Uniteの代わりになるもの|手放してよい機能の見分け方

毎朝いちばんに開くサイトが、気づくと20枚以上のタブの奥に沈んでいる。Uniteのような道具の代わりを探し始めるのは、たいていこの状態からです。ただし代わりを選ぶ前に決めておくことがあります。Uniteが1本に束ねている十数個の機能のうち、実際に毎日触れているのはどれか。そこがはっきりすると、無料の仕組みで足りるのか、有料の道具が要るのかが、金額を見る前に決まります。

1本に束ねられた機能を、いったん分解する

Unite Proの製品ページが挙げている機能は、大きく4つの層に分かれます。1つ目が窓の形を決める層で、通常のウィンドウ、メニューバー常駐、サイドバーの3つのモードを、同じアプリのまま切り替えられます。2つ目がサイトの見た目を変える層で、ページ内の要素を消す、文字の大きさや色を変える、固定ヘッダーを無効にする、明暗を強制する、といった操作がコードを書かずに行えます。3つ目が挙動を制御する層で、URLごとにリンクの行き先を決めるリンク転送、ユーザースクリプトとスタイル、内蔵の広告遮断、ズーム管理、ユーザーエージェントの自動切り替えが含まれます。4つ目がmacOSとつなぐ層で、Dockバッジ、Googleカレンダーとメールの会議通知、動画の再生速度、AIをメニューバーから呼び出す機能がここに入ります。

動作条件も製品ページに明記されています。Apple Silicon と Intel の両方に対応し、macOS 15 以降を必要とし、macOS 26 Tahoe 向けに作られています。日本語を含む表示言語への対応は、Unite Proで初めて入りました。ここまでを一度に手放すか一部だけ手放すかで、探すべき代わりはまったく変わります。使っているのが「窓の形」だけなら、選択肢は一気に増えます。

Safariの「Dockに追加」が覆う範囲

macOSに最初から入っている仕組みが1つあります。Safariの「Dockに追加」です。Appleのサポート文書によれば、この機能は macOS Sonoma 14 以降で使え、Safariでページを開いて「ファイル」メニューから「Dockに追加」を選ぶだけで、そのページが独立したアプリとして書き出されます。保存先はホームフォルダ内のアプリケーションフォルダで、Dockからも Spotlight からも開けます。

覆う範囲は、思われているより広いです。作られたアプリはSafariから独立して動き、閲覧履歴、Cookie、サイトのデータ、設定を Safari と共有しません。つまりアカウントを分けたいだけなら、この時点で目的は達成されます。名前もアイコンも自由に変えられ、URLも後から差し替えられます。ツールバーに戻る・進む・共有のボタンを出すかどうかも選べ、タイトルバーの色をサイトに合わせるかどうかも指定できます。設定画面のプライバシータブからは、そのサイトのCookieとキャッシュだけを消せます。通知を許可すれば、未読の件数がDockのアイコンに赤い数字で出ます。

  • 費用は0円で、追加の導入作業もない
  • データの分離は、Safariのプロファイルと同じ考え方で最初から効いている
  • Safariの拡張機能は、アプリごとに有効と無効を切り替えられる
  • 削除はホームフォルダのアプリケーションフォルダからゴミ箱へ移すだけ

1つ注意点があります。通知のバッジを使いたい場合、通知の許可はSafari側ではなく、作ったアプリの中で応答する必要があります。Safariで先に許可していると、アプリ側には権限が渡りません。

逆に、割り切られている部分もあります。作られたアプリにはブックマークもタブもなく、それらが必要になったときは共有ボタンから「Safariで開く」を選んで本体に戻る作りです。毎回同じ1ページだけを見る用途にはこれで足りますが、そのアプリの中で何枚かのページを行き来したい場合は合いません。なお、ログイン項目に登録しておけば、Macにログインした時点で自動的に立ち上がります。朝いちばんに開くサイトを1本だけ切り出したい、という目的であれば、この仕組みだけで完結します。

覆わない範囲は、どこから始まるか

境目は「窓を1つ作る」から先にあります。Safariの仕組みは、ページを独立した窓として切り出すところまでを担当します。そこから先の制御は担当していません。

具体的には、メニューバーに常駐させて必要なときだけ引き出す使い方、画面の端に縦長で置き続けるサイドバー、URLごとに「このアプリで開く」「無視する」「別のブラウザに送る」「別のアプリに送る」を決めるリンク転送、ユーザースクリプトとスタイルによるページの書き換え、内蔵の広告遮断、サイトごとのユーザーエージェントの切り替えが該当します。

読みやすさの調整も、この境目の外側にあります。サイトごとにズームの倍率を決めて保存しておく、明るい配色しか持たないサイトを自動で暗い配色に変換する、位置情報を許可するサイトを個別に管理する、といった設定は、作ったアプリの側に持たせる必要があります。ブラウザ全体の設定として変えると、そのブラウザで開く全部のサイトに効いてしまうためです。

バッジの取り方も違います。Safariのバッジは、サイトが送る通知の未読件数を数えます。一方でUniteのDockバッジは、ページの中身から未読の数を直接読み取る作りで、対応先が4つの分類に整理されています。メールがGmail、Outlook、Fastmail、Proton Mail。チャットがSlack、Discord、WhatsApp Web。仕事系がLinear、Jira、GitHub。AIがChatGPT、Claude、Gemini、Grokです。サイト側が通知を出さない種類のページでも数字が出るのは、この読み取り方の違いによります。バッジの数字はサイトの表示をそのまま映すので、サイトが「99+」と出していればDockには99が出ます。

エンジンの違いが効いてくる場面

同じ会社が出しているもう1本の道具と比べると、エンジンの選択が何を左右するかがはっきりします。

Unite uses a custom browser by BZG made specifically for SSBs and powered by Apple's open source WebKit 2 出典: bzgapps.com

公開されている比較表によれば、Coherence X6 は手元にあるChrome系のブラウザを使う方式で、Chrome、Canary、Chromium、Ungoogled Chromium、Opera、Edge、Vivaldi、Helium、Brave に対応します。作られるアプリの大きさは200MB以上で、拡張機能を足すとさらに増えます。対してUniteはWebKitベースの独自エンジンで、アプリ1本あたりおよそ90MBに収まりますが、外部の拡張機能には対応しません。

この違いが効くのは、拡張機能に依存した作業をしている場合です。パスワード管理、文章校正、広告遮断を拡張機能で揃えている人がWebKit方式に移ると、同じ環境は再現できません。ただしUnite側も手当てを進めていて、変更履歴を見ると 1.6(2026年7月26日)で1Passwordからの自動入力がベータとして入り、1.7(2026年8月9日)で複数アカウントの切り替えに対応しています。広告遮断とパスワード管理は本体に内蔵されています。つまり「拡張機能そのもの」が要るのか、「拡張機能でやっていたこと」が要るのかで、結論が変わります。

費用の形が違うと、手放す判断も変わる

Unite Proの購入ページによれば、価格は1台39.99ドルからの買い切りで、そのライセンスが有効なのは 1.x の範囲です。メジャー更新は有償で、購入者には割引が案内される形が明記されています。月額で持つ道は別にあり、Setappの掲載ページでは月14.99ドルから、7日間無料と案内されています。無料で試す範囲は「最初の1本を無料で作り、その1本は使い続けられる」という形です。

判断の分かれ目は、道具に払う金額そのものより、作ったアプリの本数です。1本で足りるなら、無料の範囲かSafariの仕組みで済みます。5本、10本と増えていくなら、1本ずつ設定をやり直す手間のほうが先に効いてきます。

乗り換えるときに手元に残るもの

代わりを試すとき、いまの状態を壊さずに戻れるかは先に確かめておく価値があります。サポート文書によれば、作成済みアプリの閲覧データ、ブックマーク、保存したパスワードは ~/Library/Application Support/ の下に置かれており、Macを移すときはこのフォルダごと運べます。アプリそのものは .uniteconfig ファイルとして書き出せますが、この書き出しと読み込みは有料ライセンスが要る機能です。

Unite 6 から Unite Pro への移行についても、引き継がれるものと引き継がれないものが公開されています。URL、アプリ名、アイコン、表示モード、閲覧データ、パスワード、ブックマーク、履歴、ユーザースクリプトとスタイルは引き継がれます。一方で旧来のDock Slicesの設定は新しいDock Monitorに置き換わったため作り直しになり、コンパクトモードは廃止されて通常モードへ寄せられます。乗り換え先を検討する前に、この2つを使っていたかどうかを確認しておくと、移行後に「無くなった」と気づく事故が減ります。

手放してよい機能を決める順番

ここまでの事実を、選ぶ側の手順に直すとこうなります。まず、いま作っているアプリの本数を数えます。次に、それぞれについて「窓が独立していれば足りるのか」「窓の外の制御が要るのか」を1本ずつ判定します。最後に、制御が要ると判定したものだけを有料の道具に残します。この順番だと、値段の比較は最後に一度だけで済みます。

判定の材料として、同じ分野の道具がそれぞれ何を標準で持っているかを見比べるのは有効です。たとえばブラウザのエンジンを選べるかどうか、プリセットが用意されているかどうかは、設定にかける時間に直結します。各機能が何を指すのかはできることの一覧にまとまっており、対応しているサービスの数と種類は対応サービス一覧で確認できます。この一覧には300以上のプリセットが並び、ワンクリックでアプリを作れる形になっており、サービスごとに毎回URLとアイコンを指定する手間がどれだけ減るかの目安になります。

費用の比べ方にも型があります。買い切りとサブスクリプションを同じ表に並べるときは、単年ではなく数年の合計で見ないと形が揃いません。買い切りは1回、サブスクリプションは年額を年数分という数え方で、3年間の合計を並べた表が料金のページに置かれています。この表では2026年8月時点の各社公式価格を、1ドル159.6円(2026年9月2日)で換算した数字が使われており、Unite Proの3年間はおよそ6,200円として並んでいます。同じ換算で並べれば、月額型の道具との差は数万円単位になります。

最後に、判定そのものに迷う場合の実際的な進め方です。いちばん使っているサイト1本だけを先に切り出して、1週間そのまま使ってみる。それで足りればその方式で全部を揃え、足りなければ何が足りなかったかを控えておく。この1週間で出てくる不足は、たいてい「メニューバーに置きたかった」「リンクが別のブラウザに飛んでほしかった」のどちらかです。作成の手順は使い方ガイドに、動作条件や移行にまつわる疑問はよくある質問にまとまっています。手放してよい機能は、想像ではなく、この1週間で決まります。

よくある質問

Uniteの代わりを探すとき、まず何を比べればよいですか?

値段ではなく機能の重なりです。作ったアプリを独立した窓として使えれば足りるのか、メニューバー常駐やリンクの振り分け、ユーザースクリプトといった窓の外の制御まで要るのかを、アプリ1本ずつ判定します。前者だけならmacOS標準の仕組みで足り、後者があるなら有料の道具が候補に残ります。

SafariのDockに追加した場合、Uniteと同じようにデータは分かれますか?

分かれます。Appleのサポート文書によれば、Safariから作ったWebアプリは閲覧履歴、Cookie、サイトデータ、設定をSafariと共有しません。アカウントを分けたいだけであれば、この時点で目的は満たされます。ただし通知バッジを使うときは、通知の許可をSafari側ではなく作ったアプリの中で行う必要があります。

拡張機能が使えないと、具体的に何が困りますか?

パスワード管理や広告遮断を拡張機能で揃えている場合、同じ環境はそのままでは再現できません。ただしUnite Proは広告遮断とパスワード管理を本体に内蔵しており、2026年7月26日の1.6で1Passwordからの自動入力がベータとして追加されています。拡張機能そのものが必要なのか、拡張機能でやっていた作業が必要なのかで結論が変わります。

いま作ってあるアプリの設定は、乗り換えても残りますか?

作成済みアプリの閲覧データ、ブックマーク、保存パスワードはユーザーのライブラリフォルダ配下に置かれており、Macを移すときはフォルダごと運べます。アプリの構成そのものは書き出しファイルとして保存できますが、書き出しと読み込みは有料ライセンスが必要です。乗り換えを試す前に、まず書き出しで控えを取っておくのが安全です。

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