Chatworkのアプリとブラウザの違い|機能差から選ぶ
「chatwork アプリ ブラウザ 違い」で調べる人の多くは、いまブラウザのタブでChatworkを開いていて、デスクトップ版アプリに入れ替えるべきかを迷っています。結論から書くと、この2つは上位互換の関係ではありません。デスクトップ版アプリでしかできないことが3つある一方で、デスクトップ版アプリになると使えなくなる機能も公式に一覧で公開されています。どちらが優れているかではなく、自分の使い方でどちらの制限が痛いかで決める話です。この記事では、その差を公式資料の記述に沿って並べ、そのうえで両方の良いところを取る3つ目の選択肢まで扱います。
入口は2つあるが、上下の関係にはない
Chatworkをパソコンから使う経路は、ブラウザで開く方法と、デスクトップ版アプリを入れる方法の2つです。中身のサービスは同じで、メッセージもタスクもファイルもアカウント側に保存されているため、どちらから入っても見えるものは変わりません。
多くの解説記事は「アプリのほうが動作が軽い」「アプリのほうが通知が届きやすい」といった書き方をします。ただ、通知はブラウザ側でも許可すればMacの通知センターに届きますし、体感の軽さは開いているタブの本数に左右されるため、比較の根拠としては弱いものです。
実際に判断の分かれ目になるのは、体感ではなく機能の有無です。Chatworkを提供するkubellは、デスクトップ版アプリでできることと、デスクトップ版アプリでは使えないことの両方を公式のヘルプに明記しています。この2つの一覧を突き合わせると、迷いどころは驚くほど小さくなります。
なお、Chatworkのサービス名は変わっていませんが、運営会社は2024年7月1日にChatwork株式会社から株式会社kubellへ社名が変わりました。検索で出てくる古い記事と会社名が食い違うのはこのためで、サービスの終了や新規受付の停止ではありません。
デスクトップ版アプリだけができる3つのこと
公式のダウンロードページには、デスクトップ版アプリの利点が短くまとめられています。数えると3つです。
- 複数のChatworkアカウントに同時にログインできる。取引先ごとにアカウントを分けている場合や、法人のアカウントと個人のアカウントを併用している場合に効きます。ブラウザ版では、同じブラウザの同じプロファイル内で2つのアカウントに同時ログインすることはできません。
- GmailやZoomなど他社のコミュニケーションサービスを、同じ窓の中にまとめて置ける。上部のタブとして追加していく形で、Chatworkの窓が簡易的なワークスペースになります。
- スクリーンショット機能。画面の一部を切り出してそのまま共有できる機能で、英語版のダウンロードページには、これらの機能がデスクトップ版でのみ利用できると明記されています。
この3つのうち、実務で決定打になりやすいのは1つ目です。アカウントを2つ使い分けている人にとって、ブラウザ版はログインし直しの往復が毎日発生する経路になります。逆に、アカウントが1つしかなく、他社サービスを同じ窓にまとめる必要もない人にとっては、この3つはどれも空振りになります。
公式が公開している「使えなくなる機能」の一覧
判断を分けるもう一方の材料が、デスクトップ版アプリの制限です。ヘルプには利用できない機能が表で並んでいて、その筆頭がブラウザ拡張機能です。
拡張機能はブラウザの機能を利用するため使用できません。 出典: help.chatwork.com
同じ表には、フォントの変更ができないこと、Google Docsなどログインが必要な外部サービスのプレビューが基本的に使えないこと、認証付きプロキシ環境下での利用が現状サポートされていないことが並びます。
さらに、使えるものの注意が要る項目として、右クリックメニューがブラウザと同じようには動かず文字のコピーや貼り付けなど簡単な操作にとどまること、入力途中の内容はアプリを完全に終了すると保持されないこと、アカウント設定と管理者設定のリンクを押すとブラウザに移動すること、が挙げられています。最後の項目は見落としやすく、デスクトップ版アプリを常用していても、設定を触る場面ではブラウザ側で同じアカウントにログインしている必要があります。
翻訳ツールの拡張機能を入れて海外の取引先とやり取りしている人、パスワード管理の拡張機能でログインを自動化している人、広告や追跡をブロックする拡張機能を前提に運用している人にとっては、この一覧の1行目だけで結論が出ます。
動作条件が、選択肢を先に削る
機能の話に入る前に、そもそも入るかどうかで決まってしまう場合があります。公式のダウンロードページに書かれている条件は次のとおりです。
| 経路 | 条件 |
|---|---|
| デスクトップ版アプリ(Mac) | macOS 12(Monterey)以上。IntelプロセッサとAppleプロセッサの両方に対応 |
| デスクトップ版アプリ(Windows) | Windows 10以上 |
| ブラウザ版 | Google Chrome、Firefox、Safari、Microsoft Edge(Chromiumベース)の最新バージョン |
macOS 11以前のMacを使っている場合、デスクトップ版アプリは選択肢から外れます。この場合はブラウザ版が唯一の道になるため、比較の話は終わり、あとはその窓をどう扱うかだけが残ります。
会社から支給されたMacで、管理者の権限がなくアプリを追加できない環境も同じです。認証付きプロキシを通す環境に至っては、公式が現状サポートしていないと書いているため、無理に入れても目的を達成できません。
一方でブラウザ版の条件は緩く、最新版のブラウザを使っていれば満たせます。Internet Explorerのサポートは2021年9月22日に終了しているため、いま新しく検討する対象には入りません。
検索で出てくる情報が食い違って見える理由
「chatwork アプリ ブラウザ 違い」で調べると、書いてあることが記事ごとに違って戸惑うことがあります。原因は主に3つです。
1つ目は、会社名の変更です。前述のとおり運営はkubellになっており、公式ページのフッターの表記も切り替わっています。古い記事は旧社名のまま書かれているため、別のサービスの話に見えることがあります。
2つ目は、仕様が途中で変わった項目があることです。たとえばWindowsの自動起動については、ヘルプにデスクトップ版アプリのバージョン2.4.0より自動起動されない仕様になったと記載があります。古い記事が「アプリを入れるとパソコン起動時に自動で立ち上がる」と書いていても、現在の挙動とは一致しません。
3つ目は、比較の観点そのものが古いことです。ブラウザ版の通知が届かない、動作が重い、といった説明はかつて実感を伴っていましたが、現在のブラウザは通知もバックグラウンド処理も安定しています。差が残っているのは、上で挙げた機能の有無の部分だけです。
判断に迷ったら、記事ではなく公式のダウンロードページとヘルプの制限一覧を先に開くのが確実です。この2ページだけで、この記事の比較表の中身はすべて確認できます。
拡張機能を残したまま、独立した窓にする
ここまでを整理すると、多くの人が置かれているのは次の状況です。アカウントは1つか2つ、拡張機能は手放したくない、しかしブラウザのタブに埋もれるのは避けたい。この3つを同時に満たす経路が、実は3つ目として存在します。
サイトをアプリにする道具を使い、ブラウザ版のChatworkだけを開く独立したアプリを作る方法です。この種の道具は、ブラウザエンジンを丸ごと同梱するのではなく、すでにMacに入っているブラウザを土台にして、1つのURLだけを開くアプリの実体を用意します。土台がブラウザそのものなので、拡張機能も更新もログイン状態も、そのまま引き継がれます。
できあがったものは、Dockに固有のアイコンで並び、Cmd+Tabの一覧に現れ、Mission Controlでも独立した窓として扱われます。ブラウザを終了しても閉じません。タブに置いていたときの弱点だけが消え、ブラウザの強みは残る形になります。300以上のサービスがプリセットとして登録されていて、URLもアイコンもアプリ名も最初から組になっているため、Chatworkのように定番のサービスなら選ぶだけで作れます。どのサービスが最初から入っているかは対応サービス一覧で確認できます。
土台に選べるブラウザはChrome、Chrome Canary、Chromium、Brave、Microsoft Edge、Vivaldi、Operaの7種類です。Chatworkの推奨ブラウザに含まれるChromeやEdgeを土台にすれば、動作環境の条件も満たしたままになります。作成の手順そのものは使い方ガイドにまとまっています。
アカウントを分けたいときの現実的な組み方
複数アカウントの同時ログインは、デスクトップ版アプリの最大の売りです。ただし、この方式で作ったアプリでも同じことができます。理屈が違うだけです。
この方式では、作ったアプリ1つずつに独立したブラウザプロファイルが割り当てられます。Cookie、ログインセッション、履歴、キャッシュがアプリ間で完全に分かれるため、同じChatworkのURLから2つアプリを作れば、それぞれ別のアカウントでログインした状態を保てます。片方でログアウトしても、もう片方は残ります。
拡張機能もアプリごとに有効と無効を切り替えられるので、取引先とのやり取り用のアプリにだけ翻訳の拡張機能を入れ、社内用のアプリには入れない、といった分け方ができます。デスクトップ版アプリでは拡張機能そのものが使えないため、ここは差が出る部分です。
通知については、作ったあとに1回だけ設定が要ります。ブラウザ版のChatworkは初回に通知の許可を求めるので、そのアプリの窓の中で許可すると、ブラウザではなくそのアプリの名前でmacOSに登録されます。以後はシステム設定の通知欄で、他のアプリと同じようにスタイルやサウンドを個別に調整できます。分離がどこまで効くかを含めた機能の範囲はできることに一覧があります。
使い方から逆算して、どれを選ぶか
判断の順番を固定すると迷いません。上から順に見て、当てはまった時点で答えが出ます。
- macOS 11以前を使っている、または管理者権限がなくアプリを入れられない … ブラウザ版一択です。あとはその窓を独立させるかどうかだけを決めます。
- ブラウザ拡張機能を業務で使っている … デスクトップ版アプリでは使えないため、ブラウザ版を独立した窓にする形が合います。
- Chatworkのアカウントを2つ以上、常時開いておきたい … デスクトップ版アプリか、プロファイルの分かれたアプリを2つ作る形のどちらかです。
- GmailやZoomも同じ窓にまとめたい … デスクトップ版アプリの連携タブが素直です。
- アカウントは1つ、拡張機能も使っていない … どちらでも支障はありません。常駐するものを増やしたくなければブラウザ版のままで足ります。
この整理で見えてくるのは、デスクトップ版アプリとブラウザ版の争点が「拡張機能を取るか、連携タブを取るか」に収束するということです。前者を取る人は独立した窓を作る方向へ、後者を取る人は公式のデスクトップ版アプリへ進むことになります。作れるアプリの数や有料版との差は料金に整理されており、迷いやすい点はよくある質問にまとまっています。
よくある質問
Chatworkのデスクトップ版アプリは無料で使えますか?
アプリ自体の入手と利用に費用はかかりません。料金がかかるのはChatworkのプラン側で、フリープランは0円、スタンダードは年間契約で1ユーザーあたり月700円(税抜)、プロフェッショナルは同じく月1,200円(税抜)です。アプリを入れてもプランの内容は変わりません。
ブラウザ版だと通知が届かないというのは本当ですか?
初回に通知の許可を出していれば届きます。許可を一度拒否したまま忘れているのが、ブラウザ版が静かなままになる典型的な原因です。直す場所はChatworkの設定ではなく、ブラウザ側のサイト設定とmacOSのシステム設定の通知欄になります。
デスクトップ版アプリで翻訳やパスワード管理の拡張機能は使えますか?
使えません。公式のヘルプは、拡張機能がブラウザの機能を利用するためデスクトップ版アプリでは使用できないと明記しています。拡張機能が業務に組み込まれている場合は、ブラウザ版を使う経路を選ぶことになります。
古いMacでもChatworkのデスクトップ版アプリは入りますか?
条件はmacOS 12(Monterey)以上です。それより前のバージョンでは対象外になるため、ブラウザ版を使うことになります。ブラウザ版の条件は最新のChrome、Firefox、Safari、ChromiumベースのMicrosoft Edgeで、アプリ版よりも緩く設定されています。