サイトをDockに置く選び方|出す対象と作り方の決め方

サイトをDockに置く方法を調べると、手順を書いた記事はいくらでも出てきます。それでも決まらないのは、手順が分からないからではありません。決まっていないのは「どのサイトを出すか」と「どの作り方で出すか」の2つで、この2つが混ざったまま比較表を眺めているうちは結論が出ません。ここでは対象の選定を先に置き、作り方の選定を後ろに回します。上から順に当てはめると、多くの場合は4つ目の条件までで候補が2つか3つに絞られます。

選び方が決まらないのは、2つの問いが混ざっているから

比較記事の大半は作り方の比較です。Safariで作るか、Chromeで作るか、専用の道具を使うか。ところが実際に手が止まる場所はそこではありません。毎日開くサイトが20個あるとして、そのうちどれをDockに出すのかが決まっていないのです。

ここを飛ばすと、作り方をいくら比べても判断材料が出てきません。逆に対象が決まると、そのサイトに必要な性質が自動的に決まります。アカウントを分ける必要があるのか、通知を受け取る側なのか、拡張機能に寄りかかっているのか。この3点が決まれば、作り方の選択肢はほとんど自動的に絞られます。作り方の比較表は、対象が決まったあとに開くと1分で読めます。

もう1つ、対象を決めずに進めると起きることがあります。思いついたサイトを片端からDockに出してしまい、Dockがブラウザのタブの列と同じ状態になることです。タブの中から目的のものを探していた人が、今度はDockのアイコンの中から探すようになるだけで、探す時間は戻ってきません。出す本数に上限を決める話は後ろの節で扱いますが、対象の選定とは要するに、出さないものを決める作業です。

いま用意されている道と、その前提

対象の条件に入る前に、選択肢の側の前提を押さえておきます。前提が変わった道が2つあり、古い手順の記事がそのまま残っているためです。

Safariには、開いているページをそのままアプリにする機能があります。Appleの案内では、この機能を使うにはmacOS Sonoma 14以降が必要だと書かれています。メニューバーの「ファイル」から「Dockに追加」を選ぶ形で、できたものはホームフォルダの「アプリケーション」フォルダに保存されます。ディスク直下の共通のアプリケーションフォルダではない点は、あとで探すときに効いてきます。

Chromeの側は、2024年に項目が2つに分かれました。Chrome 128から、以前の「ショートカットを作成」はデスクトップにブックマークを作る項目に変わり、ウィンドウで開くアプリを作る動きは「ページをアプリとしてインストール」に移っています。手順を書いた記事が2024年より前のものなら、そこに載っているチェックボックスは今の画面にはありません。

3つ目に、URLをDockの右側にドラッグする方法があります。これは置いた瞬間に手順が終わるので手軽ですが、クリックすると既定のブラウザのタブで開きます。独立したウインドウにはならず、ログインもブラウザと共通です。Dockに並ぶという1点だけを満たす方法だと考えておくと、あとで「思っていたものと違う」とならずに済みます。

4つ目が、サイトをアプリにする専用の道具です。対応するmacOSの下限や費用の形は製品ごとに違うので、ここは対象が決まってから見ます。

対象の条件1: そのタブは、閉じられるか

最初の条件は開く回数ではありません。閉じられるかどうかです。

1日に何度も開くサイトでも、用が済めば閉じるものはDockに出しても効果が薄いままです。検索から入って読んで閉じる使い方では、入口がDockに増えても手数は変わりません。効くのは、開いたまま閉じられないタブのほうです。勤怠の打刻、社内のチャット、問い合わせの管理画面、監視のダッシュボード。この種のタブは閉じると困るので閉じられず、閉じられないから他のタブの中に埋もれていきます。

見分け方は簡単です。3日のあいだ、ブラウザを終了しようとしたときに「これは閉じたくない」と思ったタブを控えます。控えたものが常駐タブで、それ以外は候補から外れます。多くの場合、控えたタブは5本前後になります。

常駐タブには、もう1つ共通の性質があります。ブラウザを再起動したときに、必ず開き直す作業が発生することです。前回のタブを復元する設定に頼っていると、復元が効かなかった日に全部が消えます。独立したアプリにしておくと、開き直す作業そのものがDockのアイコンを1回押す動作に変わります。

対象の条件2: 同じサイトを、2つ以上のアカウントで開くか

次に見るのは、そのサイトを複数のアカウントで使っているかどうかです。ここに当てはまる対象は、Dockに出す価値が他より高くなります。タブのままだと、ログインの切り替えが毎回発生するからです。

Safariで作ったアプリは、Safari本体とデータを共有しません。Appleの案内には、閲覧履歴、Cookie、Webサイトデータ、設定情報はSafariと共有されないと明記されています。裏を返すと、同じサイトから名前を変えて2つ作れば、それぞれに別のアカウントでログインした状態を保てます。作った直後にログイン画面が出るのも同じ理由で、不具合ではありません。

Chromeで作る場合は、アカウントの分離はプロファイルの分離とひとまとまりになります。先にプロファイルを分け、それぞれのプロファイルからインストールする流れです。手順が1段増えるかわりに、ブラウザ側のログインと足並みが揃います。

逆に、アカウントが1つしかないサイトでは、この条件は効きません。条件1で残ったものだけを見て、そのうち複数アカウントのものを優先候補に回す、という使い方をします。

対象の条件3: 通知を待つ側か、自分から開く側か

3つ目は、そのサイトが通知を送ってくる側か、こちらから開きに行く側かという区別です。

未読の通知の件数が、Dockのアプリアイコンに赤いバッジとして表示されます。 出典: support.apple.com

チャットや問い合わせの管理画面のように、届いたことに気づく必要があるサイトは、この赤いバッジが使えるかどうかで価値が変わります。注意点は許可の出し方です。通知の許可は、Safariの中ではなく、作ったアプリの中で答える必要があります。Safariで許可済みだから届くはず、と考えて待っていると、いつまでも届きません。作ったらまずアプリを開き、通知の確認に答えるところまでを1セットにします。

一方、経理の管理画面や社内の申請システムのように、自分から開きに行くだけのサイトでは通知は関係ありません。この種の対象で効くのは、起動してから使える状態になるまでの速さと、Dockの一覧から一発で戻れることです。通知が要らない対象を、通知の有無で比べても意味がないので、ここで分けておきます。

判断が付かないときは、そのサイトから届くメールの本数を数えると分かります。届いた通知のメールを毎回開いてサイトへ飛んでいるなら、それは通知を待つ側です。

対象の条件4: 拡張機能と、外のログインに寄りかかっていないか

4つ目は、独立させたときに欠けるものがないかの確認です。ここで引っかかると、作ったあとで戻す作業が発生します。

確かめる点は2つあります。1つはブラウザの拡張機能です。パスワードの入力、翻訳、経費の読み取りなど、業務のサイトほど拡張機能と組み合わせて使われています。独立したアプリの中で同じ拡張機能が動くかどうかは製品と作り方で違うので、候補の中で最初に1本だけ作り、ツールバーを見て確かめるのが早道です。

もう1つが外部のログインです。ログインのときにGoogleやMicrosoftの画面を経由するサイトでは、認証の途中で既定のブラウザに飛ぶことがあります。飛んだ先でログインが完了しても、元のアプリに戻ってこない場合があります。これも1回試せば分かるので、候補が複数あるなら外部ログインを使うものから試します。通ればそのまま本命になり、通らなければ条件1で控えた次のタブに移ります。

この2点を先に潰しておくと、あとから「やはりブラウザで開いたほうが速い」と戻る事態を避けられます。作り方ごとに何ができるかはできることに整理されており、作る前に見ておくと確かめる項目が減ります。

何本までDockに出すか

条件1から4を通すと、候補が数本残ります。ここで本数の上限を決めます。目安は3本から5本です。

上限を決める理由は、Dockの幅が有限だからです。アイコンが増えるほど1つ1つは小さくなり、目で探す時間が延びます。タブの列から目的のものを探していた状態が、Dockのアイコンの列から探す状態に移るだけでは、最初の困りごとが解決していません。出す本数を絞るほど、1本あたりの値打ちが上がります。

運用の決め方も先に置いておきます。新しく1本出すときは、1本下ろす。2週間使って一度も開かなかったものは下ろす。Safariで作ったアプリはホームフォルダの「アプリケーション」フォルダにあるので、そこから捨てれば消えます。Dockから外すだけでは本体が残る点に注意します。

下ろす判断が鈍いときは、Dockに出したアプリの数と、ブラウザに残っている常駐タブの数を並べて数えると分かります。両方が増えているなら、独立させたのではなく増やしただけです。

作り方は、対象が決まったあとで選ぶ

ここまでで対象が決まったら、作り方を当てはめます。見る列は4つで足ります。

作り方 前提 データの分かれ方 費用の形
Safariでアプリにする macOS Sonoma 14以降 Safariと分かれる OSに含まれる
Chromeでアプリとしてインストールする Chrome 128以降の項目名 プロファイル単位 ブラウザに含まれる
URLをDockにドラッグする 制限なし 分かれない 費用なし
専用の道具を使う 製品ごとに異なる 製品ごとに異なる 買い切りか月額

読み方は、列に点数を付けるのではなく、行を消していく形です。手元のMacがSonomaに届いていなければ1行目が消えます。アカウントを分ける必要がなく、通知も要らず、ただ入口が欲しいだけなら3行目で足ります。逆に、アカウントを分けたい、アイコンを揃えたい、複数のサイトで同じ作り方を通したいとなると、4行目の検討に入ります。

専用の道具を見るときに確かめる点は3つです。対応するmacOSの下限、作れるアプリの数に上限があるか、費用が買い切りか継続かどうか。この3つは購入の前に公開されている情報で確かめられ、3年単位で見たときの負担は表示価格よりこちらで決まります。費用の形の違いは料金に整理されています。

出す候補を洗い出すときの進め方

最後に、候補を机上で選ぶのではなく、手元の状態から洗い出す手順を置きます。

まず、ブラウザのタブを1度だけ全部書き出します。次に、条件1の「閉じられるか」で分けます。閉じられるものは候補から外し、残ったものに条件2から4を当てます。ここまでで残るのは通常2本か3本です。どのサイトが独立したアプリになりやすいかを先に眺めておきたい場合は、よく使われるサービスをまとめた対応サービス一覧が参考になります。自分が毎日開いているサイトが並んでいれば、同じ形で扱えると判断できます。

次に、残った候補のうち1本だけを先に作ります。複数を一度に作らないのは、条件4で挙げた拡張機能と外部ログインの確認を、1本ずつ通すためです。作る手順そのものは使い方ガイドにまとめられており、迷う場所は名前とアイコンを決めるところくらいです。

1本を1週間使って、ブラウザのタブに戻っていなければ、その形が自分の使い方に合っています。そこで初めて2本目に進みます。戻ってしまった場合は、対象の選定が間違っていたのか、作り方が合っていなかったのかを分けて考えます。前者なら条件1に戻り、後者なら作り方の表の別の行に移ります。進める前に細かい点を確かめたいときはよくある質問に目を通しておくと、作ったあとで気づく類の項目を先に潰せます。

よくある質問

Dockに出すサイトは何本までにすべきですか?

目安は3本から5本です。Dockはアイコンが増えるほど1つ1つが小さくなり、探す時間が延びます。ブラウザのタブから探していた状態がDockから探す状態に移るだけでは、元の困りごとが残ります。新しく1本出すときは1本下ろす、2週間開かなかったものは下ろす、という運用を先に決めておくと本数が保てます。

開く回数が多いサイトを選べばよいのではありませんか?

回数よりも、閉じられるかどうかで選ぶほうが外れません。検索して開いて閉じるサイトは、入口が増えても手数が変わらないためです。効果が出るのは、閉じると困るので開きっぱなしになっている常駐タブのほうです。3日ほど、ブラウザを終了するときに閉じたくないと思ったタブを控えると候補が見えます。

同じサイトを2つのアカウントで使いたいときはどうしますか?

Safariで作ったアプリは閲覧履歴やCookieをSafariと共有しないため、名前を変えて2つ作れば別々のログインを保てます。Chromeで作る場合は、先にプロファイルを分けて、それぞれのプロファイルからインストールします。どちらの場合も、名前とアイコンを分けておかないと開き間違いが起きます。

作ってみて合わなかった場合、元に戻せますか?

戻せます。Safariで作ったアプリはホームフォルダの「アプリケーション」フォルダに保存されるので、そこから捨てれば消えます。Dockから外すだけでは本体が残る点だけ注意します。合わなかったときは、対象の選び方が違ったのか作り方が合わなかったのかを分けて考えると、次の1本で当たりやすくなります。

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