有効で、前のMacで解除していないとこの表示が出ます。元のMacが手元にあれば、そこで解除してから新しいMacで登録し直します。解除にはインターネット接続が必要です。元のMacが手元にない場合は、購入時のメールを添えてサポートに連絡すれば割り当てを解放してもらえます。

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