ショートカットのアイコンを作る代わりになるもの|手放してよい工程

ショートカットのアイコンを作る作業は、始めると意外に長くかかります。正方形の画像を探し、背景を抜き、複数の大きさに書き出し、貼り付ける。ところが、そこまでやって得られたものが「Dockの左から3番目を押せば開く」だけだった、という結末は珍しくありません。ここでは、絵柄を用意しないで同じ結果に届く手段を並べ、どの工程なら手放してよいかを条件ごとに分けます。

アイコンを作る前に、本当にやりたいことを言い直す

アイコンを作りたい理由は、たいてい次の3つのどれかに収まります。

  • Dockや切り替え画面に並んだ中から、目的のものを見分けたい
  • 押せば一発で開く入口が欲しい
  • 似ている2つを取り違えたくない

この3つは、必要な手段がまったく違います。見分けたいだけなら、絵柄そのものより「隣と違って見えるか」が効きます。入口が欲しいだけなら、絵柄は押す場所の目印でしかなく、位置が固定されていれば絵は何でも構いません。取り違えを防ぎたいときだけ、絵柄の情報量が効いてきます。

自分の目的がどれなのかを先に決めておくと、作業量が変わります。見分けと入口の2つが目的なら、画像を作る工程はまるごと省けます。取り違えの防止が目的でも、必要なのは「別物だと分かる違い」であって、きれいな絵ではありません。同系色の四角が2つ並ぶより、片方に記号が1つ乗っているほうが取り違えは減ります。

逆に、ここを決めずに手を動かすと、1枚の画像に何時間もかけたあとで「位置を覚えたので絵は見ていなかった」と気付くことになります。順番として、先に目的、次に手段です。

絵を描かずに見分けを付ける、macOS側の仕掛け

Finderには、画像を用意しないで見た目を変える経路が用意されています。フォルダに対しては、カラー、記号、絵文字の3つから選んで着せ替えができます。

カラー、記号、または絵文字を使用してフォルダアイコンの外観をカスタマイズしたり、独自のピクチャ、Webからダウンロードしたアイコン、またはほかのファイルやフォルダのアイコンを使用して任意のファイルやフォルダのカスタムアイコンを選択したりできます。 出典: support.apple.com

この経路の利点は、素材を探さなくて済むことです。色を選んで記号を1つ乗せるだけなので、作業は数十秒で終わります。解像度の心配も要りません。システムが用意した記号は、どの大きさで表示されても輪郭が崩れないように作られているためです。

制約もあります。同じ文書には、内蔵のフォルダには適用できないと書かれています。アプリケーション、ライブラリ、システム、ユーザの4つが名指しで挙がっており、ホームフォルダだけが例外として扱われています。日常的に開くのが自分で作ったフォルダであれば、この制約に当たることはあまりありません。

タグも同じ役割を果たします。色付きのタグを付けておくと、Finderのサイドバーから色で絞り込めます。アイコンの絵を変えなくても、探す動作のほうを短くできるという考え方です。見分けが目的なら、まずこちらを試してから絵柄の話に進むほうが、かかる時間が短くて済みます。

サイト側が持っている絵柄を、そのまま受け取る

Webサイトをアプリのように扱う経路では、絵柄を自分で用意しなくても、サイト側が登録している画像が自動で使われます。画像を探す工程と、大きさをそろえる工程が、どちらも消えます。

Safariの場合、メニューバーのファイルから「Dockに追加」を選ぶと、その場でアプリとしてホームフォルダのアプリケーションフォルダに保存されます。絵柄は取り込んだ時点のものが入るため、作業としては名前を確認して追加を押すだけです。あとから変えたくなったときは、アプリ自身の設定画面にアイコンの項目があり、画像ファイルを選び直せます。つまり「まず自動で入れて、気に入らなければ差し替える」という順番が取れます。

Chromiumを使ったブラウザからページをアプリとして入れた場合も、絵柄はサイト側の登録内容から取られます。ここで押さえておくべきなのは、絵柄の決定権がサイト側に残ることです。Chromeのヘルプには、ウェブアプリが名前やアイコンを更新しようとしたときの扱いが書かれています。

ウェブアプリによって画面に表示される名前やアイコンが更新される場合は、Google Chrome から更新に関する通知が届きます。更新の承認、無視、またはアプリのアンインストールを選択できます。 出典: support.google.com

承認を押さなければ見た目は保たれますが、そのたびに判断を求められます。サービス側がブランドを変えるたびに通知が来る前提で選ぶことになります。手元で絵柄を固定したい場合は、この経路よりも、アプリの中身として絵柄を持つ経路のほうが手数が少なくなります。

名前で開いているなら、絵柄は見ていない

開き方の習慣によって、アイコンの価値は大きく変わります。キーボードから名前を打って開いている人にとって、絵柄はほぼ関係ありません。検索窓に2文字か3文字打った時点で候補が絞られ、そのまま決定キーで開くためです。この使い方をしている場合、時間をかけるべきなのは絵柄ではなく名前のほうです。

名前を短く、先頭の数文字を他と重ならないようにしておくと、打鍵数が減ります。同じサービスの本番用と検証用を分けているなら、先頭に区別できる語を置くのが効きます。後ろに付けると、打ち始めた時点では候補が分かれません。

Dockから開いている場合も、実際に効いているのは位置であることが多いです。並び順を変えなければ、指は同じ場所を覚えます。この状態で絵柄を作り込んでも、見分けに使われる情報はほとんど増えません。むしろ、並び順を動かさない運用のほうが、押し間違いを減らします。

切り替えキーで回している場合は、名前が表示されます。絵柄と名前が同時に出るため、名前が適切なら絵柄が似ていても取り違えは起きにくくなります。ここでも、直すべき対象は絵柄ではなく名前の側です。

絵柄以外に、区別の材料になるもの

見分けに使える手がかりは絵柄だけではありません。窓そのものが持つ情報も材料になります。

Safariで作ったWebアプリには、タイトルバーの色をサイトに合わせるかどうかの設定があります。サイト側が指定している色が使われるため、複数のアプリを並べたときに、窓の上端の色だけで手前にあるものが判別できます。絵柄を見ていなくても、窓を切り替えた瞬間に色が変わるので、違う場所に来たことが分かります。

未読の件数を出す仕掛けも、区別の材料になります。同じ文書では、通知を許可したWebアプリについて、未読の件数がDockのアイコンに赤い印として出ると説明されています。この印が付いているかどうかで、同じ絵柄が2つ並んでいても「動きがあるほう」が分かります。ただし、この機能を使うには、通知の許可をブラウザ側ではなくアプリ側で答える必要があると書かれています。

窓の大きさと置き場所も効きます。常に同じ位置、同じ大きさで開くようにしておくと、絵柄を見る前に「これはあの窓だ」と判断できます。作業領域を分けている場合は、置く場所を固定するだけで取り違えがほぼ無くなります。

こうした手がかりは、どれも画像の用意を必要としません。絵柄を作り込む前に、窓の側で区別が付けられないかを見ておくと、作る枚数がさらに減ります。

やりたいことと、いちばん安く済む手段の対応

目的ごとに、最小の手数で済む手段を並べると次のようになります。

やりたいこと いちばん安い手段 要らなくなる工程
フォルダを見分ける カラーと記号を付ける 画像の用意と書き出し
サイトを一発で開く ブラウザからアプリとして追加する 絵柄の用意
名前で開く 名前の先頭を重ならないようにする 絵柄に関する工程すべて
同系色の2つを分ける 片方に記号を乗せる 高解像度の書き出し
見た目を長く保つ 絵柄をアプリの中身として持つ 貼り直しの手間

この表で言いたいのは、手を抜けということではありません。手数の多い経路を選ぶ価値があるのは、いちばん下の行だけだということです。長く保ちたいなら手数は必要で、それ以外の目的なら手数を減らしても結果は変わりません。

作る個数が増えるほど、この差は効いてきます。1個なら手作業でも構いませんが、10個になると、画像を探す工程だけで半日かかることもあります。先に目的を仕分けて、絵柄が要るものだけに絞ると、残りは数分で片付きます。

絵柄の用意を省けない場面

代わりが効かない場面もあります。1つ目は、同じサービスを複数の口で使い分けている場合です。会社用と個人用で同じサイトを開くと、サイト側が持っている絵柄は同じものが入ります。この場合、片方に手を入れないと見分けが付きません。

2つ目は、社内の管理画面や取引先のシステムのように、絵柄が登録されていないサイトです。この種のページは、タブに出る小さな画像すら用意されていないことがあります。自動で受け取れる絵柄が無い以上、自分で指定する以外の道はありません。

3つ目は、更新のたびに元へ戻っては困る場合です。項目に貼り付けた絵柄は、その項目に付属する情報として保存されるため、実体が入れ替わると一緒に消えます。毎月更新が来るものに貼り続けるのは現実的ではありません。絵柄をアプリの中身として持つ経路であれば、この貼り直しは発生しません。

この3つに当てはまらないなら、画像を作る工程は省いて構いません。当てはまるものだけを抜き出して、そこに手数をかけるのが、いちばん短く済む配分です。

独自データから見た、絵柄を自分で用意しなくてよい範囲

サイトを独立したmacOSアプリに変える道具の側には、どのサービスが実際にアプリとして切り出されているかという蓄積があります。240以上のプリセットからすぐ作れる形で登録されている顔ぶれは、名前とURLと絵柄が組になっています。この形で登録済みのサービスについては、画像を探す工程も、大きさをそろえる工程も発生しません。自分が毎日往復しているものが含まれているかどうかは対応サービス一覧で照合できます。

一覧に無いサイト、たとえば社内の勤怠システムのようなものは、自分で画像を指定する経路になります。どこまで指定できるのか、名前や窓の挙動と合わせて何を決められるのかはできることに整理されていて、追加の流れそのものは使い方ガイドに手順としてまとまっています。

費用の形も、個数を決める前に見ておくと判断が早くなります。無料でいくつまで作れるかが分かれば、試す範囲を先に区切れます。買い切りと月額では数年後の総額が変わるため、料金は数を増やす前に確認する項目です。取り込んだあとに絵柄がどう扱われるか、同じサイトから複数作れるかといった運用面の疑問はよくある質問にまとまっています。

次にやることは、絵柄を作ることではありません。毎日開くサイトを書き出して、目的が見分けなのか、入口なのか、取り違えの防止なのかを横に書く。見分けと入口だけの行には、画像の工程を割り当てない。この仕分けを済ませてから手を動かすと、作る枚数は最初に思っていた数より減ります。

よくある質問

フォルダの色と記号だけで、アイコンを作ったことになりますか?

見分けを付けるという目的なら同じ結果になります。色を選んで記号を1つ乗せるだけなので作業は数十秒で終わり、解像度の心配も要りません。ただし対象はフォルダに限られ、アプリケーションやライブラリなどmacOSに内蔵されたフォルダには適用できないと公式の説明に書かれています。

ブラウザからアプリとして追加すると、アイコンは自動で入りますか?

入ります。サイト側が登録している画像がそのまま使われるため、画像を探す工程は発生しません。Safariで作った場合はアプリの設定画面にアイコンの項目があり、あとから別の画像に差し替えられます。Chromiumを使ったブラウザの場合は、サイト側が画像を変えると更新の通知が届き、承認するか無視するかを選ぶ形になります。

画像を用意する工程を省くと、あとで困ることはありますか?

同じサービスを複数の口で使い分ける場合に困ります。会社用と個人用で同じサイトを開くと、自動で入る絵柄は同じものになるため、並べたときに見分けが付きません。この場合だけは片方の絵柄に手を入れる必要があります。使い分けをしていないなら、省いても支障は出にくいです。

名前を整えるのと絵柄を作るのでは、どちらを先にすべきですか?

キーボードから名前を打って開いているなら名前が先です。検索窓に2文字か3文字打った時点で候補が絞られるため、先頭の数文字が他と重ならないようにするだけで開く速さが変わります。絵柄はその場合ほとんど見られていません。Dockから押して開いているなら、位置を固定するほうが先に効きます。

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