Uniteの使い方|アプリを作る前に決めておく4つのこと
Uniteの使い方を調べている人の多くは、操作の手順で困っているわけではありません。サイトのURLを入れて名前を付ければアプリはできます。手が止まるのはその手前で、どのサイトをアプリにすべきか、どの形で作るべきか、通知やログインをどう扱うかが決まっていないからです。決めないまま作ると、作り直しになります。
ここでは、アプリを1つ作る前に決めておくと後戻りしなくなる4点を、公開されている仕様の範囲で並べます。どれを選ぶべきかは書きません。毎日開いているサイトの中身によって答えが変わるためです。
操作の前に、動作条件で選択肢が決まる
最初に確かめるのは手元のMacのバージョンです。現行版の動作条件はmacOS 15以降で、それより古いMacでは入りません。
Requires macOS 15 or greater. Built for Apple Silicon & Intel. 出典: bzgapps.com
公式ページはmacOS 26 Tahoe向けに設計されたと説明しており、Apple SiliconとIntelの両方で動きます。手元のバージョンはアップルメニューの「このMacについて」で確認できます。
ここで下限に届かないと分かった場合、道が閉じるわけではありません。macOS 14以降のMacにはSafariの「Dockに追加」があり、Chromeにはページをアプリとしてインストールする項目があります。どちらもOSやブラウザに含まれているので追加の費用はかかりません。後の章で触れる表示形式や権限の細かい指定はできませんが、Dockに独立したアイコンを出して1つの窓で開く、という目的だけなら足ります。
逆に、動作条件を満たしているMacでも、会社から支給された端末で管理ソフトが入っている場合は、アプリの追加そのものが制限されていることがあります。1本目を作る前に、自分の裁量でアプリを入れられる端末かどうかを確かめておくと無駄がありません。
決めること1:どのサイトをアプリにするか
アプリにする候補は、思いつきで選ぶと外れます。判断の材料になるのは次の3つです。
- 1日に何回開くか
- 1回あたり何分いるか
- そのサイトからの通知を受け取りたいか
回数が多くて滞在が短いものと、回数が少なくて滞在が長いものでは、後で選ぶ表示形式が変わります。チャットや予定表は前者で、1日に20回開いて1回10秒で閉じる使い方になります。社内の管理画面や原稿を書く道具は後者で、開いたら30分以上そこにいます。
通知の要否も先に決めておく項目です。通知を受け取りたいサイトは、ブラウザのタブに置いたままだとブラウザ全体の設定に引きずられます。アプリとして分けると、そのサイトだけ知らせを出して他を黙らせる作り方ができます。
最初の1本は無料で作れるので、いちばん回数の多いサイトを1つだけ選んで試すのが手堅い進め方です。3つも4つも同時に作ると、使い勝手の違いがどこから来ているのか分からなくなります。
決めること2:3つの表示形式のどれで作るか
公式ページが挙げている表示形式は、通常のアプリ、メニューバーのアプリ、サイドバーのアプリの3つです。この選択が、作った後の使い心地をいちばん大きく左右します。
通常のアプリは、Dockにアイコンが並び、Command+Tabの切り替えにも出てくる普通の窓です。長く滞在する道具はここに置きます。
メニューバーのアプリは、画面上部のアイコンから下りてきて、他をクリックすると引っ込みます。Command+Tabの列を占領しないので、1日に何十回も通り過ぎるだけのサイトに向きます。作業中の道具とアプリ切り替えの順番を奪い合わなくなるのが利点です。
サイドバーのアプリは、画面の端に寄せたまま他の作業と並べて表示し続ける形です。書きながら参照する資料や辞書のような使い方が当てはまります。
前の章で数えた「回数」と「滞在時間」を当てはめると、形式はほぼ自動的に決まります。
| 使い方の型 | 向く形式 | 当てはまるサイトの例 |
|---|---|---|
| 回数が多く滞在が短い | メニューバー | チャット、予定表、やることの一覧 |
| 回数が少なく滞在が長い | 通常のアプリ | 管理画面、原稿を書く道具、問い合わせの一覧 |
| 作業中ずっと横に置く | サイドバー | 仕様書、辞書、翻訳、参照用のメモ |
決め方は単純で、「Command+Tabの列に出したいか」と「画面に出しっぱなしにしたいか」の2問に答えれば1つに絞れます。迷ったときは通常のアプリで作り、使い方が固まってから作り直すほうが早く決まります。作り直しは何度でもできるので、最初の形にこだわる必要はありません。
決めること3:権限とログインをどう分けるか
ここが、ブラウザのタブに置いていたときとの違いがはっきり出るところです。アプリごとに権限を管理する仕組みがあり、通知、カメラ、マイク、位置情報をサイト単位で決められます。
注意したいのは通知の許可を出す場所です。同じサイトをブラウザでも開いている場合、ブラウザ側で許可を出してもアプリ側には反映されません。Appleは自社のWebアプリについて、通知の要求にはWebアプリの中で答えるようにと案内しています。
To use this feature, respond to the website's notifications request in the web app, not in Safari. 出典: support.apple.com
包み込んだアプリはブラウザとは別の入れ物として扱われるので、同じ考え方が当てはまります。通知が来ないという相談の多くは、許可を出した場所が違うだけです。
ログインの保管場所が分かれることは、同じサービスの複数アカウントを扱う人には利点になります。仕事用と個人用のアカウントを、それぞれ別のアプリとして作れば、切り替えの操作そのものが消えます。一方で、ブラウザにログイン済みだからアプリでも入れているはず、という前提は成り立ちません。作った直後にログインを求められるのは仕様です。パスワード管理の道具をどう使うかを、作る前に決めておくと1本目で詰まりません。どの権限をどこまで扱えるかはできることに一覧があります。
決めること4:リンクの戻り先をどこにするか
見落とされやすいのが、アプリの中でリンクを押したときの行き先です。公式ページはリンクの振り分けを機能として挙げており、あるアプリで開いたリンクを、ブラウザに戻すのか、対応する別のアプリに渡すのかを決められます。
この設定を決めないまま使うと、チャットのアプリで共有された資料のリンクを押した瞬間にブラウザが前面に出てきて、タブを整理したくてアプリにしたはずなのにタブが増えていく、という状態が起こります。毎日開くサイトが5個以上あるなら、先に方針を1つ決めておくほうが後の手数が減ります。
戻り先の決め方は2つの型に分かれる
1つ目は、アプリの中は作業の場として閉じておき、外部のリンクは全部ブラウザに返す型です。読み終えた資料のタブをブラウザ側でまとめて閉じられるので、資料を読む時間が長い使い方に向きます。2つ目は、対応するアプリを持っているサイトへのリンクはそのアプリに渡し、それ以外だけをブラウザに返す型です。同じサービスを2つの窓で開かずに済むので、アプリの本数が増えてきた段階で効きます。
この2つは、アプリを何本作るかによって有利さが入れ替わります。1本か2本のうちは前者で足り、5本を超えたあたりから後者の手数が少なくなります。最初に前者で始めて、本数が増えた時点で見直す進め方が無理のない順番です。
同じ系統の項目として、ユーザーエージェントの指定と検索エンジンの指定があります。前者は、ブラウザとして認識されないと簡易版のページを返すサイトに当たったときに効きます。後者は、アプリの中で文字を選んで検索したときにどこへ飛ぶかを決めます。どちらも作った後から変えられますが、リンクの戻り先だけは使い始めの体験を左右するので先に決めておく価値があります。
作ったあとに触る設定
4点が決まればアプリはできます。ここから先は、使いながら詰めていく項目です。
- アイコンの変更(サイトのファビコンを元にした候補から選べます)
- 表示倍率の指定(サイトごとに文字の大きさを固定できます)
- 広告の遮断
- ユーザースクリプトとユーザースタイル(見た目や挙動を自分で書き換えます)
- タブの扱い
- 会議の通知やAIの相棒といった、サイトごとの追加機能
この中で最初に触る価値があるのはアイコンと表示倍率です。Dockに10個のアイコンが並んだとき、どれがどのサイトか一目で分からないと、結局ブラウザで探すのと同じ手数に戻ります。細かい設定の当て方は使い方ガイドに手順として書かれており、詰まりやすい点はよくある質問でも扱われています。
費用と、どこまで無料で確かめられるか
金額は使うMacの台数で分かれます。1台が39.99ドル、3台が59.99ドル、5台が99.99ドルで、いずれも継続課金ではなく買い切りです。作れるアプリの本数に上限はなく、不具合の修正と細かな更新、問い合わせ窓口が含まれます。
無料で確かめられる範囲は1本目のアプリです。これが実質の試用にあたるので、前の章で選んだ「いちばん回数の多いサイト」をここで作ることになります。購入後にも14日間の返金枠が案内されています。
割引の経路もいくつか公開されています。前の世代であるUnite 6.xの利用者は最大35%引き、同じ作り手の別のソフトを持っている人も同じ幅の割引、学生向けには20%引きが案内されています。買い切り以外では、月額9.99ドルのサブスクリプション型のバンドルにも収録されており、7日間の無料期間が付きます。すでにそのバンドルを契約している人は、買うかどうかの検討自体が不要になります。契約していない人の場合、4か月で1台分の買い切り価格に並ぶ計算になるので、他の収録アプリも使うかどうかで判断が分かれます。
道具側の費用の考え方は料金にも整理されています。買い切りと月額は性質が違うので、足して比べると結論が出ません。別々に見るほうが早く決まります。
決めた4点は、道具を変えても使い回せる
ここまでの4点は、特定のソフトの設定項目の話に見えて、実際にはもっと上の層にある判断です。どのサイトを独立させるか、どの形で置くか、権限をどこで答えるか、リンクをどこへ返すか。この4つはSafariのDock追加でも、Chromeのインストールでも、別のアプリ化の道具でも同じように問われます。
判断の幅を知る材料として、アプリ化の道具が用意しているサービスの一覧が使えます。対応サービス一覧には300を超えるプリセットからすぐ作れる形で候補が並んでおり、チャット、AI、動画と音楽、生産性、業務と開発、買い物、暮らしといった区分に分かれています。この区分をそのまま自分の使い方に当てると、どの区分のサイトを何個開いているかが見えます。
区分が1つか2つに固まっている人は、その区分に合う表示形式を1つ決めれば作業が終わります。区分が5つ以上に散っている人は、全部を同じ仕組みで扱えるかどうかのほうが効いてきます。同じ操作で開き、同じ場所に並び、同じ手順で消せることの価値は、対象が増えるほど大きくなるためです。
次に手を動かすなら、ブラウザで今開いているタブを書き出して、1日に何回そこへ戻ったかを3日だけ数えてください。回数が最も多い1つが、無料で作る1本目の候補です。表示形式はその1本を1週間使ってから決めても遅くありません。
よくある質問
無料でどこまで試せますか?
最初の1本のアプリは無料で作れます。全機能を確かめたうえで、2本目以降を作る段階でライセンスが必要になります。購入後も14日間の返金枠が案内されているので、実際の使い方に合うかどうかは手元のMacで確かめてから判断できます。
古いmacOSのMacでも使えますか?
現行版の動作条件はmacOS 15以降です。それより古いMacでは入りません。macOS 14以降であればSafariの「Dockに追加」、それ以外でもChromeのページをアプリとしてインストールする機能が使えるので、Dockに独立したアイコンを出す目的だけなら代わりになります。
作ったアプリの表示形式は後から変えられますか?
表示形式は作るときに選ぶ項目です。使い方が変わったときは、同じサイトを別の形式で作り直すのが確実です。作れる本数に上限はないので、1週間ほど使ってから作り直す前提で、最初は通常のアプリを選んでおくと迷いません。
ブラウザでログイン済みのサイトなら、アプリでもログイン状態になりますか?
なりません。包み込んだアプリはブラウザとは別の保管場所を持つので、作った直後にログインを求められます。これは仕様で、同じサービスの2つ目のアカウントを別アプリとして常時ログインさせておけるという利点の裏返しです。